星のつぶやき このページをアンテナに追加 RSSフィード


PHD2の日本語マニュアルを公開しています。こちらからどうぞ。

2016-06-17

[]北アメリカ&ペリカン再処理 01:01 北アメリカ&ペリカン再処理を含むブックマーク

先週末に撮影&アップした北アメリカ星雲&ペリカン星雲、どうしても仕上がりに納得いかなかったので再処理してみました。

先週の段階では、実はフラット補正が追い込み切れていませんでした。具体的には、特にBチャンネルが過剰補正に。仕方がないのでIRISの「Remove gradient」などで誤魔化していたのですが、やはり情報の欠落は無視できず……。


そこで、今回はフラットフレーム、天体の写ったライトフレームともにRGB三色分解を行い、R, G, Bの各プレーンごとにフラット補正を行いました。ステライメージ7には、フラットフレーム自体にガンマ補正をかけて濃度の傾き具合を調節する機能があります。そのままではフラット補正が決まらなかったBチャンネルについては、この「ガンマフラット」を用いて平坦化し、これらを再度RGB合成、コンポジットを行って仕上げています。


そうして出てきた結果がこちら。

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2016年6月11日 ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG(D60mm, f298mm) SXP赤道儀

Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3, ISO400, 露出300秒×16コマ, IDAS/SEO LPS-P2-FF使用

ペンシルボーグ25(D25mm, f175mm)+ASI120MM+PHD2によるオートガイド

ステライメージVer.7.1dほかで画像処理

フラット補正がそれなりにしっかり決まったおかげで、かなりの強調処理が可能となり、星雲をよりはっきり浮かび上がらせることができました。また、前回はソフトウェア的に背景の傾きを修正したせいで、北アメリカの「中部〜西海岸」が巻き添えを食って薄くなってしまっていましたが、これも避けることができました。


ちなみに「撮って出し」の元画像はこんな感じで、星雲はかろうじて「ユカタン半島」付近が見えるような気がするだけで、それ以外はほとんど影も形も見えません。

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しかし情報としては確かに存在するわけで、これをいかに引っ張り出してくるかが工夫のしどころと言えるでしょう。


ところで、このフラット補正が決まらなかった原因ですが、1つはフラットフレーム作製に用いているELシートの色味に原因があるとみています。ELシートの発光はかなり「青い」ので、フラットフレームを撮影するとBチャンネルのヒストグラムがかなり右側に寄ります。一方、デジカメでは白飛びを防ぐため、また黒潰れを防ぐ(あるいはノイズを目立たなくする)ため、高輝度側、低輝度側ののトーンカーブを捻じ曲げて記録します。もしフラットフレームやライトフレームのBチャンネルがこうした領域に入ってしまっていたとすると、輝度とシグナルとの関係がお互いに変わってきてしまいます。

そのほかにも様々な原因が考えられますが、いずれにせよライトフレームとフラットフレームとで輝度分布の食い違いが出てしまったのは確か。これをリカバーする方法として、今回の手はなかなか使えるのではないかと思います。

MASAMASA 2016/06/21 09:34 いつも貴ブログを拝見しているMASAと申します
都内からの写真としては素晴らしい写りだと思います

私も光害地で同じような取り組みをしています
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1953202520&owner_id=22421682
都内はさらに条件が悪いのに、ここまで出せるとは驚きです

HIROPONHIROPON 2016/06/21 22:22 MASAさん、はじめまして。
以前からご覧いただいていたとのこと、ありがとうございます。

都内でもこういう写真が撮れるのは、ひとえに機材の性能のおかげですね。
銀塩写真の頃にはとても考えられなかったことです。

暗い空で撮れば、さらに暗い対象をより美しく撮れるのでしょうけど、
その性能の余剰分を耐光害の方に振って、街なかから気楽に撮影するのもアリかと思っています。

MASAさんは所沢方面なのですね。写真を拝見させていただきましたが、
あのあたりもなかなかの光害地のはず。見事な写りで驚きました(特に網状星雲とか)。

これはこちらも頑張らないといけませんね(^^;

