ポリー・ホーヴァート 代田亜香子訳 『みんなワッフルにのせて』 白水社
- 作者: ポリーホーヴァート,Polly Horvarth,代田亜香子
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2003/03
- メディア: ハードカバー
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あたしが思うに、ほんとうにだれかを守るなんてことはできないんだろう。というか、あることから守れたとしても、べつのなにかがやってくる。(P.61)
プリムローズの両親は、海で行方不明になってしまいます。両親が「死んでしまった」のだと、周囲の人々は物的証拠を次々つきつけるのですが、プリムローズは「自分がほんとうだと感じる」ことを信じて、両親の帰りを待っています。
両親がいなくなったこと以外にも、プリムローズにはずいぶん酷い目に遭っているはずなのですが、物語は決してしめっぽくはなりません。日々の中にあるおかしみが伝わってきます。
各章末に、出てくる料理のレシピつき。
三浦しをん 『乙女なげやり』 太田出版
『妄想炸裂』と『乙女なげやり』、2冊続けて読みました。
- 作者: 三浦しをん
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2004/06
- メディア: 単行本
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あおり文句が「少女まんがの枠を超えた傑作」なのだ!それは……褒め言葉なのか?(中略)このチラシの文言では、「少女まんがの枠を超え」ることがすなわち「すごいこと」のように受け取れる。
もちろん、チラシが言いたかったのは、「ストーリーの水準が極めて高く(中略)大人の鑑賞に堪えうる作品ですよ」ということなのだろう。だがそりゃあ、ふとい間違いだ。
(中略)そもそも(ああー、少女漫画のことになるとすぐに熱くなって、「そもそも」とか言い出しちゃう)、「少女漫画」というのは昔っから、取り扱うテーマは多岐にわたり、登場人物の年齢性別も多彩で、大人の鑑賞に堪えうるものがたくさんあった。読者層の大部分を実質的に少女が占めてきたのだとしても、作品の内容はすべての人に開かれていたのだ。(P.37)
わかるー、とじたばたしてしまいました。ええとですね、「少女漫画」「少女まんが」の部分を「児童書」あるいは「児童文学」に、「少女」を「子ども」に置き換えると、あさのあつこ『バッテリー』に「これは本当に児童書なのか!?」というあおり文句がついていた時のわたしの気持ちになります(乱暴だ……自分に都合よく改ざんしすぎだ)。
今月の読了本
- 室生犀星 『或る少女の死』 岩波文庫
- ルイス・サッカー 幸田敦子訳 『穴 HOLES』 講談社文庫
- 川島誠 『夏のこどもたち』 角川文庫
- 鷺沢萠 『愛してる』 角川書店
- 松原秀行 『パスワードは、ひ・み・つ』 講談社青い鳥文庫
- 桜庭一樹 『少女七竈と七人の可愛そうな大人』 角川書店
- ル=グウィン 清水真砂子訳 『ゲド戦記最後の書 帰還』 岩波書店
- ル=グウィン 清水真砂子訳 『ゲド戦記5 アースシーの風』 岩波書店
- 湯本香樹実 『わたしのおじさん』 偕成社
- 森忠明 『へびいちごをめしあがれ』 草土文化
- 藤野恵美 『怪盗ファントム&ダークネス EX‐GP1』 カラフル文庫
- フランチェスカ・リア・ブロック 金原瑞人・小川美紀訳 『人魚の涙 天使の翼』 主婦の友社
- 村山早紀 『虹の物語』 佼成出版社
- 三浦しをん 『妄想炸裂』 新書館
- 三浦しをん 『乙女なげやり』 太田出版
- ポリー・ホーヴァート 代田亜香子訳 『みんなワッフルにのせて』 白水社
- 宮沢賢治 『注文の多い料理店』 角川文庫
- ペネロピ・ライヴリー 神宮輝夫訳 『犬のウィリーとその他おおぜい』 理論社
- 上橋菜穂子 『天と地の守り人 第二部』 偕成社
- フランチェスカ・リア・ブロック 金原瑞人訳 『ウィーツィー・バット』 創元コンテンポラリ