2018-04-17
ゲーデル、エッシャー、バッハの薄い本、その2を #技術書典 に出品する
「ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版」という20世紀の古典の読書会をゆるゆるやっていて、その読書会仲間と、同人誌を昨年の秋に作った。*1、*2
そして、4月22日、秋葉原UDX アキバ・スクエアで開催予定の技術書典に同人誌「ゲーデル、エッシャー、バッハの薄い本#2」を出展する。
「ゲーデル、エッシャー、バッハ」とは一体なんなんだ。読んだ人それぞれ勝手なことを言って結論は出ないのだけど、読書会でワイワイ議論しながら読むのが楽しい。読書会の醍醐味みたいなものである。あまつさえ、それだけでは物足りないのか、同人誌まで作ってしまった。最初に作った同人誌「ゲーデル、エッシャー、バッハの薄い本」を2017年秋に開催された、技術書典というイベントに出したところ準備した100部を1時間弱で完売した。入手できなかった人たち申し訳ございません(ぺこり)
今回、売り切れた薄い本#1と書き下ろしの薄い本#2を出展する。
薄い本#2はダグラス・R・ホフスタッターさんからのメッセージ、30年以上前の日本語版編集者へのインタビュー、10章から15章までのヒッチハイクガイド、そのほかゲーデル、エッシャー、バッハ(GEB)を題材にした漫画などなど盛り沢山だ。
結局GEBとはなんなのか。
自分の回答は「生命のない物質から生命のある存在がどのように生まれるかを述べようとする個人的な試みだ」というものだ。石ころと「自分」の差はなんなのか、それを描いている作品なのだ。
GEBとは何か、その問いに答えるためにはGEBを読む必要がある。700ページを超える大著(約1000グラム)だし、一人で読むのは大変だ。そのおともに薄い本を利用して欲しい。薄い本を読むとGEBを読みたくなる。GEBを読むと薄い本を読みたくなる。そのような補完的な関係を持つように作った。
技術書典でぜひ手にとって欲しい。
https://techbookfest.org/event/tbf04/circle/15520001
一般参加 無料
奮ってのご参加、お待ちしています。
2018-03-17
銃・病原菌・鉄、ジャレド・ダイアモンド著、読了、濫読日記風 2018、その12
銃・病原菌・鉄(上)、銃・病原菌・鉄(下)1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)
を読んだ。
スゴ本の中の人が選んだ、1万円で“一生モノの教養”を身につけるための5冊 - マネ会で紹介されている一冊で面白さは間違いない。
本書をひとことで表すならば「歴史は、異なる人々によって異なる経路をたどったが、それは、人々の置かれた環境の差異によるものであって、人々の生物学的な差異によるものではない」(45ページ)
ヨーロッパでは文明が発達し、世界を制覇したが、それはヨーロッパ系の人々が生物学的に優れていたからではなく、たまたまその人々の置かれた環境によるものである。本書は一言でいえば、「人種による優劣という幻想」(32ページ)を打ち砕くものである。
例えば、3章で、スペイン人とインカ帝国の激突が描かれている。コロンブスがアメリカ大陸を発見して、ヨーロッパ人が新世界を植民地化した。その逆、すなわちインカ帝国の人たちがヨーロッパを植民地化することがなかったのは何故なのか?その問いに3章は答える。
ヨーロッパ人が新大陸を征服した結果、アメリカ先住民は激減した。
ヨーロッパ人とアメリカ先住民との関係におけるもっとも劇的な瞬間は、一五三二年十一月十六日にスペイン征服者ピサロとインカ皇帝アタワルパがペルー北方の高地カハマルカで出会ったときである。(122ページ)
スパインから来た168人のならず者集団が八万人の兵士に守られた皇帝を捉え、インカ帝国を征服できたのはなぜなのか。
3章はその経緯を詳しく記している。ピサロの随行者がインカ帝国を征服した経緯を記しているので我々はそれを知ることができる(彼らは文字を持っていた!)。
そして、読み書きのできたスペイン側は、人間の行動や歴史について膨大な知識を継承していた。それとは対照的に読み書きのできなかったアタワルパ側はスペイン人自体に関する知識を持ち合わせていなかったし、海外からの侵略者についての経験も持ち合わせていなかった。(146ページ)
スペイン人は赤子をひねるように簡単にインカ帝国の人々を騙して殺戮したのである。
本書のタイトル『銃・病原菌・鉄』は、ヨーロッパ人が他の大陸を征服できた直接の要因を凝縮して表現したものである。(147ページ)
ヨーロッパ人は、銃で人を殺し、病原菌(伝染病)で人を殺し、鉄で人を殺し征服して行く。
人類が農耕を始めた一万三千年前くらいから人類史を巨視的に俯瞰している。殺戮を可能としたシステムが生まれたのはなぜなのか、その疑問を膨大なエビデンスで紐解いて行く。知的パズルといってもいい。
その謎解きは本書をお読みいただくとして、食糧生産にまつわる謎の章で、家畜、銃鉄砲、概要線、政治機構、文字、疫病などがどのように発見、発明、発達して行くかの因果連鎖を解説している(図4−1、153ページ)
ユーラシア大陸がたまたま横に広がっていたから、縦に長いアメリカ大陸、アフリカ大陸に住む人々よりも圧倒的に有利な位置にいたというのがネタバレである。
濫読日記風 2018
- ハックルベリー・フィンの冒けん、マーク・トウェイン著、柴田元幸訳、読了、濫読日記風 2018、その11 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版、12章、ダグラス・R. ホフスタッター著、濫読日記風 2018、その10 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 短篇小説講義、筒井康隆著、濫読日記風 2018、その9 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 未来の年表 人口減少日本でこれから起きること、河合雅司著、濫読日記風 2018、その8 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 論理哲学論考(岩波文庫)、ウィトゲンシュタイン著、野矢茂樹訳、を読んで考えた、濫読日記風 2018、その7 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 自由と規律、池田潔著、濫読日記風 2018、その6 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 古典力、齋藤孝著、濫読日記風 2018、その5 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 老人と海、ヘミングウェイ著、福田恆存訳、濫読日記風 2018、その4 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 読んじゃいなよ!、高橋源一郎編、濫読日記風 2018、その3 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- つながる読書術、日垣隆著、濫読日記風 2018、その2 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 六本木戦記、久富木隆一著、濫読日記風 2018、その1 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
2018-02-26
Ruby25周年イベントで変わったこと変わらなかったことを考えた #ruby25th
品川で開催されたRuby 25周年のイベントに行ってきた。*1
高橋さんのRubyの昔の話から、まつもとさんの未来の話、宮川さんとまつもとさん対談など、コンテンツも盛りだくさんだった。最後にお嬢さん二人からまつもとさんへの花束贈呈があって、家族ぐるみの暖かいイベントになった。スポンサー企業もいっぱい集まって盛況だった。
まつもとさんのお話を聞きながら、この20年前後のICT業界の変わったこと変わらなかったことをつらつらと考えた。
昨今、技術の変化が過度に強調されシンギュラリティに象徴される様々なバズワードが飛び交っている。若い人は(おじさんもそうだけど)、メディアの狂想に踊らされているのではないかと思わなくもない。確かに技術が指数関数的に変化するとしたら、今後N年の変化は、過去の変化の総和と等しいくらいに変化する。ムーアの法則(2年で半導体集積度が倍になる)風な変化だと、今後2年の集積度は、今までの集積度の総和と等しいとか、テンプレート的に現在の職業の半分は今後10年で登場する職業に置き換えられるとか真偽はともかく言えなくもない。
過去のICT技術の変化は主に量的な変化が質的な変化になったものと言える。量的な変化以外に何か質的な変化がどれだけあったのか。
コンピュータは基本的にはノイマン型だし、もっと言えば単なるチューリングマシンだ。それを操るプログラミング言語の進化は基本的にはシンタックス上の変化に過ぎない。より少ない表現量でより多くの処理をこなす。手続き型言語からオブジェクト指向型言語、あるいは関数型言語など様々な言語パラダイムがあったとしても所詮はチューリングマシンをどう駆動するかというところに帰着する。
プログラミング言語を動かす環境もUnix系の処理系にほぼ収斂したし20年前と、コスト、規模などスケール要因以外は、驚くほど変わっていない。*2
一方で変化した部分に目を向けるとどうなるか。
ソフトウェア開発手法に関してはアジャイル型の手法が広く知られるようになった。オープンソースも一般的になって、バザール型開発も一般的になった。銀の弾丸があったのかなかったのか、よく分からないが、プログラマの復権があって、好きなプログラミングをしていて飯を食えるという職業ハッカーが多くはないけど現れてきたのが、この20年の変化かなと思う。まつもとさんは職業ハッカーのロックスターだ。*3
インターネットが普及して不可逆的な変化を社会に与え、それを前提としたソフトウェア開発手法(オープンソースソフトウェアにおけるバザール型開発)から職業ハッカーの勃興がこの20年の大きな変化といえる。
クラウドやモバイル、IoT、AI、機械学習、ブロックチェーンなどなど流行り言葉は多いし、これからもいっぱい出てくると思う。10年に一度くらいのパラダイムシフトもあると思う。*4
2018-02-22
ハックルベリー・フィンの冒けん、マーク・トウェイン著、柴田元幸訳、読了、濫読日記風 2018、その11
柴田元幸が最近訳した「ハックルベリー・フィンの冒けん」を読んだ。
「ハックルベリー・フィンの冒けん」は「文学入門 (岩波新書 青版)」の読書リストにも載っていたし、いつかは絶対読みたいと思っていた一冊だ。柴田元幸がいちばん訳したかったという触れ込みでもあるし、新訳も出たことだし、早速読んで見た。*1
ハックルベリー・フィンが黒人奴隷のジムとカヌーや筏を使って川下りをするのだけど、ぺてん師などと道中をともにすることになったり、様々なトラブルに巻き込まれたりしながら旅をするというお話だ。途中からトム・ソーヤも出てきて色々な事件に遭遇する。
ハックルベリー・フィンの一人称で語られて行くが、柴田の訳は、ハックルベリーだったらどのような表現をするか、どのような漢字を使うかなどを考えて、ひらがなを多用したものになっている。「冒険」という言葉も「険」は無理でも「冒」は(横棒が一本足りないくらいのことはありそうだが)書けそうな気がする(解説、539ページ)、ということで、「ハックルベリー・フィンの冒けん」と記している。
ちなみに、「冒険」の「冒」は小学校の時に習わないが、「険」は5年生の時に習うので、ハックが小学生だとすると「ぼう険」と記しそうであるが、小学校には行っていないけど、中学生になってから学校に行って冒の字は習ったので「冒けん」と記したとか記さなかったとか。(とかいう話を某所で開催された「ハックルベリー・フィンの冒けん」読書会で、柴田さんが言っていた。)
現代の視点からいうと結構ひどいエピソードが満載で、ハックの親父は酒飲み(酒乱)で、息子(ハック)に金をせびりに来るし、暴力は振るうし、最低なキャラだし、ハックも一緒に旅をする黒人奴隷のジムに対して、微妙な感情を持っていて、他人の奴隷を勝手に自由にしてしまうことはいいことなのかという「良心の呵責」を感じている。
単なる少年活劇という枠組みだけには収まらない人間ドラマがある。
筏で川を下って行くというロードムービーなのだけど、ハックの生命力、バイタリティがすごいなと感心した。自分だと3日も持たない、すぐに根を上げてしまいそうだ。野宿して食い物を調達して生き延びる。ハックは自由人だ。旅人そのものだと思った。
途中でトム・ソーヤが出て来るが、めんどくさい奴という印象だった。