ぽこぽこぽこぽこ 2016/06/24 12:35 いつもブログを拝見させてもらっている、ぽこぽこ と申します。有益な情報提供に感謝しております。
さて、このたび書き込ませていただいのは、AVIの変換に関してです。
当方、先日よりFireCaptreを使い始めたのですが、そのままではAviStack2へ読み込めません。
それで、こちらの情報にあるように、virtualdubで変換すると、読み込めるようになりました。
ただ、モザイク撮影した場合、ファイル数が多く、virtualdubでの変換自体がかなり大変です。
それで、バッチで簡単に変換できるツールがないかと考えております。
もし、ご存知であれば、お教えくださいますと、嬉しいです。
大変お手間をおかけしますが、よろしくお願いします。

HIROPONHIROPON 2016/06/24 23:08 ぽこぽこさん、初めまして&こんばんわ。

ご質問いただいて、改めてVirtualDubを色々といじっていました。
すると衝撃の事実が!

別に「old format AVI」としてセーブしなくても大丈夫みたいです(ぉぃ

普通にAVIでセーブし直せばAviStackで読み込める模様。逆に言うと、FireCaptureの方の設定で
AviStackで直接読み込めるようにもできるのかもしれません。ただ、VirtualDubで保存し直すと
それだけでファイルサイズが3倍くらいになるところをみると、FireCaptureでそうした設定が
できたとしても、容量や帯域的に厳しいかもしれません。


さて、バッチ処理についてですが、単にVirtualDubで保存し直せばいいだけなら話は簡単です。

1. 「File」→「Queue Batch Operation」→「Batch Wizard」を開く
2. パネルが開くので「output location」でファイルを出力するフォルダを指定
3. ファイルリストに変換したいファイルをドラッグ&ドロップ
4. 「Add to Queue」をクリックし、出てきたドロップダウンリストから「Re-save as AVI」を選択
5. 「OK」を押してパネルを閉じる
6. 「File」→「Job control」を開く
7. 1〜5で設定した内容がリストになっているはずなので「Start」ボタンを押す

これでファイルが次々と読み込まれ、自動的に保存されていきます。ちなみに「Job control」パネルの
「Options」から、作業が終了したらPCの電源を落とす、といった設定もできます。


しかし、今回質問いただいて助かりました。AviStackで読み込めないのはAVIのバージョンの
せいだとばかり思っていました。……さて、記事の修正をしておかないと( ̄w ̄;ゞ

ぽこぽこぽこぽこ 2016/06/24 23:45 HIROPONさま、早速の検証、コメントありがとうございます。
これで、モザイク処理でも簡単に処理できますね!
私の環境でもファイルは大きくなりましたが、元ファイルを保存しておいて、
新しいファイルは処理後に削除することにしたいと思います。
本当に助かりました。今後ともよろしくお願いします。

2016-06-11

[]梅雨の晴れ間に 22:49 梅雨の晴れ間にを含むブックマーク

関東地方はいよいよ梅雨に突入しましたが、金曜はうまい具合に晴れの予報。この機会を逃すと次にいつ晴れるか分かったものではないので、仕事を終えて帰宅後、月没を待って近所のいつもの公園に出撃しました。

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この公園、深夜に騒ぐ連中がいたせいで、以前は利用時間に制限があったのですが、ありがたいことに最近になって制限時間が取り払われたようです。どうしようもなく明るい空とはいえ、都心で空を見渡せる貴重な場所。追い出されないように静かに利用しませんと……。


まだ真夏ではないので気温はそれほど高くなく、長時間露出が必要な対象にはもってこい。ただ、カラッとしている割に透明度はあまり高くなく、最微等級は光害の影響が最も少ない天頂付近ですら3.0等程度とさえない空です*1。また、シーイングもかなり悪いようで、アンタレスがかなり激しく瞬いています。


この状況で何を撮るか迷ったのですが、シーイングの悪さを考えると長焦点鏡での球状星団狙いは分が悪そうです。そこで、以前カラーで撮ったもののイマイチな結果に終わっていた北アメリカ星雲&ペリカン星雲を狙ってみることに。

そもそもが淡い上、北に偏っているせいで、渋谷新宿の光害&公園のすぐ北を走る幹線道路の影響をモロに受ける対象ですが、どこまで写ってくれるでしょうか……?

