競輪の「高松宮記念杯」の略称。
日本中央競馬会(JRA)が中京競馬場の芝1200mで3月下旬に施行する中央競馬の重賞(GI)競走。
出走条件はサラブレッド系4歳以上(国際)(指定)、負担重量は定量(57kg、牝馬2kg減)。1着賞金は9500万円(2014年)。
1971年、高松宮杯の名称で、中京競馬場芝2000mの競走として創設。1984年、グレード制施行とともにGIIに格付け。6月下旬から7月前半の時期に実施されており、東西の有力馬が多く参戦する夏の名物レースとなっていた(現在の番組でいえば、札幌記念と同じ位置付け)。
1996年の競馬番組改定によりスプリント路線の大拡充が行われ、秋のスプリンターズステークスに対し春にもスプリントの王者を決めるレースが設けられることとなった。1997年まで高松宮杯の名称で施行されていた競走の条件を芝1200メートルに変更し、施行時期も7月から5月に変更、中京競馬場初のGI競走に格上げした上でこの役割を担うこととなった。1998年、現名称に改称。
1998年、高松宮杯競輪において宮家に支払われていた謝礼金が皇室経済法違反との問題となった。これ以降、高松宮家から優勝杯が下賜されなくなったことから高松宮杯という名は使わないこととなり、競輪・競艇と足並みを揃えるように高松宮記念へと名称変更した。現在の正賞は名古屋市長賞、名古屋競馬株式会社賞と日本馬主協会連合会会長賞である*1。
2000年の番組改定でスプリント路線が大幅に変更され、この競走も3月末の開催へと変更となった。2001年の第31回からは国際競走となり、外国調教馬の出走が可能になった。2007年より国際GIに格付け。2011年よりグローバル・スプリント・チャレンジに参加している。
2011年は中京競馬場の改修工事に伴い、阪神競馬場で開催された。
改修前の中京競馬場は左回り・小回り平坦コースと言うこともあって、逃げ・先行馬が有利だったが、改修後はゴール前の直線が100m近く長くなり、2.0%の登り勾配の坂が設けられたことから、芝1200mで行われる本競走でも差し・追い込みが効くようになり、枠順でも外枠が有利になった。
阪急杯(GIII)、オーシャンステークス(GIII)の優勝馬、外国で行われたグローバル・スプリント・チャレンジ対象競走で2着以内となった馬には、本競走の優先出走権が与えられる。地方競馬所属馬は、阪急杯とオーシャンステークスの2着以内馬に優先出走権が付与されるほか、外国で行われたグローバル・スプリント・チャレンジ対象競走のいずれかで2着以内となった馬に出走資格が付与される。
マイルもこなせる有力馬は本競走から安田記念(GI)に向かう。
回数 | 施行日 | 施行距離 | 優勝馬 | 性齢 | 騎手 |
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第27回 | →高松宮杯 | ||||
第28回 | 1998年5月24日 | 中京 芝1200 | シンコウフォレスト | 牡5 | 四位洋文 |
第29回 | 1999年5月23日 | 中京 芝1200 | マサラッキ | 牡6 | 藤田伸二 |
第30回 | 2000年3月26日 | 中京 芝1200 | キングヘイロー | 牡5 | 柴田善臣 |
第31回 | 2001年3月25日 | 中京 芝1200 | トロットスター | 牡5 | 蛯名正義 |
第32回 | 2002年3月24日 | 中京 芝1200 | ショウナンカンプ | 牡4 | 藤田伸二 |
第33回 | 2003年3月30日 | 中京 芝1200 | ビリーヴ | 牝5 | 安藤勝己 |
第34回 | 2004年3月28日 | 中京 芝1200 | サニングデール | 牡5 | 福永祐一 |
第35回 | 2005年3月27日 | 中京 芝1200 | アドマイヤマックス | 牡6 | 武豊 |
第36回 | 2006年3月26日 | 中京 芝1200 | オレハマッテルゼ | 牡6 | 柴田善臣 |
第37回 | 2007年3月25日 | 中京 芝1200 | スズカフェニックス | 牡5 | 武豊 |
第38回 | 2008年3月30日 | 中京 芝1200 | ファイングレイン | 牡5 | 幸英明 |
第39回 | 2009年3月29日 | 中京 芝1200 | ローレルゲレイロ | 牡5 | 藤田伸二 |
第40回 | 2010年3月28日 | 中京 芝1200 | キンシャサノキセキ | 牡7 | 四位洋文 |
第41回 | 2011年3月27日 | 阪神 芝1200 | キンシャサノキセキ | 牡8 | ウンベルト・リスポリ |
第42回 | 2012年3月25日 | 中京 芝1200 | カレンチャン | 牝5 | 池添謙一 |
第43回 | 2013年3月24日 | 中京 芝1200 | ロードカナロア | 牡5 | 岩田康誠 |
第44回 | 2014年3月30日 | 中京 芝1200 | コパノリチャード | 牡4 | ミルコ・デムーロ |
第45回 | 2015年3月29日 | 中京 芝1200 | エアロヴェロシティ | セ7 | ザカリー・パートン |
第46回 | 2016年3月27日 | 中京 芝1200 | ビッグアーサー | 牡5 | 福永祐一 |
第47回 | 2017年3月26日 | 中京 芝1200 | セイウンコウセイ | 牡4 | 幸英明 |
第48回 | 2018年3月25日 | 中京 芝1200 | ファインニードル | 牡5 | 川田将雅 |
*1:名古屋競馬株式会社は中京競馬場の施設を整備・管理している会社でJRAは名古屋競馬株式会社と賃貸借契約を結んでいる。