全4回にわたる、渡辺謙が一人登場して語る役者人生。 1回、2回、3、4回は一気に見た。カメラとその向こうにいる聞き手に向かって話すケン・ワタナベ。見ている(聞いている)うちに、まるでサシで話しているような錯覚に陥り、居住まいを正して彼の話を真剣に聞く自分がいた。 そして、4回目を見終わった後、なぜか体の芯が熱くなっていた。不思議な体験だった。 演技する=役を生きることについて、「己の体をその役に貸す」というように表現していた。「俳優のノート」で山崎努も同じようなことを書いていたのを思い出す。どれだけの役と向かい、己と戦い、一緒にその役と生きたら、その境地にたどり着くのか、図り得ない。 ”役作り…