星のつぶやき このページをアンテナに追加 RSSフィード


PHD2の日本語マニュアルを公開しています。こちらからどうぞ。


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2017-05-27

[]防湿庫増設 02:26 防湿庫増設を含むブックマーク

今現在、カメラやレンズをはじめとした光学機器の収納にはハクバのKED-S50という48Lの防湿庫を使用しているのですが、これを買った当時(2007年)は普段使い一眼レフとレンズ、コンパクトデジカメくらいが収納できれば十分というつもりでした。

しかしその後、天文趣味に本格復帰して光学機器が増え、さすがに手狭……というか、機材が折り重なって明らかに限界という感じに。そこで、防湿庫を追加することにしました。


防湿庫と言えば東洋リビングの「オートクリーンドライ」やトーリ・ハンの「ドライキャビ」あたりが定番ですが、東洋リビングのは棚が可動式になっている分、正味の収納量が少なく、トーリ・ハンのはデジタル表示の温湿度計が目障り(寝室に置くので)。また、どちらも光触媒による防カビ機能を謳っていますが、内部の空気が強制循環でない以上、過信はできません。防カビ剤を入れて運用した方がかえって安心です。しかも価格はどちらも高め。

トーリ・ハンのエコノミータイプ「EC-47D」あたりは余計な機能もなく、なかなか魅力的でしたが……

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買ったのは結局、またしてもハクバの「KED-60」でした。

内容量は60Lと、47LのEC-47Dより大きめ。現在の機材の量からすればEC-47Dでも間に合いそうでしたが、機材は増えこそすれ、減ることはまずないのでやや大きめのものを。これで当面は大丈夫でしょう。


機能については、プレーンな機種だけに、不良品でない限りは普通に働いてくれるはず。これに限らず、防湿庫は突出した機能はあまりない機材だけに、メーカーの信頼性やサイズ、デザインの好みだけで選んでもあまり失敗はないと思います。強いて言うなら、乾燥剤式かペルチェ式かというあたりですが、安定性や信頼性から言えば乾燥剤式の方に分があるでしょう。

[]SXG-HAL130三脚トラブル発生(1年ぶり3度目) 02:26 SXG-HAL130三脚トラブル発生(1年ぶり3度目)を含むブックマーク

今夜は新月期とはいえGPVの予報が微妙だったので、公園まで出かけずに自宅玄関前でM3のリベンジをすることに。前回はガイドの調子も良くなかったので、そのあたりの原因究明もじっくりやるつもり……だったのですが。

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三脚を開いてみたら、開き止めが妙にグラグラ。よく見ると、開き止めを留めているナットが1つ紛失していました。4年前にあったのと全く同じトラブルです。


ま た お ま え か orz


もしかすると、前回ガイドが不安定だったのもこれが原因だったのかもしれません。


それにしても、この三脚でトラブルが発生するのは4年前のナット紛失、去年の脚を留めているネジのゆるみに次いで3回目。この三脚は強度と重量のバランスも悪くないし、使い勝手のいいものだとは思いますが、買ってから6年足らずでこれだけトラブルが頻発するというのは、いささか壊れすぎではないでしょうか。趣味の品とはいえ、チャンスを逃してはダメな器械でこの頻度というのはちょっと看過できないものがあります。

そもそも三脚のトラブルは最悪の場合、機材の倒壊にもつながりかねず、数十万円以上の機材の破損や人身事故の危険すらありえます。絶対に壊れない装置などありえませんが、改善する余地はあるはずです。

2017-05-21

[]春の残り物 19:41 春の残り物を含むブックマーク

真夏日寸前まで行った土曜の夜、いつもの公園に出撃してきました。

気圧配置を見る限りシーイングが良くなりそうな感じがしたので、持ち出す鏡筒をEdgeHD800にして前半は銀河の撮り残しを、月出後は今シーズン初の土星を狙おうかとも思ったのですが、地上の風が夕暮れ近くになってもそこそこ強かったので断念。代わりにED103Sで球状星団等を狙うことにしました。


最近、公園で機材を展開し始めると子供たちやその保護者さんたちに声をかけられることが多いのですが、この日もご多分に漏れず……というか、今までにない人数が集まってきました。子供たち含め、10人前後はいたでしょうか。せっかくの機会ですので、ここで撮った写真を見せたり機材の説明をしたり。日没後まで残っていてくれた親子連れには、ミニボーグで木星を見せることができました。ガリレオ衛星と縞模様がハッキリ見えて、驚いてくれたようです。

こちらとしても、これで1人でも星に興味を持つ人が増えてくれたら、嬉しいことこの上ないです。

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さて、完全に日が沈んだら撮影の時間。まずは、撮る機会がなかったM97&M108のペアから。M97は単独では撮ったことがあるのですが、有名なこのペアでは撮ったことがありませんでした。先日のタットル・ジャコビニ・クレサーク彗星が接近した時に撮れたら、本当は一番よかったのですけど……。


ところが、この日はとにかくガイドが絶不調を極めました。ガイドを始めるとちょっとの揺れで過敏に反応してオーバーシュートしまるわ、ガイドカメラからの画像転送がおかしくて頻繁に星を見失うわ……。ここまで調子が悪かったのはちょっと記憶にありません。

で、あれやこれや設定を見直したりしていたところ、ガイドカメラをASCOM互換カメラとして認識させる設定になっていたのを発見。従来通りPHD2内蔵機能で制御するようにしたところ、ガイドがピタッと落ち着きました。要するに「ZWO謹製のASCOMドライバがクソ」という結論になりそうです*1