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2016年6月11日 ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG(D60mm, f298mm) SXP赤道儀

Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3, ISO400, 露出300秒×16コマ, IDAS/SEO LPS-P2-FF使用

ペンシルボーグ25(D25mm, f175mm)+ASI120MM+PHD2によるオートガイド

ステライメージVer.7.1dほかで画像処理

で、出てきた結果がこれ。さすがに相応に荒れてはいますが、上記のような極悪の条件下でこれなら悪くないんじゃないでしょうか。光害の影響で、案の定カブリがなかなか酷かったですが、なんとかねじ伏せました。

下に詳細な記事を上げていますが、今回はあえて感度設定を下げて、1コマあたりにセンサーに光をあてる時間そのものを伸ばす方針で撮っています。効果は確かに出ているようです。なお、感度設定をさらに下げれば1コマあたりの露出時間を伸ばせますが、その分トータルの撮影時間も伸びるので、夜の短いこの季節だとなかなか大変です。トータルの時間を伸ばしたくなければ、その分コマ数を減らせばいいわけですが……コンポジットの効果との兼ね合いになるので、どちらが有利か、これも実験が必要かもしれません。

[]天体撮影時のデジカメの感度設定 22:49 天体撮影時のデジカメの感度設定を含むブックマーク

銀塩写真が広く使われていた当時、感度は使うフィルムによって決まっていました。今みたいに高度な画像処理ができるわけではありませんから、暗く淡い天体を狙うには基本的には感度の高さでカバーするしかなく*2、超高感度の「フジカラーSuperHG1600」や「コニカカラーGX3200」がもてはやされたりしたものです。

このころからの流れもあり、デジカメ天体写真を撮る際、感度をISO1600や3200にセットして撮っている人も多いと思います。


デジカメの「感度」とは?

しかしデジカメの場合、カメラが変わらない限り撮像素子は一緒ですので「ここで言う『感度』とは何ぞや?」という話になります。


実は、銀塩フィルム的な意味での「デジカメの『感度』」……すなわち「1のシグナルを発生させるのに必要な光の量はどのくらいか」はカメラの「感度設定」によらず一定です。デジカメで「感度を上げる」という操作は、極論すれば「光が撮像素子に当たることで発生したシグナルを事後に増幅しているだけ」にすぎません。

つまり、10単位の光が当たった時に1単位の強さのシグナルを発生する撮像素子があったとして、「感度設定」を倍にすればこのシグナルが2に、3倍にすれば3になる、といった具合です。感度設定を倍にしたからといって、決して撮像素子特性が「5単位の光が当たった時に1単位の強さのシグナルを発生する」ようになるわけではないのです。

このように、感度設定を上げるということはシグナルを増幅しているだけですから、感度設定を上げれば上げるほど、わずかの光でシグナル強度が早々に上限に達してしまうことになります*3


また、感度設定を上げた場合、原理的にはシグナル以外に各種のノイズも増幅されてしまいますが、デジカメでは内部処理によってノイズ成分をより分け、これが目立たなくなるような処理を行います。しかしこの処理によって、微光星や淡い散光星雲などのごく弱いシグナルは、ノイズ成分と誤認されて除去されたりしがちです。つまり、感度設定を上げて撮影を行うと、表現できる明暗の幅(ダイナミックレンジ。写真用語でいうラチチュード)が一般に狭くなる傾向にあります。


また上の例の場合、1単位の光が当たったからといって0.1のシグナルが発生するわけではない(シグナルが発生するにはある程度以上の光エネルギーが必要)ので、感度設定をいくら上げても写らないものは写りません(ゼロを何倍してもゼロはゼロのまま)。


短時間露出の1枚撮り、JPEGの「撮って出し」で暗い対象を写したいのであれば感度設定を上げることに意味はありますが、後処理を前提とした天体写真では、必ずしも高感度設定がいいとは限らないと思われます。


実験

理屈としては以上の通りですが、実際にはどうなのか、ちょっと実験してみました。

被写体M16。感度をISO100〜1600まで振り、トータルの露出時間が同じになるようにコマごとの露出時間と撮影枚数を設定しています。撮影後の画像はそれぞれの条件に合わせたダークを引いたのち、加算平均コンポジットしています。それ以外の調整は一切行っていません。


そうして得られた結果がこちら。

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一目瞭然ですね。低い感度設定で1枚当たりの露出時間を伸ばしたものの方が、トータルの露出時間が同じでも明らかにいい写りです。これは上で書いたとおり「感度設定を上げても『撮像素子の感度』が上がるわけではない」、「写らないものは写らない」ということを端的に示している結果かと思います。


