正徳6年4月20日。近頃、熱田でとても疫病が流行る。親類縁者だけではなく、医者までうつるのを嫌がり出かけないほどであると云々。あちこちで死者が出て、書き記すこともできない。先月16日と18日に肴屋紋六の両親が死んでしまう。1日に18、9人ずつ死んでしまう。ただし貧しくて賤しい者ばかりが死んでしまう。近頃、玄海の乞食も800人ばかり死んでしまうと。近頃、藤塚町朝岡半兵衛が井戸を浚うと、インス(金)のつるべ(桶)1つが出てきた。口のさし渡し(直径)8寸(1寸は約3センチ)、深さ8寸。インスではなく赤がね(銅)が金色になったものであった。前の住人鈴木安大夫幸正が、あるとき竹につけた銅のつるべ1つを落…