「ハックルベリー・フィンの冒けん」を読んだついでに勢いで「トム・ソーヤーの冒険 (新潮文庫)」も一気に読んだ。こちらはトムが主役だ。物語としては、「ハックルベリー・フィンの冒けん」の方が魅力的だ。
濫読日記風 2018
- ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版、12章、ダグラス・R. ホフスタッター著、濫読日記風 2018、その10 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 短篇小説講義、筒井康隆著、濫読日記風 2018、その9 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 未来の年表 人口減少日本でこれから起きること、河合雅司著、濫読日記風 2018、その8 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 論理哲学論考(岩波文庫)、ウィトゲンシュタイン著、野矢茂樹訳、を読んで考えた、濫読日記風 2018、その7 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 自由と規律、池田潔著、濫読日記風 2018、その6 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 古典力、齋藤孝著、濫読日記風 2018、その5 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 老人と海、ヘミングウェイ著、福田恆存訳、濫読日記風 2018、その4 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 読んじゃいなよ!、高橋源一郎編、濫読日記風 2018、その3 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- つながる読書術、日垣隆著、濫読日記風 2018、その2 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 六本木戦記、久富木隆一著、濫読日記風 2018、その1 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
2018-01-10
ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版、12章、ダグラス・R. ホフスタッター著、濫読日記風 2018、その10
ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版の12章を読んだ。
読書会でゆるゆる読んでいる。ゆるゆるゲーデル、エッシャー、バッハ(GEB)を読むので略して「ゆるげぶ」
最後に「ルカスとの出会い」という節があって、ゲーデル問題にも根を上げないようなシステムであれば、それはチューリングマシンではない。というルカスの言葉が引用されている。
機械が意識をもつと、すなわちある臨界点を超えた時、それはチューリングマシンではないと彼は主張している。これって、流行りの言葉で言えば、シンギュラリティを迎えたらということになろうか。
ルカスのこの刺激的な表明は、1961年の「心、機械、そしてゲーデル」という論文にあるそうである。読みたい。
濫読日記風 2018
- 短篇小説講義、筒井康隆著、濫読日記風 2018、その9 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 未来の年表 人口減少日本でこれから起きること、河合雅司著、濫読日記風 2018、その8 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 論理哲学論考(岩波文庫)、ウィトゲンシュタイン著、野矢茂樹訳、を読んで考えた、濫読日記風 2018、その7 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 自由と規律、池田潔著、濫読日記風 2018、その6 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 古典力、齋藤孝著、濫読日記風 2018、その5 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 老人と海、ヘミングウェイ著、福田恆存訳、濫読日記風 2018、その4 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 読んじゃいなよ!、高橋源一郎編、濫読日記風 2018、その3 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- つながる読書術、日垣隆著、濫読日記風 2018、その2 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 六本木戦記、久富木隆一著、濫読日記風 2018、その1 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
2018-01-09
短篇小説講義、筒井康隆著、濫読日記風 2018、その9
短篇小説講義 (岩波新書)を読んだ。
読書の幅を広げるタイプの読書本だ。紹介されている本を手にとって読みたくなる。筒井康隆が紹介しているので面白さはピカイチでどれも読みたくなる。
紹介されている作家は、ディケンズ、ホフマン、アンブロウズ・ビアス、ゴーリキー、トオマス・マン、サマセット・モーム、ローソン。どれもこれも、その作家の短篇集を読んだことがない。
筒井は本書を執筆するために、岩波文庫の短篇集を200冊以上読み、その中で本書で紹介する6篇がいちばん面白かったと言っている(158ページ)
職業作家というのは、本を読んで読んで読みまくるのが好きでないと務まらないということがよくわかるエピソードだ。
「飽き飽きするほど読むという意味でも、現代で再評価できる作品を見つけるという意味でも、ぼくが短篇小説の古典をたくさん読んだことは良いことだったのだ。」(158ページ)
「伝統を知るということはそこから抜け出して新たな可能性を探ることができるかという可能性をわれわれにあたえてくれるもの、だからこそ学ばなければならないものではないだろうか。」(同ページ)
紹介されている本をいくつか読んでみることにした。
追記。紹介されていた短篇集
- ディケンズ短篇集 (岩波文庫 赤 228-7)
ジョージシルヴァーマンの釈明
- ホフマン短篇集 (岩波文庫)
隅の窓
- ビアス短篇集 (岩波文庫)
アウル・クリーク橋の一事件
- バック・ファンショーの葬式 (岩波文庫 赤 311-7)
頭突き羊の物語
- ゴーリキー短篇集 (岩波文庫 赤 627-1)
二十六人の男と一人の少女
- トオマス・マン短篇集 (岩波文庫 赤 433-4)
幻滅
- 雨・赤毛 (新潮文庫―モーム短篇集)
- 雨・赤毛―他一篇 (1962年) (岩波文庫)
岩波文庫は品切れ
- 退屈な話・六号病室 (1963年) (岩波文庫)
品切れ
- ローソン短篇集 (岩波文庫)
爆弾犬、品切れ
濫読日記風 2018
- 未来の年表 人口減少日本でこれから起きること、河合雅司著、濫読日記風 2018、その8 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 論理哲学論考(岩波文庫)、ウィトゲンシュタイン著、野矢茂樹訳、を読んで考えた、濫読日記風 2018、その7 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 自由と規律、池田潔著、濫読日記風 2018、その6 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 古典力、齋藤孝著、濫読日記風 2018、その5 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 老人と海、ヘミングウェイ著、福田恆存訳、濫読日記風 2018、その4 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 読んじゃいなよ!、高橋源一郎編、濫読日記風 2018、その3 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- つながる読書術、日垣隆著、濫読日記風 2018、その2 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 六本木戦記、久富木隆一著、濫読日記風 2018、その1 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
2018-01-08
未来の年表 人口減少日本でこれから起きること、河合雅司著、濫読日記風 2018、その8
未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)を読んだ。
本書は、人口の絶対数が激減したり、高齢者が激増したりすることによって生じる弊害と、それにどう対応するかを議論している。(6ページ)
2015年に1億2700万人いた日本の総人口が、40年後には9000万人を下回る。(7ページ)
喫緊の課題は、1)出生数の減少、2)高齢者の激増、3)勤労世代(20〜64歳)の激減に伴う社会の支え手の不足、4)これらが互いに絡み合って起こる人口減少。(9ページ)
本書は、今後100年の人口減少カレンダー(22〜23ページ)で、今後の日本がどのような社会になるのかを示している。例えば、2020年には女性の2人に1人が50歳以上になる。年間出生数は増えない。一人暮らし社会が本格化する。大都市部では総人口はあまり減らず、高齢者の実数だけが増えていき、地方では総人口は減少するが、高齢者の実数はさほど変わらない(126ページ)。
1)戦略的に縮む、2)豊かさを維持する、3)脱・東京一極集中、4)少子化対策
第1部の現状分析に比べて第2部の少子高齢化対策については実現可能性が乏しいように感じた。4)の少子化対策が弱いように感じた。
本書は第1部の現状分析の部分を広く共有して、今後の処方箋について議論するネタにするのがいいのではないかと思った。
濫読日記風 2018
- 論理哲学論考(岩波文庫)、ウィトゲンシュタイン著、野矢茂樹訳、を読んで考えた、濫読日記風 2018、その7 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 自由と規律、池田潔著、濫読日記風 2018、その6 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 古典力、齋藤孝著、濫読日記風 2018、その5 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 老人と海、ヘミングウェイ著、福田恆存訳、濫読日記風 2018、その4 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 読んじゃいなよ!、高橋源一郎編、濫読日記風 2018、その3 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- つながる読書術、日垣隆著、濫読日記風 2018、その2 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 六本木戦記、久富木隆一著、濫読日記風 2018、その1 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
2018-01-07
論理哲学論考(岩波文庫)、ウィトゲンシュタイン著、野矢茂樹訳、を読んで考えた、濫読日記風 2018、その7
論理哲学論考 (岩波文庫)を読んだ。
読んでみたがよくわからなかった。
一行で要約すると「七 語りえぬものについては、沈黙せねばならない。(野矢茂樹訳)」となる。七行で要約すると
- 世界は成立していることがらの総体である pp13
- 成立していることがら、すなわち事実とは、諸事態の成立である pp13
- 事実の論理像が
至高思考である pp22 - 思考とは有意味な命題である pp39
- 命題は要素命題の真理関数である(要素命題は自分自身の真理関数である) pp73
- 真理命題の一般形式はこうである
これは命題の一般形式である pp118 - 語りえぬものについては、沈黙せねばならない pp149
となる。
この七行要約が可能なのは、もともとが全ての文に番号が付いていて、一桁の番号の文が7つあるというだけのことである。要約してもよくわからないというのが、よくわかる。