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一応念のため、レベル補正などを加えてなるべく同程度に星雲が浮き出るようにしてみましたが、高感度で撮った方は画像がかなり荒れていて、やはり低感度で撮ったものには及びません。


今回は検証していませんがダイナミックレンジのことも含めて考えると、光害のひどい街なかでは感度設定を低めに抑えた方が白飛びしにくく、1コマあたりの露出時間も伸ばせる(=撮像素子に当てる光を増やせる)ので画質的には有利と思われます。

*1:月明かりのない深夜なのに上の写真のような状況なので、条件は容易に想像つくかと……。そもそもフラッシュなしの手持ちで撮影できるあたりで「お察し」ではありますが。

*2:感度が低めのフィルムで長時間露出を行うのも1つの手段ですが、露出時間が伸びるとともに相反則不軌により実効感度が低下していくため限界がありました。

*3:もちろん実際にはこんな単純ではなく、内部で様々な処理を行ってなるべく白飛びを防ぐようにはしています。

th2546th2546 2016/06/12 10:26 感覚的に感じてたことですが明らかに違いますね。
庭撮りで実践してみます。

HIROPONHIROPON 2016/06/12 21:27 以前から感度設定の割に写りが悪いと感じることがありましたが、こうやって改めて実験してみると、
思っていた以上にハッキリした結果が出て自分でもびっくりです。

銀塩写真の感覚に引きずられがちになる分、ベテランの方がかえって引っかかるポイントかもしれません。

あとは、1コマあたりの露出時間が同じときに、感度設定の違いがどう表れるのか
確認してみたいところです。

忍者忍者 2016/06/12 22:25 ショオクな提起です。自宅では初めから諦めて、星雲等は対象にしていませんが、HIROPOさんの努力には敬服します。良い条件下かもしれませんが、実験してみたいと思います。

HIROPONHIROPON 2016/06/13 01:21 この結果を見る限り、少なくとも、光害のせいで露出時間が制限されるような悪条件下では
感度を下げるのは有効な戦略っぽいですね。街なかからでも諦めないでほしいと思います。

もっとも、高感度設定でも露出時間を十分にかけられる暗い空だと話はまた別かも。

おそらく露出時間が制限要因にならない状況下だと、カメラの画像処理エンジンによる
ノイズリダクションの効果(おそらく設定感度が高いほどよく効く)と
高感度化に伴うダイナミックレンジ減少とのせめぎあいになるのではないかと思います。

ただ、カメラの内部処理は完全に「ブラックボックス」なので、何が妥当な戦略なのか
見当がつかないのが悩ましいところです(下手すると機種によっても違うかも)。

2016-05-28

[]惑星日和 21:30 惑星日和を含むブックマーク

昨夜は梅雨前の貴重な晴れ間ということで、先の日曜に引き続き惑星撮影システムを引っ張り出しました。今回狙うは、最接近直前の火星と6/3に衝を控えた土星です。

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ただ、今シーズンはどちらも南の空低く、シーイングや大気差云々以前に住宅街の中からでは電線がものすごく邪魔。地中化されたりしてくれないかな……(´・ω・`)

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2016年5月28日0時16分15秒(日本時間)

セレストロンEdgeHD800+Meade 3x TeleXtender(D203mm, f6096mm) SXP赤道儀

L画像:ZWO ASI120MM, 30ms, 1200フレームをスタック

RGB画像:ZWO ASI120MC, 30ms, 2400フレームをスタック

というわけで(?)、まずは火星から。シーイング自体は高度を考えればまずまずといったところで、ちょうど正面南側(中央上)に横たわるSinus meridiani(子午線の湾)とSinus sabaeus(サバ人の湾)が目立ちます。南極には雲がかかる一方、北極冠はずいぶん小さい状態。火星北半球の季節としては秋分が近いので、これからだんだん大きくなっていくのでしょう(その頃には遠ざかって見にくくなっているでしょうけど)。

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2016年5月28日0時28分31秒(日本時間)

セレストロンEdgeHD800+Meade 3x TeleXtender(D203mm, f6096mm) SXP赤道儀

L画像:ZWO ASI120MM, 30ms, 1300フレームをスタック

RGB画像:ZWO ASI120MC, 70ms, 1000フレームをスタック

続いて土星。この時間帯になると空のあちこちに雲が流れてきて、シーイングがだいぶ悪くなってきました。火星より高度があるのに、明らかに像の揺らぎが大きくなっています。それでも、なんとかそれらしく写ってくれました。

