星のつぶやき このページをアンテナに追加 RSSフィード


PHD2の日本語マニュアルを公開しています。こちらからどうぞ。

2016-05-28

[]惑星日和 21:30 惑星日和を含むブックマーク

昨夜は梅雨前の貴重な晴れ間ということで、先の日曜に引き続き惑星撮影システムを引っ張り出しました。今回狙うは、最接近直前の火星と6/3に衝を控えた土星です。

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ただ、今シーズンはどちらも南の空低く、シーイングや大気差云々以前に住宅街の中からでは電線がものすごく邪魔。地中化されたりしてくれないかな……(´・ω・`)

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2016年5月28日0時16分15秒(日本時間)

セレストロンEdgeHD800+Meade 3x TeleXtender(D203mm, f6096mm) SXP赤道儀

L画像:ZWO ASI120MM, 30ms, 1200フレームをスタック

RGB画像:ZWO ASI120MC, 30ms, 2400フレームをスタック

というわけで(?)、まずは火星から。シーイング自体は高度を考えればまずまずといったところで、ちょうど正面南側(中央上)に横たわるSinus meridiani(子午線の湾)とSinus sabaeus(サバ人の湾)が目立ちます。南極には雲がかかる一方、北極冠はずいぶん小さい状態。火星北半球の季節としては秋分が近いので、これからだんだん大きくなっていくのでしょう(その頃には遠ざかって見にくくなっているでしょうけど)。

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2016年5月28日0時28分31秒(日本時間)

セレストロンEdgeHD800+Meade 3x TeleXtender(D203mm, f6096mm) SXP赤道儀

L画像:ZWO ASI120MM, 30ms, 1300フレームをスタック

RGB画像:ZWO ASI120MC, 70ms, 1000フレームをスタック

続いて土星。この時間帯になると空のあちこちに雲が流れてきて、シーイングがだいぶ悪くなってきました。火星より高度があるのに、明らかに像の揺らぎが大きくなっています。それでも、なんとかそれらしく写ってくれました。

衝が近いということで、「ハイリゲンシャイン効果」で環が明るく見えるのも印象的です。


ところで昨夜、この撮影をやっているときにちょうど3人ほどのグループが通りがかったので、火星土星を見せたところ、大変喜んでもらえました。普通だとなかなか望遠鏡惑星を見る機会なんてないですからねぇ……。

特に喜んでもらえたのはやっぱり土星。いくら火星が接近しているとはいえ、薄暗い模様のついた「ピンポン玉」よりは、圧倒的にウケがいいです。

初めて望遠鏡惑星を見るという人には土星をぜひ。やっぱりインパクトが大事です(^^;

[]大きさ比べ 21:30 大きさ比べを含むブックマーク

上に載せた各惑星を、先週撮った木星と同縮尺で並べてみました。

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こうしてみると、火星の見かけの大きさは土星本体の大きさを超え、木星の半分近くに達しています。

実際の赤道半径で比べると、

と、火星木星の1/20くらいしかないのですが、それがこれだけ大きく見えるのですから、火星がいかに近いかということ。

実際、撮影時点での各惑星までの距離

となっていて、火星の方が木星より10倍も地球に近いのです。

こうやって距離や大きさを考えながら惑星を見ると、太陽系の大きさや奥行きを実感できると思います。

th2546th2546 2016/05/30 09:07 なかなか良く写ってますね。
今シーズンの土星、火星は低すぎて自宅玄関先からではほとんど見えません。
自宅で撮れてうらやましいです。

HIROPONHIROPON 2016/05/30 23:07 > 自宅で撮れてうらやましいです。

その代わり、ご覧の通りの「電線地獄」ですが(^^;
この日も火星や土星が何度か電線にかかって撮影中断を余儀なくされました。

自宅前の路上に展開してるんですが、私道で夜間の通行もほとんどないとはいえ、
まれに車が無理やり進入してくるときもあって、なかなか落ち着いて観測・撮影できないのも
悩みどころです。

見られないよりはマシなんでしょうけど……。

オヤジオヤジ 2016/05/31 00:51 お見事な惑星達ですね。観測は中々出来ないのに買いたい物ばかりです。(笑)
私道で1言、我が家も私道が有って、時々、行き止まりの私道に入り込む車が有って、Uターンする場所で庭観測してます。
赤道儀に追突されるのも怖いので、5W赤色LEDを一晩点けっ放しにしてます。
赤色の地面、ネズミ捕りを連想するのか、以来、一台も迷い込まなくなりました。
ご近所さんに観測バレバレですが。(笑)