ページ数を見てみると、全体で130ページちょっとの論考のうち、1と同じページに2があり、2が9ページ、3が17ページ、4が34ページ、5が45ページ、6が31ページほどなので4〜6あたりに重要な議論がされていそうである。
コンテンツの理解についてはリテラルに一文一文読解するしかないが、巨視的な理解はこんなもので良さそうだ。
その他、バートランド・ラッセルの解説が30ページほど、訳注が40ページ、訳者解説が20ページ弱ある
ラッセルの解説はのちにウィトゲンシュタインが間違っている(?!)とクレームをつけたそうである。
ざっと読んで、訳者解説を読んでも、さっぱりちんぷんかんぷんだった。
他の訳「論理哲学論考 (光文社古典新訳文庫)」を読んでも、やっぱりよくわからなかった。
解説書の「ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む (ちくま学芸文庫)」を読めば理解が進むのだろうか?こちらは未読なのでよくわからない。
よくわからないというのが、よくわかった「論理哲学論考」だった。
ブックリスト
濫読日記風 2018
2018-01-06
自由と規律、池田潔著、濫読日記風 2018、その6
英国の古き良きパブリック・スクールについての紹介だ。著者は若き日にそこに学び後に慶應義塾大学で教鞭をとった日本人である。
英国における紳士的な精神とは何か、それをいかにパブリック・スクールというところで滋養するのか、そのようなことが自らの体験に照らして記されている。
著者がパブリック・スクール(日本においては中学高校に当たる)に通っていたのは、第一次大戦後で、リース校に三年、ケムブリッヂ大学に五年、合わせて八年の教育をイギリスで受けた。そして、その経験をもとに本書を発表したのが、1949年、第二次大戦後間も無くである。
自分はイギリスにおけるパブリック・スクール(中学高校)の実態がどのようなものか知らない。ハリーポッターの全寮制の学校生活くらいのイメージしかない。
本書は、小泉信三の序文、ありていに言えば推薦文だ、まえがき、パブリック・スクールの本質と起源、その制度、その生活、スポーツマンシップということ、という構成になっている。*1
「その生活」で、(一)寮、(二)校長、(三)ハウスマスターと教員、(四)学課、(五)運動競技、について記している。概説的な説明は困難だとしているが、公約数的な特徴を挙げている。
寮生活のエピソードなどは実際に体験したものでなければ書けない生き生きとしたものとなっている。
イギリスの教育については、わが国ではオックスフォード、ケムブリッヂ大学を論ずる人が多いが、パブリック・スクールを語る人はきわめて稀である。そして、パブリック・スクール教育の基礎は、知識教育は従属的で、人格の涵養(かんよう)、礼儀作法の習得に教育重点が偏するものとされて、いわゆる「紳士道の修行」という言葉に要約される。(4ページ)
「紳士道の修行」などという言葉は自分には想像もつかない。どのような教育環境があれば、そのようなものが身につくのか、そのヒントが本書にある。
イーヴィリン・ウォーという作家は寡聞にして知らなかったが、彼の作品「大転落」(本書では、Decline And Fallを、「衰頽(すいたい)と落魄(らくはく)」と訳している)を引きながらイギリスの社会におけるパブリック・スクールの出身者の立ち位置を示している。(あるいは「チップス先生、さようなら」などにその様子がうかがえる)
パブリック・スクールは私立の中学高校に相当し、寄宿舎(全寮制)によって生活する。
寮生活によって、教育されるというのが特徴になる。寮生活には厳然とした規則がある。そしてそれを破った時にどのような罰があるのか、著者の体験を記している。例えば生徒は学校指定の床屋に行かないといけないのだが、ある時、著者は悪いと知りつつ、もっと静かで設備のいい床屋に行った。そして、そこに校長がいたのを発見する。校長が、どのように著者に語ったかは本書を読んでいただくとして、実に粋なやり取りであった。そして、著者は「規律」とは何かを学ぶのである。(61ページ)
夜は自修がある。教師のいない自修時間には私語もない。ここでは自修時間が限られていることもあるが、勉強にあてられている時間には勉強をしようとする常識がある(94ページ)。一方で8時半に寮に帰り、寝室に行って、しおわらなかった宿題をしていたところ上級生に注意をされた。勉強のとき怠けることが悪いと同じく、他人が寛ぐときに一人勉強することは悪い。(95ページ)
仕事が終わらなかったら残業でも徹夜でもして終わらせるというのは紳士道ではないらしい。ふむふむと感じた。
日曜日の夜に全学生が講堂に集められて家郷に手紙を書かされる。イギリス人ほど手紙を書く国民は少ない。とにかく、彼らは書くことを悦び、読むことを楽しむ。(97ページ)
様々なエピソードを読むにつれ、紳士の心構え「ノブレス・オブリージ」がどのような環境で育てられるのか。身体的無形資産になるのか。そのようなことを考えた。
このような教育はイギリスの特権階級にだけ与えられたものなのだろうか。
イギリスのパブリック・スクールの伝統の一端を知るにつけ、日本における教育で、そのような機会があるだろうか、自分の中に消化しきれない何かを感じた。
この本をどのように発見したか
9月に大人の休日きっぷというので東北に旅をした時に、グランクラスの車内誌でたまたま本書が紹介されていて、青森の宮脇書店で購入した。誰の紹介文かすらも記憶にない。
下記はグランクラスで読んだ社内誌で紹介されていた。どれも未読だったので読みたいと思い、駅ビルに入っている宮脇書店で探してみたらすぐ見つかった。特に大きめの書店というわけではないし、店内検索システムも見当たらず、アナログで探したのだけど、特に大きな困難もなく発見できた。すごい。
年末にたまたま父の本棚に「自由と規律」があったので、面白そうだから読んでみようと思ったところ、積読の本の山から、まさに同じ本を発見した次第である。
奥付を見てみると90年ごろに購入したようなので、28年前である。父は既に亡くなっているので、直接話をすることはかなわないが、「自由と規律」という本を通じて対話をしているような気持ちになった。彼がなぜ本書を買おうと思ったのか、読んでどのような感想を持ったのか、知る由もない。しかし、一冊の本のおかげで時を隔てて父と息子が対話する僥倖を得た。
本書は自分に読書の悦びを教えてくれた思い出深い一冊になった。
濫読日記風 2018
2018-01-05
古典力、齋藤孝著、濫読日記風 2018、その5
『古典力 (岩波新書)』を読んだ。
古典力とは、名著を自分の古典として日々の生活や思考に生かす力である。(はじめに、ii)
第1章 古典力を身につける なぜ古典力が必要なのか。古典を読むための十カ条。十カ条は古典の読み方のコツである。
第2章 活きた古典力 渋沢栄一、孔子、ゲーテ、小林秀雄らの古典力について記している
第3章 マイ古典にしたい名著五十選
古典を読むのには、コツがある。本書はそのコツをいろいろと伝えている。そして、読むべき古典として五十選のリストがある。
リストを参考に名著を読んでみたいと思った。
書名 | 著者 | コメント |
作品世界にどっぷり浸かる | ||
カラマーゾフの兄弟 | ドストエフスキー | ◎ |
源氏物語 | 紫式部 | |
千夜一夜物語(アラビアンナイト) | ||
百年の孤独 | ガルシア=マルケス | ◎ |
嵐が丘 | エミリー・ブロンテ | ● |
ファウスト | ゲーテ | |
ドン・キホーテ | セルバンテス | |
たった一冊の本が、時代を、社会を変えた | ||
方法序説 | デカルト | ◎ |
星界の報告 | ガリレオ・ガリレイ | |
社会契約論 | ルソー | |
共産党宣言 | マルクス、エンゲルス | |
種の起源 | ダーウィン | |
学問のすゝめ | 福澤諭吉 | ◎ |
生物から見た世界 | ユクスキュル | ◎ |
精神分析入門 | フロイト | |
古代の世界は骨太! | ||
旧約聖書・新約聖書(福音書) | ● | |
古事記 | − | |
オイディプス王 | ソポクレス | |
ギリシア・ローマ神話 | − | |
『史記』 | 司馬遷 | |
万葉集 | − | |
論語 | 孔子 | |
饗宴 | プラトン | ● |
書き手の感性や人となりを味わう | ||
福翁自伝 | 福澤諭吉 | ◎ |
フランクリン自伝 | フランクリン | |
徒然草 | 兼好法師 | |
枕草子 | 清少納言 | |
おくのほそ道 | 松尾芭蕉 | |
ゴッホの手紙 | ゴッホ | |
人間のおろかさ弱さを見つめる | ||
阿Q正伝 | 魯迅 | |
罪と罰 | ドストエフスキー | ◎ |
変身 | カフカ | ◎ |
赤と黒 | スタンダール | ● |
ブッダのことば | − | ● |
マクベス | シェイクスピア | |
社会の中の人間 | ||
監獄の誕生 監視と処罰 | フーコー | |
プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 | ウェーバー | ● |
マネジメント | ピーター・ドラッカー | |
風姿花伝 | 世阿弥 | |
君主論 | ニッコロ・マキャヴェッリ | |
悲しき熱帯 | レヴィ=ストロース | |
生きる覚悟、生の美学 | ||
きけ わだつみのこえ | 日本戦没学生記念会 | |
平家物語 | − | |
「いき」の構造 | 九鬼周造 | |
存在と時間 | ハイデガー | |
死に至る病 | キェルケゴール | |
武士道 | 新渡戸稲造 | |
五輪書 | 宮本武蔵 | |
ツァラトゥストラはこう言った | ニーツェ | |
夜と霧 | フランクル |
◎ 読んだ
● 積読
読みたい
濫読日記風 2018
2018-01-04
老人と海、ヘミングウェイ著、福田恆存訳、濫読日記風 2018、その4
老人と海 (新潮文庫)を読んだ。福田恆存の訳と解説。
老人と海は中高生の頃に読んだ。詳細は忘却の彼方だが、老人が大魚を不眠不休で釣り上げるという話だったと記憶していた。だいたいあってた。
再読するきっかけは つながる読書術、日垣隆著、濫読日記風 2018、その2 - 未来のいつか/hyoshiokの日記で福田恆存の解説がいいらしいというので手に取ってみた。
一度読んだ本をもう一度読むという読み方になった。いろいろな「読書本」で再読というのが勧められている。自分はあんまり再読をしなかったのだけど、若い頃に読んだ本を再読すると、再発見があって面白い。
「老人と海」は短編で特に読むのに困難を伴うということもない。老人と少年の交流が描かれているが、そこのディテールはすっかり忘れていた。釣り上げた大魚がサメに食われてしまうというところは、おぼろげながら覚えていた。記憶が曖昧なので、初めて読んだように楽しめるのはラッキーである。
小舟に乗って、船よりもでかい魚を釣るという設定もクレージーだが、無線もエンジンもない小舟で漁をするというのも、ずいぶん無謀な設定になっている。
米国文学における位置付けを福田恆存の解説で理解した。ヘミングウェイの他の作品も読んでみたいと思った。村上春樹は訳さないかなあ。
濫読日記風 2018
2018-01-03
読んじゃいなよ!、高橋源一郎編、濫読日記風 2018、その3
読んじゃいなよ!――明治学院大学国際学部高橋源一郎ゼミで岩波新書をよむを読んだ
高橋源一郎ゼミの学生がゼミで岩波新書を読む。著者を招いて講演と質疑応答というセッション。登場する著者と書籍は、下記の三者。
鷲田清一の哲学教室、長谷部恭男の憲法教室、伊藤比呂美の人生相談教室。
学生がしっかり読み込んできて、それぞれに鋭く質問をしていく。このやりとりが面白い。高橋源一郎がファシリテーションをするのだけど、ほとんど必要ないくらい、いい質問がバシバシ出てくる。
岩波新書というのは、硬くてお高くとまっている印象があって、自分もそう思わなくもないのだけど、それを学生さんたちが、一生懸命質問して、グイグイ壊していく。発表する皆さんも、その質問に誠意を持って答える。知のバトル。
ゼミでの読書会という昔からある形式に、実際の著者を読んで質疑応答をさせるという、ある意味、ルール破りの講義になっているのが面白い。
従来の教育が「教えること」を重視して行われてきたのだが、このゼミでは「問うこと」が求められている。「問う」練習をするのがこのゼミだ。
楽しそうだなー、こーゆーゼミに参加したいなーということを強く思った。
早速紹介されている岩波新書を買い込んだので、岩波新書のプロモーション企画としても力があると思った。
濫読日記風 2018
2018-01-02
つながる読書術、日垣隆著、濫読日記風 2018、その2
去年の今頃つながる読書術 (講談社現代新書)読んでいた。(Facebookの過去の出来事が教えてくれた。濫読日記風に記していなかったのでコピペする)