衝が近いということで、「ハイリゲンシャイン効果」で環が明るく見えるのも印象的です。


ところで昨夜、この撮影をやっているときにちょうど3人ほどのグループが通りがかったので、火星土星を見せたところ、大変喜んでもらえました。普通だとなかなか望遠鏡惑星を見る機会なんてないですからねぇ……。

特に喜んでもらえたのはやっぱり土星。いくら火星が接近しているとはいえ、薄暗い模様のついた「ピンポン玉」よりは、圧倒的にウケがいいです。

初めて望遠鏡惑星を見るという人には土星をぜひ。やっぱりインパクトが大事です(^^;

[]大きさ比べ 21:30 大きさ比べを含むブックマーク

上に載せた各惑星を、先週撮った木星と同縮尺で並べてみました。

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こうしてみると、火星の見かけの大きさは土星本体の大きさを超え、木星の半分近くに達しています。

実際の赤道半径で比べると、

と、火星木星の1/20くらいしかないのですが、それがこれだけ大きく見えるのですから、火星がいかに近いかということ。

実際、撮影時点での各惑星までの距離

となっていて、火星の方が木星より10倍も地球に近いのです。

こうやって距離や大きさを考えながら惑星を見ると、太陽系の大きさや奥行きを実感できると思います。

th2546th2546 2016/05/30 09:07 なかなか良く写ってますね。
今シーズンの土星、火星は低すぎて自宅玄関先からではほとんど見えません。
自宅で撮れてうらやましいです。

HIROPONHIROPON 2016/05/30 23:07 > 自宅で撮れてうらやましいです。

その代わり、ご覧の通りの「電線地獄」ですが(^^;
この日も火星や土星が何度か電線にかかって撮影中断を余儀なくされました。

自宅前の路上に展開してるんですが、私道で夜間の通行もほとんどないとはいえ、
まれに車が無理やり進入してくるときもあって、なかなか落ち着いて観測・撮影できないのも
悩みどころです。

見られないよりはマシなんでしょうけど……。

オヤジオヤジ 2016/05/31 00:51 お見事な惑星達ですね。観測は中々出来ないのに買いたい物ばかりです。(笑)
私道で1言、我が家も私道が有って、時々、行き止まりの私道に入り込む車が有って、Uターンする場所で庭観測してます。
赤道儀に追突されるのも怖いので、5W赤色LEDを一晩点けっ放しにしてます。
赤色の地面、ネズミ捕りを連想するのか、以来、一台も迷い込まなくなりました。
ご近所さんに観測バレバレですが。(笑)

HIROPONHIROPON 2016/05/31 23:26 惑星やり始めると、月が大きくても観測や撮影ができて稼働率上がりますよ…と煽ってみたり( ̄▽ ̄)

ウチの場合は、ご近所にはとうに知れ渡っているので、向こうが顔を出せば積極的に巻き込んでますね。
小中学生も近所にいるので、機会があればせっせと洗脳してます(^^;

満天星満天星 2016/06/06 22:18 惑星が集結していて、シーイングが良い日はうれしくなりますね。それにしても、良く写っていることに感心します。私もは PlanetPrism を使ってウエッジプリズムを勉強しよう・・・と思いましたら、ソフト販売も終了したそうです。せっかくダウンロードまでして、あとはパスワードを購入するだけだったのですが・・・。

HIROPONHIROPON 2016/06/07 22:45 実は今回の一連の写真はウェッジプリズム使ってなかったりします(^^;
プリズム角の調整が厄介なのと、発生する非点収差のせいで光軸調整が難しいのとで……。
なんとか使いこなしたいところですが。

もっとも、こうやって撮ってみると、やっぱりシーイングと光軸調整が最重要で、
ウェッジプリズムはうまく撮れた場合の「最後の一押し」って感じですね。

> PlanetPrism を使ってウエッジプリズムを勉強しよう・・・と思いましたら、ソフト販売も終了したそうです。

あらま。そうなのですか。
まぁ、色分散量の計算だけなら登録なしでもできるので、それで我慢するしかないですね(^^;

