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2014-03-13

ゲーム「うさみみデリバリーズ!!」感想

うさみみに意味はない

そんなわけで。すたじおみりすの燃える青春お届けラブエロ萌えコメADV「うさみみデリバリーズ!!」を終えたので感想を書く。

賑やかで楽しげで、惚れ甲斐のある女の子に溢れたいいゲームだった。そしてまたも(個人的に「Treating2U」以来の)主人公好青年ゲー。

いきなりヒロインたちについて。可憐ちゃんが非常に捨てがたいんだけど、一番好きなのは莉央姫さんかな。誠実で「いい女」なんだよね。おたまとねこのデレも破壊力がマジパない。べるのは癒やし(北都南さんがナイスキャスト)。

総じてヒロインは魅力的なんだけど、まずその魅力を見つけることができる主人公・Q太郎の視座が素晴らしいと思った。この娘はこういうところがいいんだ、というモノローグにいちいち頷ける。

本編はゲーム内時間で数日のできごとなんだけど、攻略進めるとその数日で各ヒロインのことが好きになっていて不思議、というよくあるエロゲワンダーを味わった。共通部分が多いから、各ヒロイン固有のパートってそんなに長くないのにね。2010年代の白箱系エロゲだとわりと意識されているであろう「くっついた後のイチャラブ期間」も全然ないし。

それでもゲーム中にヒロインに対する好感度がどんどん上がっていくのは、やっぱり随所に見えるエロゲ作りの巧さによるものだと思う。

全体的にテキストの練度が高い。台詞に「…………」みたいな沈黙が多いんだけど、それがいい間の使い方になっていたりする。カットイン等の画面を面白くする小技もえらく効いていて、約10年前当時のゲームは「姉しよ」「C†C」とか以外ほぼ全然知らないけど、多分当時の業界標準から見て上の方だったのではないかと勘ぐる。イベント画はそこそこで、時折エロかった。音楽も慣れ親しむほどに心地よく感じられた。

浮島の一番熱い夏

ゲーム全体の印象としては、僕はどこかつかみどころがなく、またそれが好ましくもあると感じた。キャラクターが背負った周辺的な設定とかバックグラウンドとかはけっこう広大なんだけれど、このゲームはそれらをあえて書ききらなかった。各ルートで語り残したものがまとめて語られるグランドエンドが、ありそうでない。何か大きなものから、ぽっかりと切り離されたものに触っているような感触がする。

それは、地理的に日本本土から離れた浮島という舞台のせいでもある。仮に本土や外国とそこに住む人々にまつわる情報がなければ、浮島はあまりにも外界から隔絶されすぎ、眺めていて現実感を喪失しそうになるだろう。適度な情報量によって、地続きならぬ海続きになんとなく外の世界がぼんやりと感じられるようになっている(ねこ・紀里亜)。

また、折しも作中の季節は夏、それもお盆に差し掛かる時期である。どことなくこの世と別の世界の境界すらもぼやけ、普段は見えないものがぼんやりと見えてくる(みちる・莉央)。

この、どこからも近くなく遠くなく在るという浮島の存在感がなんだか好きになった。そこで懸命に生きてみたり(おたま・SS)、そこから昇る宇宙に思いを馳せてみたり(べるの)、どこからも距離を置いているが故にどこをも志向できるという自由さがある。*1

お話単体で見ると、べるのルートが味わい深い。テックが(本来の設計意図とは異なる形であれ)人を幸福にすることを祈らずにはいられない。

みちるルートも、彼女が言う「わからないことをわかること」がなんだかしっくりきて、わけがわからないままに情が移ったし、たとえ彼女が観るビジョンを共有できなくても、ただ抱きしめたいなと思う。

デリバリストよ永遠に

そんなわけで、おすすめされて始めた「うさみみデリバリーズ!!」は面白かった。初みりすだったけど、つかみはOK。インストール済みの「SinsAbell」はいずれまたということで。

うさみみデリバリーズ!![アダルト]
うさみみデリバリーズ!! [アダルト]

*1:ところで、軌道エレベーターがこの作品をSFファンに紹介するためのアドバルーン的に使われてるようだけど、実際のところ新船橋市の生活描写のディティール自体が既に十分すぎるほどSFだよね。

2014-03-05

ゲーム「真剣で私に恋しなさい!A-3」 感想

そんなわけで。みなとそふとの武士娘恋愛ADV「真剣で私に恋しなさい!A-3」をプレイした。やっぱ「まじこい」は楽しいっすね(恒例)!

スタッフ日記にあった通り、ボイス飛ばさずにプレイしたら大体13時間くらいで全部終わった。今回ももちろん「明るく楽しい」みなとそふとらしいゲームに仕上がっていたけれど、李静初/ステイシー・コナー/松永燕という3ヒロインに共通するのはなんつっても「年上」であること。奇跡のお姉さんカーニバル、開幕だー!

全体的に、「まじこいA」シリーズから九鬼家関連の描写がいっそう増えてきていて、大和が九鬼に就職してからの話もあり、もはや学園ものから職場ものにシフトしてる感さえある。風間ファミリーがメインキャラからサブキャラになったような印象も受ける。そのへんは寂しさもあるけど、わりとスムーズに後景化できているんじゃないかと思った。収めようと思えばすんなりとサブキャラに配置もできるんだなと。もちろんキャラの魅力自体はそのままである。お約束の京エンドもあるし。

以下、ヒロインごとに。

李静初

度々言っているように、目の前の人物を指して、身近な人間を例に出して「***みたいな人だ」と形容するテキストが好きだ。今回は李さんの「自然な笑顔は素敵だけどなかなかそれが見られない」ところがまゆっちに似ているとのこと。なるほどね。

3-Fのお姉さんたちが素敵だ。ステイシールートでも言われるように、李さんの大和に対する愛情は母性愛的なところがあるんだね。大和自身は咲に対してマザコンの気があるものの、李さんについては母性愛は受け止めつつ彼女に返すのは弟性愛という風に見える。優しい李さんだけど、だからこそ彼女に"怒られたい"という大和の気持ちはわかる。

川神学園でいろんな人達の一日を追うところ、スグル・ゲンさん・矢場先輩というキャラのセレクトがいいところを突いている(矢場先輩A4追加希望勢並の感想)。

死んだフリ世界大会、いやあこれは楽しいイベントだった。ゾズマさんについてもだんだんと人柄がわかってきたな。揚志のつけパンはNG。それにしても李さんの異能が有用すぎる。

夜のこと、まろやかに表現する李さんは淑やかで好ましい。しかしHシーンはどれも素晴らしかったな。タカヒロ作品でたまにあるRPH(ロールプレイエッチ)にもしっかり対応できる、李さんはとても優秀な女性だった。

