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成毛眞ブログ RSSフィード

2009-01-14

『モーセと一神教』

| 10:26

モーセと一神教 (ちくま学芸文庫)

モーセと一神教 (ちくま学芸文庫)

10年ほど前になるであろうか、エジプト考古学者である吉村作治先生の発掘現場にうかがったことがある。もちろんエジプトだ。発掘中の墳墓は公開中のものと違い、盗賊用の落とし穴を埋めていないし、照明も整っていないため、「インディ・ジョーンズ」そのままだった。その夜、エジプトビールを飲みながら吉村先生が不思議な話を聞かせてくれた。

紀元前14世紀ごろアメンホテプ4世がファラオ即位した。頭に変形があったこのファラオ八百万の神信仰であったエジプト宗教を改革した。すなわち唯一神アテンを信仰する一神教開祖したのだ。

このファラオ首都もそれまでのテーベから300キロ近く離れたアマルナの地に移し、新しい住民を呼び込んで政治と宗教を一本化させたという。ところが、このファラオの治世は20年弱しか続かず、神官団に説得された次代のファラオ首都をテーベに戻した。

アマルナの地に残された人々こそがユダヤ人祖先だというのだ。やがて異端の宗教である一神教を信じるユダヤ人たちはエジプト人に追い出されることになる。そのユダヤ人を率いたのがモーセというわけだ。

この話は吉村先生のお説だと思ったのだが、帰国してから調べてみると、精神分析学者のフロイト1939年に本書で発表した仮説だったのだ。ところで、アメンホテプ4世の次のファラオの名前はツタンカーメンである。あの黄金のマスクを残した若き王だ。アテン神信仰時の名前はツタンカテンだった。

本書の訳者は精神病理学者であるためか「訳者まえがき」でも「解題」でも、非常に真面目で本書を楽しんでいる様子はない。アメンホテプ4世の脳が正常だったらユダヤ教キリスト教イスラム教も存在しないかもしれないという、人類史上最大の「IF」を語っている部分のみを読んで楽しむこともできる本なのだ。

takejjptakejjp 2009/01/14 14:09 今後英語を学ぶことはとても重要になってくるのですね。日本の英語教育は意図的に使えない英語を教育しているように思えてならないのですが、文科省の陰謀とおっしゃる方もいます。つまり日本人が英語をある程度使えるレベルにするとかなりの人材が流出、または日本がいかに世界基準からズレたことをしているかバレるからまともな英語教育をしないんだという主張です。僕はけっこう的を得ている主張だと思うのですが成毛さんはどう考えますか?英語教育を充実させるだけで国力という面から考えて国としてかなりの改善が期待できると個人的には思うのですが…


例えば日本の中小企業というだけでけっこうなブランド力があり、特に技術職はかなりの信用度があると思います。つまり、言語の問題だけを解決できれば日本の閉塞感を打破できるのかなと思います。



日本の教育を改善しようとすると既得権を有する人間からかならず多くの反発が あると思われます。社会政策をうまく施すことができないのはエリート教育ができていないという問題にも深く関わると思うのですが、結局は国に頼らずやっていくしかないのでしょうか?



また、もう国は当てにならんということで、日本の中小企業を世界進出させるためにその国の言語、習慣の問題を解消させその国に見合った経営モデルを提供するというビジネス(とてもおおまかですが)の実現可能性はあると思われますか。


まだまだ知識が乏しいので思いつきで書かしてもらいましたが、何かコメントをもらえると幸いです。

founderfounder 2009/01/14 16:35 takejipさん、会話力と読解力は似て非なるものです。単に会話するだけであれば、日本人がいないアメリカの田舎町に2年も住めば、だれでも流暢に話せます。日本の学校で教育を受ける必要はありません。なにしろ3歳のアメリカ人は英語がペラペラなのです。

しかし、その3歳児はけっしてニューヨークタイムズを理解できません。ボクにとって重要な英語力とは読解力のことです。読解力がないのは文科省の陰謀というよりは本人の学習不足だと思われます。

ちなみに中小企業でも海外進出している会社の経営者は英語が話せます。英語が支障となって海外進出しないなどということはあまりないと思います。それほど英会話は難しくないのですよ。

ところで外国のエリート層と話をしていて大恥をかくのは、日本の歴史や文化を知らなかったときです。かれらはシェークスピアはもちろんのことローマ史などは常識としています。日本人ビジネスマンの多くは能や歌舞伎を説明することはできませんし、太平洋戦争についてですら自説を話すことができないのです。エリート教育以前の問題かもしれません。

harinezuminaotokoharinezuminaotoko 2009/01/14 18:30 一昨日、あるテレビ番組で村上龍さんが農業は基幹産業になるかもしれないとおっしゃってたのですが、農業はこれからそこまで伸びる可能性があるのでしょうか?以前お答えいただいた時は、間違いなく将来性があると答えてくださいましたが、農業という産業自体はどこまで大きくなるのでしょうか?

