「図書新聞」2025年3月22日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第一二一回 独裁と殺戮がもたらす瓦礫を押しのけて咲く薔薇」が掲載

 発売中の「図書新聞」2025年3月22日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第一二一回 独裁と殺戮がもたらす瓦礫を押しのけて咲く薔薇」が掲載されています。今回は、「停戦交渉」が進められているにもかかわらず、パレスチナでの虐殺が止む様子がないこと、ホワイトハウスのヘイト煽動、石破自民党杉田水脈擁立、といった問題を批判し、重要書籍を絞って深堀りしています。


・ジハード・アブーサリーム、ジェニファー・ビングやマイケル・メリーマン=ロッツェ監修、リフアト・アルアライールほか著『ガザの光――炎の中から届く声』(斎藤ラミスまや訳、明石書店
・リフアト・アルアライール「ガザは問う――いつになったら過ぎ去るのか」(『ガザの光』)
・アスマア・アブー・メジェド「なぜ私たちは今スマホを握りしめて録画し続けるのか」(『ガザの光』)
・シャハド・アブーサラーマ「永遠に続く一過性という悪循環を打ち砕くこと」(『ガザの光』)
・アスマア・アブー・メジェド「失われたアイデンティティー――農民と自然の物語」(『ガザの光』)
・サーレム・アル=クドゥワ「ガザ地区の戦争被害を受けたコミュニティにとって実験的なデザインが持つ倫理的意義」(『ガザの光』)
・ヌール・ナイーム「パレスチナ人の権利を取り戻し、生活の質を向上させるツールとしての人工知能」(アナス・アブー・サムハン訳、『ガザの光』)
・モスアブ・アブー・トーハ「輸出品はオレンジと短編小説――ガザの文化的闘い」(『ガザの光』)
早尾貴紀の解説(『ガザの光』)
・モスアブ・アブー・トーハ「瓦礫を押しのけて咲くバラ」(『ガザの光』)
・宇田川幸大「ウクライナ戦争の戦争責任をどう論じるか」(「世界」二〇二五年二月号)
・中林暁生「アメリカ連邦最高裁で何が起きているのか」(「世界」二〇二五年二月号)
青木理・竹信航介・ヤジポイの会『ヤジと公安警察』(寿郎社
大杉重男『日本人の条件――東アジア的専制主義批判』(書肆子午線)
大杉重男「分断された時間の中で糞尿を公衆便所に運び捨て続けること――古賀忠昭「金愛花日記」」(『日本人の条件』)

 

 また、『ヴェニスの商人』、『オリバー・ツイスト』、ガッサーン・カナファーニー「ガザからの手紙」、マフムード・ダルウィーシュ「ガザのために沈黙を」、エドワード・サイード柄谷行人トランスクリティーク』、古賀忠昭『土と天皇』「エッタ」等にも触れています。

 当該号の「図書新聞」は発売中。公式サイト、書店店頭、電子版、PDF購入、コンビニのマルチコピー機での有償ダウンロード等でアクセス可能です。

3月14日(金)19:00より「ナイトランド・クォータリー・セッション」を日暮里の工房ムジカで開催

 2025年3月14日(金)19:00より、「ナイトランド・クォータリー・セッション」を、日暮里の工房ムジカで開催することになりました。

 葛原りょう・イワタメグミ・志賀信夫・鈴木一也・二宮トキ、といった豪華な面々と一緒に、朗読や音楽により、詩と小説を掘り下げていく催しです。リモート参加もできますので、この機会にお越しください。

画像

3月8日に日暮里の工房ムジカで『モンセギュール1244』イベント、9日に高円寺のそぞろ書房で『DICEMEN』イベント

 2025年3月8日(土)に日暮里の工房ムジカで開催される「NLQ+ムジカ サタデーナイトセッションno.o 復活試演会」にゲスト参加します(18:30開場、19:00からゲーム開始)。

 こちらでは、拙訳の『モンセギュール1244』をインストします。中世で異端とされたカタリ派を演じるモダン・ストーリーテリングRPG。この機会に、是非遊んでみてください。

 

 また、翌3月9日に、高円寺のそぞろ書房で、『DICEMEN』の発売記念イベントを行います。『DICEMEN(ダイスメン)』、盛り上げて行きましょう、是非お越しください。

 

■『DICEMEN』の時代

~D&D、火吹山の魔法使いウォーハンマー
意外と知られていない、1970年代-80年代の英国RPGゲームブックの歴史を語る~

場所 :そぞろ書房
日程 :3月9日
時間 :19:30~21:00(開場19:15)
定員 :最大10人
参加費:1000円
参加方法:
そぞろ書房の通販サイトよりお申込みください。
※「そぞろ書房 Stores」で検索、もしくは下記リンクよりhttps://sozoroshobou.stores.jp/items/67c99b392b412ddf8e525b8c

内容 :
『DICEMEN』日本語版の翻訳協力をされた岡和田晃さんをお迎えして、本書の舞台となる70〜80年代英国のRPGゲームブックの世界を語っていただきます。

読んだ人も、まだ読んでいない人も、『DICEMEN』をもっと深く楽しめる内容です。
現代につながるファンタジーの歴史に興味がある方はぜひご参加ください!

