2011年9月、飯館村 当事者でなくても理解し、継承していかなければならないのが歴史の記憶であり、歴史から得られた教訓である。このことは、相当の刹那主義者でもない限り、誰もが承知することだろう。温故知新、過去の蓄積からの学習があってこそ、一部地域に限られるとはいえ現在の我々の平和、安全の生活の実現がある。 しかし、歴史的記憶の継承の度合い、あるいはその教訓を重視する度合いというのは、経験の差、あるいは誰かの経験が生じた地点からの距離といったものに応じて、変わってくる。例えば、日本における太平洋戦争の記憶と言っても、それは陸上戦を経験した沖縄とそれ以外の地域では全くその継承の内容と質が異なる(現…