蛇の言葉「臆病に生きろ」が李さんの中で実際どのように息づいていたのか、推し量ることは難しい。自分がまともな人間であるか自信がないという思いから大和に向き合えなかったあたりが端的な臆病さだろうか。僕もクラウディオと同じく彼女はまともだと思うけれど、どちらにせよ、それは恩人や友人、恋人と絆を結び健やかに生きていくことと相反しない。

CG第1枠とラス枠の対比が美しかった。

  • 一子「お肉はトモダチ! ジャーキーもトモダチ!」大和「お前友達くうなよ」で今作中一二を争うくらい笑った。
  • 那賀ちゃんに罪は一切ない。
  • エアガイツ懐かしい。ダッシャー猪場が好きだった。
  • 大和(とキャップ)はどんだけゲンさん好きなんだよ……僕も好きだよ。

松永燕

燕が主導権を握った未来

松永燕さんは、欲しいものをがんばりすぎるくらいがんばって手に入れる女の子であった。大和は燕さんの恋人になり、彼女の望みは大いに叶えられた。「まじこいS」燕ルート本編って、僕は欲望の話だと思っていて。その続きを作ると、自助努力で願いを叶える次のステップに至るのは当然ではあるのか。自分ではどうにもならない(どうにかすることに限度がある)ものの代表例が、他人の気持ちだろう。ましてや家を出て行った母親と残された父親の気持ちなんて難儀すぎる。しかし希望が潰えたわけではない。幸せな家庭を取り戻すため、走れ、スワローガール、走れ!

ミサゴさんがとっても魅力的なので、トラップ回避がなかなか際どかった。直江家と松永家で家族ぐるみのお付き合いするところが気持ち温まる。景清父さんの信頼性がスゴイタカイ。

足でガン攻めしてくる燕さんの表情がたまらない。ミサゴさんとのハプニングで燕さんの目からハイライト消えた時はさすがにもうダメかと思った。

大和が主導権を握った未来

燕さんとのお風呂い(「お風呂う」の名詞化)、いいね! 軽いSMプレイ、いいね! 平蜘蛛スーツで四つん這い、いいね! と形而上のいいねボタンを押しているうちにシナリオが終わった。

  • 「川神いい加減にしろよ」「ノーカラテ・ノーニンジャ」など、今「まじこい」こそエロゲ界で一番忍殺パロが盛り込まれたタイトルなのでは。
  • クロエ・ルメールネタの仕込みからシナリオが書かれた時期を推測する遊び。

ステイシー・コナー

熱く元気が出る「まじこい」らしい話だった。2009年から3年後ということで大和も徐々に武力を身につけつつあるところ、バトル物の様相もあって面白い。肝心のステイシーさんはテンションの上がり下がりが激しく、最初は面倒さも感じさせるけど、一緒に過ごしていくうちに独特のノリが楽しくなってきた。ダウン時にもアップ時にもそれぞれのかわいさがある。素で美人だから髪をくくったりおろしたりするだけで新鮮なときめきを覚えた。

また、各キャラの2012年における姿を見聞きできるのもこのルートの魅力だった。選択肢次第では千花と男女の関係になっていて軽い驚きがあったけど、こういうのもシリーズ内では新しくていいね。

タレ目派からの刺客(?)シェイラ・コロンボちゃん、蓋を開けたらかわいかった。ころっと大和に惚れちゃうところもよし。スキルも有用で実務もできるっぽいし、従者層がまた厚くなった感あり。シェイラちゃんとの結婚エンドもそれはそれで、といういつものやつ。

従者といえば他にチェ・ドミンゲスやラウル、ドキューなどといった従者にもディティールが追加されてどんどん濃くなってきた。あずみさんや李さんもいるし九鬼が働きがいある職場化してて何よりね。そんな従者若手面子で序列争奪が行われるわけだけど、若手はいいとこ壁越え手前くらいの強さだからマスタークラスのような大味さがなくて逆にバトルが面白いというところはあった。今作であずみ・李・ステイシーのそれぞれに従者部隊序列1位になった時の異なる長所がある、というところが示されたのは興味深かった。

ステイシーさんのウルトラロックはハチワンダイバーを思い出させる。まじこいAパッケージ版ではUR状態での獣のようなSEXとか追加されないかね。

  • モロが言う「仲間だからこそ…かっこ悪くて言えないこともあるんだ」っていうの、すごくわかるなあ。

  • テキスト、気の置けない仲間同士での打ち解けた会話っていうのがほんと飛躍的に巧くなってると感じた。あまりに自然で言語化することすら忘れそうなのでメモしておく。
  • 今回CGの塗りがかなりよかったと思う。燕さんやステイシーさんがお風呂入ってる時の肌の質感とか。全体的に肌の感じはどれも柔からさがあって好みだった。
  • BGM、書き下ろし曲は「さざなみ」「この女性、猛禽類につき」「覇を競う者たち」「優雅で勇敢な人の曲」「ぽかぽかびより」の5曲で合ってるはず。どんどん曲が増えていく。「この女性、猛禽類につき」は曲名も含めてミサゴさんらしくて好き。あとシェイラちゃんの「24時のメイドさん
  • まゆっち役九条信乃さん復帰おめでたい。やっぱりこの人じゃないとしっくりこないフレーズっていうのがあるんだよね。
  • チュートリアル、ムサコッスはA4・A5でどこへ向かっていくんだろう……
  • 掛け合い集
    • 南斗星さんがティンカオと再会できたようでよかった。
    • 魔まマ叛逆パロディのケーキの歌がひどい。
  • A4、攻略人数と値段が変更になるかもしれないとのこと。焔ルートは大和「達」が九州に行くお話、林冲ルートは梁山泊が川神に来るお話ということらしい。2014年夏、また数ヶ月ゆっくり待とう。

まとめ

母性に近い愛で包んでくれる李さん、イニシアティブ次第で豊かな可能性を魅せるリトル・デビル燕さん、ロックンロールな姉貴分ステイシーさん、三者三様のお姉さん達との明るく楽しい日々が存分に味わえて嬉しい。テキスト・原画・演出等各要素もさらによくなってきているし、「まじこいA-3」はシリーズの中堅どころとして大役を果たしたと思う。いいゲームだった。

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2014-02-17

ゲーム「Treating 2U」 感想

そんなわけで。BLUE GALEのほのぼの入院生活AVG「Treating 2U」を終えた。

巷説どおり主人公ゲーだった。堤伊之助が好青年すぎて困る。外見に見合わず人当たりがとてもいいんだよね。好感をもった。

主題歌であり表題でもある「Treating2U」については、曲自体のよさもさることながら、曲が生まれる際のエピソードが胸を打つ。正確に言うと、どんなエピソードからでもこの曲が生まれるということが。

