高血圧は、心筋梗塞や脳卒中などの死に至る病につながる危険因子である。運動によって高血圧を下げるメカニズムは、脳への衝撃が「間質液」を動かし、細胞を刺激することで、血圧を下げるうえで重要な働きをしている「アンジオテンシン受容体」の発現を抑えることにある。 ラットを用いた実験では、頭部に衝撃を与えると、アンジオテンシン受容体発現が抑えられ、血圧が低下した。人間を対象とした実験でも、専用のイスに座って上下に動くことで、血圧が低下した。この効果は、イスに乗るのをやめても1ヵ月間持続した。 日常生活でこの研究の成果を活かすには、階段を下りることを意識することが有効である。階段を下りることで、脳に衝撃がく…