自分に十分な言語理解力が備わっているのか甚だ疑問で、どうにか読書力というのをつけたくて読書法的なものを何冊か斜め読みしているのだけどなかなかしっくりこない。ネット時代の読書術的なやつを探していたところひょんなところから本書を推薦していただく。
第4章に、話してつながる読書術、ということで読書会のことが紹介されている。読書会も古くからある方法論だがネット時代にはそれに適したやり方があり、幾つかのヒントが書いてある。例えば、あらかじめアンケートとして、ネタになる本についての、推薦文を二行で書いてくださいとか、ありえない二箇所と人に話したい一行を書いてもらう。ウェブ読書会で集団の叡智を得るとかなんとか。
一回目の時には、まるっきりスルーをした、オルテガ『大衆の反逆』、マックス・ヴェーバー『職業としての政治』などの古典、「名著の注釈を見逃してはいけない」というちょっとしたコツなどに目がいった。『老人と海』の訳者の福田恆存の解説がいいらしい(115ページ)、何百回も読んだ本として『聖書』(旧約なのか新約なのか?)、ときどき再読するモンテーニュ著『随想録(エセー)』(118ページ)などをあげている。
下記に読書リストの最初の五十冊を写経した。全部で百冊あるのだけど、入力に力尽きた。古典というより、わりと新しめの本が多い。一回目の時よりも読書リストにグッと来なかったのは、古典が少なかったからのような気がする。
第5章では有料メルマガを発行することを勧めているが、プロの文筆業としてはありだと感じた。
読まずに死ねない厳選一〇〇冊の本
- 聖の青春 (角川文庫) http://amzn.to/2EC0Dcr
- 新装版 サンダカン八番娼館 (文春文庫) http://amzn.to/2Cr9Je5
- からゆきさん 異国に売られた少女たち (朝日文庫) http://amzn.to/2lC9yms
- 老人と海 (新潮文庫) http://amzn.to/2lE8lKL
- ロビンソン・クルーソー (岩波少年文庫) http://amzn.to/2lD44HZ
- 夏の庭―The Friends (新潮文庫) http://amzn.to/2Cv0ZDA
- 走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫) http://amzn.to/2lDsQb4
- ボロボロになった人へ (幻冬舎文庫) http://amzn.to/2CuPn3m
- 農協月へ行く (角川文庫) http://amzn.to/2Ctqcyh
- 恋 (新潮文庫) http://amzn.to/2Cv80Va
- ぼくは勉強ができない (新潮文庫) http://amzn.to/2Cv4dXN
- 文庫 遺伝子の川 (草思社文庫) http://amzn.to/2CtowVy
- ルーツ 1 (現代教養文庫 971) http://amzn.to/2lBNHeW
- 兎の眼 (角川文庫) http://amzn.to/2ExG9BL
- パパラギ はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集 (SB文庫) http://amzn.to/2lCyoCI
- まんが道 全14巻セット http://amzn.to/2DPvt0j
- さくら (小学館文庫) http://amzn.to/2lEaxCy
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- 少年にわが子を殺された親たち (文春文庫) http://amzn.to/2DNF5sc
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- 秘密―パレスチナから桜の国へ 母と私の28年 http://amzn.to/2lFYrIw
- あすなろ物語 (新潮文庫) http://amzn.to/2DOykXn
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- 岳物語 (集英社文庫) http://amzn.to/2CqcCvN
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濫読日記風 2018
2018-01-01
六本木戦記、久富木隆一著、濫読日記風 2018、その1
昨年(2017年)は本の感想を主に濫読日記風というタイトルでまとめていた。今年も懲りずに読書記録としてつけていきたい。2017年は「その51」まで行ったが、年も明けたので、番号はリセットして2018その1として始める。
自分のスタンスは、あくまで「書評」というようなものではなくて、自分が読んでの感想・印象をそのまま綴ったものとする。対象とする書籍などは玉石混合ごった煮だ。取り上げたからといって、必ずしも良書、読むべき本、あるいはオススメとは限らない。各自読む読まないは自分で判断していただきたい(当たり前だけど)。資料的な価値というよりも自分にとっての備忘録である。あらかじめご了承いただきたい。
年末読んで最も面白かったのは下記のブログだ。濫読日記風でブログを取り上げるのは初めてだ。
六本木戦記 | Wander Alone Like A Rhinoceros Horn
自分はエスノグラフィー(民族誌)の手法にはかねてから興味があるのだが、IT業界にこそ民族誌が必要だと考えている。自分自身がいるこの業界のことを自分はよく知っているのか、そんなことを思う。他社の事情はどうなんだろうか。業界をもっとよく知りたい。民族誌はそのような情報を提供してくれるはずだ。
このブログは著者が主にグリー株式会社での経験(2010年末から2017年4月頃まで)を綴ったものとなっている。ゲーム業界にいる著者が内側からその経験を語る手法はまさに民族誌そのものと言ってもいいのではないだろうか。
多くのいわゆる「退職エントリー」というものが単なる自分語りと前職への恨みつらみの発露になっている。そのようなものを期待しているのではなく、自分の経験からの学びを、外側の人へ伝える行為を通して、業界の置かれている状況などを理解するきっかけになることを期待する。
この「六本木戦記」は、もちろん個別の事情は記されているが、表現が単なる事象の列挙にとどまらず、その中のある種の普遍性を掬い取ろうとしている。そして、その作業は成功しているように見える。
そこで、2017年も終わりゆく今、長居した会社を辞めて環境を変え、時間を置いて自分の体験を客観視できるようになってきたこの機に、蔵出し的に書いてみるのはどうか。FacebookやTwitterはよく更新しているが、ある程度長い文章を構想し組み立てる営為にはソーシャルメディアへの衝動的投稿とは異なる類の楽しみがある。
(中略)
であれば、私自身の退職イベント自体は単なるきっかけ、材料に留め、会社に入る前から出た後までの実体験や得られた知見の総括とそれに基づき考えさせられたことを中心に据えてこの文章を構成してみるのはどうか。
実体験といっても、退職エントリーで仕事を募集する人がよくやるように経てきた業務の目録を展開するだけでなく、もう少し心象に寄せていく。後から見返した評価とは別に、私がリアルタイムで感じた気分を当時の文脈上で再現して伝えられるスナップショット的エピソードを拾っていくつもりだ。つまり、文字通りエモい内容となる。
IT業界の民族誌としてMicrosoftのWindows NT開発チームを描いた『闘うプログラマー[新装版] ビル・ゲイツの野望を担った男達』が有名で多くの人が目を通したと思う。未読の人は90年代のソフトウェア製品開発現場のドキュメンタリーフィクションとして読むことを勧める。
ソフトウェア製品開発の経験がない人にとっては、読み進めるのがちょっと苦しいかもしれない。しかし、物語としてエキサイティングな構成になっている。
この「六本木戦記」は、『闘うプログラマー[新装版] ビル・ゲイツの野望を担った男達』を意識して書かれている。
彼は、1995年頃大学でインターネットに遭遇し、スタートアップに勤務したのち、2010年ごろグリーに転職した。大学は法学部なので、プログラミング言語は独学で習得した。
グリーに転職したきっかけについても詳しく記している。このような記述は転職を考えているエンジニアにとって参考にはなるだろう。
グリーからの転職活動についても詳しく書かれている。能動的にどのように動くかの事例は多くのエンジニアの参考になるだろう。転職というのは、とてもエネルギーがいる作業だ。多くの人は、そのコストを払うのが億劫で現状維持を選択する。
ゲーム業界に詳しくない者にとって、様々な業界のジャーゴンを知らないと、このブログの内容を楽しめないかというと、程度問題ではあるが、そんなことはないと思う。
例えば、Beyond3D Forumなるものについては全く土地勘も知識もないが、特にそれについて知らなくても、このブログを楽しむことはできる。自分は知らない単語が出てきたら、とりあえずスルーして前に進んだ。
個別の技術やコミュニティーについて議論するのではなく、そのコンテキストを語っているので、その知識があったら、それなりに深い理解にはなると思うが、なくても特には困らなかった。最低限の説明はされているように思う。
一方で、ゲーム業界、スマホゲーム業界、ウェブ業界、SI業界などの区分はその外にいる人たちにとっては全くもって不可解な地勢図であろう。
そして、著者が記した『ゲームアプリの数学 Unityで学ぶ基礎からシェーダーまで』という本の執筆の狙いなどを詳しく解説している。この記述は自分にとって、非常に面白かった。
その後、グリーの米国事業での撤退戦を任されたりするが、ここでは省略する。
そして、2016年夏に「Pokemon GO」が転職を決意させる事件となった。
2人の巨人が手を結んで実現した、夢のタイトル。夏の花火のように散っていく虚無的なゲームから、社会を動員するゲームへ。その、圧倒的な力の拳が天から降り注いでくるような勢いに、完膚無きまでに負けた気がした。子供同士の喧嘩の場に突然大人がカジュアルに割り込んできたかのような衝撃があった。ゲームというメディアが現代において持ちうる、人々を突き動かす力を実感するとともに、比類なき高みにまで引き上げられた競争のハードルに畏怖した。
(中略)
グリーないしAmazonという誰でも名前を知っているような会社の内側にいることによって、外側からはうかがい知れない経験をする。その経験を抽象化し機密情報などを捨て去って言語化する。その作業がすなわち民族誌的なアプローチだと思う。
日本という地域にいて、その現場を知るまたとない機会をこのブログは提供している。
分量もさることながら、その質は極めて高かった。一読をお勧めしたい。
当該ブログをきっかけに著者の『ゲームアプリの数学 Unityで学ぶ基礎からシェーダーまで』を早速購入し拝見した。こちらの感想は別途記したい。
IT民族誌
断片的なものの社会学、岸政彦、読了 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- IT産業には民族誌が必要だ http://d.hatena.ne.jp/hyoshiok/20111108/p1
- 継続的インテグレーション(CI)と継続的デリバリー(CD)について知りたかったら、闘うプログラマを読め http://d.hatena.ne.jp/hyoshiok/20160626/p1
- デブサミで『ハッカー中心の企業文化を日本で根付かせる』という講演をしてきた http://d.hatena.ne.jp/hyoshiok/20110227/p1
- そろそろ大規模ソフトウェア開発に一言いっておくか。デイリービルドとリグレッションテスト http://d.hatena.ne.jp/hyoshiok/20100312/p1
- [oss] 1998/08/05 大聖堂とバザール http://d.hatena.ne.jp/hyoshiok/20040622/p2
- ツイッター創業物語、ニック・ビルトン、読了 http://d.hatena.ne.jp/hyoshiok/20150208/p1
- ハッカー民族誌 http://d.hatena.ne.jp/hyoshiok/20140515/p1
- ハッカーズ http://d.hatena.ne.jp/hyoshiok/20140508/p1
- 人月の神話を再読した。 http://d.hatena.ne.jp/hyoshiok/20130203/p1
- グーグル、ネット覇者の真実を読んだ http://d.hatena.ne.jp/hyoshiok/20120325/p1
濫読日記風 2018
(続く)
2017-12-31
2017年の振り返り、濫読日記風、その51
今年はいっぱい本を読んで、はてな日記でいっぱい感想を書いた。(濫読日記風は今日で「その51」だ)
いろいろな読書会にも参加した。
強い印象を持った作品にもいくつもであった。そこで、自分にとってのトップ3を選んでみた。