堤伊之助が将来どのような職へ就いて生きていくかは、一緒に過ごすヒロインによって数奇に変化する。音楽に関わっていくところは同じだが、ミュージシャンとして世界的に大成功したり、小さな規模でがんばってたり、裏方に近い仕事をしていたりといったバリエーションがある。

各エンディングの一枚絵を見ると、服装はもちろん、伊之助の髪型までもが全て違っている。寄り添った女の子がそれぞれ伊之助の身に変化を与えていることがビジュアルからも窺えるようになっているわけだ。

かように様々な未来へ踏み出していく伊之助なんだけれど、その未来の多様性と対照的に唯一つ変わらないことがある。それは、本編でどんなヒロインを選ぶ運びになっても、彼が極点で作り歌う歌は「Treating2U」ただ一つであるということだ。

伊之助が大切な人のことを想って歌を作ろうとするとき、想い人が誰であっても、自分の心の中から必ず一つの曲を導き出す。いつだって「Treating2U」へと至る。そのことに、僕は感じ入るものがあった。

***

杏菜「・・・きっと、幸せだったん、だよね・・・でなきゃ、歌えない・・・歌だもの・・・」

(伊之助END)

彼は"幸福を武器として闘う者"*1だったのだな、と思う。ならば、"斃れてもなお"。

***

郁乃が好き。

Treating 2U

*1三木清「人生論ノート」

2013-08-18

「CUFFS/Garden問題」と「トノイケダイスケ/Garden」問題

マルセル氏のツイートをまとめました。

1 CUFFS/Garden問題、小さな善意と自己満足

2 トノイケダイスケ/Garden問題、作家性・商業性・作品性

2013-07-15

ゲーム「真剣で私に恋しなさい!A-2」 感想

クッキー4ISが親指を立てながら溶鉱炉に沈んでいくシーンは涙なしにクリックできませんでした(挨拶)。

そんなわけで。みなとそふとの武士娘恋愛ADV「真剣で私に恋しなさい!A-2」をプレイした。やっぱ「まじこい」は楽しいっすね(「A1」と全く同じインプレッション)! 前作と同じく1ルート4〜5時間程度で3ルート、合計プレイ時間15時間程度のボリュームだった。7月12日のスタッフ日記にも"今回の全ボイスの再生時間を計算してみたのですが、合算すると大体14時間28分になりました。ボイスを全部聞いてプレイしてると15時間位掛かりそうですね。"とあり、ボイスを飛ばさず進めた僕のプレイ時間と合致する。

攻略ヒロインは葉桜清楚・九鬼紋白・クッキー4ISの3名。シナリオは熱い学園制覇物語、ハートフルラブラブ新妻日記、ロボっ娘との賑やかな毎日とバリエーションに富み、どのルートもブランドコンセプトである「明るく楽しい」が徹底している。

さて、僕は「まじこいA1」の感想の中で、主人公・直江大和と各ヒロインのストーリーにおける関係性が「まじこいS」で顕著だった「あの***が鬼畜軍師の毒牙に……」系でなかった点を褒めた。あの時は「A1」による相対化を踏まえて、例えば清楚ルートは再び毒牙系のシナリオになるものと予想していたけれど、実際にはそのテイストは強くなかった。ゲーム全体からは)「まじこい」無印に立ち返ったような、ヒロインの成長とそれを見守り助けながら感化される大和という構図が見て取れた。*1特に覇王とアイエスは放っておけない危うさがあって、大和もカラーひよこをニワトリまで育て上げたスキルと情熱をもって彼女らに付き合っていたため、僕も一緒にハラハラしながら行く末を案じていた。

以下、ヒロインごとに。

葉桜清楚/覇王

一色ヒカルさんのヒロイン力はまさに圧巻の一言。「まじこいS」の頃から思っていたけど、氏に正統派美少女である清楚さんを任せたタカヒロさん・みなとそふとのキャスティングは素晴らしい。もちろん覇王・項羽との二面性も考慮してのことだろう。今あらためて一色さんの声に宿る美少女性に感服している。

清楚さんは文学少女かわいくて、覇王様は顔面火計かわいい。項羽の「んはっ!」って笑い声がいかにも残念な王様っぽくて好きなんだよね。

このルートはバトルが多めで、序盤の覇王覚醒後メインとなるのは模擬戦での学内試合とそれに伴う覇王の成長、清楚さんとの恋愛。

壁を超えた強さのキャラも随分増えたけど、覇王はマスタークラスでもかなり上の方だから一撃一撃に威力があって爽快。覚醒から即百代を始めとする強者たちとバトルの連続で盛り上がった。

その後大和を軍師として迎えるわけだけど、その会話の冒頭で泣きそうになっていたことが大和にばれないようぐっとこらえながらしゃべる覇王の声は一色さんの好演だった。テキストに出ない部分の演技はエロゲ声優の腕の見せ所だね。

模擬戦に関してはみなとそふとの演出レベルの向上が注目ポイント。動きのある陣形図なんかはわかりやすさの観点からもありがたいし、バトルのエフェクトもどんどんよくなっていると思う。賑やかしとして十分に機能しつつ、くどくもないし。

最初はマジでどうしようかと思うくらい脳筋でダメダメな覇王を使命感に燃えた大和がめげずに矯正していくところが主従ものとして面白い。他陣営のキャラもいきいきしていた。燕先輩ちょっと黒過ぎんよーと思ったけど、クレバーに立ち回る生き様を貫くところには胸を打たれたよ。

清楚さん、一つ上のお姉さんだけど、寂しいものは当たり前に寂しくって、それでも簡単に寂しいと言い出せないのがまたお姉さんなんだよな。彼女の日常を賑やかで楽しいものにしようとする大和に惚れる頃には、もういろんな人達にその様を見守られていて微笑ましい。告白はストレートに覇王の方からだったけど、なにげにヒロイン側から告白されることはこのシリーズだと珍しいよね。過激な寵愛として交換日記から始める覇王様超かわゆい。

Hシーンは覇王様もいいんだけど、清楚さんがすんげーエロかった。清楚ちゃんマジ性楚。あと覇王様:後背位、清楚さん:騎乗位はほんとわかってる。

シナリオ通して主従が熱く絆を結ぶ部分と男女の恋愛が6:4くらいでいい感じに配分されていて「まじこい」らしい仕上がりになっていた。

選択肢の累積が清楚さんよりか覇王様よりかによってEDソングとCGが変化する。歌はどちらのバージョンもよかった。

その他。

  • 相場破壊は基本
  • 俺もあずみさんのような29歳になりたいです!

