有田・九谷・瀬戸・京都といった窯業地のいずれにかかわらず、陶磁器はその時代や社会を反映しています。 そこで、私の明治コレクションの紹介をさせていただくにつき、明治陶磁の人物文様と社会との関係を考えてみました。 江戸時代の古伊万里の人物文様は中国人が多く描かれています。例えば七賢人・蘇東坡・寒山拾得・鶴乗仙人・琴高仙人・唐子などです。これは日本文化が中国に由来するので自然な成行きです。 この傾向は明治にも継続していきます。ここでご紹介する明治初期の香蘭社の竹林七賢図大皿や盈進社の唐子文水注は、その一例です。因みに、江戸時代の磁器生産は肥前がガリ バー的な存在でしたが、明治は全国の地方窯競立の時代…