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1970年代初頭、ノラン・ブッシュネルによって設立されたゲーム会社。
既に解体されている*1が、本国アメリカのみならず、日本にも今なお熱狂的なファンは多く、洋楽バンドのメンバーがATARIロゴが入ったTシャツを着ているのはよく見かける。
なお、『マーブルマッドネス』『ガントレット』『ピットファイター』等のメーカーのアタリゲームズと混同される事も多いが、それぞれ異なる会社である。
2013年1月21日、3つの系列会社とともに米連邦破産法11条の適用を申請したと発表した。経営不振で構造的な赤字を抱える親会社、仏Atari S.A.(旧Infogrames)から独立し、デジタル/モバイルゲーム分野での成長を目指す。*2
社名の由来は囲碁の「当たり」からだと言われている。日本ではあまり知名度が高くないが、本国アメリカではともすると任天堂より有名(だった)。
アーケードゲーム「ポン(1972年)」を皮切りに、アメリカのアーケード業界を席巻、その後家庭用ゲーム機のリリースを始める。
1977年リリースの「アタリVCS」シリーズが全世界で1500万台を売り、アーケード移植の「スペースインベーダー」等の効果もあり、世界中にATARIの名を知らしめた。日本でも1979年、「カセットTVゲーム」の名称でエポック社が輸入販売、1983年にはATARI社自身が「アタリ2800」で上陸を果たした。
しかし、それまでのドンブリ勘定振りやゲームの粗悪濫造がたたり、1982年米国のクリスマス商戦に於いて、ATARIのゲームが突然全く売れなくなるという事態に。*3
その後も、携帯できない程デカい携帯ゲーム機「LYNX(1989)」、起動すると"がるるる"と吠える「Jaguar(1992)」とゲーム機をリリースするも、一部のマニア以外にはウケず、どんどん市場シェアを減らしていった。
コンシューマー向けでは他に、MIDI端子を標準搭載したパソコン「アタリST」シリーズを発売。音楽関係者を中心に今なおファンが多い。
ちなみに、Apple社を設立したスティーブ・ジョブズ(現Apple社CEO)とスティーブ・ウォズニアックの二人は、ATARIと組んで世界初の「ブロック崩し(タイトルは「ブレイクアウト(1976)」)」を製作、その際ジョブズはブッシュネルからのギャラをピンハネしていたと言われ、一説には2人の仲違いはこの件が原因だったとも言われる。また、2人がApple社を設立する際、ATARIにも声をかけたが全く相手にされず、ATARIはApple社のMacに対抗し、独自にパソコン「アタリST」を発売していた。当時は「色の出るMac」という位置づけで、標準でMIDI機能を搭載していた為、「パソコンで音楽やるなら、まずATARI。金持ちはMac」という図式になっていた。
今日、MacOSの開発コードがネコ科で統一されている*4のも、AppleとATARIに現在でも何がしかの関連があるからなのかもしれない。
アタリ2800用のソフトは当然、米国製の物に日本語でタイトルを付けて発売されたが、その中には微妙に変な物も。
原題"ASTEROIDS"が「アステロイド小惑星」と重複した言い回しになっていたり、"MISSILE COMMAND"が「ミサイル総司令部」、"WARLORDS"が「戦う将軍」等、今なら「訳さずにカタカナ表記でも良いのに…」と思ってしまう。"COMBAT"→「空・海戦闘」に至っては何とコメントして良いやら…。
*1:最近は、Infogrames社が北米での社名を「ATARI」と変えてATARIブランドを復活させた。PCやGBAにてゲームをリリースしている。
*2:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1301/22/news035.html
*3:これが、俗に言う「アタリショック」。
*4:「Jaguar」「Panther(この名前は、ATARI Jaguarの前に開発されていたハードの開発コードでもある)」等。ちなみに「LYNX」はヤマネコの意