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(株)Jコミックテラスの中の人 RSSフィード

2012-09-14

★ Jコミの新型ビジネスモデル、「JコミFANディング」 のβテストを行います! 【初回目標額は10万円】

おかげさまでJコミは、とうとう1000万閲覧を達成いたしました! やったぜ!(^^)

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正式公開から、ちょうど1年半での快挙です。

これを記念してJコミでは、かねてから計画していた「新型ビジネスモデル」の実験(βテスト)を行います!

【 ここまでの経緯 】

今までJコミでは、とにかく作者の利益(金銭や感想など)を最大化する企画を考案してきました。

例えば・・・

どれも、多くの読者の「小さな善意」を集めるモデルでしたが、今回の新型ビジネスモデル「JコミFANディング」は、「少数の選ばれたファン層」から「少しお高いお布施」を集めるモデルとなります。(もちろん収益は作者に100%還元されます)

【 ところで、なぜ一般的な「電子書籍」は売れないのか 】

f:id:KenAkamatsu:20110915034429j:image:w150:right一般的な電子書籍が売れない理由の一つに、

  • 紙の本と似たような値段の割には、「これでずっと自分のモノだ!」という感覚(所有感?)がさっぱり感じられない

ことが上げられると思います。

何しろ、その電子書籍サイトがつぶれたり、端末機器がサポート対象から外れたりしたら、もう読めない(再ダウンロードできない)ですからね。自由にコピーもできないし、電子書籍って、何か漠然とした存在なんです。

f:id:KenAkamatsu:20120911014156p:image:w150:leftまた、電子書籍はいつでも買えるので、それが逆に災いし、

  • 「別に、今買わなくてもいいかなぁ・・・」という気分にさせられる

のも大きいと言えるでしょう。「今買わないと、もう買えないかもしれない」という紙の本に比べて、購買意欲がイマイチ湧いてこないのです。

所有感を満たせる物質商品(紙の本やゲームパッケージ等)の場合、「積ん読」や「積みゲー」といって、「すぐには読まないのに、とりあえず買わせておく」ことができます。娯楽商品はつまるところ消費者の時間の奪い合いであり、しかし人の時間は有限なので、「実際に消費できる以上の数を買っておいてもらう」ことはとても重要なのであります。

  1. 読者の「所有感」を満たしてあげる。
  2. 「早く買わないと買えなくなる・・・!」という気分にさせる。

この2つを実現すれば、実は値段にかかわらず、漫画マニアやコレクターが入手し、手元に保管しておいてくれるに違いありません。

私の「魔法先生ネギま!」も、定価5000円もする限定版が、予約だけで約6万部もはけています。所有感が満たせる特典が満載で、しかも予約期間の決められた「限定版」だったからです。

上の1と2を実現するため、ヒントにしたのはこれです。

★ ポッターモア

あの「ハリーポッター」電子書籍版を販売するサイトです。

DRM(デジタル著作権管理)無しなので、基本的にコピー自由。友達にコピーしてあげることも可能です。

しかし「電子透かし」という技術によって、「買った人の名前」などの個人情報が埋め込まれています。つまり、これを winny などに流すと、買った人の個人情報までばらまかれてしまうのです。

★ クラウド・ファンディング

これは、「クリエイターが新しく個人のプロジェクトを立ち上げる際に、複数のファン達から金銭的な支援を受け、創作活動のためのまとまった費用を得られるシステム」のことです。

Wikipediaによると、群衆(crowd)と資金調達 (funding)を組み合わせた言葉だそうです。

アメリカの「キックスターター」が有名ですね。日本でも、「CAMPFIRE」や「READYFOR?」など、続々参入が増えている、流行りのシステムと言えるでしょう。手数料は、10〜20%が多いようです。

