「社長を扱った作品」の第四弾は、松村直幹『社長になれなかった男』(風雲舎、2009年)。食品トラブルがなぜ起こり、どのように推移したのか? 食品会社における危機管理や社長の役割の重要性が浮かび上がります。北海水産は、小林多喜二の『蟹工船』のモデルになった名門食品会社。同社の歴史・社風・体質に関する叙述が満載されています。実話に基づいた企業ドラマ。 [おもしろさ] 食品トラブルをめぐるドロドロ劇 突如として起きた重大事件の矢面に立たされた、北海水産の専務取締役営業本部長の松川一直。きっかけは、同社が毒まんじゅうを回収し転売したという新聞記事です。マスコミによる一方的な報道を契機に、次から次と息を…