プロフィール:
岡和田晃(おかわだ・あきら)
文芸評論家・作家、東海大学非常勤講師、「ナイトランド・クォータリー」編集長
『DICEMEN』の翻訳協力としても尽力。
同書で扱われた「ファイティング・ファンタジー」の歴史を「ウォーロック・マガジン」に寄稿したり、スティーブ・ジャクソンイアン・リビングストン、宮崎英高、安田均の四氏を交えた座談会(「4Gamer」)の構成を担当するなどしている。
https://4gamer.net/games/576/G057634/20221216084/
ウォーハンマーRPG』や『D&D』、イギリスSF・ファンタジーに関する仕事も多い。

 

 

「図書新聞」2025年3月1日号に「〈世界内戦〉下の文芸時評 第一二〇回 批判理論が有する敗北主義ではない創造性」を寄稿

発売中の「図書新聞」2025年3月1日号に「〈世界内戦〉下の文芸時評 第一二〇回 批判理論が有する敗北主義ではない創造性」を寄稿しました。
 今回はトランプ再選以降、パワーエリートが瞬く間に世界を破壊していくにもかかわらず、横並びの盲従が世を席捲して恥じない世情を批判し、以下の作品を取り上げました。
・究極Q太郎詩集『散歩依存症』(現代書館
蓮實重彦「アニー・パイルと「イサイ フミ」」(「新潮」二〇二四年八月号)
井上弘貴「「右派進歩主義」の台頭」(「世界」二〇二四年一一月号)
・森本あんり「国家神信仰を批判する」(「世界」二〇二四年一一月号)
苅部直・瀧井一博・梅田百合香編著『宗教・抗争・政治――主権国家の始原と現在』(千倉書房)
・山口輝臣「宮中祭祀国家神道――象徴天皇の現在とその道のり」(『宗教・抗争・政治』)
・西田彰一「筧克彦のキリスト教論――「日本基督教」と「古神道」」(『宗教・抗争・政治』)
苅部直南原繁三島由紀夫――天皇と「神道」をめぐって」(『宗教・抗争・政治』)
・白幡俊輔「近世「軍事革命」における正戦論――騎士道学と軍事教育の視点から」(『宗教・抗争・政治』)
弓削尚子『はじめての西洋ジェンダー史――家族史からグローバル・ヒストリーまで』(山川出版社
・坂田奈々絵「ゴシック時代の教会建築を巡る神学的理解――聖書解釈との関連から」(坂野正則編『パリ・ノートル=ダム大聖堂の伝統と再生』、勉誠出版
・坂田奈々絵「ベダ・ヴェネラビリス『文彩と転義について』解説と試訳」(「聖泉大学キリスト教文化研究所年報」三一巻)
・坂田奈々絵「『聖務の理論』における象徴理論――聖体とその象徴性に関する議論を中心に」(「中世思想研究」第六六号)
・石沢麻依『かりそめの星巡り』(講談社
・石沢麻依「透明化される現在を前にして」(「群像」二〇二四年九月号)
・杉原浩司「虐殺加担に抗する――イスラエル製攻撃型ドローン輸入を食い止めるために」(「地平」二〇二四年一一月号)
・ユーロメッド人権モニター「ドローンに殺される——―イスラエル軍によるパレスチナ民間人への犯罪的殺傷の記録」(「地平」二〇二四年一一月号)
・武内進一「ジェノサイドが生んだアイロニー──革命国家ルワンダの光と影」(「世界」二〇二五年一月号)
・古村一雄「下北半島を核のゴミ捨て場にさせない」(「地平」二〇二四年一二月号)
・金澤伶「学費は学生の未来を左右する」(「地平」二〇二四年一〇月号
・樋口六華「泡(あぶく)の子」(「すばる」二〇二四年一一月号)
・仙田学「また次の夜に」(「文學界」二〇二四年一〇月号)
・佐々木光子『戦前生まれの旅する速記者』(聞き手・竹田信弥、双子のライオン堂)
・古川真人「風呂の順番」(「文學界」二〇二四年七月号)
・古川真人「間違えてばかり」(「すばる」二〇二四年七月号)
・垂代雄介「二十四五」(「群像」二〇二四年一二月号、芥川賞候補作)
・毬矢まりえ×森山恵「らせん創作・夢幻脳〈サフラン天女〉――ウェイリーの「謎の箱(マジック・ボックス)から」(「群像」二〇二四年一二月号)
・酉島伝法『奏で手のヌフレツン』(河出書房新社
円城塔『ムーンシャイン』(東京創元社
駒村吉重『命はフカにくれてやる 田畑あきら子のしろい絵』(岩波書店
 加えて、アンドレイ・タルコフスキー、クルト・ヒルデブラントボッティチェリベックリンナボコフパウル・クレーカンディンスキー、ラウル・デュフィらについても触れました。

