今日は土曜日、近くの小学校の運動会。 朝から子供達の賑やかな声。何を言っているのかは分からないが、 笑い声、叫び声、誰かを呼ぶ声、男の子と女の子の声が一緒くた となり爆発している。 子らのこえ零さぬように初夏の風 追記 子供の頃はあまり好きでなかった運動会も、今となっては 懐かしい。 風に乗る彼らの声に元気を貰う。 色々な意見のある運動会だが、参加者が前以て定められた プログラムに従う方式は日本独特らしい。
江戸川河口付近の堤は「つばな」の群生地でもある。 今、堤の斜面は花穂が一斉に立ち上がり、白銀色に 染められたかのようである。 まっさらな光たわむる茅花原 追記 つばなの花穂が群れて風に吹かれ、日を受けて キラキラ輝く光景は今ならでは! 一年中でも この時にしか見る事が出来ない。 近づいて見ると密生しているが、互いに衝突する 事も無く光と風の中で自由奔放に・・・・
家から少し足を延ばすと泰山木の並木がある。 この時期並木道を歩くと、上から流れ落ちて来る妙なる 香りを経験する事が出来る。 芳香は空気よりも重いのです。 見上げれば泰山木の花に透く蕊 追記 晴れた日に泰山木の花を見上げると、白い花びらを 透かして蕊の影が浮かび上がる。 花言葉は「前途洋々」 樹高は20mを超え、芳香を放つ堂々とした花を咲かせる。
シャクナゲは花の女王とも呼ばれ、華やかな大輪の花を 咲かせる。 濃淡を伴いながら流れる山霧に見え隠れする様子は何とも 美しい。 石楠花の見えては隠る山霧に 追記 世界中でシャクナゲの種類の一番多いのは、ヒマラヤ地区。 言われてみれば、そうだろうなーと納得する。 高名な俳人の角川源義は石楠花をこう詠んだ 「空の深ささびし石楠花さきそめぬ」 氏は角川書店の創業者、父は魚の行商人だったという。
紫蘭が俯き加減に咲いている。 赤むらさきの小振りの花は どこか寂し気だ。 群れて咲き、時には風に身を任せながら何かを呟いている ようでもある。 きのうなら許せたものを花紫蘭 追記 シランは日本原産のランの花。西洋ランの派手さは無いが しっとりとした風情を漂わせている。 花の色は赤紫の他にも白やピンク、黄など色々。 乾燥に強くとても育てやすいそうだ。
今朝は霧雨が降っている。雨の上がるのは昼過ぎに なりそうだ。 河口近くから上流を眺めると、古い町並みと 大川を渡る鉄橋が雨に霞んでいる。 古きまち五月の雨のけぶる中 追記 その昔、東京から千葉方面に抜ける総武線の開設を 拒んだことで、発展から大きく取残された町。 東京湾の浅瀬の漁だけでその日その日が楽に 生活できたと言う。
ヤマボウシは注意すると住宅街でも結構見られる。 毎年今頃から白い花を(実際は総苞)を沢山咲かせる。 枝が撓るほどに咲いているケースに出会った事がある。 山法師あさひの当たる街外れ 追記 見る人に清潔な印象を与へる花であり、西日を嫌うという。 果実は真っ赤なサクランボを大きくしたような形で とても可愛い。味はマンゴーに似て美味と聞くがチャンス が無い。
野原のタンポポが雨に濡れている。ひと気の無い草原で 静かに雨に打たれている様子は可愛らしい。 花期は三月から五月、彼女たちの季節も間もなく終わる。 今日は朝から雨、予報では午後の二時頃迄降るらしい。 タンポポの五月の雨に黄を洗う 追記 タンポポの太い根は長いものだと1mにも及ぶというから 驚く。地上部分は精々10数cm、刈っても刈っても翌年には 芽を出す筈だ。
坂道の脇に立つ二階家、一日中日陰となる部屋の窓から みえる柿若葉。 若々しいみどりは住む人に力と希望を 与えてくれている様だ。 日の射さぬ二階の窓の柿若葉 追記 明るい柿若葉のみどりは目にしみる。 「柿若葉重なりもして透くみどり」冨安風生の句である。 氏は逓信省次官まで上り詰め、俳句の虫を自称して 93歳まで生きた。解り易い作風で知られている。
今年も葛の新芽が立ち上がり始めた。風に揺られながら 絡みつく先を探している。 これから秋口にかけて長蛇の如く何処までも何処までも 伸び続ける生命力は暴力的ですらある。 虎視眈々くずの新芽の立ち上がる 追記 葛は除草剤にも強く、一度定着すると根絶やしは難しい とされている。 米国は戦前、飼料用に緑化用にと日本から 葛を持ち込んだが、今では侵略的外来種としてその駆除に 苦労しているそうだ。