ちょうどPHD2 v2.6.3のマニュアル翻訳のために画面キャプチャなどを取る必要があり、あれこれ設定をいじくりまわしてたのですが、それが裏目に出たようです。設定戻したつもりだったんですが……(^^;


さて、前座のつもりのM97&M108ですっかり時間を食ってしまい、本命の球状星団は時間的にせいぜい撮れて1個というところだったので、大昔にピントの怪しい状態で撮ったきりだったM3を次のターゲットに定めます。

ところがここでも失態。架台をASCOMで制御している場合、PHD2では望遠鏡の向きを変えても再キャリブレーションの必要がないのですが、今回の場合、極近くから30度ほども南への移動になります。極近くというのは、仕組み上キャリブレーションの精度が出づらいもの。そこから南へ動かせば……誤差多めのキャリブレーションデータでガイドすることになり、当然ガイド精度は期待できないものになります*2

ちゃんといつも通り、その場でキャリブレーションを取り直せばよかったのですが、前半の失敗でげんなりしてたこと、そのトラブルが解決して気が緩んだこと、時間が詰まってて焦ったこと*3などもあり、つい手順を省いた結果……だと思うのですが、こちらは撮ったコマが流れてほぼ全滅。撮ったその場で確認すればまだ防げたはずですが、どうもひとたび調子が狂うと色々と抜けてしまうようです。湿度が高くて集中力がなくなっていたのもマズイ点でした。

物理的な事故につながらなかっただけマシですが、こういう夜は無理せずやめてしまうのも選択肢の1つですね。続けるなら相当慎重にいかないと……。要反省です。


というわけで、結果だけから見るとほとんど最悪だったのですが、とりあえずM97&M108だけはこの通り。

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2017年5月20日 ED103S+マルチフラットナー1.08×DG(D103mm, f859mm) SXP赤道儀

Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3, IDAS/SEO LPS-P2-FF使用, ISO100, 露出900秒×8コマ

ペンシルボーグ(D25mm, f175mm)+ASI120MM+PHD2によるオートガイド

ステライメージVer.7.1eほかで画像処理

最低限、なんとかなったようです。これで「坊主」だったらしばらく立ち直れないところでした。


M97、通称「ふくろう星雲」は距離2600光年の所にある惑星状星雲。惑星状星雲は単位面積当たりの明るさが大きくて見やすいものが多いのですが、このM97はかなり淡くて見づらい対象です。

一方のM108は距離4500万光年の所にある渦巻銀河。星形成が活発に行われているいわゆる「スターバースト銀河」で、写真だとちょうどM82のような見た目です。こちらも非常に淡い天体で、M97ともども、撮った直後はかろうじて存在が確認できるかどうかという程度の写りでした。やはり渋谷新宿のある北方面の空は光害が厳しくてなかなか大変です。


ところで、上に書いたようにM97は銀河系内にあって距離2600光年、M108は距離4500万光年、さらにM108の真西、写真の縁ちかくに小さく見えるNGC3594は2億8800万光年ものかなたにある天体です。つまり、この写真には10万倍も距離の違う天体が写っているわけで、その奥行きを考えると宇宙の広さが実感されます。

[]PHD2日本語マニュアル 更新(v2.6.3対応) 19:41 PHD2日本語マニュアル 更新(v2.6.3対応)を含むブックマーク

というわけで、v2.6.3の公開から約3か月遅れになってしまいましたが、ようやくマニュアルの翻訳、改訂が済んだので公開します。

ダウンロードこちらから。(PDF形式)

例によって、拙い英語力と基礎知識不足のため、訳が誤っている部分が多々あるかと思いますが、笑って許してやってください。


v2.6.3では、架台の制御にASCOMを利用することを従来以上に強く勧めています。他のソフトとの連携も含め、たしかに何かと便利なことも多いですし、従来の「ガイドケーブルを利用したガイド」を行っている方は、この際、ASCOM接続に切り替えてみるのもいいかもしれません。

もっとも、上の記事でも触れましたが、キャリブレーション周りなど過信は禁物な感じ。それでも正しく使えば便利なのは間違いありません。

*1:個人の感想です。

*2:PHD2のマニュアルでは、動きを大きくとれる天の赤道付近でキャリブレーションを行い、そこから目標へ移動することを推奨しています。

*3キャリブレーションを取り直したところでせいぜい数分しかかからないのですが、その判断ができてない時点で既に……。

2017-05-14

[][]RGB分割フラット補正 22:19 RGB分割フラット補正を含むブックマーク

個人サイトの方に、私がここしばらく実行している「RGB分割フラット補正」についての記事を載せました。

https://urbansky.sakura.ne.jp/rgb-flat.html

要は、本来RAWの段階でやるべきフラット補正を、現像後にRGB分解してそれぞれのプレーンに対して行うというもの。ベイヤー配列RAWの場合、現像の段階で画素間の補完処理が入ってしまうので厳密には不正確な方法なのですが、各色ごとに、しかも補正効果を見ながら進められるというのは、それを補って余りあるメリットです。*1

上記ページに実例を出しましたが、実際にやってみると、色ごとに補正の効果がバラバラなのに驚くと思います。そりゃあ、色ムラも出るわけです。

自分はこの方法でずいぶん救われたので、もしフラットが合わないと悩んでいる方がおられたら、騙されたと思って一度試してみてください。


……騙されちゃったら「ごめんなさい」ですが(滝汗

*1:本当はこのあたりも含めて、RAWの段階でプレーンごとの操作ができることをステライメージには期待してたのだけど……8のあの様子では望み薄ですね。