2016-05-26

[]上げたのは5日後 00:08 上げたのは5日後を含むブックマーク

今週頭の日曜日、移動性高気圧に覆われて気流が比較的安定してそうだったこと、そして大赤斑がちょうど正面を向くタイミングだったことから、惑星撮影システムを引っ張り出して木星を狙ってみました。衝はとっくに過ぎたとはいえ、宵の空での高度はまだまだ高く、気流の条件を考えたら今ぐらいの時期の方がかえって撮影にはちょうどいいかもしれません。


高度があるので、今回はあえてウェッジプリズムは使用しない方向で。実のところ、可変ウェッジプリズムの使い方にほとほと悩んでいるのが実情です。これを正しく使うには、水平線を基準として対称にプリズムを動かさなければならないのですが、手動なだけに対称に操作しているつもりでも角度がずれて、かえって変な方向に色分散が発生したりしがちです。おまけに赤道儀なので、基準となる水平線は視野に対して時間とともに回転していくわけで……。

さらに、プリズムが入るせいで非点収差が発生するらしく、焦点内外像がきれいな同心円にならないために光軸調整すら困難な状況に。みなさん、どうしてるんでしょう?意地でも使いこなしたいところですが、想像以上に難易度が高いです。プリズムをもう少しカメラ側に近づけた方が調整しやすいのかも……。


ともあれ、そんな状況なので、とりあえずは素直な光学系でどこまで行けるか再確認の意味で撮影に臨みます。

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2016年5月22日20時18分2秒(日本時間)

セレストロンEdgeHD800+Meade 3x TeleXtender(D203mm, f6096mm) SXP赤道儀

ZWO ASI120MC, 30ms, 2000フレームをスタック

というわけで、出てきたのがこれ。本当はいつもと同じくモノクロカメラでL画像を撮影し、LRGB合成するつもりだったのですが、モノクロ画像の方がスタッキング→ウェーブレット処理の段階で継ぎ目破綻してしまい、どうにも回避できなかったのでカラーカメラの映像のみを処理しました。

正直、解像度やノイズ面でどうかと思っていたのですが、相手が明るい木星だけに、アラもそれほど目立たず、何とかなった感じです。ASI120MCでこれだけ写るのですから、最近のASI224MCとかASI290MCなら、もはやLRGB撮影などしなくても結構それなりのものが撮れそうな気がします(^^;


大赤斑も狙い通りいい位置にいてくれて、これまでの自分の撮影の中では、構図を含めてベストショットの類ではないかと思います。大赤斑の芯も見えますし、大赤斑後方の南赤道縞の擾乱や、北熱帯の白斑も目につくところ。南南温帯の小さな白斑もなんとか存在が分かります。ほぼ同じ時間に撮られた「月惑星研究会」への報告写真と見比べるとなかなか面白いです。


ちなみに今回は、Registax6でのウェーブレット処理時に「Use Linked Wavelet」にチェックを入れて使ってみました。レイヤの割り当て方や処理方法が通常と若干異なるようで、本家サイトを見る限り、ハマればかなりの威力を発揮しそうなセッティングではありました。ただ、効果がかなり強く出るので、これまでは敬遠していたのです。

しかし、効果が強く出ることを意識してスライダーを操作し、「Denoise」もより積極的に使うようにすればいい結果になるようです。少なくとも今回の場合、通常の処理よりは模様のディテールが無理なく出てくれました。

2016-05-06

[]PoleMaster使用説明書 01:08 PoleMaster使用説明書を含むブックマーク

先日から関連記事を上げている、QHYCCDの電子極軸望遠鏡「PoleMaster」に関してですが、天文ハウスTOMITAから提供された日本語マニュアルをQHYCCDのサイトにあるマニュアルと見比べていたところ、結構マズい感じの間違いを発見しました。

また、日本語マニュアルに書かれていない内容も若干ありましたので、以下に「勝手訳」を載せておきます。青字はHIROPONによる注です。

なお、もしかしたら誤訳等があるかもしれず、完全な正確性は保証しかねますので、その点はご了承ください。これによって何か損害が生じても、一切責任は取れません。不安があるなら、大元の英文マニュアルをご参照ください。