九鬼紋白

「まじこいS」九鬼紋白ルート、同アフターの続きとなる。いきなり結婚式から始まり、九鬼家の仲睦まじさに涙腺を刺激されて瀕死になっていた。

九鬼紋白界隈では彼女の呼び名を紋白→紋ちゃん・紋様→紋様ちゃんと発展させてきたわけですが、再び「紋白」に還る時が来ている……!? などと与太を飛ばしつつ。

紋様ちゃんの冬服、色使いとフォルムがペンギンめいててかわいい。九鬼家・従者部隊で雪合戦→集合写真の場面にはジーンと来てしまった。今回から九鬼帝に立ち絵が付いて、一家の長らしくより前面に出せるようになったのは成功だったね。妙味あっていいキャラだし。

バレンタインからクリスマスまで、四季折々のイベントがあり、一年かけてじっくり紋様ちゃんとの新婚生活を楽しむことができた。紋白サンタには頬が緩む。

専属従者はステイシーと李から選ぶことができ、そこまで多くはないがちゃんとシーン差分が用意されていて生活に彩りを加えてくれていた。

選択肢で紋様ちゃんの肉体的成長を望み続けると、大きくなった彼女とのHシーンが挿入される。僕は幼女原理主義者じゃないから成長も全然あり。健やかに育った紋様ちゃんはすごく麗しかった。

総じて非常に和やかなルートで心温まった。

その他。

  • まさかのメフィストフェレス
  • ヒュームさんのソーラン節怖すぎィ!
  • クリ吉がクリスさんに
  • 性格反転川神キノコは「痕」おまけシナリオが元ネタなのかな?

クッキー4IS

アイエスちゃんはかわいいなあ!アイエスちゃんはかわいいなあ!!アイエスちゃんはかわいいなあ!!!アイエスちゃんはかわいいなあ!!!!

思わず取り乱すほどのカワイイを備えたアイエスちゃん、本作の中でもいっとう素晴らしいヒロインだった。

初登場はドレス(ワンピース)を着てトランクを抱えた美少女という風体でナイスだね! と思っていたらキャストオン→バトルから5分もしないうちに底が知れるというポンコツっぷり。「ち、違いますねぇ、誰がグリニッジ天文台で10秒って言いましたかねぇ、これは私の中での10秒であってぇ…」という台詞が出るにあたってもう完全にあかん娘確定。

アイエスちゃんはタカヒロさんお得意の「対等な立場同士の仲間による容赦無いボケツッコミ」が存分に発揮されていてよかった。口汚く思考回路がアレだが憎めない感じの女の子をいじり・おちょくりながら楽しくやっていくという、「つよきす」のカニを想起させる掛け合いが特徴。からかわれて輝くという点ではクリスや心とも似ている。

感情も豊かで、ドヤ顔からケタケタ笑い、養豚場の豚を見るような目、半泣き、ドン引きなど多彩な表情を見せてくれる。中でも「イヒヒ」とはにかんだ笑顔が一番かわいらしい。

シナリオは風間ファミリーとアイエスちゃんの楽しい日常を中心に、他のクッキーISとのバトルなども絡めながら、「A3」以降への謎(「M」なる人物の存在や「暁光計画」というキーワード)も残していくという内容。今作でゾズマさんが思ったよりも出番少なかったから、以降の作品で何か動きがあるだろう。

Hシーンは3シーンだけど、オナホコキ1・AF1なのでスタンダードを求めるとちょっと不満かもしれない。吐息がセクシーだった。

選択肢累積でクッキー4との絆を深めると3人で入浴イベント等あり、こちらも和やか。クッキー4のお姉さんぽいところがよかった。

このルートの情報公開を控えたタカヒロさんの戦術は実際正解だったね。実は発売前から密かに一番期待していたんだけど、アイエスちゃんの仕上がりが予想以上で、彼女の喜怒哀楽を追っていくだけで楽しかった。ぜひ今後もサブキャラとして出演してほしい。

その他。

  • 壊れ性能のディメンションチェンジ、概念攻撃無効などMOMOYOがどんどん人ならぬ領域へ
  • デッドリーコマンドで大笑いした
  • 今回の京エンド、「クライマー列伝」とかまた渋い漫画からネタ持ってきたなあ
  • 千葉繁さんもコミカルながら恐ろしいキャラクターでアイエスルートを支えてくれていた。惜しむらくは僕が「FF6」(「DDFF」)をやっていないことか。

カラスの唐揚げて。天衣さん不憫すぎる……(掛け合い「天衣ダイアリー」より)。

由紀江代役の遥そらさん、由紀江はよく演じておられたと思うけれど、やはり松風だけはどうしても違和を感じてしまう。あの付喪神を降ろせる九条信乃さんは本当に稀有な役者なのだよな。

「甦る戦場」「CYBER BATTLE」など新規BGMも追加され、「恋のAは真剣勝負」は前回同様各キャラアレンジVerが用意されている。このペースでいくと「まじこいファイナル」の楽曲数は相当なものになりそう。

A作品紹介コーナーで「A3」の骨子も紹介されており、3-Fのお姉さんたちに囲まれる学園生活を送る李ルート、九鬼家でのし上がっていく熱いストーリーのステイシールート、おかんが登場して風間ファミリーも強く関わる燕ルート(後日談)と人気の年上ヒロイン3人を揃えた超強力布陣がとても楽しみになってきた。発売時期は一応2013年末だが再検討後発表されるとのこと。

まとめ

とにかくアイエスちゃんが非常にかわいかったので、彼女のためだけにでもプレイする価値はあったなと思う。清楚さん/覇王様、紋様ちゃんも大好きだけれども。ヤドカリの真似でえへ顔ダブルピースしてるアイエスちゃんに萌え転がれるのは「まじこいA2」だけ!

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*1:"日常や掛け合いに重きを置いた、無印に近いシナリオ感覚になります。" http://www.minatosoft.com/majikoi-a/outline.php という公式のアナンウス通りということだ。

2013-01-26

ゲーム「真剣で私に恋しなさい!A-1」 感想

そんなわけで。みなとそふと「真剣で私に恋しなさい!A-1」をプレイした。

ファーストインプレッションは「いやー やっぱ『まじこい』は楽しいっすね!」ということ。2日かけてCG・テキスト・掛け合いまでフルコンプする間、全く集中力が途切れなかったものな(もちろん自分が「まじこい」ファンとして訓練されているおかげでもある)。ルートごとに休憩を挟んだけど、各ルートプレイ中はほぼぶっ続けでクリック&ホイールロール。ちなみに1ルート4〜5時間程度で3ルート、合計プレイ時間15時間程度のボリュームだった。

攻略ヒロインは武蔵坊弁慶・忍足あずみ・黛沙也佳の3名。今回はこのヒロインと主人公・直江大和の関係がよかった。つまり「まじこいS」マルギッテルートに代表される「あの***が鬼畜軍師の毒牙に……」系シナリオではなかったということ。

