Digital Reserch 社の Oprating System
初めは Intel 8080コード用に作られた。後に他のCPUアーキテクチャに対応したため Intel 8080 用の CP/M は CP/M-80と呼ばれる事になる。
当然、8080互換プロセッサであるZiLOG Z80上でも動作する。
Z80がセカンドソースを含め非常に多く売れ、8ビットマイクロプロセッサのベストセラーになるに伴い、Z80における主流のOSとして非常に幅広い環境で使われることになった。
CP/M上で動作するツールとして、MicroSoftのBASICやMacro-80,Link-80,Cobol80,Fortran80などが販売されていた。また、多くの市販ソフトやPDSなどがあった。
CP/Mは高い移植性を持ち、アマチュアでもBIOSという箇所だけ作成すると自作のコンピュータでも動かす事が出来た。
CP/M はこの後、8086系(Intelの16/32ビットマイクロプロセッサ), MC68000系(Motorolaの16/32ビットマイクロプロセッサ), Z8000(ZiLOGの16ビットマイクロプロセッサ)に移植される。
現在、Digital Reserch は CP/M 関係のソースコード、実行バイナリ、ドキュメント等を公開している。
また、MS-DOS 互換の DR-DOS にも手を加えフリーで公開するという話もある。
IBMがPC業界に参入する際、Digital Reserch にOS作成を依頼して断られた*1IBMは、BASIC言語で名が売れていたMicroSoftにOSの作成を依頼した。MicroSoftに与えられた期間はきわめて短く、納期に間に合わせる為、他社のOSを流用することにした。当時、Seattle Computer Productsが CP/M-86 のソフトを動かす事が出来るOS(QDOS、後に86-DOS)を作り、Digital Reserch と法廷で争っていた。そんな中、MicroSoftはこの 86-DOS を買い取り、CP/M の互換性よりアプリケーションの作り易さを優先し、またIBM-PCに適したシステムコール(当時は「OS呼び出し」と呼ばれていた)を採用したものに改良し、PC-DOS として納入したという話がある。
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歴史的は背景はともかく、CP/M-80は今日でも通用する教育的価値を持っている。
OSが複雑化・ブラックボックス化する中で、CP/Mのようなシンプルかつ実践的なOSを見て、自分でBIOSを作って実際に動かすという事がどれだけ自分の力になるかを考えると、このCP/Mのソースコードやサードパーティが作った言語などの宝物にもっと興味を持ってもいいのでは無いかと思う。
当時を知る人が、下のURLのサイトを見たらきっと驚くだろう。
当時だったら、このソフトは一体いくらしたんだろうと。