第一話:ファルクリース 弓の稽古は順調だった。 練習用の矢をもらって、毎日一生懸命練習し、アンジーさんは辛抱強く付き合ってくれた。 いつものように、朝ごはんの支度をしていると(これは一緒に住む上でアンジーさんから与えられた仕事)大きなあくびをしながらアンジーさんが起きてきた。 「おはよう、いつもありがとね!」 「おはようございます!もうすぐ朝ごはん出来ますよ!」 なんのことはない会話をし、アンジーさんは外の空気を吸いに出ていった。 ここはとても寒いが、標高が高いので空気が澄んでいて、胸いっぱい吸い込むとひんやりとして気持ちがスッキリする。 でも、周りに誰もいないので私が来るまでアンジーさんは寂…