うまいなあ、と思う(編集者の技もあるんだろうけど)。 『心の闇に魔物は棲むか』 『顔面考』 『屋根裏に誰かいるんですよ。』 『自殺帳』 『「狂い」の調教』 ・・・・・・ あざとさぎりぎり、なんとも好奇心をそそられる。精神科医がお小遣い稼ぎに書く解説本とは一味違うよ。やたらとマニアックな短編小説や映画を取り上げてはさらりと批評、リーダブルに仕上げさくさく読みやすいのに時折はっとする鋭い一言が放たれる。 無意味なものと不気味なもの (中公文庫) 作者:春日武彦 中央公論新社 Amazon 1 隠蔽された顔――N・ホーソーン『牧師の黒のベール』2 本物そっくり――河野多惠子『半所有者』3 糞と翼――…