2016-05-26

[]上げたのは5日後 00:08 上げたのは5日後を含むブックマーク

今週頭の日曜日、移動性高気圧に覆われて気流が比較的安定してそうだったこと、そして大赤斑がちょうど正面を向くタイミングだったことから、惑星撮影システムを引っ張り出して木星を狙ってみました。衝はとっくに過ぎたとはいえ、宵の空での高度はまだまだ高く、気流の条件を考えたら今ぐらいの時期の方がかえって撮影にはちょうどいいかもしれません。


高度があるので、今回はあえてウェッジプリズムは使用しない方向で。実のところ、可変ウェッジプリズムの使い方にほとほと悩んでいるのが実情です。これを正しく使うには、水平線を基準として対称にプリズムを動かさなければならないのですが、手動なだけに対称に操作しているつもりでも角度がずれて、かえって変な方向に色分散が発生したりしがちです。おまけに赤道儀なので、基準となる水平線は視野に対して時間とともに回転していくわけで……。

さらに、プリズムが入るせいで非点収差が発生するらしく、焦点内外像がきれいな同心円にならないために光軸調整すら困難な状況に。みなさん、どうしてるんでしょう?意地でも使いこなしたいところですが、想像以上に難易度が高いです。プリズムをもう少しカメラ側に近づけた方が調整しやすいのかも……。


ともあれ、そんな状況なので、とりあえずは素直な光学系でどこまで行けるか再確認の意味で撮影に臨みます。

f:id:hp2:20160527000748j:image

2016年5月22日20時18分2秒(日本時間)

セレストロンEdgeHD800+Meade 3x TeleXtender(D203mm, f6096mm) SXP赤道儀

ZWO ASI120MC, 30ms, 2000フレームをスタック

というわけで、出てきたのがこれ。本当はいつもと同じくモノクロカメラでL画像を撮影し、LRGB合成するつもりだったのですが、モノクロ画像の方がスタッキング→ウェーブレット処理の段階で継ぎ目破綻してしまい、どうにも回避できなかったのでカラーカメラの映像のみを処理しました。

正直、解像度やノイズ面でどうかと思っていたのですが、相手が明るい木星だけに、アラもそれほど目立たず、何とかなった感じです。ASI120MCでこれだけ写るのですから、最近のASI224MCとかASI290MCなら、もはやLRGB撮影などしなくても結構それなりのものが撮れそうな気がします(^^;


大赤斑も狙い通りいい位置にいてくれて、これまでの自分の撮影の中では、構図を含めてベストショットの類ではないかと思います。大赤斑の芯も見えますし、大赤斑後方の南赤道縞の擾乱や、北熱帯の白斑も目につくところ。南南温帯の小さな白斑もなんとか存在が分かります。ほぼ同じ時間に撮られた「月惑星研究会」への報告写真と見比べるとなかなか面白いです。


ちなみに今回は、Registax6でのウェーブレット処理時に「Use Linked Wavelet」にチェックを入れて使ってみました。レイヤの割り当て方や処理方法が通常と若干異なるようで、本家サイトを見る限り、ハマればかなりの威力を発揮しそうなセッティングではありました。ただ、効果がかなり強く出るので、これまでは敬遠していたのです。

しかし、効果が強く出ることを意識してスライダーを操作し、「Denoise」もより積極的に使うようにすればいい結果になるようです。少なくとも今回の場合、通常の処理よりは模様のディテールが無理なく出てくれました。

2016-05-06

[]PoleMaster使用説明書 01:08 PoleMaster使用説明書を含むブックマーク

先日から関連記事を上げている、QHYCCDの電子極軸望遠鏡「PoleMaster」に関してですが、天文ハウスTOMITAから提供された日本語マニュアルをQHYCCDのサイトにあるマニュアルと見比べていたところ、結構マズい感じの間違いを発見しました。

また、日本語マニュアルに書かれていない内容も若干ありましたので、以下に「勝手訳」を載せておきます。青字はHIROPONによる注です。

なお、もしかしたら誤訳等があるかもしれず、完全な正確性は保証しかねますので、その点はご了承ください。これによって何か損害が生じても、一切責任は取れません。不安があるなら、大元の英文マニュアルをご参照ください。