本をしっかりと読めるようになりたい。そのために濫読したり読書会に出たりした。昨年の今頃よりはちょっとは読めるようになっただろうか。古典を読み下す力がついただろうか。AIに駆逐されないような読解力を持てただろうか。そんなことを思う。
ドストエフスキー関連の日記
- 未成年、ドストエフスキー著、工藤精一郎訳、濫読日記風、その41 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- カラマーゾフの兄弟を再読した、濫読日記風、その19 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- ドストエフスキーをいろいろと読んだ、濫読日記風、その17 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 世界近代小説五十選、文学入門、桑原武夫著、(1963年改版)、濫読日記風、その16 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
Life Shift関連の日記
- 人生100年時代の働き方についてエフスタ!!TOKYOというところでお話をした #efsta56 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 木に学べ―法隆寺・薬師寺の美、西岡常一著、濫読日記風、その34 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- ライフ・シフトをネタに大学3年生に話をした - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その2 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
濫読日記風
- 短編小説礼讃、阿部昭著、濫読日記風、その50 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 読書論、小泉信三著、濫読日記風、その49 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 幽霊たち、ポール・オースター著、柴田元幸訳、濫読日記風、その48 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- ティファニーで朝食を、トルーマン・カポーティ著、村上春樹訳、濫読日記風、その47 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 自分の中に毒を持て、岡本太郎著、濫読日記風、その46 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 天平の甍、井上靖著、濫読日記風、その45 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 夢十夜、夏目漱石著、濫読日記風、その44 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 言葉にできるは武器になる、梅田悟司著、濫読日記風、その43 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- スミスの本棚 新しい自分が見つかる読書、テレビ東京報道局編著、濫読日記風、その42 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 未成年、ドストエフスキー著、工藤精一郎訳、濫読日記風、その41 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 二子玉川本屋事情、濫読日記風、その40 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- コインロッカー・ベイビーズ、村上龍著、濫読日記風、その39 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」、山口周著、濫読日記風、その38 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 正しい本の読み方、橋爪大三郎著、濫読日記風、その37 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 漫画 君たちはどう生きるか、吉野源三郎著、羽賀翔一(イラスト)、 濫読日記風、その36 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- Hit Refresh(ヒット リフレッシュ)、Satya Nadella著、濫読日記風、その35 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 木に学べ―法隆寺・薬師寺の美、西岡常一著、濫読日記風、その34 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 家族の勝手でしょ!写真274枚で見る食卓の喜劇、岩村暢子著、濫読日記風、その33 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- GE 巨人の復活 シリコンバレー式「デジタル製造業」への挑戦、中田敦著、濫読日記風、その32 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- やし酒飲み、エイモス・チュツオーラ著、土屋哲訳、濫読日記風、その31 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 定年バカ、勢古浩爾著、濫読日記風、その30 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 方法序説、デカルト著、谷川多佳子訳、濫読日記風、その29 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- テスト駆動開発、Kent Beck著、和田卓人訳、濫読日記風、その28 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 教場0、長岡弘樹著、濫読日記風、その27 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 岩波文庫と私、濫読日記風、その26 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 死ぬほど読書、丹羽宇一郎著、読了、濫読日記風、その25 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 読書力、齋藤孝著、濫読日記風、その24 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 世界の美しい図書館、濫読日記風、その23 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- タイムスリップ・コンビナート、笙野頼子著、濫読日記風、その22 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 「エルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告」と「アイヒマン調書――ホロコーストを可能にした男」を読んだ、濫読日記風、その21 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- エリック・ホッファー自伝ー構想された真実、エリック・ホッファー著、読了、濫読日記風、その20 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- カラマーゾフの兄弟を再読した、濫読日記風、その19 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 論理トレーニング101題、野矢茂樹著、読了、濫読日記風、その18 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- ドストエフスキーをいろいろと読んだ、濫読日記風、その17 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 世界近代小説五十選、文学入門、桑原武夫著、(1963年改版)、濫読日記風、その16 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 超ソロ社会、平田オリザさん、文学入門など、読了、濫読日記風、その15 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 伝説の灘校教師が教える一生役立つ学ぶ力、橋本武著、読了、濫読日記風、その14 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 「定年後」と、「一〇〇歳時代の人生マネジメント」、読了、濫読日記風、その13 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 偽装死で別の人生を生きる読了、濫読日記風、その12 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 『学術書を書く』、『できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書)』読了、濫読日記風、その11 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その10 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その9 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その8 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その7 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その6 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その5 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その4 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その3 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その2 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
2017-12-30
自称プロの酔っ払いが飲酒をやめた話
2年ほど前に、『田舎暮らしに殺されない法 (朝日文庫)』、丸山健二著、を読んだ。
団塊の世代が定年を迎え、「第二の人生」を「夢の田舎暮らし」に憧れて過ごす人たちに向けて、安易に田舎暮らしを決めていいのかというような趣旨の本だ。友人のFacebookのタイムラインでたまたま発見して2年ほど前に読んでみた。
よ:定年本の中で読んだ本で最も影響を受けた一冊を紹介します。
よ:田舎暮らしに殺されない法、丸山健二ですね。これを読んでから家呑みしていません。(2015年10月頃からか)
あ:そうなんですか
よ:第二の人生を田舎暮らしで過ごそうと言う世代に向けてのの本です。
あ:はい
よ:そもそも第二の人生と言う設定は会社員という前提があります。
あ:ふむふむ
あ:そうですね
あ:うんうん
よ:結局のところ第二の人生というのは会社員と言う職業を選択した人にとっての状況でしかないわけです
あ:はい
よ:会社員の自分は人生においてなにか自分で考えて来たことがあったのか組織という中でたまたまここにいるだけではないか。たまたまです!
あ:それでそれで
よ:この本はくそみたいな会社員生活を送った人が「第二の人生」にバラ色を観て、そこには美しいなにかがあるかという幻想や妄想をもつことを戒めている本なんですね。
あ:ふむふむ
厳しい現実
よ;田舎生活で自己実現をしようとか、ボランティアで余生を過ごそうとか、それをそそのかすペテン師にだまされるなという本だというふうに理解しました。
あ:親切な本ですね
ところで禁酒のススメはなぜなのです?
