ずさんな個人情報の管理を挙げようか
4月から個人情報保護法施行である。今は1月末、名だたる企業は対応が終了していて当然の時期である。
そこで、当然個人情報保護のための管理義務が行われているか、例を挙げるから考えてもらいたい。
管理はしてないけど大丈夫だという言い逃れが見えるだろう。
特に高木浩光氏の指摘は、調査の事前に許可を得たかどうか不明であるが、直接電話で確かめたりしたやり取りからも認識の低さを感じられる。
住基ネットが大丈夫だという主張も不安になって当然である。
高木浩光氏の日記は自宅の日記である。産総研の業務とは関係ない、氏の個人的な啓蒙活動である。
自治体の”適切に行われている業務”を信じていたらどうなった?
セキュリティにおいて、自分の情報を守るのは、最終的には自分である。
検察側の主張は、お上は十分な対策をしているから、個人はそれを信じなさい、個人で勝手にやるのは止めなさいである。
ACCSが許可を願ったらOKするとおもうか?
office氏の行動に行き過ぎはあった。
それを悪質だ、懲役8ヶ月だというなら、業務として管理責任を果たさない以下の事例はどうなんだ。
それを盲目的に信じろという検察側の提案するサイバーノーガード戦法の世界は、果たして安全なのか?
荘内銀行 その素敵過ぎる対応
TOPページを改ざんされたのに、顧客にアナウンスするつもりはなかったようである。
http://www.st.ryukoku.ac.jp/~kjm/security/ml-archive/connect24h/2005.01/msg00135.html¥
今はアナウンスがある。金融庁からきっついお咎めを言ってもらいたい。FD無くした金融庁だから、さぞ良い説教ができるだろう。
http://www.shonai.co.jp/20050126/index.htm
Topページはパッチ当ててない、被害が発生しても顧客に説明しない、だけどインターネットバンキングは営業している素敵な銀行である。
みずほ銀行のSuica機能搭載キャッシュカード
お馴染み東京三菱銀行スーパーICカード
Edyは即刻、レジの店員に見えない位置にカードリーダを置くことを辞めるべきだろう。
こんなシナリオは考えただろうか。
利用者がレジにSUICAを置き忘れる。 直ぐ後ろに並んでいたのは、多重債務者で明日までに40万円を返さないといけない。 前にいた人がカードを置き忘れる。 盗もうと思うだろう。 しかし自分で預金を引き出す術がない多重債務者は、取立て業者に盗んだカードを買い取ってもらう。
しかし、手のひら静脈認証の安全性を謳い、生体認証を導入して成功した事例として宣伝効果バツグンである。
1億円の保証は生体認証のキャッシュカードが破られたら支払われる。 クレジットカードの補償は従来どおりである。
http://www.btm.co.jp/tsukau/card/visa/ryui.htm#security3
(3)カード不正使用時の補償について
◎ カードを紛失・盗難などで万一なくされた場合は、ただちに東京三菱銀行本支店までご連絡ください。
◎ カードの盗難・偽造・変造で身体認証対象口座が不正使用された場合は、最高1億円までご預金の損害を補償いたします。ただし身体情報をご登録いただいたお客さまのみを対象とさせていただきます。
◎ 上記補償の対象は、身体認証対象口座(本カードお申し込みの預金口座、および対象口座としてご指定いただいたお客さま名義の円定期預金)のみとなります。身体認証対象口座としてご指定いただいていない普通預金および定期預金は対象とはなりません。
全体のセキュリティレベルを下げておいて、破られない自信のあるとこだけビカビカに磨き上げている。
東京三菱銀行がお届けするのは、進化した世界基準のカードサービス。
あなたの大切な財産をお守りするために、
さまざまなリスクを想定した厳重なセキュリティをご用意。
さらに、キャッシュカード、クレジットカード、電子マネーをひとつにし、
かつてない使いやすさを実現しました。
あなたの多様なニーズにお応えできる、この1枚。
「東京三菱-VISA ゴールド プレミアム」が、新しいマネーライフの扉を開きます。
さまざまなリスクを想定した厳重なセキュリティをご用意。だそうな。 厳重なセキュリティと、かつてない使いやすさは両立しないってことを分かっていない。
確かに新しいマネーライフの扉を開いたよ。目が眩む思いで、立ち眩みしそうだよ。
高島屋 242名の個人情報記載クレジットカード売上票を紛失
http://news.internetprivacy.jp/2005/01/242.php
ものの2日で謝罪文が消えた。
http://www.takashimaya.co.jp/
googleのキャッシュも残っていない。べりサインマークが虚しく輝いている。
自治体だってこんなもの
企業だけではない。自治体もこんなものである。
高木浩光氏の指摘です。オレオレ証明書は名言として歴史に残るでしょう。
・「バークシャー州長崎県」と「高知県ニューバリー市」は姉妹都市か
http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20050123.html#p03
適切に発行されず、有効期限も切れているサイトを信用しろというのなら、信頼性モデルが崩壊します。
・小学生にセキュリティ警告を無視させる埼玉県
http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20050114.html#p01
・埼玉県が「暗号化自体には全く問題ありません」を撤回?
http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20050114.html#p02
・広島市曰く「警告は出ますがセキュリティ自体には問題ない」
http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20050111.html#p01
・高知県情報企画課曰く「とくにおかしいと思わない」
http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20050111.html#p02
・追記: 警告は無視してねと笑顔で市民に語りかける川崎市長
http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20050114.html#p03