ここでちょっと「まじこいS」以降の話をまとめておこうか。僕の観測範囲では、「まじこいS」は燕さん・紋様ちゃんの新規ヒロインルートは及第点だったものの、マルさん・心ちゃん・辰子といった昇格ヒロインのルートがHシーン重点でシナリオの起伏に乏しい、という不満の声が少なからずあった。

僕の意見は「おいおい無茶を言うなよ。『まじこい』シリーズにおいては大和のパーソナリティが社交的だからかろうじて成り立っているけれど、もともとサブキャラのルートを新たに作るという時点で何らかの不自然さ(例えば、距離が近しい風間ファミリーの女の子を差し置いてどうしてS組の女の子の方へ行くのか)は発生してしまう。いくらwagiさんらがそれぞれの女の子に対して一ヒロインとしてもおかしくないくらいのキャラクターデザインを達成したとしても、やはりサブキャラが持つ可能性には限界があるだろう。そういう意味ではシナリオがHシーンばかりになることもしょうがない」というもので、積極的にサブキャラの攻略可能化を要望するユーザーとは距離を置いていた。

とはいえ、結局「まじこいS」では多くのヒロインを攻略可能化することでシナリオ類型・攻略パターンの引き出しの少なさを露呈してしまったというか、「あれ、昇格系ヒロインルートって『竿師大和の大活躍』で総括できてしまうんじゃね?」と気付いてしまったことは確かで。BGMの曲名にも「大和無双」とかあったし。

一人一人のヒロインごとでは満足なんだけど、作品を総体的に眺めると可能性的に大和のハーレムが築かれていることが見えてしまう。せっかく無印が群像劇的な性格を持っていたのに、ユーザーの要望を叶え続けた結果として主人公の特権性が必要以上に強調されてしまった、ということに僕や一部の人達はもにょっていた。

そういう流れのあとで「まじこいA」が発表されたため、「大和さんどんだけだよ」という反応があったことは至極当然。僕も「あーあ、ついに忍足あずみルートにまで手をつけてしまったか。これは心配だぞ」と思っていた。

ところがどっこい、「まじこいA1」のシナリオはシリアス色こそ濃くないものの、抜きゲーと揶揄されるほどHメインでもなく、いい感じにラブコメしていてバランスよく仕上がり、

日常や掛け合いに重きを置いた、無印に近いシナリオ感覚になります。

作品概要

とあるように、「まじこい」のプレイ感覚に近い明るく楽しいゲームになっていた。

ゲーム制作において何らかの制限があることが成果を生み出すことがあると思うんだけど、「まじこいA1」は「(本来主人公が攻略することに若干の不自然さが発生する)サブキャラを攻略可能にするユーザーの要望に応える」という制限をうまく成果に変えたな、という感想をもった。

2012-02-03追記:「まじこい」シリーズを俯瞰した時の大和のハーレム構造自体は変わらない、というかヒロインが増えるごとに強化されるんだけど。「まじこいA1」がこういう内容だったことで、今後「あの***が鬼畜軍師の毒牙に……」系シナリオが来てもある程度相対化して見られるという効果はあったかと思う。

以下、ヒロインごとに。

武蔵坊弁慶

人気投票第2位の貫禄を見せつけた。この娘に関してはもともと大和との相性もよく、だらけ部からスムーズにまったり系イチャイチャライフへ移行できると予想していたけどまさにその通りだった。望んでいたものが手に入ったという感じ。

個人的テーマソングは「守護心PARADOX」。"君が守りたいものに 守られてるかもねと"ってところが弁慶と義経ぽい。

義経・弁慶・与一の三人、本編で言われてるように風間ファミリーと似た雰囲気が漂っている。好きなエピソードは弁慶の口から語られたこれ。

弁慶「昔、与一にワカメと連呼されてて陰で泣いてた」

弁慶「ちなみに与一はその場で私にボコられ表で泣いてた」

弁慶「で。義経は与一大丈夫かーってかけよると、うるせえって言われて義経も泣いてた」

(六月二十七日)

なんだみんなして泣いてるじゃん、仲良しね。

その他。

  • 立ち絵を一部表示して誰の足か当てるクイズはわからなかった。不覚だわ……
  • 小雪の心イジメが相変わらず冴える
  • 押さない・かけない・正気を保つのおかしの精神
  • ついに草薙の剣と会話するようになった軍師
  • 太陽野子……
  • 義経ルートをプレイすることを「義経キめる」と呼ぶことが脳内閣議で決定

忍足あずみ

既述のように、あずみ攻略可能化には消極的だった僕だけど、これだけ丁寧にやってくれるならあり。(作中)時間をかけてゆっくりあずみを追いかけていく大和、こういう恋愛もいいね。歳月が経ってあずみ・京・ガクトのビジュアルが変化するところもポイント。従者部隊はステイシーや李さんなど良き上司が多くて羨ましい。

  • 紅茶ネタは「古色迷宮輪舞曲」でいいのかな?
  • アリの巣に水を入れる会……タカヒロさんの根暗系ネタ大好き
  • 百代姉さん、1シーン用意されている優遇具合
  • 弁慶ルートでもそうだったけど、鯉は一子に好意的だなー

あと、あずみが録音聴くところがエモい。「まじこい」発売から4年、僕もこの作品に対する想いには変遷があるし、そういうところを重ねて観ていた。

選択肢でフラグ積み上げておくと初夜がウェディングドレスになるっていうのは素晴らしい仕様。

黛沙也佳

ほぼノーマークだったところ、意外なムッツリぶりで好感を持った沙也佳ちゃん。大和+黛姉妹の空間に変態しかいない……ジト目もかわゆい。ノーマルよりの娘との青春は好ましかった。

  • 万華鏡幻魔拳→モンさんのインパクトがすごい
  • 「無意味無意味アンド無意味」など、やはりタカヒロさんなんJ民説は濃厚
  • 以前Twitterにも書いたが、ワンコイン→ワン子インという脳内変換が捗る
  • 京大勝利.mpg、ファイル診査の時点でなぁにこれぇと思ってたけど中身完全に某アニメ最終話じゃねーか。A1で一番笑ったわ
  • 射精音で「ビヒュオウ(ry」はやめてください腹筋が壊れてしまいます
  • 真光龍覚醒、改めて百代さん人を超越しとる

新規BGMでは「進化」が好み。「恋のAは真剣勝負」は各キャラVerが用意されててそれぞれアレンジに趣向があり、よい。

演出も安定のクオリティで、立ち絵は例によってよく動くし、チップ芸も小ネタとして楽しい雰囲気づくりに貢献している。

掛け合いで忍殺ネタが……「辻堂さんの純愛ロード」アンケハガキでおすすめしたらスタッフ日記でタカヒロさんが「読みました」と書いてて布教成功とか言ってたのが昨年の出来事。しっかりパロっていた。