PoleMasterの使い方

アプリケーション使用前に、赤道儀の極軸を大まかに合わせます。コンパスの指示に従って赤道儀を北に向け、高度角を使用場所の緯度に合わせます。詳しくは赤道儀の説明書を参照してください。これを行うのは、PoleMasterのカメラの視野に北極星が入るようにするためです(PoleMasterは11度×6度の視野を持っているので、設定が粗くても北極星は視野の中に大体入ります)。


PoleMasterの接続とアプリケーションの起動

カメラとPCを付属のUSBケーブルで接続します。初めて接続した場合、PCはカメラを認識し、ドライバインストールが行われます。

Polemasterのアプリケーションインストール時に、ショートカットデスクトップ上に作られているはずです)を起動すると、以下のような画面が現れます。

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メニューから「接続」を選びます。

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以下のようなセクションが現れます。

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北天か南天かを選択します。


大気差補正を有効にする場合、「ツール」から「大気差」を選択し、緯度、経度等を入力してください。


表示が見やすいよう、露出設定(露出時間とゲイン)を調節します。北極星と周辺の星々が見えるようにしてください。終わったら「設定完了」をクリックします。


北極星の位置の確認

画面中の北極星の位置を指定します。北極星ダブルクリックしてください(冒頭に書かれているように赤道儀がおおよそ正しく設置されていれば、視野内には北極星がほぼ必ず入っています。画面中でひときわ明るく見える星がそうです。)北極星を同定するのが難しかったり、画面中に北極星があるのかどうか分からない場合(事前のおおまかな極軸合わせがちゃんとできていない場合など)、メニューの「ファイル」→「BMPで保存」で画面をBMPファイルとして保存することができます。このファイルをAstrometry.netのようなオンラインサービスを含むフリーのplate solver(その写真が星空のどこを写したものかを同定するソフト)にかけることができます。これにより、どれが北極星か、あるいは画面中に北極星が写っているのかどうかを確認することができます。これは特に南天で有用です(はちぶんぎ座σ星を同定するのは難しいので)。


北極星ダブルクリックしたら、次に周辺の星々が描かれたスケールパターンを画面の星に合わせます。スケールパターンはキーボードの上矢印・下矢印キーやスライダーで回転させることができます(マウススライダーの上に置いた状態で、ホイールを回すことでも調節できます)。正しく合わせると、星々と赤い円で描かれたスケールパターンとが各々一致するはずです。そうならない場合、北極星として選択した星が正しいかどうか、確認してください。済んだら「完了」をクリックし、次のステップに進みます。


回転軸の検出

(PoleMasterを取り付けっぱなしにしている場合、以前の検出結果を利用して、この段階をスキップすることもできます。)

北極星周辺の明るい星を1つ、ダブルクリック選択します。正確な極軸合わせのために、回転中心に近すぎない星を選ぶのが理想的です。


画面上に、赤道儀を回転させるよう指示が出ます。このステップで、アプリケーション赤道儀の機械的な回転軸の向きを同定します。赤道儀を回転させている間、選んだ星が分からなくならないよう注目していてください(通常、コントローラの「東」ボタンを押すと、アプリケーション要求する方向にまわりますが、実験が必要です)。


赤道儀が15度ほど回ったら「回転完了」をクリックし、同じ星を再びダブルクリックします。そしてもう1度同様の操作を繰り返します。赤道儀を回転させるには、ハンドセットコントローラコンピュータソフト(EQMODやASCOMなど)を用いてください。クランプを緩めて手で回転させてはいけません。クランプを緩めることで回転軸が浮き、大きなずれを引き起こすことがあります。

TOMITAの日本語マニュアルがマズいのはここで、同文書にはクランプを緩めて回していいように書いてありますが、これをやってはダメです。

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一連の操作が終わると、選んだ星を通る緑の円が描かれます。この円の中心が、アプリケーション判断した回転軸です。これが正しいことを確認するため、赤道儀を逆回転させ、選んだ星が元の位置に戻ることを確認します。


