重粒子線を使った、先端的がん治療法。
・重粒子線治療とは
放射線治療の一種。
痛みが無いため高齢者でもがん治療が可能。
がん病巣を集中的に攻撃する治療方法で、がん細胞の致死作用が大きく、副作用が非常に少ない事で注目を集める。
・他の放射線治療との違い。
ガンマ線、エックス線、電子線などは体外から照射すると、体の表面近くで線量が最大となり、それ以降は深さとともに次第に減少していきます。このことから、一方向からの照射では、深いところにあるがん病巣に十分なダメージを与えようとすると、がん病巣より浅いところにある正常細胞により大きなダメージを与えることになります。これを避けるために、多方向から弱い線量をがん病巣に当て、周りの正常な細胞には少なく当たるようにし、がん病巣の線量が高くなるように照射する技術(多門照射法、強度変調放射線治療など)が開発されています。
一方、粒子線はそのエネルギーによって人体内に入る深さが定まり、その飛程の終端近くでエネルギーを急激に放出して止まります。加速器で粒子のエネルギーを調節し、腫瘍の部分で粒子が止まるようにすれば、この現象を利用して照射の道筋にある正常な細胞にあまり影響を与えないで、腫瘍細胞だけを殺傷することができます。
・治療施設
兵庫県立粒子線医療センター
(独)放射線医学総合研究所 重粒子線医科学センター
群馬大学 重粒子線医学研究センター