『歴史好奇心 野望の錬金術 百年の興亡』幻想の王国 ネズミ講3/17/Tue
第一相互経済研究所・天下一家の会(1967年)
- 会長:内村健一
- 「世界万民はみな一家」
- 「人間はみな家族」
- 「困ったときにはお互いに助け合いましょう」
- 「ま、法人にもなっておりませんし、また、私個人の営業にもなっとらん。結局これ、商売じゃないわけですね。そこで、私としましてはその人格のないところに毎日毎日カネが集まってくる。」
- 「商売でやっておりませんから、税金がかからないわけです。二日で一億入ってますよ。」
- 「過疎」という言葉が使われだしたのがこの頃。農村共同体のつながりを連想させた。(朝倉)
- 保険の外交員をしながら、遊郭を経営。
- 売春宿があんなに儲かる仕事だとはおもっていなかったと語っていた(朝倉)
- 人間のナマの欲望に訴えかけるビジネスは儲かるという観念があったのでは(朝倉)
- 1957年(昭和32年)売春防止法施行により、内村は遊郭を廃業
- 40歳の頃生活の無理がたたり入院
- そのときにひらめいた、らしい。うむう
- 保険の外交で学んだ勧誘のノウハウを応用して、ネズミ講のネットワークを構築
- 「お金の触発力は底知れない」(朝倉)
【回想】
以前、ぼくの知り合いYが、サンフラワーの手に落ちた。サンフラワーは、ありていに言えばマルチの会社で、かなり前にもう摘発されている。Yは、ぼくを誘ってきた。最初は、サークルの集まりとかなんとか言っていたと思う。なんか面白いことがあるからと言ってぼくと、もう一人Tが誘われた。
着いてみると、そこは、150人も入れば一杯になる小会議場のような部屋で、やはり、会議室で使用されるような、無限に積み重ねられそうな例のイスに、参加者のほとんどが座っていた。ぼくらはどうだっただろう、立っていたかなあ。
メガネをかけた人物は、片手にマイクを持ち、ホワイトボードに向かって黒いペンをすらすらと走らせている。顔から笑顔が消えることがまったくない。ホワイトボードには、文字やグラフのようなものが、勢いよくどんどん書き込まれていくが、何を説明しているのかははっきりとはわからない。
弁舌はさわやか。適度な声量で、声音も大変心地よい。自分の声が、部屋の中でどのように響いているかコントロールしている感じさえした。よどみがないその口調の合間合間で、どっと歓声があがったり、笑い声があがったりする。どうやらおもしろいことを言っているらしい。途中から抱いていたぼくの違和感はどんどんと増していった。
会場の話が終わると、Tは早々に立ち去った。彼は決して勉強ができるといったタイプではなかったが、勘がいいやつだったので、何かに感づいていたのだろう。
しかし、ぼくは、リクルート出身で、夢を追いかけていると言っていたその人のプレゼンテーションの能力にほとほと感心し、興味本位からその場に残った。まあ、今考えてみると、能力もさることながら、大勢のサクラがその能力に拍車をかけていたのは紛れもない事実に違いないのだった。
この会にぼくを誘ったYが女の子を連れてきた。今となっては失念したが、小学校か中学校の時の同級生だと言っていたと思う。Yはその同級生の女の子に誘われて、サンフラワーに入会していたのだった。
今でもはっきりと覚えているけど、Yが、入会するようにとぼくを誘う時の目は、なんとも言えないものだった。Yはごく普通の銀縁のメガネをかけていたが、そのメガネ越しに見える目は、どうだろう、ひょっとしたら、男が女をそういう気で見ているとき、あんなふうになっているのかもしれない。
河岸も変わり、手も変わり、品も変わり、最後にボスキャラらしい人物にも遭遇し、書類にハンコを押すようにと迫られたけれど、結局押さなかった。ボスキャラに至るまで、プレゼンの能力や、人を焚きつける力は、本当に素晴らしかった。