【 名付けて、JコミFANディング ! 】

今流行りのクラウド・ファンディングと、同じく流行りのポッターモアを合わせて、以下のような販売モデル「JコミFANディング」を作ってみました。

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『ラブひな』を例にとって説明いたします。


(1) まず、『ラブひな』というコンテンツに、例えば10万円という「目標額」を設定する。

  • これは別に、5万円でも20万円でもよい。

(2) 作者(赤松健)から、「コミックス未収録の読み切り作品」・「記念サイン色紙」・「下書き」など、マニア心をくすぐる特典をもらってくる。

  • 『ラブひな』には単行本未掲載のカラー特別編6ページ漫画が存在し、さらに『魔法先生ネギま!』にも単行本未掲載の1話分(18p)が死蔵されているので、それらを特典として収録する。
  • 後述するサイン入りハガキとは別に、サイン色紙ももらってくる。

(3) DRMフリーの、「『ラブひな』パーフェクトPDFセット」の販売を宣言する。

  • そして、クラウドファンディングのように、10万円に達するまで出資(というか実際には限定版の予約に近い)を募る。
  • 受付期間は、例えば2週間。

f:id:KenAkamatsu:20120912164603j:image:w280:right(4) 一口2000円なら、50人で10万円に達する。

(5) その選ばれし50名は、予約した金額の2000円で、DRMフリーの「『ラブひな』パーフェクトPDFセット」を受け取ることができる。

  • しかも1〜14巻だけでなく、単行本未掲載のカラーマンガ(ラブひな)・単行本未掲載の1話分(ネギま!)・記念サイン画像などが特典として付いている。

(6) 更に、その50人には後日、赤松健先生から「直筆サイン入りハガキ」がお礼として届く。

(7) 50人を超えた申し込み者も、更にプラス50名までは受け付ける。その場合は「1000円」に値下げし「サイン入りハガキは無し」となる。

  • 逆に、2週間の期間内に50名に達しなくても、商品は普通に全員に配布される。
  • サイン入りハガキを希望しない場合、最初から「1000円でハガキ無し」も選択可能。

(8) DRMフリーによって、日本の電子書籍の中ではトップクラスの「所有感」が演出される。

  • 楽天koboだろうが、新旧キンドルだろうが、iPhoneだろうが、パソコンだろうが、どんなマシンにコピーしてもちゃんと読める。
  • また、例えJコミが倒産したとしても、無関係にずっと所有し続けることができる。
  • 親しい友達にあげても良いし、広告が入っているわけでもない。まさに完全保存版。

(9) PDFの「電子透かし」により、セキュリティ(著作権)は保たれる。

  • 電子透かしは、買った人の名前やメアドが刻印されているのが普通。クレジットカード番号を入力して買っている以上、これはかなり固いソーシャルセキュリティと言える。*1
  • しかも、「電子透かし」は著作権法(第113条第3項)によって、不正に除去・改変すると著作権侵害と見なすことができ、損害賠償だけでなく逮捕&刑事罰まである。これが暗号化PDFや暗号化ZIPと大きく違うところ。
  • 以上の理由により、DRM無しだが Winny等に流すのは憚(はばか)られることになる。それに「選ばれた50人の中の一人」であるわけだから、独占欲が発生するため逆にP2Pなんかに流したくはなくなってくる可能性がある。

(10) 募集中も締め切り後も、Jコミでいつも通り無料版の「ラブひな」を読むことが出来る。

  • そこまで欲しくもない人や、システム自体が理解できない人は、このイベントを完全に無視することができる。

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・・・いかがでしょうか。

まずは、Jコミ掲載作品の中から2作品程度を選んで、どんな感じになるか、テストしてみましょう!(^^)

まずは、ここ最近Jコミで人気爆発中の「がぁさん先生セット」です。

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★ 商品1:「がぁさん作品×8本PDFセット」

  • Jコミに掲載中の作品3本

1)『だいらんど』(全1巻)

2)『のぞみちゃんホットライン』(全1巻)

3)『デッドコピー』(全4話・96p)

  • Jコミにさえ掲載していない、幻の読み切り5本!

4)『ジャン王子のパンプキンパイ!』 新声社「コミックゲーメスト」1997年6月号

5)『ジャン王子の新婚初夜!』 秋田書店「増刊ヤングチャンピオン こんちわ!」2001年11月号

6)『Spermatozoa』 少年画報社「ヤングキングOURS」1997年6月号(27号)

7)『夢路』 少年画報社「ヤングキングOURS」1998年6月号(39号)

8)『Perfume』 少年画報社「ヤングキングOURS」1999年11月号(56号)

  • さらに特典が!

