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ポルフィの日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2017-03-14

アッシリアの滅亡の原因について

伊藤政之助の『世界戦争史』の第一巻が、わりとアッシリアについて考察してあり面白かった。

それで、アッシリアがなぜ最盛期を迎えたあと、一気に衰退し滅亡したかについて、いくつか原因を考察してあった。

アッシリアは、紀元前627年にアッシュルバニパル王が没したあと、わずか18年で完全に滅亡している。

それまで1400年間続き、いちおう建前としては万世一系の117代続いてきた王家が、まさか完全に二十年足らずで滅亡するとは、当時の古代メソポタミアの人々も思いもしなかったのではあるまいか。

伊藤政之助が挙げるのは以下の理由である。

1、強制移住政策をとったため、首都周辺に異民族が多く、首都陥落の際もぜんぜん愛国心が存在せず、頼りにすべき自民族は遠方にいた。

2、スキタイやキンメリなど、騎馬民族の攻撃。

3、アッシュルバニパル王が文治政策に走った結果、文弱になった。

4、長年の宿敵だったエジプトを倒して征服してしまった結果、目標がなくなり気が緩んだ。

5、軍事大国だったため外交を無視し外交が下手だったため、危機に瀕した際に誰も助けてくれる国がなかった。


なるほど、一応もっともである。

しかし、著者は、これらは決定的にとは言えないと自ら述べ、最終的に、


※ 王が暗愚だったため。

という理由を挙げる。

116代国王のシン・シャル・イシュクンが、なにせ暗愚で、ニネベが二年間籠城している間も毎日酒池肉林で遊びふけり、最後は王妃とともに炎の中に身を投げて死んだそうで、その間、なんら出撃したり勝つための工夫をしなかったという。

やっぱり、一国の盛衰は結局指導者の資質によるのだろうか。

アッシリアの中には、しばしば傑出した国王がおり、117代の中の13人ぐらいは、なにせ戦争が上手で卓越した才能を持ち異民族を大征服したそうである。

長い歴史の中で、しばしば大雌伏期と呼ばれ、長い間アッシリアが地味な小国になる時代もあったが、そのたびにまた卓越した王が現れて盛り返したり、滅亡の危機に瀕しても名君のもとで復興を繰り返してきたそうである。

それが、最後の王があまりにもヘタレだったため、ついに完全に滅亡してしまったということだろうか。

こればかりは、人知を超えて神のはからいなのかもしれない。

ただ、たぶん、シン・シャル・イシュクンは暗愚だったのかもしれないが、それだけではない、そして上記の原因だけではない、他の要因もあったのかもしれない。

ただ、その原因がいまいちよくわからない。

あるいは、ローマの衰退の原因となった、格差社会軍隊を担う中間層の崩壊などがあったのかもしれない。

アッシリア史は、やっぱり興味は尽きない。

2017-03-13

メモ

知人が勧めていたので、昨日の民進党の党大会における慶応大の井出先生の御話の動画を視聴した。

たしかに胸打たれた。

日本の現状が「格差放置社会」であること。

相模原事件等に見られるように、今の社会は弱者が弱者を痛めつけ優しさを失っていること。

生きることが苦痛と感じる社会を子どもたちに残すべきではないこと。

期待できない経済成長に依存することなく将来の不安を払拭するための分ち合いの経済をつくり、自己責任の恐怖におびえる国から生まれてきて良かったと心底思える社会、人間の顔をした政治を取り戻すべきこと。

本当に真摯に真剣に真っ向から御話されていた。

冷笑やあきらめが蔓延する今の世の中だけれど、こうした理念に向かって、地道に一歩ずつあきらめずにがんばっていく中でしか、もう一度日本を創りなおすということもありえないのだと思う。

D

林えいだい 「地図にないアリラン峠」

地図にないアリラン峠

地図にないアリラン峠

これはすごい本だった。

戦時中の朝鮮人強制連行、および軍属としてタラワ島で玉砕した人びとや、敗戦前後、樺太憲兵等によって行われた朝鮮人殺害事件など、歴史の闇に埋もれていた多くの出来事を、丹念な聞き取りにより記録にとどめている。

複数の証言を必ず取って、場合によっては事実とは言えない証言についても指摘している著者の姿勢は極めてフェアなものである。

そのうえで、なお否定できない、あまりにもひどい出来事の数々には、暗澹たる思いを抱かざるを得ない。

はじめてこの本で知ったのだけれど、福岡海ノ中道に昔、炭鉱があったそうである。

海底の地層の石炭を採掘するため、トンネルが掘られていたそうだ。

そこでは、青い徴用を命じる用紙が来た朝鮮人労働者も大勢働いていて、しばしばひどい虐待を受けていたそうだ。

ちょっとそれらの出来事には、絶句せざるを得ない。

また、筑豊炭鉱では、戦時中、落盤事故があって、腹から腸がはみ出たりする大けがをした朝鮮半島出身の労働者がいた場合、どうせ治療しても治らないということで、その場で生きながら土に埋められる場合があったそうである。

なんともひどい話である。

戦前を礼賛する人って、そういうこと知ってるんだろうかとあらためて思わざるを得ない。

他にも、ともかく、あまりにもひどい多くの歴史が記されている。

重い一冊だけれど、多くの人に読み継がれて欲しい一冊だと思う。

2017-03-04

月本昭男 「悲哀をこえて」

旧約聖書の背景や本質について、とてもわかりやすい深い良い一冊だった。

ホセアやエレミヤにおける、歴史への視座と内面・心への視座ということ。

「小さき者たちの神」としてのヤハウェ

旧約聖書の本質としての平和への希求

どれも貴重な手がかりとなる知見だと思う。

2017-03-02

映画 「悲しみの忘れ方」

この前BSであったので見てみたけれど、けっこう面白かった。

学校でいじめられていた人や、家が貧乏で大変だった人や、いろいろ大変だったんだろうなぁと見ながら思った。

華やかなアイドルも、見えないところではいろいろ苦労がそれぞれにあるんだろうなぁ。

今後ともがんばっていって欲しいものである。

2017-02-27

坂下広吉 「初めの男 ギルガメシュ物語」

初めの男 ギルガメシュ物語

初めの男 ギルガメシュ物語

この本は素晴らしかった。

ひさびさに胸躍る気持ちで読んだ一冊。

ギルガメシュ物語は、他の本でストーリーは知っていたけれど、この本は詩のような言い回しや、細部にまで至る再現によって、本当に格調高い素晴らしい出来になっていた。

挿絵も良かった。

ギルガメシュ叙事詩は人類最古の文学とも呼ばれるけれど、最初のものが実は最も奥深くすごい作品なのかもしれない。

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