それと、最近思うのですが、僕は農業という分野に気付くのが遅すぎたのではないかとおもうのです。この事についても教えていただきたいです。

cool-earthcool-earth 2009/01/14 23:22  はじめまして。突然ですが、宗教で儲けることは可能なのかと、最近悩んでいる者です。ただし、従来あるようなインチキな壷を売ったり(笑)、お題目を唱えさせたり、その人の過去にさかのぼり未来を占ったり、祈祷をしたりということは、したくない。で、考えたのが、日本の文化・伝統というソフトを売ることは出来ないかということです。ならば、「神主になる」のは、どうかと。実際、私は神社の跡取りでもありませんが。
 神社には、地域社会を活性化させる役割が担えるのではないか、また、神主・神社には、五穀豊穣を願う役目があったはずです。そして、村独自の祭りや芝居というソフトだってあった。
 例えば、野菜、お米を自家栽培し、昔ながらの釜で薪や藁を使い米を炊き、精進料理として振舞う、和菓子(おはぎ、など)も提供する、日持ちするみやげものも販売する。また、古来からある奇抜でインパクトのある祭りを現代風に再生させる。これらは、田舎ビジネスやエンターテイメントビジネスで既出のものですし、何かオリジナリティーが無いと思うのです。もはや宗教ではなく、「神社」というテーマパーク商売になってしまうと、「神様」って何?って感じです。でも旧来の神社でも、おみくじ、お守り、簡単な菓子や料理は出しています。やはり「神」という太鼓判があってこそ、価値があるわけです。
 要は、神社には私の大好きな、「菓子や演劇が存在する」ということが、アイデアの発端だったんですが、、。

founderfounder 2009/01/15 01:08 harinezuminaotokoさん、農業という産業を全体として見るならば、他の産業と同様にそれほど伸びるものではありません。しかし、農業という産業のなかでダメなものは滅び、良いものは伸びるという節目に来ていると考えられます。それゆえに農業には将来性があると思われるのです。

国内農業はこれから20年かかって大変化が起こると思われます。道路などがつくられなくなり、土地価格が上昇しなくなることで、兼業農家に農業を形式的に継続することのメリットがなくなるからです。市場依存の農協システムも滅ぶと考えられます。

将来の近郊農業に興味があるのであれば「和郷園」が面白いかもしれません。ここでは正しく生産をし、加工して付加価値をつけ、直接小売に販売し、資源を循環させています。「エコノミスト1月13日号」に詳しく紹介されています。

founderfounder 2009/01/15 01:18 cool-earthさん、表現上の問題はありますが、とりわけ京都などの観光地の寺社仏閣はビジネスとして成立していると思われます。この場合のビジネスとして成立するという意味は布教活動において、布教対象からも拝観料などによって施しを受けるというほどの意味であり、単なる金儲けではありません。したがって、地域活性化などの副次的な目的があったとしても、まずはその宗教で修行をすることをお勧めします。20年ほども修行を行えばよろしいかと思います。

norio_lenorio_le 2009/01/15 01:31 成毛さんの本を読んだ後、すぐに購入して必死になって読みました。
関連する知識が薄いため、非常に時間がかかりました。
「仮説」なのかもしれませんが、僕には真実かと思うくらい、
説明も細かく、引き込まれました。
最近、パレスチナ・イスラエルに関する本を何冊か読んでいるのですが、
ユダヤに関する書物でオススメの本があれば、教えてください。

cool-earthcool-earth 2009/01/15 05:47 アドバイスありがとうございます。20年と言わず、30年、40年、死ぬまで修行し続けます。

harinezuminaotokoharinezuminaotoko 2009/01/15 07:43 御返事ありがとうございます。和郷園の木内社長のお考えは、とても面白いものだと思ってました。何度か本や雑誌でみかけたことがあります。

話は変わりますが、農業関連の本、または、直接関係なくても農業というものを考える上で役立ちそうなおもろい本はないでしょうか?以前紹介していただいた、奇跡のりんごは紹介して頂いて読んだのですが、かなりおもしろかったです。なによりも、あの表紙の笑顔がとても和みます。

founderfounder 2009/01/15 08:06 norio_leさん、ユダヤについてはポール・ジョンソンの『ユダヤ人の歴史』がお勧めです。とりわけ文庫本の下巻が良いかと思います。おそらく目からうろこという感じになるはずです。欧米人のユダヤ人に対する罪はホロコーストにおいても、パレスチナ問題についても簡単には許されるべきではないのかもしれません。しかし、アメリカのキリスト教福音派はハルマケドンがおこるはずのイスラエルの地を守るべく、ユダヤ人をしてムスリムと戦わせているという罪をさらに重ねているのが現実です。

founderfounder 2009/01/15 08:15 harinezuminaotokoさま、農業について問題意識を持ったのは神門善久著の『日本の食と農』を読んでからです。この本は2006年の出版です。日本の農業は日々変化しはじめているので、本書を底本にしウェブや雑誌での情報収集が有効かと思います。

founderfounder 2009/01/15 08:24 cool-earthさん、ボクの説明が足りなかったのですが、20年の修行というのは、寺社では20代後半で次世代がデビューするというほどの意味です。全く外部からフリーハンドで参入するのは極めて難しい「業界」だと思います。ともあれ、この「業界」には特殊な税法が適用されているので、宗教行為以外はあまり「儲け」にならないかもしれません。

harinezuminaotokoharinezuminaotoko 2009/01/15 22:39 ありがとうございます。早速よんでみたいと思います。

なかのひと