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2012-02-07

2012年という年

今年は、様々な意味での変化の年といわれている。
政治的には、米国中国フランスロシア等の首脳の選挙が行われる。
日本でもおそらく、総選挙があっても驚かない状況である。


小生が専門としている環境政策環境問題の分野ではどうであろうか。次の三つのことを年初のまとめとして記しておきたい。
先ず、地球温暖化問題への対応は、とても難しい年になると思われる。
経済的な不況色が強い現状では、環境問題への関心は、それほど高いとはいえない。
でも、実際には、待ったなし状態は変わりない。
日本は、京都議定書からの離脱を表明してはいるが、実際には、ほぼ現状の継続以上を求められるし、自主的に実施せざるを得ない。
であるとすれば、原子力発電所をどうするか。
これが今年の大きな課題として上げられる。
温暖化には、短期的には脱原発は、非常に厳しいものであるが、そうならざるをえない事実が徐々に判明して、政治決断と時が近づいていると考えられる。
問題は、そのあとである。それがいつになるのか。
脱原発への政治決断と温暖化対策の方向性を定める年になると思われる。


次は、化学物質管理政策に関してである。
国連では、2020年を国際的な政策的協調の年として位置づけて、欧米では準備が徐々に進みつつある。
日本でも、化審法の改正等が行われつつあるが、欧米とのコンバージョン問題が徐々に出てくるのがこの2012年といえる。
化学物質管理に関する欧米とのコンバージョン議論の開始の年となろう。


さらに、固形廃棄物政策では、大きな曲がり角を迎える年となろう。
今年から家電リサイクル法の見直しの議論が開始される。
その前哨戦として、小型家電のあり方が昨年来、レアメタルキーワードにして進められている。
しかしながら、関係者間の合意形成は非常に厳しい状況で、紆余曲折を繰り返している。
その背景にあるのは、90年代に欧州で成立した拡大型生産者責任政策(EPR)の限界である。
90年代、公共部門(実質的には、自治体廃棄物部門)の縮小を生産者の拡大で代替させるという政策であった。
しかし、この15年余り間の流通革命によって、生産者の市場における力が弱まり、その代わりに販売等大手の流通の力が強まった。
さらに、WEBの登場によって、消費者の影響力が販売事業者に間接的に力を与えているのが現状である。
弱まった生産者に代わって、どのような政策が可能なのか、その議論が始まろうとしている。
すなわち、Post-EPR政策である。

2011-10-25

「屋根の共有による太陽光発電市民ファンド」という試み -その1-

現在、市民によるファンドへの拠出により、小規模太陽光発電を加速させようとする試みを思案中である。
すなわち、市民から民家の屋根を借りて、市民による資金で、市民によってエネルギーの自立への試みを行おうとするものである。
このファンドキーワードは、古くて新しい言葉、「共有」である。
私有でもなく公有でもない、共有である。


日本の土地に対する所有の考え方は以下のような理解で良いかと思われる。
明治時代、日本の国土は、土地の私有制を認められるところとなる。
この時に、徴税との関係で、公有地と私有地に分割され私有地と徴税は組み合わせられた。
換言すれば、徴税できないところは公有地とされる。
現在でも、森林や河川敷や海岸線等で、公有地が多いのはその理由による。


公有地に関しては、国及び地方自治体による公共事業等により、インフラの整備が戦後昭和30年代以降加速化した。
そうした中で、私有地というものが様々なインフラ整備に対してのネックとして顕在化してきた。
たとえば、成田空港がそうである。
成田空港の整備に当たって、その整備用地の一部に私有地が存在しそれが開発の障害となり、現在に至っている。
成田空港闘争のことである。
このような例は枚挙のいとまがない。


原発の立地にしても、様々なインフラ整備に当たって、私有地の買い取りということが必要になる。
その時には、地権者や漁業権者が最大の障害となる。
ところが、ここでその私有地の買い取りが成功すると事業は即座に加速化される。原発にしてもそうである。
どんなに反対運動がかまびすしくても、土地が買収されてしまうと議論は徐々に終息の方向に向かう。
これは、日本固有の動き方である。
おそらく、欧米であれば、最後まで原子力発電所の安全性が議論されるであろう。
それが日本の場合には、私有が認められるがために私有が制限され、結果的に公有、公的利益が損なわれる。
不思議な構図である。


これを見直すのは、私有でもない、公有でもない、共有という中間概念を新たに日本の社会に根付かせること。
大それたことだが、それを意識して、屋根の貸借による共有の太陽光発電市民ファンドを考案した。


今後、何回かに分けて、その考え方を紹介しつつ整理してみたい。