よ:「彼らによっていいかもにされているあなたは、カモにされている自覚さえもなく、いえ、気がつくことを怖れて、次から次へと安売りされる」
怖い
よ:「気休めの効果しか得られそうになもない、砂糖菓子のように甘ったるいばかりでどんどん心を蝕まれていく、<ジャンクフード>とでもいいたくなるような最悪な言葉中毒にやられ、人間として尊厳とも矜持とも一切無縁な、けもの以下の醜悪な存在となって、それでも成仏の幻想にしがみつきながら実に無惨で実に無様な生涯をおえていくのです」(50ページ)
あ:そこまで…
よ:そこまで
あ:けもの以下って…
あ:なんでしょう?
はっ!もしかして!
よ:そうです。
よ:「それは酒です」
あ:適度なお酒もダメなのですか?
お酒を飲むといい気分になるのですが?ダメですか?
よ:「酒への依存は、特に家で一日中ごろごろしている暮らしが習慣になってしまった者に顕著にみられ、その気になればあさから呑みつづけられるという異常な生活は、あなたをたちまちのうちにアルコール依存症にしたてあげてしまうことでしょう」
50代のおじさんにはしみる一冊であった。とりあえず、無自覚な家呑みはやめた。それまでは、土日・休日になると昼からビールやワインを飲んでいたし、飲み会の後でも、家で飲み直しをしていた。本書を読んで家飲みをやめたのが2015年10月頃である。
家で飲まなくなったのだけど、飲酒そのものは続けていた。
2016年忘年会シーズンに、ふと思い立って禁酒をしてみた。2016年12月20日だ。
当初は年内くらい試しに禁酒してみようかなという極々軽いノリだったのだった。(試しに)当面禁酒します。などというのをFacebookで宣言してみた。
やってみると年明けも禁酒している。春になっても禁酒が続いている。夏も秋も気がつくと一年禁酒していた。
体調が不順でドクターストップがかかったわけではないので、心配はご無用だ。体調はすこぶるいい。問題はない。
試しに禁酒してみたら続いただけの話だ。
とはいうものの、酒を一滴も飲まないというわけではない。日本酒の会なんかで味見程度にペロペロ舐めることはしている。乾杯で一口だけをいただくこともある。厳密な意味での禁酒ではなくて、もっとゆるいいい加減な禁酒だ。
アルコール依存症の人が依存症から抜ける時の禁酒はもっと厳密に管理されているものだと思うが、私の場合は相当いい加減なおちゃらけな禁酒である。
それでも禁酒をすると、思いもよらなかった(?)メリットがあった
何と言っても二日酔いとおさらばだ。飲みに行くと大抵泥酔へべれけだったのだけど、それが一切ない。嬉しいことに二日酔いもない。二日酔いの経験がある人はわかると思うのだが、あのどうしようもない倦怠感、酒を飲みすぎた自分への嫌悪感、自己否定感などなど、二日酔いの肉体的ダメージ(頭痛・吐き気・倦怠感など)のみならず、あーまたやっちゃったよという学習しない自分への精神的ダメージが、一切ない。清々しいほどない。
ぐっすり眠れる。朝起きるのが楽だ。人生が楽しい。ストレスもない。
泥酔・へべれけで記憶をなくすことも少なくなかった。気がつくと家で寝ていたということもよくあった。どうやって帰宅したのか、よくわからない。事件に巻き込まれなくて本当によかった。たまたまだけどね。
そのおかげか、電車の中で寝てしまって、乗り過ごすという、ありがちな失敗もない。気がつくと知らない駅で目が覚めて帰りの終電も出た後で途方にくれるということもない。
そして何より嬉しいのが、美味しい料理を美味しく味わえるのだ。
泥酔・へべれけの時は、別につまみが美味い不味いにはほとんど無頓着で適当に口に運ぶだけだった。味わいながら食べるということがほとんどなかった。もったいない話だ。
今では、一口ふくむ前にしっかりとその形、色つや、などなどを眺め、舌触り、食感などなどを意識しながら食べるようになった。
美味しいものを美味しく頂けるようになった。当たり前の話だけど、ぐでんぐでんに酔っ払っていた時は、そんな意識はほとんどなかった。もったいないことをした。
そんなこんなで考えると禁酒はメリットばっかりだ。
あえて残念なことを言うと、見目美しい女性に「よしおかさんが飲まないのつまんなーい」と言われるのが唯一ツラい。綺麗なおねいさん怖い。それ以外はメリットだらけだというのが実感である。
2017-12-29
大学時代のクラス会があった
自分が大学に入学したのは1977年なので40年前だ。当時はスマホやインターネットどころか、携帯もPCもなかった。若い人は想像もつかないかと思うが、スマホがない時代があった。スマホがなくてどうやって電話をかけるのか?Googleがなくてどうやって検索をするのか。Amazonがなくてどうやって本を買うのか。東横線は渋谷が終点で、改札口は駅員さんがいて、切符を回収していた。Suicaもない時代だった。切符を人力で回収というのは想像もつかないかもしれない。そんな時代だ。
それはともかく、僕たちは1977年に大学に入学して同じクラスになった。その連中とクラス会を行った。毎年、忘年会のシーズンと夏頃にはなんやかんやいって飲み会をする。幹事の新さんがいつも企画してくれている。ありがとう。
11人が集まった。タイで食品会社の社長をやっている柴さん、商社から自動車会社に転職した鈴木さん、いつも幹事をしてくれている建築業をやっている新さん、中東から帰国した富田さん、滋賀に単身赴任している浅田さん、メーカーから特許庁に転職した富樫さん、車メーカーからバイクメーカーへ渡り歩いた醍醐さん、大手電機メーカーの田中さん、富士通から関連子会社の社長になった玉谷さん、大手電機メーカーから米国コンピューターベンダーに転職した前田さん、そして私という面子だった。
年齢は60前後なので会社員なら定年間際だ。
タイで食品会社の社長をしている柴さんは元気なうちはずっとタイで働くそうだ。みんなタイに遊びに来てねーと言っている。建築業をやっている新さんを除けば、皆、会社員だ。定年である。65歳まで今の会社で働くという人が多い。特許庁は特に定年というのはないので、しばらくは勤めていられるそうだ。何年か特許庁で働くと弁理士の資格を取ることができるらしい。
大手電機メーカーだと60歳を過ぎると給与が激減する。それって随分ひどい話だと思うのだけど、会社としてはいかにして人件費を削減したいというようなことなのだろうか。
今までの経験を生かした形での転職先とかを見つけるのは難しいのだろうか。そんなことを思った。
自分より奥さんの方が手取りが多いという人もいる。羨ましいところである。
自分は特に手に職があるというわけではないが、なんとなくどうにかなるのではないかと楽観している。一つのところだけに収入源を依存しているのは危険なので、今後は副業などについても考えていきたい。60歳を過ぎてからの仕事、転職先などについて、いろいろと考えていたりする。
20世紀の会社員の典型的なロールモデル、一つの会社に定年までいて、退職金をもらって、年金で生活をするというのは、自分の場合はすでに崩壊しているので、60歳以降の働き方をじっくり考えて実践していく必要がある。
さしあたりは、副業収入の比率をどのくらいにするか、何をしていくら稼ぐのかなどの設計をしないといけない。人生に正解はないけど同世代の生き方を参考にしつつ考えたいと思った。
2017-12-28
短編小説礼讃、阿部昭著、濫読日記風、その50
短編小説礼讃 (岩波新書 黄版 347)を読んでいる。品切れだったので図書館で借りた。
「 スミスの本棚 新しい自分が見つかる読書、テレビ東京報道局編著、濫読日記風、その42 - 未来のいつか/hyoshiokの日記」で紹介されていたので、興味を持った。
下記は「序」の冒頭部分だ。
ルナールの『博物誌』の「蛇」のページを開くと、ボナールの描いた大きな蛇が黒々とのたくっていて、反対のページにはたった一行、
「長すぎる。」
と書いてある。これが詩ならば俳句よりも短い。
(1ページ)
「序」の冒頭でいきなり「博物誌 (新潮文庫)」が出てくる。
「博物誌」の「蛇」の項目はインパクトがある。見開き、左側にボナールの絵があって、「蛇」の定義が右側にある。(106ページ)
「短編小説礼讃」では、様々な短編小説を取り上げながら、その魅力を伝えている。
紹介されている短編小説を読みたくなる一冊だ。積読がどんどん増えていく。うれしい悲鳴だ。
濫読日記風
- 読書論、小泉信三著、濫読日記風、その49 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 幽霊たち、ポール・オースター著、柴田元幸訳、濫読日記風、その48 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- ティファニーで朝食を、トルーマン・カポーティ著、村上春樹訳、濫読日記風、その47 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 自分の中に毒を持て、岡本太郎著、濫読日記風、その46 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 天平の甍、井上靖著、濫読日記風、その45 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 夢十夜、夏目漱石著、濫読日記風、その44 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 言葉にできるは武器になる、梅田悟司著、濫読日記風、その43 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- スミスの本棚 新しい自分が見つかる読書、テレビ東京報道局編著、濫読日記風、その42 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 未成年、ドストエフスキー著、工藤精一郎訳、濫読日記風、その41 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 二子玉川本屋事情、濫読日記風、その40 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- コインロッカー・ベイビーズ、村上龍著、濫読日記風、その39 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」、山口周著、濫読日記風、その38 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 正しい本の読み方、橋爪大三郎著、濫読日記風、その37 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 漫画 君たちはどう生きるか、吉野源三郎著、羽賀翔一(イラスト)、 濫読日記風、その36 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- Hit Refresh(ヒット リフレッシュ)、Satya Nadella著、濫読日記風、その35 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 木に学べ―法隆寺・薬師寺の美、西岡常一著、濫読日記風、その34 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 家族の勝手でしょ!写真274枚で見る食卓の喜劇、岩村暢子著、濫読日記風、その33 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- GE 巨人の復活 シリコンバレー式「デジタル製造業」への挑戦、中田敦著、濫読日記風、その32 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- やし酒飲み、エイモス・チュツオーラ著、土屋哲訳、濫読日記風、その31 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 定年バカ、勢古浩爾著、濫読日記風、その30 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 方法序説、デカルト著、谷川多佳子訳、濫読日記風、その29 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- テスト駆動開発、Kent Beck著、和田卓人訳、濫読日記風、その28 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 教場0、長岡弘樹著、濫読日記風、その27 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 岩波文庫と私、濫読日記風、その26 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 死ぬほど読書、丹羽宇一郎著、読了、濫読日記風、その25 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 読書力、齋藤孝著、濫読日記風、その24 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 世界の美しい図書館、濫読日記風、その23 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- タイムスリップ・コンビナート、笙野頼子著、濫読日記風、その22 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 「エルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告」と「アイヒマン調書――ホロコーストを可能にした男」を読んだ、濫読日記風、その21 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- エリック・ホッファー自伝ー構想された真実、エリック・ホッファー著、読了、濫読日記風、その20 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- カラマーゾフの兄弟を再読した、濫読日記風、その19 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 論理トレーニング101題、野矢茂樹著、読了、濫読日記風、その18 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- ドストエフスキーをいろいろと読んだ、濫読日記風、その17 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 世界近代小説五十選、文学入門、桑原武夫著、(1963年改版)、濫読日記風、その16 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 超ソロ社会、平田オリザさん、文学入門など、読了、濫読日記風、その15 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 伝説の灘校教師が教える一生役立つ学ぶ力、橋本武著、読了、濫読日記風、その14 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 「定年後」と、「一〇〇歳時代の人生マネジメント」、読了、濫読日記風、その13 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 偽装死で別の人生を生きる読了、濫読日記風、その12 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 『学術書を書く』、『できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書)』読了、濫読日記風、その11 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その10 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その9 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その8 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その7 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その6 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その5 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その4 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その3 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その2 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