総じて、こんなに面白いゲームがまだあと4回も発売されるですって!? というくらい楽しめた。今後は「鬼畜軍師がサブキャラを毒牙に」系のシナリオも出ると思うけど(清楚さんとか)、A1がこういう内容だったことである程度相対化して見ることができるのではないか。そう考えるとヒロインのチョイスもよかった。A2からも引き続きプレイしていく予定。

余談

「まじこいS」にもあった描写だけど、大和が風間ファミリーを価値基準の物差しにしているようなところが好きで。人物と話している時に入る「この人はファミリーで言うと一子に似てるな」とか「ガクトタイプか」みたいなモノローグ。思考するときの例えがファミリーの面々になっていて、そのくらい心の基礎的なところに彼らがいるということが確認できてよい。

あずみルートで英雄が「葵冬馬に仕える井上準のような存在」という言い方をする場面があるけど、あれも冬馬・準・小雪の姿が彼の心に印象深いものをあたていたのだな、とわかってぽかぽかする。

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2012-11-25

アニメ「ねらわれた学園」 感想

人や物がよく回るアニメだった。あとすっごいエロい。でも清潔感ある。画面光る。エモい。

そんなわけで。rakankaさんとaquirax_kさんがやたらと推しててyukimura_anzuさんも観てたという影響で僕も映画館に足を運んだのでお三人に感謝。makoto_hajimeさんとpetro_vichさんも鑑賞後のお話に付き合っていただいてありがとうございます。

回転

前半は動きに注目して観ていた。

冒頭の海岸のシーンで、ナツキの身振り手振りがすごく過剰気味だなー 舞台の上で遠くの観客にも何やってるか伝わるように意識した時の動きみたいだ、とか思っていた。その後も横回転や縦回転を駆使して動き回るナツキを観ていると楽しかった。飛び石飛んだり、カホリに抱きついて回ったり、屋根伝いに宙返りしたりね。

生徒会長のペン回しもよかった。一瞬だけどものすごい勢いで回転してるし、光が反射するところで引きこまれた。

エロい

カホリは京極に対するリアクションでビックンビックンしてる様が非常にエロかった。それでいて上品さを保った画面になっていて満足。花澤さんの声のおかげなのか?

ナツキは特定のシーン単位では覚えてないけど、全般的に健康的にエロい感じがしていた。

エロい言いたいだけちゃうんか。

綺麗な画面

光ピカーッ、桜の花びらヒュアーッ、水平線スパーッって感じですごく綺麗(伝われ)。

本編ではいろいろな形で桜の花びらが映る。僕がいっとう綺麗だと思ったのは、線路沿いに撒かれた花びらが電車が通り過ぎるとともに吹き上がるところ。

エモい

同じ「片想いする者」としてケンジの気持ちがわかる、というナツキの言葉はとても好ましい。同じ立場、同じ境遇、同じポジションといったところに僕は弱い。ナツキの語りに「幼なじみというポジション」なるフレーズがあったと思うけど、それを自ら捨てることで新しいポジションに立つんだ。いいよなあ。

ケンジが海パンで殴りこむシーンは盛り上がった。チャックが開いてて失敗、を二回繰り返したのはあそこで「海パンだから恥ずかしくないもん」をやるためだったのか! あれ以上は恥ずかしくなりようがないもんな、全裸にでもならない限り。

生徒会室を出るときに、みんなの視線がケンジとナツキに集まるところが好き。きっと憧れるよ。

 

京極とカホリはエンドパートでポケモンみたいになった彼と彼女が視線を交錯させるところが最高にエモかった。

 

yukimura_anzuさんのアニメ「リトルバスターズ!」感想で

というくだりがあって、本作もそういうところあるよなーと。

ケンジのおじいさんや京極のお父さんに起こったこと、カホリのお父さんや京極のお母さんに起こったこと。ケンジとナツキに起こったこと。そういった様々なことがらの因果関係がはっきりと語られるわけではない。

だけど、そこに踏み込まなくても、自分に見て取れるだけのことから、誰かが誰かにいてほしいと思う。誰かにいてほしいと思われて、いま自分がここにいる。それが貴いと感じている。

だから、僕が原作・過去映像化作品に触れてないこともあってわからなかったことは多いけど(おじいさんが倒れた理由とか)、あまり裏設定的な部分へアクセスしたいという欲求はないかな。これは本作に限らず最近の僕自身の傾向でもある。

2012-11-25 14:41追記

そうそう、”もうそれだけでいいよ”という感覚に近いかも。

他感想

関連

パンフよりガイドブックのほうが充実しているという情報あり。

公式ガイドブック ねらわれた学園
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ねらわれた学園 オリジナルサウンドトラック
ねらわれた学園 オリジナルサウンドトラック

音楽担当は村井秀清さん。よいピアノだった。

村井秀清 SPECIAL SITE

銀色飛行船(初回生産限定盤)(Blu-ray Disc付)
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ねらわれた学園 (講談社文庫)
ねらわれた学園 (講談社文庫)

2012-10-15

ゲーム「嬌烙の館」 感想

そんなわけで。13cmのゲーム「嬌烙の館」をプレイした。

プレイ時間は7時間程度。

クリックが楽しいゲームだった。身体的な遊びの感覚に絞って言えば、これが元長柾木参加のゲームで一番面白かった。

普通、謎解き要素を含んだゲームにおいて、総当りという手段は下の下とされている(ように見える)。例えば、自転車創業の「あの素晴らしい  をもう一度」では、キーワード総当たり入力による攻略は面白さをスポイルしてしまうため避けることが推奨されている。

ところが本作は、新規イベントが起きるまで画面中(館内)の部屋をクリックしまくるようなプレイングが勧められているようだった。

作中のテキストでは、そうやって館内を彷徨っていろんな部屋に何度も立ち入る主人公の行動が揶揄されており、この作りは意図的であったことが窺える。

「君の言うことはもっともだけど、僕の本分はこの『館』をうろつき回ることだからな。それが僕に割り振られた役割みたいなんだ」

(3rd chapter : Carnival of a revelation)

とにかく部屋をクリックして女の子に会いに行き、既読テキストならがっかりしてスキップし、未読テキストなら食い入るように読んでいくという流れができあがり、それがたいそう気持ちよかった。

