-----講義録始め------ 自閉症スペクトラム障害は、症状の重さ、併存する障害、知的障害やADHDや不安障害などの有無、発達段階などにより、実に多様な状態を示す障害です。そのため、支援は様々なものを組み合わせた包括的なものになります。さらに、自閉症スペクトラム障害の場合、必要とされる支援は発達段階ごとに大きく変わります。ここでは、医療における診断、各発達段階で見られる状態、症状についての心理学的理解、効果的な介入についてお話ししたいと思います。 自閉症の診断名は、1943年にレオ・カナーが「早期幼児自閉症」(英語では"Early Infantile Autism")、そして11項目を発表…