自分が得をするのであれば、ハンコを押してもいいと思っていた。途中、ぐらっときたことも実はあった。だけど、やはり、話がおかしい。つじつまが合わない。いくら聞いても腑に落ちないのだ。こういう心持では、契約する気にはなれなかった。と、そういうことを思い出しましたね。この番組で。
『歴史好奇心 野望の錬金術 百年の興亡』バブル万歳!3/18/wed
豊田商事事件
- 1985年6月永野一男会長刺殺
- 戦後最大の詐欺事件と言われる
- 時代背景
- 70年代後半からの好景気
- 自動車、電気機器が世界を席巻
- 『ジャパン・アズ・ナンバーワン』(1979)エズラ・ボーゲル
- 80年代に入り、マネーゲームが盛んになった
- 株式市場での資金調達が常態化
- 財テクを行わない経営者は時代遅れとさえ言われた
- 金の先物取引も盛んに
- 事件の顛末
- 人物像
- 永野会長のビジネス観
- ランクを4つに分類(虚構性が強いものほど価値がある)
- ①投資
- ②金融
- ③流通
- ④製造
- 「虚」の度合いが強い仕事が現実をひきずりまわす(朝倉)
- 永野は予言していたと言えるかもしれない(朝倉)
- ランクを4つに分類(虚構性が強いものほど価値がある)
- 社会問題化後
- 経営の行き詰まり
- 被害者が続発
- ひとりマンションにこもり、何もない部屋で、ギターを弾きながら加山雄三の曲を歌っていた(愛人)
- 1985年逮捕直前、大阪府豊中市の町工場の社長に刺殺された。
- 永野が一番下のランクと定義していた人物に殺されたのは皮肉(朝倉)
1985年9月22日のプラザ合意
- 合意後日本は本格的なバブル経済に突入していった
イトマン事件
- 伊藤寿永光
- 不動産投資に意欲的だったイトマン
- 地上げは尋常な手段ではできない(朝倉)
- 適した人っていうのは。表の人ではなかなか…(朝倉)
- 大手企業や銀行は、土地や不動産事業に莫大な金額をつぎ込んでいた
- 河村良彦
- 当時の社長
- 住友銀行から送り込まれていた
- 利益拡大が至上命題だった
- 「企画監理本部」を新設し、伊藤に任せて、不動産事業に乗り出した
- ゴルフ場やリゾート開発に莫大な資金を投入
- 伊藤は会社の金を本人の借金の充当に当てていた
- 絵画への投資も行った
- 許永中
- 伊藤→許が経営権を持つ開発会社へ 200億円
- 許がイトマンへ200点以上の絵画を売る 528億円
- 相場の3倍
- 偽造鑑定書
- 土地の値段が下がり始めていた。絵画はその代替物(朝倉)
- 1990年2月絵画取引の疑惑が表面化
- 不動産投資への以上投資も表面化
- 加藤専務が死亡
- 住友銀行出身
- 伊藤の窓口
- 「60年間勤め上げ、わずか1年でめちゃくちゃにされたことは、返す返すも残念です」(加藤氏が残したメモ)
- 1991年バブル崩壊
- 1991年7月23日大阪地検特捜部が河村、伊藤、許を逮捕
- 特別背任罪など
- イトマンから引き出された2500億円は闇に消えた
- 資本主義経済は発展膨張を運命付けられている(朝倉)
- 社会の進歩なら良いが
- 幻想的な利益誘導
- 近代文明の影
バブル後の事件
- 1991年6月 四大証券損失補填事件
- 1991年7月 富士銀行不正融資事件
- 1995年3月 大蔵省スキャンダル発覚
- 1997年3月 第一勧銀総会屋への巨額の利益供与発覚
- 1998年4月 日銀・大蔵省接待汚職
破綻した金融機関
- 1995年12月 二信組破綻
- 1996年5月 住専に6850億円の公的資金を導入
- 1997年11月 三洋証券会社更生法を申請
- 1998年10月 金融システム安定化のため60兆円の公的資金枠導入
- 長銀破綻
- 1998年11月 日債銀破綻
- 2000年10月 生命保険破綻相次ぐ
2008年9月 リーマンブラザーズ破綻