菅政権退陣

菅首相は退陣する。
前原誠司京都教育大学附属高等学校,京都大学法学部,松下政経塾京都府議会議員)と原口一博佐賀県立佐賀西高等学校東京大学文学部・加藤陽子東京大学教授と同級生,松下政経塾佐賀県議会議員)で代表選挙が行われ,原口が敗北すると,小沢グループが新党を設立する。
原口一博が「古い自民党」との意見を述べ,あたかも「新しい自民党」が存在するかのような印象を与える発言をしているのが意味深である。
解散総選挙が行われ,民主党は敗北し,河村たかし愛知県立旭丘高等学校一橋大学商学部)首相誕生。
山口二郎北海道大学教授が危惧していたポピュリスト政権の誕生である。山口さんの「悪さ加減の少ない選択としての菅直人首相」との主張は理解はできるが。

公明党

今,解散総選挙が行われることは,統一自治体選挙の勝利を主眼とする公明党にとって有利なのか。
菅首相の退陣と引きかえに,予算関連法案に賛成し,総選挙を忌避するほうが賢明ではないか。
それよりも,補完勢力となろうとも,非民主党政権の与党となることを選択したのか。

小沢一郎

菅政権が支持率を浮上させるために,小沢一郎を利用したのは潔さにかけた対応であった。
そもそも反小沢しか支持率を浮揚させる方法がないこと自体,政権の末期的な症状を示すものである。
与党の中の反対勢力に対する攻撃を,支持率浮揚の手段として利用するのは,小泉さんも利用した方法であるが,小泉さんには,まだしも郵政民営化という政策上の理由があった。ほんの数ヶ月前まで,トロイカ体制として協力関係にあった小沢を不倶戴天の敵であるかのように言い募るのは理解に苦しむ。「小沢なんて利用するだけ利用して切り捨てればよい」と考えていたのが本音だとしても。

アジェンダセッティング

菅政権は課題設定の方法も間違っていた。TPPは必然であって,選択の問題ではなかった。
参加するか,しないかではなく,自らに有利な形でいかにルールを形成していくかを主眼とするべきであった。

政権交代

民主党はいったん退却し,次の次の総選挙に向けて態勢を立て直すしかない。
2009年の総選挙で,民主党が勝利したことは間違いではなかった。鳩山民主党と麻生自民党の『どちらがより悪くないか』の選択で,民主党が選択された。あるいは,いきづまった自民党が否定された。
しかしながら,財源のない政策は画餅である。まずは予算の無駄を削減し,それによって明確になった財源で政策を実現しますと主張するべきだった。
財源や脱官僚や外交などの諸問題について学習した民主党は,より地道な代替案で有権者を魅了することができる政党に変化するのではないか。

今日は久しぶりに実家で食事をご馳走になる。
父が,「怜は普通だと思うけど」と言う。確かに家族と一緒だと怜は普通である。むしろ利発に感じる。これから何が起こるのかとの不安を持つことがないからだと思う。見通しを持てると不安が払拭されて社会生活上の不適応がなくなる。