PoleMasterの使い方

アプリケーション使用前に、赤道儀の極軸を大まかに合わせます。コンパスの指示に従って赤道儀を北に向け、高度角を使用場所の緯度に合わせます。詳しくは赤道儀の説明書を参照してください。これを行うのは、PoleMasterのカメラの視野に北極星が入るようにするためです(PoleMasterは11度×6度の視野を持っているので、設定が粗くても北極星は視野の中に大体入ります)。


PoleMasterの接続とアプリケーションの起動

カメラとPCを付属のUSBケーブルで接続します。初めて接続した場合、PCはカメラを認識し、ドライバインストールが行われます。

Polemasterのアプリケーションインストール時に、ショートカットデスクトップ上に作られているはずです)を起動すると、以下のような画面が現れます。

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メニューから「接続」を選びます。

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以下のようなセクションが現れます。

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北天か南天かを選択します。


大気差補正を有効にする場合、「ツール」から「大気差」を選択し、緯度、経度等を入力してください。


表示が見やすいよう、露出設定(露出時間とゲイン)を調節します。北極星と周辺の星々が見えるようにしてください。終わったら「設定完了」をクリックします。


北極星位置の確認

画面中の北極星位置を指定します。北極星ダブルクリックしてください(冒頭に書かれているように赤道儀がおおよそ正しく設置されていれば、視野内には北極星がほぼ必ず入っています。画面中でひときわ明るく見える星がそうです。)北極星を同定するのが難しかったり、画面中に北極星があるのかどうか分からない場合(事前のおおまかな極軸合わせがちゃんとできていない場合など)、メニューの「ファイル」→「BMPで保存」で画面をBMPファイルとして保存することができます。このファイルをAstrometry.netのようなオンラインサービスを含むフリーのplate solver(その写真が星空のどこを写したものかを同定するソフト)にかけることができます。これにより、どれが北極星か、あるいは画面中に北極星が写っているのかどうかを確認することができます。これは特に南天で有用です(はちぶんぎ座σ星を同定するのは難しいので)。


北極星ダブルクリックしたら、次に周辺の星々が描かれたスケールパターンを画面の星に合わせます。スケールパターンはキーボードの上矢印・下矢印キーやスライダーで回転させることができます(マウススライダーの上に置いた状態で、ホイールを回すことでも調節できます)。正しく合わせると、星々と赤い円で描かれたスケールパターンとが各々一致するはずです。そうならない場合、北極星として選択した星が正しいかどうか、確認してください。済んだら「完了」をクリックし、次のステップに進みます。


回転軸の検出

(PoleMasterを取り付けっぱなしにしている場合、以前の検出結果を利用して、この段階をスキップすることもできます。)

北極星周辺の明るい星を1つ、ダブルクリック選択します。正確な極軸合わせのために、回転中心に近すぎない星を選ぶのが理想的です。


画面上に、赤道儀を回転させるよう指示が出ます。このステップで、アプリケーション赤道儀の機械的な回転軸の向きを同定します。赤道儀を回転させている間、選んだ星が分からなくならないよう注目していてください(通常、コントローラの「東」ボタンを押すと、アプリケーション要求する方向にまわりますが、実験が必要です)。


赤道儀が15度ほど回ったら「回転完了」をクリックし、同じ星を再びダブルクリックします。そしてもう1度同様の操作を繰り返します。赤道儀を回転させるには、ハンドセットコントローラコンピュータソフト(EQMODやASCOMなど)を用いてください。クランプを緩めて手で回転させてはいけません。クランプを緩めることで回転軸が浮き、大きなずれを引き起こすことがあります。

TOMITAの日本語マニュアルがマズいのはここで、同文書にはクランプを緩めて回していいように書いてありますが、これをやってはダメです。

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一連の操作が終わると、選んだ星を通る緑の円が描かれます。この円の中心が、アプリケーション判断した回転軸です。これが正しいことを確認するため、赤道儀を逆回転させ、選んだ星が元の位置に戻ることを確認します。


