訓読 >>> 大君(おほきみ)は神にしませば天雲(あまくも)の雷(いかづち)の上に廬(いほ)りせるかも 要旨 >>> 天皇は神でいらっしゃるので、天雲にそそり立つ雷の上に仮の宮殿を造っていらっしゃる。 鑑賞 >>> 題詞に「天皇(すめらみこと)、雷(いかづち)の岳(をか)に幸(いでま)す時に、柿本朝臣人麻呂が作る歌」とあります。ここでの天皇は天武天皇、持統天皇、文武天皇のいずれかとされます。「大君は神にしませば」の「し」は、強意の副助詞。天皇を現人神(あらひとがみ)として讃える常套句であり、人間にはできない行為を「天雲の雷の上に廬りせるかも」と表現しています。「天雲の」は「雷」の枕詞。「雷」は…