9) 上記の作品のカラーCG部分を、文字無しで収録。ちょっとした画集に。

10)先着50名に、「直筆サイン入りハガキ」を郵送。

11)描き下ろしのサイン色紙1枚を、スキャンして掲載。抽選で1名に現物をプレゼント。

この1〜11までをセットにして、定価2000円で50名募集し、がぁさん先生は計10万円の収益となります。

更に50名を超えて申し込みがあった場合、追加で50名だけ受理して、がぁさん先生が1セットにつき1000円ずつ儲かる仕組みです。ちなみにJコミの手数料は0%です。*2

これに対して、がぁさん先生の労働は(PDFはもう存在するので)「サイン50枚」と「色紙1枚」となります。・・・なかなかですよね?(笑)

もう一つは、前述した『ラブひな』パーフェクトPDFセットです。

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★ 商品2:『ラブひな』パーフェクトPDFセット

  • Jコミに掲載中の作品2本

1)『ラブひな』(全14巻)

2)『いつだってMyサンタ』(読み切り)

  • Jコミにさえ掲載していない、幻の読み切り2本!

3)『ラブひな・フルカラー特別編』 講談社「週刊少年マガジン」2010年9月15日号(40号)

4)『魔法先生ネギま!』0時間目「劇場版だよっ(秘)ネタ乱舞 DE 解放(エーミッタム)」 劇場版ネギま!特典0巻に掲載

  • さらに特典が!

5)下書きまたはネームを1話分収録。研究用に。

6)先着50名に、「直筆サイン入りハガキ」を郵送。

7)描き下ろしのサイン色紙1枚を、スキャンして掲載。抽選で1名に現物をプレゼント。

定価2000円の根拠ですが・・・・・例えばこれ、1000円ですと、50人分でも計5万円ですから、全部一人で買ってオークションで転売した方が儲かりますよね、多分。「作者直筆サイン入りのハガキが手に入るチケット」が1000円なら、まあ安いです。

しかし、3000円はちょっと電子書籍としては高すぎでしょう。実際には消費税も合わせて3150円になり、ちょっと躊躇してしまいます。これが2100円なら、かなりハードルが下がる。それで検討の結果、税抜き2000円が妥当だろうということになりました。

購入できるPDFは「縦1170×横827」の解像度があり、(PDFビュワーによりますが)iPad3のRetina画面にも耐えうる画質です。もちろん、Jコミのアプリ限定ではなく、お好きなPDFビュワーを自由に使えます*3


さて、気になるβテストの「申し込み開始の時間」ですが、

  • 9月15日(土)の昼12時

から開始され、実はあっという間に完売してしまいました。

詳しい報告は、以下の記事を参照して下さい。

http://d.hatena.ne.jp/KenAkamatsu/20120915/p1

*1:ちなみに、Jコミ側ではクレジットカード番号を一切保管しておりません。カード番号は、カード決済代行会社GMOペイメントゲートウェイが厳重に管理しています。

*2:ただし、クレジットカードの手数料だけは引かれます。

*3:PDFの右綴じに対応したアプリでないと、見開きが見にくいですのでご注意を。

MHRMHR 2012/09/14 11:36 がぁさんセット申し込みます!これはファンにとって素晴らしい提案です。

MHRMHR 2012/09/14 11:42 この試み、貧乏作家の御米椎せんせいとそうま竜也せんせいも希望します。

r12gsadvr12gsadv 2012/09/14 15:43 15日から旅行なんです〜(+_+)せめて午前0時からの受付開始にしてください(T_T)
16日夜までネット接続できないんですよ。
がぁさんセットが売切れてしまう!

kigyorepokigyorepo 2012/09/14 16:18 いや、これはおもしろい!! ネギま!で高級なセット(笑)を買った自分としても、ぜひゲットしたくなるワクワク感が感じられます。

