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2016-05-23

映画『日本の黒い夏 冤罪』

日本の黒い夏 [冤enzai罪] [DVD]

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映画『日本の黒い夏 冤罪』(2001年度の作品)を見た。

松本サリン事件河野義行さんを中心に、マスコミや警察のあり方について描いており、考えさせられる作品だった。


河野さんは自身も奥さんもサリン事件の被害者だったにもかかわらず、第一通報者だったことと、たまたま薬物の免許を持ち自宅にも複数の薬品があったことにより、警察からもマスコミからも犯人だと思いこまれたこと。

また、体調不良にもかかわらず過酷な質問にさらされたり、脅迫やいたずら電話の被害にさらされたことが、よく描かれていた。


この作品を見て、予断や思いこみというのがいかに恐ろしい危険なものか、あらためて考えざるを得なかった。

この社会のとんでもなさにあらためて暗澹とさせられるが、その一方で、河野さんのために尽力する弁護士や、ずっと変わらぬ友人もいたというエピソードには、救われる気がした。

また、長野のローカルテレビ局で、裏付けをとろうと慎重な姿勢をみせるテレビ局もあったようである。


最終的には、オウム真理教の犯行だったことがわかり、河野さんは全くの無関係だったことがわかったが、それまでの心痛や苦労ははかりしれないものがあったろう。

もともと、警察やマスコミが予断を排し、裏付けを慎重にとる姿勢をもっと持っていれば、河野さんのあれほどの苦労はもちろん、地下鉄サリン事件も防げたことだったのかもしれない。


多くの人に見て欲しい作品だと思う。

2016-05-05 ヘロドトスと聖書の関連記事 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

聖書によれば、紀元前701年アッシリアの大軍がエルサレムを包囲したが、天使がアッシリアの大軍を撃滅して、エルサレムは奇跡的に助かったと記されている。

(列王記下19:35および歴代誌下32:21参照。)

おとぎ話のような話であるが、当時の中東のほとんどはアッシリア帝国に占領されたのに対し、なぜかエルサレムだけは免れたのは史実である。

紀元前701年の戦役のことは、アッシリアの記録にあり、ラキシュなどを陥落させたことが記されている。

ただし、アッシリア軍がなぜエルサレムを陥落させずに撤退させたかはアッシリア側の碑文には残されておらず、損害についての記録もない。

聖書以外には、特にアッシリアの大軍が、なんらかの理由により大きな打撃を受けたという記録は、ないものだとてっきり思いこんでいた。

ところが、なんとヘロドトスに全く符号する箇所があり、驚いた。

ヘロドトスの『歴史』の巻二の141節、岩波文庫版だと上巻の252頁にその記述がある。

それによれば、アッシリア王サナカボリスがエジプトを攻撃しようと軍を進めてきて、エジプト王が必死に神に祈ると、必ず助けるので安心して勇気をもって反撃せよという神託が下り、寄せ集めの軍隊エジプト王がアッシリア軍を迎え撃つために出撃していくと、ネズミの大軍がアッシリア軍の陣地を攻撃し、アッシリア軍は壊滅し撤退していったということ。

および、それ以来エジプトではネズミを神として祀った、ということが記されている。

サナカボリスというのは、聖書に出てくるセンナケリブ、つまりシン・アヘ・エリバのことであることは間違いない。

どうやら、ネズミがコレラペストアッシリア軍に蔓延させ、それでアッシリア軍は、エルサレムを陥落させる前に、またエジプトと決戦する前に、撤退していったようである。

そういえば、アッシリア世界史上はじめて靴を軍隊に装備させ、長距離の移動を可能にさせていたという。

また、兵站がきちんと行き届いており、携帯食も充実していたという。

革靴や兵糧や携帯食を狙って、飢えたネズミが大移動し、それが疫病を蔓延させたのだろうか。

いったい、このネズミによる疫病が原因と思われるアッシリア軍の壊滅が、聖書が言うようにヤハウェの意志だったのか、エジプト人が思ったようにエジプトの神の意志だったのか、あるいは偶然だったのか、それは人によってさまざまな受け止め方があるのだろう。

しかし、もしこの時にエルサレムが陥落していれば、一神教聖書も消滅し、したがってその後のユダヤ教のみならずキリスト教イスラム教も歴史上には存在しなかったのかもしれない。

聖書ヘロドトスが記している以上、そしてアッシリア側は被害については沈黙しているがエルサレムが陥落していないことはアッシリアの記録からもうかがわれる以上、上記のことは本当にあった出来事なのだろう。

ちなみに、私が気付いていなかっただけで、岩波文庫版のヘロドトスの歴史の上記箇所の脚注には、きちんと聖書の列王記の当該箇所を参照すべき旨の記述があった。

ヘロドトスを読んだ時は、あんまり脚注を気にせずに読んでいたけれど、逐一脚注を当たって行ったら、案外面白い発見がまだまだあるのかもなぁ。

2016-05-04

シェイクスピア 「ジョン王」

予想外にとても面白かった。

利益打算で節操なく動くイギリス王ジョンやフランス王フィリップ。

呪いで恫喝し、両国の和平よりも戦争を勧める法王特使の枢機卿パンデルフ。

両国の間で心を痛めるブランシュ王女の悲痛なセリフや、節操のない政治権力に翻弄されるアーサー王子の母コンスタンスの嘆き。

そして、斜に構えてややニヒリスティックながら活力に満ちた私生児ファルコンブリッジ。

それと、なんとも心痛むのは、幼いアーサー王子の、暗殺を目前としたセリフの数々。

やや急な幕切れがいささか残念だけど、素材としてはとても面白い作品と思う。

メジャーな作品だけでなく、この作品のようにあんまりメジャーではない作品に関しても、天才のきらめきがふんだんに盛り込まれているとは、あらためてシェシクスピアはすごいと思った。

にしても、ジョン王が主人公ながら、「マグナ・カルタ」は一言も言及されていない。

やっぱり、チューダー朝の頃は、マグナ・カルタは忘れられていたのかもなぁ。


ジョン王 (白水Uブックス (13))

ジョン王 (白水Uブックス (13))

映画 「おおかみこどもの雨と雪」

良い作品だった。

面白かった。

上映当時、けっこう批判もあったみたいだけれど、思っていたよりずっと良い作品だった。

2016-05-03

2016-04-25

里中満智子 「浅葱色の風」

浅葱色の風―沖田総司 (中公文庫―コミック版)

浅葱色の風―沖田総司 (中公文庫―コミック版)

これは胸打たれる名作だった。

作者は沖田総司の墓に何度も行ったことがあるそうで、たしかにそれだけのものを感じる作品だった。

多くの人に読んで欲しい。

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