百合の自由な楽しみ方と、百合への視点

男女が見る百合への視線を、「百合姫」シリーズから考えてみるたまごまごごはん

たまごまごさんが「百合姫」シリーズから男女の百合への視点の記事を書かれたので、百合好きとして反応しないわけにはいきません。
というわけで簡単に反応記事を。


「百合」というジャンルの曖昧さを楽しもう。

百合は、BLと対比される形で最近はGLと表記されることも多いのですが、BLに比べて線引きがハッキリと決まっていません。
百合の定義は本当に曖昧でひとそれぞれ。それを論議しだすと衝突することもしばしば。


ならば、むしろその曖昧さを楽しんでしまおう!


「百合はコレ!」というものがないからこその自由度があると思います。妄想的に。
ガチな恋愛感情には当然のようにニヤニヤしますし、微百合やソフト百合、友情百合と言われる強い友情ものも妄想抜きでニヤニヤしてしまう方も多いのではないでしょうか。
そこまでいかない友情・信頼関係を描いた作品でも、百合的に要妄想ですが百合に見えることも。



この前にたまごまごさんとやったラジオで、「百合は基本『受×受』でリバーシブルOK」という話が出ました。
BLに比べて柔軟で、受け攻めを明確にしなくてもいい楽しさがあります。
もちろん、受け攻めを明確にしてもいい。


また、女性同士の関係なので「男性≒攻め」的な要素が必ずしも必要でなく、性描写が特別必要ない。
それ以前のニヤニヤできるシチュエーションでも十分なのですよ。
男性的な性的にガツガツした感じがいらない。
それによって生ずる雰囲気が醍醐味のひとつで、”雰囲気百合”という単語もたまに見かけるのはそれ故じゃないかと思います。



これもラジオで出たことなのですが、「ぱにぽに」のベホイミとメディアが「メディア×ベホイミ」で百合妄想を誘発します。
この2人の関係が百合よりもBLに近いという意見が掲示板で出て、「BLの女性版」という表現をしました。
そういうのもアリじゃないかと思います。
だって、広義の百合の定義は明確にはないのですから。個人の感性で百合を感じればいいんです。


百合読者に女性が多いのは何故か?を考えてみた。

微百合や友情などの明確に恋愛感情が見受けられない百合。
これって女性のオタクの方が二次創作でBLをする時に似ているんじゃないかと思います。
カップリング遊びですね。


「百合漫画の読者は女性が多い」ということをよく聞きます。
たまごまごさんの記事でも

問題の百合姫ですが、男:女=3:7。

と無印の百合姫の比率は女性の方が多いとのこと。



私もそうですが、男性の百合好きの方に聞くと「百合作品を第三者視点で見ている」という答えをよく聞きます。
読者である自分は、2人の少女の関係を見守っているような感じ。
女性には聞いたことはないのですが、多分同じように”第三者視点”で読んでいるのではないか、と。


オタク女性の801・BLの記事で、「一番好きなキャラは○○だけど、結婚はしたくない」と言った意見を見たことがあります。
また、「△△×○○が好き。○○×△△は信じられない!」といったカップリングの受攻が重要視されます。
男性向けの二次創作が「□□本」と表記されるのに対して、「△△×○○本」という表記。
多分、女性の方は関係性を重視で、第三者視点で作品を楽しんでいるんじゃないかな、と思います。
ちなみに、私はBLも割と普通に読みますし、百合を第三者視点で読んでます。



百合が好きな人は男女関係なく、カップリング遊びを好み第三者視点で作品を読む傾向にある人が多いのかもしれない、と最近感じてます。
だから女性の読者の方が多いのかも、と。


百合姫の多様化で百合のジャンルが広がる。

百合姉妹」から始まった「百合姫」。
現在は無印の「百合姫」、萌え要素が強めの「百合姫S」、性描写を含むアンソロ「百合姫Wildrose」と「百合姫」を冠する雑誌・アンソロが増えました。


内容は多岐に渡り、シリアスからコメディ、恋愛から友情、果ては性同一障害な作品まで。
発表の場が広がることで、ますます百合作品が増えていくといち百合好きとして嬉しいです。
また、一迅社だけでなく他の出版社も百合専門誌を創刊してくれるとジャンルとしての百合が活気付くので、期待しているのですがどこか創刊してくれないかなぁ。
メディアワークスとか、芳文社で百合専門の「きらら」とか出ないかなと妄想してます。



百合姫Wildrose」が名前だけ発表された時に私は「耽美系の百合雑誌かな?」と思ったのですが、違いました。
というわけで、”耽美百合”というジャンルが出てきてもいいんじゃないかと個人的には思います。
昔、ウテナサガフロが少し流行った時、またはそれ以前にチラホラあった高貴で耽美なやつ。
萌え系の百合作品は増えてきているので、まさに”秘密の花園”と言えるような耽美な百合ももっと読みたいです。


それ以外にも、もっとジャンルが多様化するといいなぁ。


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百合漫画レビューリスト
随時更新してます。
何冊か積んであって追加していないタイトルもあるので、近いうちに追加しよう。


百合漫画における男キャラの立ち位置
TS作品の中に百合を考えてみる
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百合に男キャラはいらないと考えているのですが、あえて「百合における男という性」を考えてみてます。
女装が絡む百合漫画の記事も書かないとなぁ。


自分の感じる「百合という感情」をかなり真剣に考えてみた。


百合漫画の”男性向け”と”女性向け”をちょっと考えてみる


コミック百合姫 2007年 12月号 [雑誌]

コミック百合姫 2007年 12月号 [雑誌]

コミック百合姫S (エス) 2007年 11月号 [雑誌]

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百合姫Wildrose (IDコミックス 百合姫コミックス)

百合姫Wildrose (IDコミックス 百合姫コミックス)