富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2017-04-20

農暦三月二十四日。穀雨。10数年使つたサムソナイトのスーツケースがかなり傷み閉めても時々蝶番が噛み合はぬ時もあり寿命で新しいスーツケース贖ふ。RIMOWAとかお洒落だが丈夫といふがCXなど同製品が輸送中に壊れ賠償求められるケース少なからずでRIMOWAは「取扱注意」にする内部指示ありと先日報道あり。いずれにせよRIMOWAに限らずスーツケースの両開きは気になるところで外で開けると中身が丸見え、ホテルの客室でも狭ければ開けば場所をとるし、トランク置き場もラックも開いたまゝでは扱ひつらい。それなりの大きさのスーツケースでも両開きは以外と物が入らずランニングシューズを入れただけで窮屈になる。それに比べソフトケースの箱型は家人がサムソナイトで72ℓのものを持つてゐるがこれが重宝してゐて今回はそれの最新型で107ℓを選ぶ(こちら)。昨今、手荷物の1つあたりの重さ制限厳しくなつてゐるが、これに満タンに荷物詰めたら重量オーバー確実*1。それでも大は小を兼ねる。 売り場でそれのダイヤルロックのところに鍵穴あり鍵がないので店員に尋ねると“TSA, USA”と言はれ何?と思つたら米国は当局が荷物開けて不審物検査する権限で最近のスーツケースにはTSA式の鍵がついてゐるといふ。何とも……。古いスーツケースを処分。ちょうどマンションの入り口に救世軍の衣料品・生活用品のリサイクル回収あり、そちらに。トランクにはホテルのシール何枚か貼られてあり懐かしいところ。マカオのウエスティンやヴェラビスタ。香港のマンダリオンオリエンタル等もロゴが変はつてゐる。昔はこのトランクに貼られたホテルシールが「いかに洋行してきたか」の手形のやうなものだつたが今ではダサい。それでわざとやつてゐたが今はそれどころかホテルでもシールがかなり珍しくなつてしまつた。どこのホテルだつたかポーターに尋ねたら「ちょっとお待ちください」とどこからか昔のシールを出してきてくれたことあり。

▼「やはり真実に生きるということができる社会をみんなで作っていきたいものだと改めて思いました」「今後の日本が、自分が正しくあることができる社会になっていく、そうなればと思っています。みながその方に向かって進んでいけることを願っています」(2013年水俣行幸にて)。水俣病は胎児も含め筆舌に尽くし難い病苦を患者に与えただけでなく差別や偏見の故に患者であることを隠す生き方までを多くの患者と家族に強いた。その苦しみに寄り添い「真実に生きる」ことを励ます天皇の優しい言葉。優しい以上に差別と偏見の只中で自らを晒す勇気と覚悟を励ますことは、ひとつの生き方を励ます=その生き方こそ「真実に生きる」こと。▼2013年4月に政府による「主権回復の日」の式典挙行について「その当時、沖縄の主権はまだ回復されていません」との聖訓。皇太子として1975年の沖縄訪問で過激派から火炎瓶投げつけられ「(沖縄戦で)払われた多くの尊い犠牲は一時の行為や言葉によって贖えるものではなく人びとが長い年月をかけて此れを記憶一人ひとり、深い内省の中にあって此の地に心を寄せ続けていくことをおいて考えられません」と発言。▼「長い年月をかけて、これを記憶し」「深い内省の中にあって、この地に心を寄せ続けていく」は他ならぬ天皇自身の今日までの歩みそのもの。「一人ひとり」がすることをおいて考えられないことを天皇自らがする。それは天皇が国民「一人ひとり」を「象徴」しているということ。憲法に書かれた「象徴」という概念の生きた姿を見出したように思われる。いま子どもたちが直面している最大の問題は「何を道徳の教材にすべきか」ではなく教育現場そのものの余裕のなさなのです。教師は仕事があまりに多すぎて疲弊しきっている。まず教師の業務過多を解消する具体的指針を提示すべきです。それを抜きにして道徳教育をどうするか、教育勅語を教材にすべきかどうかを論じていても何も実を結ばない。(先崎彰容)

*1:フライトで預ける荷物の重さ制限ばかり厳しくなり機内持込みは緩い。どうせならエコノミー本人体重+機内持込み荷物+預け荷物で90kgとか100kgにしてはどうか。