先回のブログで、奈良一刀彫の極少能人形『大江山』を紹介しました。 この2体の人形は、能『鵺』の物かも知れないと思ったのですが、色々検討した結果、『大江山』だろうとの結論にいたりました。 両者は、よく似ています。 『大江山』は、源頼政によって討たれた酒呑童子(鬼)、『鵺』は頼政によって射られた鵺(亡霊)を主人公にしています。 そして、主人公は、いずれも打杖をもっています(打杖の代わりに扇を持つ流派も有り)。 坂田耕漁「能楽図絵『鵺』」 25.4㎝x37.7㎝。木版。明治37年。 坂田耕漁(明治二(1869)年ー昭和二(1927)年):明治、大正時代の浮世絵師、能版画を多数製作した。 能『鵺』は、…