「ナイトランド・クォータリーvol.38 仮面は語る〜真実(まこと)と偽りの顔のあわいに」が、2025年2月27日頃刊行

 いよいよ出ます! 僭越ながら私が編集長をつとめている「ナイトランド・クォータリーvol.38 仮面は語る〜真実(まこと)と偽りの顔のあわいに」が、2025年2月27日頃、店頭に並びますよ! 超強力ラインナップ、高品質な文学作品をお届けいたします。

ナイトランド・クォータリー38

 

 

 

=================

幻視者のためのホラー&ダーク・ファンタジー専門誌《ナイトランド・クォータリー》
vol.38の特集は「仮面は語る〜真実(まこと)と偽りの顔のあわいに」。

宗教的儀式・儀礼の際、
人は、面をつけることで霊や精霊や動物等の神格が宿り、
自分ではないなにものかに変容する。

あるいは、仮面舞踏会のように本来の身分などを隠し集まる場で使われる仮面は、
その正体が予測できても言わず語らずを通すという、
「暗黙の了解」の役割を果たす記号でもある。
別人を演じ、なにがしかの物語を共有するために、
仮面によって「虚」が生み出される。

真実を隠すための仮面。
仮面の表すものと本来の人物の、その狭間にあるものを探ってみよう。
そこには、人の生み出す恐怖が潜んでいるのかもしれない。

小説・詩は、ラース・アンダーソン、マイクル・ムアコック、アマル・エル=モフタール、ブラム・ストーカー【新発見作品・本邦初訳】、L・マリー・ウッド、パウル・ブッソン、ヴィリ・ザイデル、ウィルフレッド・オーウェン石神茉莉間瀬純子花田一三六
ほか、翻訳家・嶋田洋一インタビューを始め、レビューやコラム記事も満載!

=========
■主な内容
=========
【Story】
ラース・アンダーソン「ドミノ・レディがひと肌脱いだら」/訳:待兼音二郎
マイクル・ムアコック「亡霊戦団〜秘蔵の覆面博労物語〜」/訳:健部伸明
アマル・エル=モフタール「ジョン・ホロウバックと魔女」/訳:貝光脩
【新発見作品・本邦初訳】ブラム・ストーカー「ギベット・ヒル」/訳:下楠昌哉
L・マリー・ウッド「次」/訳:岡和田晃
パウル・ブッソン「トルメントの宝石」/訳:前川道介
ヴィリ・ザイデル「春の仮面」/訳:垂野創一郎
石神茉莉「〈サイクル・マージナル〉 The Masque」
間瀬純子「赤水境の聖女」
花田一三六不定期連載 〈tribute circus〉 路傍の一輪」

【Poetry】
ウィルフレッド・オーウェン「甘く気高きかな」/訳:菅原慎矢

【Interview】
嶋田洋一インタビュー「超絶技巧を追いかける技倆と堅実なペーシング」/聞き手・構成=岡和田晃、写真=小笠原じいや

【Movie】
『ロングレッグス』というホラーの一到達点を楽しむ/深泰勉

【Essay】
巻頭言/いわためぐみ
〈海外漫画の倉庫から〉仮面の継承者たち/吉川悠
方相氏と古代の仮面/榎村寛之
闇と静寂、音と身体から浮上する「仮面」性〜大岩巌×今野眞弓×蛭田浩子×岩田恵「月夜の晩に」/岡和田晃
帆船と海運の常識を覆した江戸中期のイノベーターを女性目線で描く/待兼音二郎
怪奇幻想文学と「仮面」〜「赤死病の仮面」、「月の蛾」、そしてドミノ・レディ/岡和田晃
変身=仮面の本質/鈴木一也
仮面は世界をデザインする/深泰勉
芥川龍之介作品にみる「仮面」なるもの/黒田誠
假面 仮面/門倉直人
私と仮面〜「うる星やつら」・モンスターマスク・ハロウィン・能狂言〜/浅尾典彦
仮面が暴き出すもの〜トマス・ハーディと谷崎潤一郎横溝正史/松本寛大

表紙/山下昇平

2025年3月16日(日)にオンラインで開催の『ウォーハンマーRPG』オンリーコンベンションにゲスト参加します

 2025年3月16日(日)の11:00よりオンラインで開催される『ウォーハンマーRPG』オンリーコンベンション(リタさん主宰)に、ゲストGMとしてお招きいただきました。プレイヤー募集は2月15日までですので、どうぞお急ぎください。

 拙卓の内容は以下のとおりですが、他の卓もどれも面白そうです!