2017-12-27
読書論、小泉信三著、濫読日記風、その49
読書論 (岩波新書)を読んだ。
「人生は短く、書物は多い。一生のうちに読みうる書物の数は知れている。それを思えば、いつまでも手当たり次第に読んでいるわけにはいかない。どうしても良書の選択が必要になる。何をいかに読むべきか。著者多年の豊かな読書体験と古今東西の優れた知性が残した教えに基づいて、さまざまな角度から読書を語る。」(表紙カバーから)
初版が出版されたのが、1950年。1950年というのは太平洋戦争終戦後わずか5年なので、読書環境という意味では必ずしも恵まれていなかった。新版まえ書きで、戦後間もなくだったので、手元に蔵書もなく、引用もままならなかったという事情を記している。*1
第一章、何を読むべきか、第二章、如何に読むべきか、第三章、語学力について、第四章、翻訳について、第五章、書入れ及び読書覚書、第六章、読書と観察、第七章、読書と思索、第八章、文章論、第九章、書籍及び蔵書、第十章、読書の記憶、引用書目
網羅的な読書論になっていて、小泉の豊かな読書体験がうかがい知れる。明治の知識人は欧州に留学し、語学も英語はもとより、仏語、独語なども嗜んだようだ。
小泉が塾長時代の工学部(当時は藤原工業大学)の学部長谷村富太郎が、実業家方面から申しだされる、すぐに役に立つ人間を作ってもらいたいという註文に対し、すぐに役に立つ人間はすぐに役に立たなくなる人間だと、応酬して、同大学において基本的理論をしっかり教え込む方針を確立したとある(12ページ)
同様の意味において、すぐに役に立つ本はすぐに役に立たなくなる本である(同ページ)
私もこのフレーズが好きなのであるが、その原典が本書であることを初めて知った次第である。
古典というものはすぐに役には立たない。しかし、すぐに役に立たない本によって、今日まで人間の精神は養われ、人類の文化は進められてきた。
私は今までの人生の中で古典を読む経験が圧倒的に少なかったと自覚している。それが今の濫読につながっている。
如何に読むべきかという方法論において、再三反覆して読むことを勧めている。やや時を隔てて読むことによって、自分の成長を認めるのも愉快であるとしている(29ページ)
読書と観察で自分の観察力を不足を痛感したという(69ページ)
小泉の「アメリカ紀行」で観測力の不足を感じ、ゲーテの「イタリア紀行」を読んで感心したことを記している。
同様に読書と思索についても考察している。「吾々は読書によって思考を促され、また導かれる」(78ページ)
明治の文化人の凄みを感じさせる一冊である。彼は経済学者なのであるが、文学にも造詣が深い。小泉信三全集の目次を読んでみたいと思った。
一応、慶應義塾大学を卒業したので名前は知っていたけど、著作を読んだのは初めてだった。不勉強でごめんなさい(ぺこり)
濫読日記風
- 幽霊たち、ポール・オースター著、柴田元幸訳、濫読日記風、その48 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- ティファニーで朝食を、トルーマン・カポーティ著、村上春樹訳、濫読日記風、その47 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 自分の中に毒を持て、岡本太郎著、濫読日記風、その46 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 天平の甍、井上靖著、濫読日記風、その45 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 夢十夜、夏目漱石著、濫読日記風、その44 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 言葉にできるは武器になる、梅田悟司著、濫読日記風、その43 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- スミスの本棚 新しい自分が見つかる読書、テレビ東京報道局編著、濫読日記風、その42 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 未成年、ドストエフスキー著、工藤精一郎訳、濫読日記風、その41 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 二子玉川本屋事情、濫読日記風、その40 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- コインロッカー・ベイビーズ、村上龍著、濫読日記風、その39 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」、山口周著、濫読日記風、その38 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 正しい本の読み方、橋爪大三郎著、濫読日記風、その37 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 漫画 君たちはどう生きるか、吉野源三郎著、羽賀翔一(イラスト)、 濫読日記風、その36 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- Hit Refresh(ヒット リフレッシュ)、Satya Nadella著、濫読日記風、その35 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 木に学べ―法隆寺・薬師寺の美、西岡常一著、濫読日記風、その34 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 家族の勝手でしょ!写真274枚で見る食卓の喜劇、岩村暢子著、濫読日記風、その33 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- GE 巨人の復活 シリコンバレー式「デジタル製造業」への挑戦、中田敦著、濫読日記風、その32 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- やし酒飲み、エイモス・チュツオーラ著、土屋哲訳、濫読日記風、その31 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 定年バカ、勢古浩爾著、濫読日記風、その30 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 方法序説、デカルト著、谷川多佳子訳、濫読日記風、その29 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- テスト駆動開発、Kent Beck著、和田卓人訳、濫読日記風、その28 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 教場0、長岡弘樹著、濫読日記風、その27 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 岩波文庫と私、濫読日記風、その26 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 死ぬほど読書、丹羽宇一郎著、読了、濫読日記風、その25 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 読書力、齋藤孝著、濫読日記風、その24 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 世界の美しい図書館、濫読日記風、その23 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- タイムスリップ・コンビナート、笙野頼子著、濫読日記風、その22 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 「エルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告」と「アイヒマン調書――ホロコーストを可能にした男」を読んだ、濫読日記風、その21 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- エリック・ホッファー自伝ー構想された真実、エリック・ホッファー著、読了、濫読日記風、その20 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- カラマーゾフの兄弟を再読した、濫読日記風、その19 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 論理トレーニング101題、野矢茂樹著、読了、濫読日記風、その18 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- ドストエフスキーをいろいろと読んだ、濫読日記風、その17 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 世界近代小説五十選、文学入門、桑原武夫著、(1963年改版)、濫読日記風、その16 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
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- 「定年後」と、「一〇〇歳時代の人生マネジメント」、読了、濫読日記風、その13 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 偽装死で別の人生を生きる読了、濫読日記風、その12 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 『学術書を書く』、『できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書)』読了、濫読日記風、その11 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その10 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その9 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その8 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その7 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その6 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その5 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その4 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その3 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その2 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
2017-12-26
幽霊たち、ポール・オースター著、柴田元幸訳、濫読日記風、その48
幽霊たち (新潮文庫)を読んだ。
この本を読むきっかけは スミスの本棚 新しい自分が見つかる読書、テレビ東京報道局編著、濫読日記風、その42 - 未来のいつか/hyoshiokの日記で紹介されていた一冊だったからだ。(倉持裕、劇作家・演出家、159ページ)
冒頭からしてすごい。
まずはじめにブルーがいる。次にホワイトがいて、それからブラックがいて、そもそもの始まりの前にはブラウンがいる。ブラウンがブルーに仕事を教え、こつを伝授し、ブラウンが年老いたとき、ブルーが後を継いだのだ。物語はそのようにして始まる。舞台はニューヨーク、時代は現代、この二点は最後まで変わらない。(中略)やがてホワイトという名の男がドアを開けて入ってくる。物語はそのようにして始まる。
ホワイトからの仕事は、ブラックという名の男を見張り、必要がなくなるまでつづけてくれと。週に一回の報告書をホワイトに提出すると、小切手が送られてくる。ホワイトはブルーのために、ブラックのアパートを監視するための部屋をあらかじめ確保してある。
ブルーは見張り続ける。特に目立った動きはない。事件が起こることを待ち望むのだが何も起きない日々が続く。ブラックは何をしているのか、なぜホワイトはブルーにそのような仕事を依頼したのか。謎は一向に解明されない。
ミステリー仕立てで、あっという間に読める。グイグイ不思議な世界に引き込まれた。不条理的な読み方もできて面白かった。
なお、三浦雅士の文庫本解説があるが、本文のネタバレがあるので、最初に読まない方がいい。というか文庫本にこの解説が必要だったのかという疑問も残る。
「ガラスの街」、「鍵のかかった部屋」(「幽霊たち」にならぶニューヨーク三部作)も読んでみたいと思った。
濫読日記風
- ティファニーで朝食を、トルーマン・カポーティ著、村上春樹訳、濫読日記風、その47 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 自分の中に毒を持て、岡本太郎著、濫読日記風、その46 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 天平の甍、井上靖著、濫読日記風、その45 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 夢十夜、夏目漱石著、濫読日記風、その44 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 言葉にできるは武器になる、梅田悟司著、濫読日記風、その43 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
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- 正しい本の読み方、橋爪大三郎著、濫読日記風、その37 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
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- 定年バカ、勢古浩爾著、濫読日記風、その30 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