攻略自体は各部屋をうろつきまわっていけば普通にできた。暗号も一応全部自力で解けた。数回誤答すると自動で正答が入力される仕様だから解く必要ないといえばない。*1

「哀しむべきへぼルーム」でピーナッツバターをいろんな食材に塗ることを考えるテキストもクリック連打する楽しさがあった。

特にHシーン前後のテキストに印象深いものが多い。「忸怩たるループ」とかね。「やってられるか!!」で笑ってしまった。あとどこか忘れたけどポップコーンの話もよかった。

ストーリーの落とし所もいいし、満足している。ところで、アヤさんの部屋にあった『原形質の何か』とはなんだったのか。

BGMモードの画面、一つ一つの曲にジャケ写っぽいものがデザインされてて素敵だ。好きな曲はタイトル画面で流れる「SOMBER DEVICE」。

参考

ギャルゲー日記9910

嬌烙の館 - Marginal

嬌烙の館 - Marginal

*1:つまりキーワード入力系の謎は「あのすば」と同じく総当たりは非推奨と言えるかもしれない。

2012-09-12

ゲーム「たいせつなきみのために、ぼくにできるいちばんのこと」 感想

1

そんなわけで。だんでらいおんのコマンド選択式アドベンチャーゲーム「たいせつなきみのために、ぼくにできるいちばんのこと」を終えた。

制作者が本作にかけた情熱はたいせつなきみのために、ぼくにできるいちばんのこと -What’s TAIKIMI?-からも伝わってくる。2011年という時代にあえて「泣きゲー」を呼称し世に出そうというのだからよほどの気合を入れてきたのだろう。

また、タイトルの元ネタは玉沢円がかつて頒布したleaf「痕」二次創作同人誌の書名であり、シナリオライターとしても特に思い入れを込めた名付けであることが伺える。

2

第一印象

ではその内容やいかに、ということなんだけど……

ガジェットがいちいち心惹くのでつい期待してしまった。半身たる双子の妹、彼女との死別、箱庭的な学園、学園に伝わる六つの秘密、湖に水没した旧校舎、物語内物語、夕焼け空……いかにも面白くなりそうでしょ。

それに、ゲーム起動後のタイトル画面が素晴らしくてね。ヒロインのタイトルコールとともにBGM「天使の囁き」が流れる、あの空間だけは手放しで褒められる。

シナリオ

しかし、シナリオは全編通して読後感は悪くないものの、十分な尺の長さがあり*1辻褄も合っているのにどこか物足りない。シナリオはちゃんと書ききられてはいるが、「書ききる」が「整合性を持たせて語り残しがないようにする」程度の意味しか持っていない。

語り残しがないことですっきりするというプラス面よりも、想像の余地もなくなってしまったというマイナス面が大きい感じ。僕としてはたとえムラがあっても、一つ「これは!」というシーンがあればいいんだけど、その域に達していた場面はなく。もっと瞬間最大風速重視してもいいんだよ?

テキスト

テキストについて言えば、文章にねちっこさが欲しいという時に使われる手法が言葉の反復と指示語の多用と類語表現の繰り返しばっかりだったのが惜しい。

鷹也のモノローグにおける言葉の反復は相当くどい。"だから。/だから……。"といった記述でリズムが延びちゃうんだよね。好意的に見れば、それは彼の屈託した思考を表しているのかもしれないし、もしかするといなくなってしまったすずと合わせて二人分の言葉を噛み締めている、ということかもしれない。

指示語の多用や強調もテキストを遅延させている。これはまだるっこしいだけだったかな。あまり擁護のしようがない。

あと、言葉を尽くして類語を重ねていくほどに対象の事物を記述し得ないことが伝わってくる文章、あれはわざとやってるのか判断に迷う(笑)。どうも読んでると言葉をandではなくorで繋いでる気がするんだよね。「それはAであり(かつ)Bであり(かつ)Cであった。」と読ませたいのかもしれないけど、A・B・Cがあまりandで繋がるような言葉じゃないから「それはAであり(あるいは)Bであり(あるいは)Cであった。」の方が文意として自然になってしまい、結果として記述された対象の姿がぼやける。それで膨らんだイメージが魅力的かというとそういうわけでもなく、書けば書くほどピンと来なくなるという不思議なテキストだった。

原画

キャラクターデザイン/原画は松乃かねると日鳥(原画補:明音)で、特に松乃かねる画のすず・小鳩・郁奈多はよかった。全体的にイベントCGで躊躇なくヒロインたちの表情を歪ませるのが好印象だった。テキストもその勢いに従ってくれてればなあ。

制服デザインはやや奇抜でファスナーの取っ手が大きいところがエロゲしてるなー という感じだが、慣れればどうということはない。

背景美術(担当:はち)も美しく、特に物語の象徴的な場所である夕暮れの湖畔、そこに浮かび上がる旧校舎は出色の出来栄えだった。

エンジン

RPMゲームエンジンは難ありだった。自分の環境だとウインドウの最低サイズはクリアしていたけど、フルスクリーンにするとボタン等が消えてUIが使いものにならなくなるし、Extraからタイトル画面に戻る時の挙動が少しおかしい。

Hシーンで画面を頻繁にフラッシュさせるアンクリッカブルな演出はテンポを乱すので勘弁してほしい(コンフィグのエフェクト:OFFで解消できる)。

音楽

Angel Noteが担当したBGMはピアノ曲を中心によいものが多かった。既述の「天使の囁き」に加えて、変奏曲を除けば「影法師を追いかけて」「星空が見る夢」「予感」あたりが好み。

主題歌(OP)「夕焼けのマージナル」、テーマソング(ED)「たいせつなきみのために、ぼくにできるいちばんのこと」はどちらも気に入った。

ムービー

OPムービーで作中テキストを画面に配置する手法はわりとセンスよく決まっていたと思う。

ただ、ムービー冒頭に「なきたいほどの夕焼け空 きみとぼくの境界線(マージナル)――」ってコピーを出しちゃったのがなあ。"なきたい"って感情をプレイヤーに先行させちゃったら開始10秒で敗北じゃないですか。泣いてくださいと土下座しているに等しい。それは「泣きゲー」を謳うものとしてどうなの、という。いや、単に僕が「泣きたいほど(泣きたいくらい)」って形容が嫌いなだけなんだけど。

すずメインルートのみで流れるEDムービーはベタでよかった。他ヒロインのイベントCGも出てくるから画バレの心配があるけど、僕の場合は最後にプレイしたから問題なし。

スタッフロールでこのかなみ雪都さお梨の配役が逆になっているところはキャストに失礼なので差し替えが望まれる。

3

共通ルート。「朱」のイメージから物語が始まる。正直、"そう。/そこに、それはあった。"とか指示語が多用されまくったテキスト読んだ時点で嫌な予感はした。

選択肢が難しい、というか選択肢の意味が事後的に決定されるタイプで味わい深い。そこは旧来のエロゲフォーマットなのかよ。

例えば、すず・小鳩共通部分ですずと再会したあと小鳩にそのことを話すかどうかという選択肢で、「すずに会ったよ」を選ぶと小鳩ルート、「見られなかったけどね」を選ぶとすずルートに入ったり。要は「死んだはずのすずがいる世界」に小鳩を巻き込むか、巻き込まないかという選択なのだけれど、そういう選択であるということは事後的にしかわからない。*2

