INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

パチンコ業界を知らずに、08年格闘技界は読めない。あとその他もろもろの業界も。

今日も楽しく われわれが
格闘興行 見れるのも
パチンコ会社の おかげです
パチンコ会社よ ありがとう


というわけなんですが、気にする人は当然気にするが、気にしない人ややらない人はパチンコメーカーってどんなものか知る由もないのです、パチンコメーカーって。
今回のDREAMも「HEIWAプレゼンツ」ですからね。殴り合い蹴り合いに協賛金を出しといて「平和」ですから(笑)。


んでまあ、ぼちぼち調べたりコメント欄で突っ込まれたりするとして、西原理恵子漫画なんかで「パチンコ台のキャラクター版権はおいしいらしい」ということは聞いていた(ちなみにサイバラは寸前で落選)が、そのディテールがこの前放送された「オタク大賞2007」で語られていたので紹介しよう。
鶴岡法斎氏と唐沢俊一氏だけは顔と名前が一致しているが、他はよく分からないので省略させてもらう。

アクエリオンが成功した

パチスロの話が出ませんでしたね。


唐沢:「あなたと合体したい」の。


アクエリオンみたいな。


唐沢:あのマーケッティングの成功ってすごいですよね


鶴岡:あれが成功させちゃったんで・・・今後ね、まあ言っちゃっていいか。電通不良債権化している古いアニメの権利をどんどんパチンコ屋に営業かけるそうです(会場笑)


唐沢:でもほんとにあれはオタクだって見てる人少ない。


鶴岡:少ない。もともとね。あれだったらまだ「源氏通信揚げ玉」のほうが見てた気がします(笑)。

「富の再配分」

パチンコマネーが投下されることによって製作資金が潤沢になって、アニメのクオリティが底上げされるっていうか。


唐沢:おおポジティブポジティブ。


富の再配分が(笑)


サンキョウに買われちゃったサテライトが次に作る「マクロスFRONTIER」のデキがめっちゃくちゃいいんですよ。これもパチンコのおかげです。


儲かる構造

要はパチンコ台は一台35万円ぐらいしてそのうち、ロイヤリティが7%とかなんです。だから一台が仮に40万円で7%、、シチシ2万8000円か。


一軒で100万円ぐらいになる。


鶴岡:ひとつの店で最低十台とか買いますからね。
 

だから僕らが「ああこんなしょぼいことになって…」とか思ってるので、軽くライセンスだけで何千万円が入ってくる。


僕が聞いた話だと某アニメ会社が、パチンコのライセンスを下ろした時に、800億円キャッシュで振り込まれたそうです(笑)※キャッシュで振り込むってどんな感じだろう?


鶴岡:ああ、やつらはそのくらいは。


商社の存在

パチンコ専門のライセンス商社みたいなものが、あるんですよ。だからアニメ会社からライセンスを買ってパチンコメーカーに売り込む商社があって。


鶴岡:いくつかあります。


そこが片っ端から版権を買い貯めているんですよ。


鶴岡:そのうちのひとつって社長がすごく有名なひとなんですよ。XXXXXロシさんなんですよ(ピー音。会場騒然。)


そのうち逆転しますよ。パチンコ屋のおじちゃんおばちゃんが俺らよりもアニメの設定に詳しくなったりして(笑)


ふうむこれじゃあヤン・ウェンリー閣下らが「パチンコ台会戦」に艦隊を率いて出陣するのも仕方ない。そしてその印税が入った田中芳樹が、新作を書くモチベーションを失うのも仕方ない(笑)



ちなみに苦労して文字起こししたけど、この番組は「ニコニコ動画」に07年の大賞を与えて、出演者が「いまたぶんこのへん(画面下を指差す)に『・・・』って字幕が流れてますよ(笑)」というふうに、さんざんニコ動をいじっていたので、今さら削除申請はしにくい構造になっている(笑)。
ですからほら、この通り。
http://www.nicovideo.jp/search/%E3%82%AA%E3%82%BF%E3%82%AF%E5%A4%A7%E8%B3%9E

上のやり取りは、前後編とあるなかでの「後編」52分ごろからの内容だ。


閑話休題。格闘技の話にもどります

そういうわけで、これらのお金が格闘技に落ちてくるわけですが、そうすると資金的には木下工務店ドン・キホーテより、少なくとも興行のスポンサーとして使えるお金は大きいんじゃないか、という気がします。
ここで本当は、主要パチンコメーカーの公式サイトにでも飛んで資本金や売り上げや純益を調べればいいんですけど、それは省略。

逆に、とぼしい知識で、格闘技・プロレスファンが覚えたパチンコメーカーの記憶をいいましょうか。

セガサミーパンクラス、コロシアム2000、HERO'S)
・フィールズ(K-1、HERO'S)
・平和(今度のDREAM)
・京楽(ハッスル)
・アルゼ(K-1


ですよ。おお宣伝効果あるじゃない。ちなみに直接のスポンサー関係以外で知っているのは

セガサミー(あのゲーム会社と合併したところ)
・フィールズ(谷川やホンマンをCMキャラクターとしても起用)
・平和(知らないけど、名前は聞いた気がする。)
・京楽(メトロン星人
・アルゼ(紙の爆弾