ゆうゆゆうゆ 2012/09/14 16:25 かなり心惹かれ、是非欲しい作品です。ハガキ付きとハガキ無しで迷います・・。
というのはハガキが汚れずに届くかな?という心配が・・。
。・゜゜・(>д<;)・゜゜・。痛んで届いたら悲しすぎるのです

hkthkt 2012/09/14 21:54 5)下書きまたはネームを1話分収録。研究用に。

こういうのを商品として売ったら売れるんじゃないかと思う。

subarusubaru 2012/09/14 23:04 かなり欲しいですが、人数が限定されているので買えるか不安です(><)
サイン付きは50人限定でしょうがないと思いますが、
サイン無しは人数は無制限としてはもらえないでしょうか・・・。
後から作品を知って購入したくても買えない人も出てきますし。

matsumatsu 2012/09/15 00:35 申し込みはクレジットオンリーなんでしょうかね?
クレジットカード持ってるけどJCBやから使われん…

uliuliuliuli 2012/09/15 09:24 以前から「気に入った作品はPDF版を買いたいなぁ。」と思ってただけに、この試みは嬉しいです。
「サラダデイズ全巻セット2000円」とか、楽しみにしていますが、定数があるのは気になります。
あっという間に定数埋まって買えなくなっては・・・。

Jコミで公開されている色々な作者さんの作品をPDF販売化して欲しいですね。
値段は普通の電子書籍並に高いと正直購入したいと思うのは限られるでしょうが、ラブひなのように1冊換算で150円弱とかだと、色々な作品をほいほい買う事になりそうです。
個人的に電子書籍のネックは「DPIの関係上、実際の単行本と違って細部がつぶれる(画質が劣化する)し、所有感がやや薄い。そのくせ単行本と値段があまり変わらない」だったので、値段の安さで欠点が相殺されるなら電子書籍版を結構買う事になりそうです。

KenAkamatsuKenAkamatsu 2012/09/15 11:15 >matsuさん
使えるクレジットカードは、5種類に増えました。
VISA MASTER JCB AMEX DINERS です。

プレミアムも10月からそうなる予定です。

ケイトケイト 2012/09/15 19:17 島津蓮先生のセットを希望したいと思います。

七式七式 2012/09/16 01:03 複雑なコピー防止機構など使わなくても、自然と正しい流通経路が確保できる。ちゃんと考えればちゃんとできるんですね。ちゃんと「自分の物」になるのも素晴らしい。このシステム、応援して行きたいです。

すとれがすとれが 2012/10/03 11:52  があさんセット、終わってたー。orz
 次回の販売を是非とも期待したい所です。

ぽんたぶるぽんたぶる 2012/10/11 13:31 わすれてたorz
がぁさんつぎのまだぁ〜

7C7C 2012/10/16 03:33 うぬぬ、久々に来たら買い逃した。
ハガキなしでいいから随時予約にして、規定人数に達したら都度発行にできないかなこれ。

ちゃぶちゃぶ 2012/10/16 20:56 すごい企画ですね><
えええDRMフリーでさらにそんな特典まで!!!そんでこの値段????みたいな驚きです。1万でも安いんでない???みたいな本当に驚きばかりです。
本当におっしゃる通り、電子書籍はいろいろ制限があって更に独占感の足らなさ(レンタル形式だったり)から、好きな作家さんの電子書籍には今まで手をだしていませんでした(かさばるの覚悟でコミック派)
こんなにファンのことを分かってもらえる漫画サイトって他にないと思います
応援しますんで頑張ってください。
つい最近応援している作家さんの本を買おうと思ったら、絶版という現実につきあたり、悶えていたところでした><。。。
リクエストできるのかな??

__ 2012/12/19 17:58 これ一部の入手できなかった人や転売嫌いが騒ぐでしょうねえ
数量限定の煽りやおまけ本意の売り方も何やら前時代的で嫌な感じですし
俺のような捻くれ者には悪い面ばかりが気になってしまいます

いさないさな 2012/12/24 00:13 島田ひろかずさんのティリニア&ミステルと
御米椎さんのEVALADYはDRMフリーが欲しい。
昔買ったのは押入れに収納されてるはず。
確かに電子透かし+DRMフリーなら普通に定価で買う選択肢もあるな。
再商品化されることで続編書いてもらえたりしたら最高かも。

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