郁奈多

いっぱい本あったほうが幸せという加法的(©元長柾木)な本好き少女。僕も「なでり……なでり……」されたい。

郁奈多ルートはいい話だがしかし、内容はトキ子ルートと言っても過言ではない。主人公がヒロインのトラウマを解消するならまだしも(それも手早く処理しつつ)、主人公とヒロインが協力してヒロインの関係者のトラウマを解消する話というのはエロゲ的なカタルシスに欠ける。

制度に囚われた保守派の意見かもしれないけど、泣きゲーの新たな可能性ってそういうことじゃないんじゃないの、とは思った。

このルートを最初にやっておくことで作中作「あかね色の学園の物語」についての理解が深まるので、他ルートがわかりやすくなるという利点がある。

千鶴

最初はこの人のルートから行こうと思ってたけど、実際郁奈多→千鶴の順番でよかった。郁奈多ルートを踏まえると、千鶴さんの学生時代は「あかね色の学園の物語」、あるいはトキ子先生の学生時代の再演的なところがあるとわかる。トキ子先生が千鶴さんを気にかけてた理由は自身の境遇と似たところがあるから、でいいのかな。

千鶴さんはふわっとした時の表情がすごく魅力的だ。なかなか見せてくれないけど。

小鳩

本来同級生だけど主人公が一年遅れて入学してるのでお姉さんぶってる、というキャラ作りは成功していた。話の展開的にもHシーン的にもわりと散々な目に遭うが、めげずに頑張って生きてほしい。すずの名前を叫びながら小鳩に射精する鷹也はどんだけ鬼畜やねん、と思った。

小鳩ルートは、元いた世界と夢の世界を往還するうちに夢現の境界線がぼやけていく感覚がよかった。元いた世界からすずがいる世界に移動した後に元いた世界の過去を回想したりするから、本当に意識が混濁してくる。

ここでのすずはアカネが言ってるとおり、鷹也・すず・小鳩の絆を甘く見てたし、もっと言えば小鳩を舐めてたことは否めない。(偽の)三角関係で修羅場イベントみたいなのはすずルートでやる話じゃないから、書くとすればこっちしかないんだよね。ほんと、小鳩さんご苦労様です。

すず

とにかくかわいいしおっぱい大きいのでラブ。

双子の兄妹なのに鷹也を「くん」付けで呼ぶところがいいよねー。この子たち、髪や肌の色は似てないんだけど、瞳が夕焼けの色をしているところはそっくり。

すずと交感していた鷹也が、彼女が素敵だと思ったものを彼女の視点をトレースした文章で表現するっていう関係がもっと深化してほしかった。

すず・小鳩ルートでは鷹也とすずが事故にあう以前の記憶が遡及的に生成され、物語の鍵となる。なんでそういうところはしっかり(論壇的な意味で)伝統的なエロゲになってんだよ。すずルートの解法も結局ある約束を「思い出す」ことだったし。*3

思い出さないと別エンドに。まあこれはこれで。

鷹也・すず・小鳩の三人がそれぞれ罪と罰の意識を引きずっていることによって、すずの死にまつわる一連の出来事が多面的な意味を持つというところは単純な謎解きではない面白さがあった。

4

あかね色の学園の物語

舞台となった茜華学園について。

全編プレイし終えて振り返ってみると、「たいせつなきみのために、ぼくにできるいちばんのこと」という四通りの二者関係の物語が、「あかね色の学園の物語」という茜華学園の物語に回収されたような印象を受ける。

本作の奇跡はおそらく学園を源泉とし、想いの強さによって代償なしで発現するタイプのスーパーナチュラル。*4そして、どうやらこの奇跡は学園内でこれまでも・これからも起こり続けていくものらしい。

そうしてみると鷹也とヒロインたちの個人史も学園史の一部であるとは言える。

でも、僕は学園史における収まりのよさよりは個人史(二者関係)における一瞬の煌めきのようなものが見たかった。

そして、鷹也たちには学園から巣立っていってほしい。トキ子とかアカネといった学園に留まって悩める若者に手を貸す人たちを描く一方で、あの学園から健全に離れていく人たちも描ければなおよいと思う。

すずルートエピローグで茜華学園教師として着任する鷹也を想像させたのは、少し学園にとらわれ過ぎているように思えた。

すずが好きだった茜華学園を鷹也も愛するという筋道は正しいけれど、「機動武闘伝Gガンダム」のドモンとレインも一度宇宙に飛び出してから"兄さんとシュバルツと師匠たちが愛した地球へ"帰っているわけでね。

このへんは完全に好みの話だから、そこまで強い主張ではない。

夕焼け

余談。本作に限らず、夕焼けが象徴的に使用されるシーンを含んだゲームはいくつか散見される。

エロゲにおける夕焼けが意匠としてどのような使われ方をしてきたか、というところに興味があるので、そう遠くないうちに今までやったゲームからリストを作りたい。

たいせつなきみのために、ぼくにできるいちばんのこと[アダルト]
たいせつなきみのために、ぼくにできるいちばんのこと [アダルト]

題名の長い音楽会 〜「たいせつなきみのために、ぼくにできるいちばんのこと」オリジナルサウンドトラック〜
題名の長い音楽会 〜「たいせつなきみのために、ぼくにできるいちばんのこと」オリジナルサウンドトラック〜

たいせつなきみのために、ぼくにできるいちばんのこと
たいせつなきみのために、ぼくにできるいちばんのこと

*1:千鶴ルートは短いけどあれで必要十分と判断する。

*2:仮に選択肢の行き先が逆になっていて、「すずに会ったよ」で鷹也以外にも認められることですずの存在感が増しルート確定、「見られなかったけどね」ですずの存在が認められずルート離脱、とか説明されてもそれなりに説得力がある。"ある種の選択肢においては、選択の意味は事後的に決定される。" http://kaolu4s.sp.land.to/okiba/imaki.hp.infoseek.co.jp/200309.html#22

*3:"ギャルゲーの主人公は成長しません。ただ「思い出す」のみです。そしてそれは正しい。" http://kaolu4s.sp.land.to/okiba/imaki.hp.infoseek.co.jp/200309.html#18

*4:範囲と規模はおよそ学園内で収まるが、生きながら「あちら」側に行った者は人々の記憶から消えてしまうので影響が大きいといえば大きい。