星が円に沿って動いたなら「Correct」をクリックします。もし円に沿って動かなかった場合は「リセット」をクリックし、再設定を行います。


極軸の粗調整

北極星を再びダブルクリックし、前記と同じくスケールパターンを周辺の星に合わせます。できたら「完了」をクリックします。


画面には小さな緑の円が現れます。これが北極星のあるべき位置です。赤道儀の方位、高度を調整して北極星と緑の円を合わせてください。できたら「完了」をクリックします。

ここまでで極軸の粗調整は完了です。この時点で5分角程度の極軸設定精度が得られます。


北極星を再びダブルクリックし、前記と同じくスケールパターンを周辺の星に合わせます。できたら「完了」をクリックします。


極軸の精密調整

「モニター開始」をクリックします。小さな緑の円と小さな赤い円とを重ねあわせたら、精密な極軸設定の完了です。

終わったら「調整を完了」を、やり直す場合は“Restart”をクリックします。


なお、このとき緑色の各ボックスに星が1つずつ入っていなくてはなりません。もし星が入っていない場合、極軸の位置を決定することができず、緑の円はランダムに飛び回るでしょう。

こうしたことがあるため、PoleMaster使用時は赤道儀恒星時運転しておくことが推奨されています。赤道儀が止まっていると、日周運動で星がボックスから出てしまいかねません。


モニターを開始すると、天体を導入したりして赤道儀を駆動させない限り、ソフトウェアはフレームごとに極軸の位置を計算し続けます。設置した赤道儀が何かのアクシデントで駆動して極軸位置を見失った場合、赤道儀を再度駆動して2つの星を緑のボックスの中に入れなおすことで復帰できます。極軸の位置が再計算され、極軸の再調整が可能になります。


天体を導入した後は、2つの星はボックス内から出てしまいますが、最新バージョンでは手動で2つのボックスを回転させることができます(「ツール」→「手動調整」を使用します)



以下、FAQが続きますが、これについてはこちらのエントリをご覧ください。

[]PoleMaster付属の六角レンチの使い道 01:08 PoleMaster付属の六角レンチの使い道を含むブックマーク

これは余談と言えば余談なのですが、PoleMasterの付属品の中に細い六角レンチがあります。TOMITAの説明書には記載がない上、パッと見、PoleMasterには六角レンチを差し込むようなところもなく、いったい何に使うのか謎だったのですが、QHYCCDの大元のマニュアル類を見てようやく分かりました。

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レンズ部分のカバーを外すとレンズ本体が現れ、その鏡筒部分にイモネジがあります(上写真円内)。これはレンズのピントを固定しているネジです。つまり、付属の六角レンチでこのネジを緩めてロックを外すことで、レンズのフォーカスリングが回るようになるというわけです。ピントを出した後は、再度このネジを締めてピント位置を固定します。

もっとも、基本的には出荷時にピント出しはされているはずなので、これのご厄介になることはあまりないだろうと思います。

th2546th2546 2016/05/07 19:11 回転させるときクランプを緩めてますが拙いんですか。
精度は出ているようですが。

HIROPONHIROPON 2016/05/07 20:49 赤道儀次第でしょうねぇ。

造りが良くて軸と軸受けの間に一切のガタがなく、クランプを緩めたり締めたりしても
軸が傾いたりしなければ問題ないと思います。タカハシのなら大丈夫じゃないでしょうか。

一方で、最近使用者の多い、海外製の安価な赤道儀あたりは怪しそうです。
ともあれ、モーターで動かすようにした方が安心なのは間違いなかろうと思います。

オヤジオヤジ 2016/05/13 17:52 ご無沙汰してます。
ソフトがバージョン上がっている事、昨日まで知りませんでした。ありがとうございます。
>クランプを緩めて手で回転させてはいけません。
確かに、あれだけ精工に極軸を追い込めるのに、何で手で回しているんだ>俺!でした。
手で回しても、Advanced-VXとCGEMの2台は、オフガイドで殆ど4分でも星が○状態でしたが、昨夜は、コントローラーだけを使って「青○と赤○が重ね合う所」まで行きました。
何時も、有益な情報ありがとうございます。

HIROPONHIROPON 2016/05/14 03:01 クランプで軸が云々以前に、手で回したら軽い機材だと動いてしまいかねませんしね。

もっとも、場合によってはモーターで動かすのも罠があって、STARBOOK TENの場合、
ホームポジションからスコープモードに入った直後にPoleMasterの操作をやってしまうと、
最初の回転の時点で安全装置が働き(望遠鏡が地平線下を向くので)恒星時追尾が止まってしまいます。

スコープモードに入った後、鏡筒の向きを変えてから操作をやった方がよさそうです。
(というのについ先日気が付きました(^^;)

2016-05-05

[]4か月ぶり 22:00 4か月ぶりを含むブックマーク

今年の春はとにかく天気が悪く、撮影の機会にまったく恵まれませんでした。ブログの記事を見返してみると、機材テストのための試験撮影を除き、最後にまともに直焦点撮影をやったのが1月10日なので、丸々4か月間が空いたことになります。

