前回の記事の続きです。 精神科には「特定の恐怖症」という疾患があります。高所恐怖症、閉所恐怖症、赤面恐怖症、ゴキブリ恐怖症、ジェットコースター恐怖症(私はこれです)などです。 特定の恐怖症に、薬物療法は原則無効です。もしかしたら抗うつ薬を出すかもしれませんが、9割、私は出しません。恐怖症の患者さんに僕が仕方なく薬を出している場合は全例、以前にヤブ精神科医が効きもしない薬を出していて、患者さんもその薬に依存しているからです。 それでは、特定の恐怖症はどうやって治すのでしょうか。それは行動療法です。「精神疾患はどうすれば治るのか」や「精神科受診のため悪化」で少し説明した療法です。 大雑把にいえば、…