それ以上のことは知らない。実際、上のメーカーを規模、売り上げの順番に並べろとか言われたらお手上げだ。


おっと、以前
http://omasuki.blog122.fc2.com/blog-entry-71.html
で紹介されていたリンク先も「紙の爆弾」だね。
http://kamibaku.com/modules/weblog/details.php?blog_id=270

株式市場を見ると、数々のパチンコ関連メーカーが名を連ね、
世間からみると景気がいい業種の一つかもしれない。
だが、5号機問題やカジノの
解禁など、将来的な展望は決して「快晴」とはいかない。
(略)
このところ、とりわけパチスロメーカーの
業績悪化が著しい。最大手のサミーをはじめ、
パチスロメーカーは軒並み、減収減益。
一方のパチンコメーカーはSANKYOの
業績をはじめ、増収増益が続出している。
しかし、日本遊技機工業組合加盟していない大立というメーカーが
経営破たんした。事業計画どおりの開発・製造・販売が
進まなかったのが理由。当初から資繰りに窮していた
との情報もある。パチンコは基本的に特許の関係で


そういえばそもそもパチンコメーカーとパチスロメーカーは違うんだっけ。
さらにいうとあれ?セガサミーって、何気に格闘技興行のスポンサーから全面撤退してない?
そのへんどうなってるんだろうか。
このへんは実は上場企業である分、情報が得やすかったりするのだが。



この記事では「京楽がひとり勝ちの状態である」といわれている。

ぱちんこ京楽の1人勝ちにみる業界事情 1強21弱のパチンコメーカー業界勢力図

http://www.ohmynews.co.jp/news/20070417/10241

…「5万台を売れば大ヒット」と言われるパチンコ台において、『海物語』シリーズで30万台売ったと言われる三洋は、旧来の『海物語』の人気が高すぎて、本来業績アップの糧になる新台入れ替えがままならないというジレンマに陥っている。一方、『エヴァンゲリオン』のフィールズもこのシリーズではコンスタントに10万台以上のメガヒットとなっているが、旬の藤原紀香を起用した新台が大コケに終わり、戦略を見失っている。

 このような悩みを抱える2社を尻目に絶好調の販売を継続しているのが京楽産業である。4月中旬、満を持して発売した『必殺仕事人III』は予約段階で販売終了。推定8万台以上の売り上げを計上したと言われている。この京楽産業は、『必殺仕事人』のみならず、発売する機種すべてが計画通りの完売…。


正直、オーマイニュースのサイトへ行くのも何ヶ月ぶりだろうか。
この人は任天堂の株主でもあり、昨年の株主総会の様子をレポートしている。
なかなか多彩な記者がいるものだ。

http://www.ohmynews.co.jp/news/20070701/12678



さてこんなところで、パチンコ業界の三国志はさっぱりわかりませんでしたが(笑)、実は京楽こそが頼れるお金持ちで、ハッスルが一番安泰である、という意外な結果に。
おまけに京楽は非上場らしくて、ならばオーナーが気に入っていればいい。
上場だと、いくら儲けていても、そこが赤字だと「その部門を切って、1円でも配当に回せ!」とか強欲な株主どもが言い出すからな。

【追記】オタク大賞からの文字起こし姉妹編として、こういうエントリも作りましたのでご覧下さい。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080301#p5

そんな中、WWE対UFCの競争過熱。両方の07年度決算が出ました。

http://sadironman.seesaa.net/article/87129800.htm
http://omasuki.blog122.fc2.com/blog-entry-76.html

二大サイトがこぞってトップ記事として扱っているが、
WWEが2007年、大きく盛り返して売り上げ、利益がアップ
UFCWWEに及ばなかった
・大きな差は、UFCマーチャンダイジングなど経営多角化が遅れ、ゲートとPPV収入の割合が大きいこと。


だという。ただ、私が見るところこれすなわち「UFCにはまだ未開拓の収益分野、伸びしろがある」ってことかな?、とも思うのだが。


ゲームキャラクターなどに使う選手の権利を譲り受けるというのは、今でこそ契約書の中にあるんだろうけど、そもそもゲームがまだ黎明期の時はどこも試行錯誤だった。
K-1の関連書で、そのへんのことを書いた本があったなあ。
佐竹が一番ごねたとか書いてあったような。



余談だが、アメリカの企業ってこの時期に決算を報告するのね。
よく考えたら3月〆の決算って国際的にはどのくらい一般的なんだろう。ある大学人(天文学)から「3月までの予算しかつかないので、国際共同研究がやりにくくてしょうがない」との愚痴を聞いたことがある。(これぐらいお役人も工夫しろよ)