星が円に沿って動いたなら「Correct」をクリックします。もし円に沿って動かなかった場合は「リセット」をクリックし、再設定を行います。


極軸の粗調整

北極星を再びダブルクリックし、前記と同じくスケールパターンを周辺の星に合わせます。できたら「完了」をクリックします。


画面には小さな緑の円が現れます。これが北極星のあるべき位置です。赤道儀の方位、高度を調整して北極星と緑の円を合わせてください。できたら「完了」をクリックします。

ここまでで極軸の粗調整は完了です。この時点で5分角程度の極軸設定精度が得られます。


北極星を再びダブルクリックし、前記と同じくスケールパターンを周辺の星に合わせます。できたら「完了」をクリックします。


極軸の精密調整

「モニター開始」をクリックします。小さな緑の円と小さな赤い円とを重ねあわせたら、精密な極軸設定の完了です。

終わったら「調整を完了」を、やり直す場合は“Restart”をクリックします。


なお、このとき緑色の各ボックスに星が1つずつ入っていなくてはなりません。もし星が入っていない場合、極軸の位置を決定することができず、緑の円はランダムに飛び回るでしょう。

こうしたことがあるため、PoleMaster使用時は赤道儀恒星時運転しておくことが推奨されています。赤道儀が止まっていると、日周運動で星がボックスから出てしまいかねません。


モニターを開始すると、天体を導入したりして赤道儀を駆動させない限り、ソフトウェアはフレームごとに極軸の位置を計算し続けます。設置した赤道儀が何かのアクシデントで駆動して極軸位置を見失った場合、赤道儀を再度駆動して2つの星を緑のボックスの中に入れなおすことで復帰できます。極軸の位置が再計算され、極軸の再調整が可能になります。


天体を導入した後は、2つの星はボックス内から出てしまいますが、最新バージョンでは手動で2つのボックスを回転させることができます(「ツール」→「手動調整」を使用します)



以下、FAQが続きますが、これについてはこちらのエントリをご覧ください。

[]PoleMaster付属の六角レンチの使い道 01:08 PoleMaster付属の六角レンチの使い道を含むブックマーク

これは余談と言えば余談なのですが、PoleMasterの付属品の中に細い六角レンチがあります。TOMITAの説明書には記載がない上、パッと見、PoleMasterには六角レンチを差し込むようなところもなく、いったい何に使うのか謎だったのですが、QHYCCDの大元のマニュアル類を見てようやく分かりました。

f:id:hp2:20160507004517j:image

レンズ部分のカバーを外すとレンズ本体が現れ、その鏡筒部分にイモネジがあります(上写真円内)。これはレンズのピントを固定しているネジです。つまり、付属の六角レンチでこのネジを緩めてロックを外すことで、レンズのフォーカスリングが回るようになるというわけです。ピントを出した後は、再度このネジを締めてピント位置を固定します。

もっとも、基本的には出荷時にピント出しはされているはずなので、これのご厄介になることはあまりないだろうと思います。

th2546th2546 2016/05/07 19:11 回転させるときクランプを緩めてますが拙いんですか。
精度は出ているようですが。

HIROPONHIROPON 2016/05/07 20:49 赤道儀次第でしょうねぇ。

造りが良くて軸と軸受けの間に一切のガタがなく、クランプを緩めたり締めたりしても
軸が傾いたりしなければ問題ないと思います。タカハシのなら大丈夫じゃないでしょうか。

一方で、最近使用者の多い、海外製の安価な赤道儀あたりは怪しそうです。
ともあれ、モーターで動かすようにした方が安心なのは間違いなかろうと思います。

オヤジオヤジ 2016/05/13 17:52 ご無沙汰してます。
ソフトがバージョン上がっている事、昨日まで知りませんでした。ありがとうございます。
>クランプを緩めて手で回転させてはいけません。
確かに、あれだけ精工に極軸を追い込めるのに、何で手で回しているんだ>俺!でした。
手で回しても、Advanced-VXとCGEMの2台は、オフガイドで殆ど4分でも星が○状態でしたが、昨夜は、コントローラーだけを使って「青○と赤○が重ね合う所」まで行きました。
何時も、有益な情報ありがとうございます。

HIROPONHIROPON 2016/05/14 03:01 クランプで軸が云々以前に、手で回したら軽い機材だと動いてしまいかねませんしね。

もっとも、場合によってはモーターで動かすのも罠があって、STARBOOK TENの場合、
ホームポジションからスコープモードに入った直後にPoleMasterの操作をやってしまうと、
最初の回転の時点で安全装置が働き(望遠鏡が地平線下を向くので)恒星時追尾が止まってしまいます。

スコープモードに入った後、鏡筒の向きを変えてから操作をやった方がよさそうです。
(というのについ先日気が付きました(^^;)