GWになって、ようやく晴れ間が出るようになってきましたが、今度は強風に見舞われ、とてもじゃないですが長焦点鏡を持ち出すような天候ではありません。


「春の銀河シーズン」ってなんでしたっけ……orz


とはいえ、せっかくの晴れ間を逃す手はありません。4日日中は強風が吹いていましたが、夜半過ぎになってやや風が落ち着いてきたので、所有筒の中で一番小さいミニボーグ600EDを持ち出して夏の散光星雲を狙うことにしました。

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M8(干潟星雲)、M16(わし星雲)、M17(オメガ星雲)、M20(三裂星雲)と、南天の有名どころはこれまでに一通り撮ってはいるのですが、このうち写りに特に不満があったのがM16です。

以前撮影したのは2012年8月のことですが、このときはオートガイダー自身が不調で撮影を中断せざるを得ず、わずかな露出しかかけられなかったのです。今回こそ、まともにモノにしたいところです。

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2016年5月5日 ミニボーグ60ED+マルチフラットナー1.08×DG(D60mm, f378mm) SXP赤道儀

Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3, ISO800, 露出120秒×32コマ, IDAS/SEO LPS-P2-FF使用

ペンシルボーグ25(D25mm, f175mm)+ASI120MM+PHD2によるオートガイ

ステライメージVer.7.1dで画像処理

というわけで、できたのがこれ。周辺の淡いガスも含め、その愛称の通り、ワシが羽を広げたような姿をなんとか浮かび上がらせることができました。ちなみにM16というメシエ番号は、この散光星雲に重なって存在する散開星団の方につけられた番号だったりします。

ところでM16の北西に散開星団っぽい星の群れが見えます。調べてみるとメシエはもちろん、NGCもICも振られていないので、単に「天の川の星の濃いところ」というだけかもしれませんが、ちょっと気になります。

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星雲の中心部には、かの有名な「創造の柱」が見えます。風が穏やかでシーイングのいい時にクローズアップで狙うと、それはそれで面白そうです。

th2546th2546 2016/05/06 08:08 都内で「創造の柱」写るんですね。すごいです。

HIROPONHIROPON 2016/05/07 01:40 M16は、中心部は明るいんで「創造の柱」付近は案外簡単に写るもんです。

長焦点鏡で高解像度で狙うとなると、シーイングにしろ筒のF値の暗さにせよ、
なかなか大変そうな予感がしますが……(^^;

2016-05-02

[]PoleMasterに関するFAQ 01:02 PoleMasterに関するFAQを含むブックマーク

QHYCCDのサイトでは、PoleMasterの説明書が公開されています。天文ハウスTOMITAでPoleMasterを購入すると、図版入りの詳細な日本語マニュアルが付属してきますが*1、そこに書かれていない情報もFAQを中心に存在します。

そこで、そのうちのいくつかについて、備忘録を兼ねてここに書き留めておきたいと思います(青字はHIROPONによる注)。


計算された極軸位置が微妙に動き回るのはなぜですか?

星の位置がシーイングの影響で動くため、計算された極軸位置も微妙に動き回ります。極軸位置の平均をよく見定め、そこに赤道儀の軸を合わせてください。ノイズに比べてシグナルが低い場合(ひどい光害や、雲の存在などによる)、ランダムエラーが増加し、極軸位置がより大きく動き回ることがあります。

あまりに動きが大きい場合、星が2つの緑の四角内に入っていることを確認してください。

精密調整のモニター時の話です。本来、緑の四角内には北極星と、もう1つの星がそれぞれ入っていて、真の極軸を常に計算し続けています。しかし、赤道儀の恒星時駆動が止まっていたりすると、日周運動などにより四角内から星が外れることがあります。こうなると正確な極軸が算出できなくなるので、極軸位置のポインタが跳ね回ることになります。


PoleMasterの光軸と赤道儀の極軸とをきっちり合わせる必要がありますか?

いいえ。おおよそ合っているだけで大丈夫です。回転軸の位置ソフトウェアで検出するので、光軸と極軸とを機械的に一致させる必要はありません。


低緯度地域ではどのように使えばいいですか?