あやしげな金儲け話。「トルクメニスタン通貨の価値はもうすぐ4倍になる」

http://www.tkfd.or.jp/blog/sasaki/2008/02/no_194.html

……トルクメニスタンはガス大国であるにも拘らず、これまで自国通貨が安く抑えられてきている。1ドルに対するトルクメニスタン通貨の交換レートは、現在24000マナトだ。
 このマナト通貨に対するドルの価値が、今後数年の間に、4分の1程度まで下がるというのだ。つまり、現在1ドルで交換できるトルクメニスタン通貨は24000マナトだが、数年先には6250マナトまで下がるということだ。
 トルクメニスタン政府は、今後ドルとの交換比率を、24000マナトから19800マナトにし、次いで17000マナトに、そして最終的には6250マナトにまで切り上げることを、考えているということだ。
 したがって、現在の段階で、ドルからトルクメニスタンのマナトに換えておけば、数年後にはマナトの価値が4倍弱になり、大儲けできるということだ。
 しかし、・・・中略…… イラクの新通貨がやがては値上がりする、という触れ込みで、大量にイラクデナールを買い込んでいる、アラブ人が結構いる。クウエイトがイラク軍に軍事侵攻され、一時期クウエイトという国家が地上から消え、クウエイト・デナールが暴落したことがある。
その後、クウエイトは国家として回復し、クウエイト・デナールも価値を回復している。(後略)

はーん、うさんくさっ。第一、あんな中央アジア北朝鮮、いくら儲かるところだろうが関わりたくも無い。

だが目端の利く人が儲けるというのもその通りです。
何度か書いているが、自分は1998年ごろから「やがて金の価値がぐんぐんと上がっていく。資産として持っているとお得だ」とあちこちで吹聴しつつ、何もしなかった(笑)。あのころ金を買っていたらいまごろは料亭の玄関で10円札に火を付けて
「だうだ 明るくなつたらう」
とか言っちゃってるよほんとに。

カンガルーに続いてシカの残虐ファイトが見られる(ダーウィンが来た!)

これだけあんまり経済と関係ないが(笑)
http://www.nhk.or.jp/darwin/program/index.html

シカがボクシング!

NHKの同番組取材班、お前らホントに闘う場面好きだな(笑)。
本当に5分番組「ダーウィンファイト」作れるって。

いやいや、これはそういうスタッフの趣味じゃない、たぶん。

生きることは闘うことさ、とキャプテンハーロックも言っていた。
つまり「いきもの」とはすなわち「たたかいもの」であるのです。


いいこと言った。
いいこと言った。
いいこと言った。
いいこと言った。

いろんな「プロデューサー」がいるものだ。

上のパチンコ話をもう一度。
「アニメの権利を買って、パチスロメーカーに売り込む商社」なんてものが世の中に存在するなんてなかなか想像しにくい。こんなもの、パチスロの社員がアニメ会社にいって「これひとつ下さい」…いやこっちのほうがよく考えたらありえない。
需要あれば供給あり、それをつなぐ人もいるのだろう。
よく考えたら兵器購入専門商社(山田洋行)なんてのがあるのも、素人には驚きだったもの。
最初に聞いたときは「こんな商売あるのかよ?」と思ったという点では「出版プロデューサー」なる肩書も同じく驚きだった。これこそ出版社と著者の直取引だと思っていたから。
つまり、高須基仁氏のことである。

今回、ロス疑惑三浦和良容疑者だか三浦元社長だか三浦さんだかの関係で、また脚光を浴びているのだが、最近

私は貝になりたい

私は貝になりたい

という本を出した。タイトルはもうすぐリメイクする映画とは関係なく「貝になりたい(黙っていたい)のに、ついタブーを喋っちゃうんだよなあ」というセルフイメージのPRですな。
この本の内容自体はあまり面白くない(笑)が、周辺はいろいろと面白い。

(続く)

ある学者が、研究のために60歳を過ぎて漫画を読み始める。

http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20080220

版元よりいただきました。著者は『大地の子』で山崎豊子にぱくられたと裁判を起こして敗訴したことで有名な『チャーズ』(略)の著者、もともと物理学者だったけれども現在は留学生教育の分野で著名な遠藤誉氏です。

http://mandanatsusin.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_2d06.html
このように「漫棚通信」でも取り上げられていたから書名はしっていたが、まず「チャーズ」の著者だと言うのが驚き(「漫棚」にもその記述があるが、読み落としていた)。中国革命(国共内戦)の裏の歴史を描いた名著として知られる。「軍紀厳しい正義の人民解放軍」神話を粉々に砕いた本だ。

まあそれはともかくだ。

本書の読みどころはそれまでまったくといっていいほどまんが・アニメに興味のなかった著者が研究のためとはいえ60過ぎてから『スラムダンク』全巻を読み通し、『セーラームーン』のDVDを見倒したとかいった心温まる逸話です。増田本同様、サブカル研究の玄人から見ればつっこみどころは満載でしょうが、「完全に本気」の妙な説得力があります。

偉い人は、えらいのである。