低緯度地域では大気差の影響が大きく、真の極軸の位置は星の位置から幾何学的に求めたものと一致しません。最新バージョンには大気差補正機能が装備されています。ソフトではその緯度によりターゲットの位置を以下のように動かします。

北緯25度:2ピクセル シフト(約1分角)

北緯20度:3ピクセル シフト(約1.5分角)

北緯15度:4ピクセル シフト(約2分角)

シフトさせる方向は「地平線に向けて下がる方向に」です大気差により星は本来の位置より浮き上がって見えるので、それをキャンセルする方向ということ)


この計算で行くと、北緯35度付近の日本国内でのシフト量は2ピクセル以下となり、現実的には大気差補正の恩恵はほとんどなさそうに思えます。しかも、大気差の大きさは気圧や大気中の水蒸気量にもよるので正確な見積もりはそもそも困難です*2。こうした点を考えると、日本国内では無理に大気差補正機能を使う必要はなさそうに思います。


星をクリックするとき、正確にクリックする必要がありますか?

いいえ。大体でOKです。ソフトはカーソルの絶対位置ではなく、星像の重心を計算で求めて星の位置を決定します。


星像が丸くないのはなぜですか?

PolemasterではレンズをF値開放の状態で使っています。そのため収差が目立ち、星像は丸くなりません。しかし通常、ソフトは上記のように星の位置として星像の重心を計算で求めて使用しているため、計算に影響はありません。


極軸の設置精度を確認するにはどうすればいいですか?

赤緯赤経のガイドを切ったうえで、ガイドソフトの赤経赤緯ドリフトカーブを記録してください。赤緯ドリフト状況から、以下の式で極軸の設置精度が求められます。

 精度(秒角)=6(時間)×1時間当たりのドリフト


例えば、1時間当たりのドリフト量が3秒角の場合、精度は6×3=18秒角となります。



良好な極軸設定ができないのはなぜでしょう?

30秒角以内の設置精度が得られない場合、以下の項目をチェックしてみてください。

(1) 極軸の設置精度は、赤緯ドリフト量から求めるようにしてください。他の方法で求めた設置精度は、大気差や赤道儀バックラッシュといった要因で不確かなものになることがあります。

つまりこの場合、本当に「設置精度が悪い」のではなく、「設置精度を見積もる方法が悪い」と言っています。

(2) 赤道儀の機械的な回転軸が正しく求められているか確認してください。これは星が緑の円に沿って動くかどうかで確認できます。もし星が緑の円からずれる場合、回転軸を求めるステップからやり直してください。

(3) 低緯度地域で使っている場合、大気差補正機能を使用してください。

(4) USBポートが向かって左側になるよう、PoleMasterが正しく取り付けられていることを確認してください。


PoleMasterのソフトウェアは、歳差運動による北極星の移動を計算していますか?

現在のバージョンは、2015年11月から2016年5月30日までしかサポートしていません。次の5年間にわたって歳差を計算できる、新しいバージョンをリリース予定です。

考えてみれば当たり前の話ですが、これは地味に重要な部分かもしれません。今現在の最新バージョンがその「次の5年間にわたって歳差を計算できる」ものなのかは分かりませんが(上のFAQの文面はFAQを製作した時点での話かもしれないので)、ソフトウェアは常に最新のものを使うようにしましょう。

*1:おそらく他の代理店で購入した場合もほぼ同様のはず。

*2天文年鑑によれば北極星の高度における大気差は約1.5分角ほどで、PoleMasterのソフトが採用している値と食い違いますが、このあたりは気圧などを含めた環境要因や、採用する計算式によっても変わってきます。大気差自体、こういうあやふやな部分を多分に含んだ数字です。

th2546th2546 2016/05/05 16:40 FAQありがとうございます。
きっちり合わせなく良いですね。

HIROPONHIROPON 2016/05/05 22:02 そうなのですよ。加えて、星の像が悪いのも織り込み済みで、かなり考えて作られているようです。

忍者忍者 2016/05/06 21:15 FAQ翻訳大変参考になりました。ありがとうござます。TOMITA社等は最新ソフトを提供するのか少し心配ですが。

HIROPONHIROPON 2016/05/06 22:07 上記のような事情もあるので、ソフトに関しては、ドライバも含め、QHYCCDの本家サイトから
最新ものをダウンロードしたほうがいいかと思います。

幸い、ソフトの方は最初から多言語対応で、日本語のパッケージも同梱されています。


一方、TOMITAが同梱した日本語マニュアルを見ていたら、結構クリティカルな間違いを
発見してしまいました。できれば今夜中に関連記事をアップします。

いや、これマズいよ……。