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- テスト駆動開発、Kent Beck著、和田卓人訳、濫読日記風、その28 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 教場0、長岡弘樹著、濫読日記風、その27 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 岩波文庫と私、濫読日記風、その26 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 死ぬほど読書、丹羽宇一郎著、読了、濫読日記風、その25 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 読書力、齋藤孝著、濫読日記風、その24 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 世界の美しい図書館、濫読日記風、その23 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- タイムスリップ・コンビナート、笙野頼子著、濫読日記風、その22 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 「エルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告」と「アイヒマン調書――ホロコーストを可能にした男」を読んだ、濫読日記風、その21 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- エリック・ホッファー自伝ー構想された真実、エリック・ホッファー著、読了、濫読日記風、その20 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- カラマーゾフの兄弟を再読した、濫読日記風、その19 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
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- 伝説の灘校教師が教える一生役立つ学ぶ力、橋本武著、読了、濫読日記風、その14 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 「定年後」と、「一〇〇歳時代の人生マネジメント」、読了、濫読日記風、その13 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 偽装死で別の人生を生きる読了、濫読日記風、その12 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 『学術書を書く』、『できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書)』読了、濫読日記風、その11 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その10 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その9 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その8 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その7 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その6 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その5 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その4 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その3 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その2 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
2017-12-25
ティファニーで朝食を、トルーマン・カポーティ著、村上春樹訳、濫読日記風、その47
ティファニーで朝食を (新潮文庫)を村上春樹の訳で読んだ。自分にとっては初めてのカポーティだった。
「ティファニーで朝食を」は、村上春樹の初期の小説のようなお洒落な作品だ。
第二次世界大戦下のニューヨークで、自由に生きる女優の卵のホリー・ゴライトリーと同じアパートに住む作家志願の主人公との物語だ。
村上春樹の訳はとても読みやすい。
「花盛りの家」、「ダイアモンドのギター」、「クリスマスの思い出」という短編と一緒に収められている。
トルーマン・カポーティの代表作「冷血」も読んでみたいと思った。
濫読日記風
- 自分の中に毒を持て、岡本太郎著、濫読日記風、その46 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 天平の甍、井上靖著、濫読日記風、その45 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 夢十夜、夏目漱石著、濫読日記風、その44 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 言葉にできるは武器になる、梅田悟司著、濫読日記風、その43 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- スミスの本棚 新しい自分が見つかる読書、テレビ東京報道局編著、濫読日記風、その42 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
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- 正しい本の読み方、橋爪大三郎著、濫読日記風、その37 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
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- やし酒飲み、エイモス・チュツオーラ著、土屋哲訳、濫読日記風、その31 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 定年バカ、勢古浩爾著、濫読日記風、その30 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 方法序説、デカルト著、谷川多佳子訳、濫読日記風、その29 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
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- 教場0、長岡弘樹著、濫読日記風、その27 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
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- 死ぬほど読書、丹羽宇一郎著、読了、濫読日記風、その25 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
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- 世界の美しい図書館、濫読日記風、その23 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- タイムスリップ・コンビナート、笙野頼子著、濫読日記風、その22 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
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- カラマーゾフの兄弟を再読した、濫読日記風、その19 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
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- ドストエフスキーをいろいろと読んだ、濫読日記風、その17 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 世界近代小説五十選、文学入門、桑原武夫著、(1963年改版)、濫読日記風、その16 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 超ソロ社会、平田オリザさん、文学入門など、読了、濫読日記風、その15 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 伝説の灘校教師が教える一生役立つ学ぶ力、橋本武著、読了、濫読日記風、その14 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 「定年後」と、「一〇〇歳時代の人生マネジメント」、読了、濫読日記風、その13 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 偽装死で別の人生を生きる読了、濫読日記風、その12 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 『学術書を書く』、『できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書)』読了、濫読日記風、その11 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その10 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その9 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その8 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その7 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
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- 濫読日記風 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
2017-12-24
自分の中に毒を持て、岡本太郎著、濫読日記風、その46
自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間"を捨てられるか (青春文庫)を読んだ。
岡本太郎といえば「芸術は爆発だ」のおじさんだ。太陽の塔の作者でもある。そのくらいのことしか知らない。初めて彼の著作を読んだ。
岡本節がこれでもかこれでもかと炸裂する。芸術家として孤高の人でありながら商業的にも成功している。その語りを聞いている(読んでいる)だけでお腹いっぱいになる。
若き日の岡本太郎は1930年代のパリにいて、1940年ドイツ軍がパリを占領する直前にヨーロッパを去り、太平洋戦争突入直前に日本に帰ってきた(19ページ)
挑戦しろ。挑戦した上での不成功者と、挑戦を避けたままの不成功者とでは全く天地の隔たりがある。(26ページ)
インターネット時代、失敗が奨励されている。素早く失敗して素早くそこから学ぶ。芸術家岡本太郎は芸術家の直感として挑戦し失敗することの大切さを肌でわかっていたのだろう。
若き日の岡本太郎はパリのキャフェで20世紀初頭の芸術家たちと交流する。シュール系の画家や詩人、哲学者、芸術批評家、写真家などなど。十年以上のフランス生活のほとんどはキャフェとともにあった(46ページ)
ジョルジュ・バタイユとの出会いもキャフェがきっかけだった。
「よく、あなたは才能があるから、岡本太郎だからやれるので、凡人には難しいという人がいる。そんなことはウソだ。
やろうとしないから、やれないんだ。それだけのことだ。」(120ページ)
生きることそのものが芸術だという。
全身全霊が宇宙に向かって無条件にパーっと開くこと。それが「爆発」だ。人生は本来、瞬間瞬間、無償、無目的に爆発しつづけるべきだ。命の本当のあり方だ。(191ページ)
コミュニケーションというのはそもそも本質的に無条件なものだ。無償、無目的であるべきものだ、と僕は考える。ところが今日では、すべて経済的メリット、それに材料を提供するというだけの面で処理されてしまう。そこに人間存在の孤立化を逆に拡大しているという感じが生まれてくるのだと思う。確かにその虚しさを、危険を、みんな漠然と感じている。だから情報とは何かという問いが一種の批判の変形として繰り返して発せられるのだ。(197ページ)
岡本太郎の危機感を今こそ理解したいと感じた。他の著作も読んでみたいと思った。
濫読日記風
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- 濫読日記風 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
2017-12-23
天平の甍、井上靖著、濫読日記風、その45
天平の甍 (新潮文庫)を読んだ。
天平5年(733年)、遣唐使として唐に渡った若い僧たちの物語である。仏教の経典を写経し、日本に持ち帰ることに命をかける僧たち。唐の高僧鑑真を伴って祖国に帰るために幾度となく困難に見舞われる。
仏教を日本に伝えるために、経典を写経しそれを日本に持ち帰ることと、高僧を日本に招くことが大きな使命になる。鑑真は何度も渡日を試みるが、ことごとく失敗する。命がけの物語だ。
遣唐使として唐にわたって無事に帰国することが当時いかに困難だったか、命をかけた試みだったかということがよく分かる作品だ。
インターネットのない時代に経典がいかに貴重だったのか。写経によって一文字一文字書き移すという作業がどれほど重要だったのか。経典が命を賭して守るべきものだということがよくわかった。
普照らが持ち帰った経典の巻数、情報量はどのくらいだったのだろうか。何百巻、何千巻だったのだろうか。一巻あたり10万文字とかそのくらいのオーダーなのだろうか。多く見積もって数百キロバイトとかくらいだろうか。いずれにせよ、インターネットの時代であれば、秒の単位コピーできる情報量だ。情報の価値がほぼゼロになったと当時の人々が聞いたらどんなことを思うのだろうか。
オススメです。
濫読日記風
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2017-12-22
夢十夜、夏目漱石著、濫読日記風、その44
夢十夜 他二篇 (岩波文庫)を読んだ。
夢十夜は、夏目漱石の短編だ。ちょっとした夢をみたという話を十夜収めている。
その中では、第六夜が好きだ。
運慶(うんけい)が護国寺(ごこくじ)の山門で仁王(におう)を刻んでいると云う評判だから、散歩ながら行って見ると、自分より先にもう大勢集まって、しきりに下馬評(げばひょう)をやっていた。
運慶が仁王像を刻んでいるのを人々が見物している。鑿と槌でズンズン彫っている。
「よくああ無造作(むぞうさ)に鑿を使って、思うような眉(まみえ)や鼻ができるものだな」と自分はあんまり感心したから独言(ひとりごと)のように言った。するとさっきの若い男が、
「なに、あれは眉や鼻を鑿で作るんじゃない。あの通りの眉や鼻が木の中に埋(うま)っているのを、鑿(のみ)と槌(つち)の力で掘り出すまでだ。まるで土の中から石を掘り出すようなものだからけっして間違うはずはない」と云った。
名人には彫るべきものあらかじめ見えているという話なのだけど、この小品には絶妙なオチがあって、それが味わい深い。
永日小品という作品は明治時代の日々のちょっとしたことが書かれている。
火鉢が目に浮かぶ。明治時代の家屋は寒かったのだろうなあと思う。昭和の時代にも火鉢はあったが、さすがに最近は見ない。
どうでもいい話なのだが、焼麺麭と書いてトーストと読ませるらしい。
濫読日記風
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2017-12-21
言葉にできるは武器になる、梅田悟司著、濫読日記風、その43
「言葉にできる」は武器になる。を読んだ。
タイトルがいい。「言葉にできない」ことは「考えていない」のと同じである。外に向かう言葉だけではなく、内なる言葉に目を向ける。それが考えるということだ。著者はそう主張する。
自分の考えを広げたり奥行きを持たせるために「内なる言葉」の存在を意識することが絶対不可欠である。(5ページ)
1章「内なる言葉」と向き合う、2章正しく考えを深める「思考サイクル」、3章プロが行う「言葉にするプロセス」
2章で具体的な思考サイクルをステップごとに分解して紹介している。思考を深めるために、「自分との会議時間を確保する」必要がある。(135ページ)
内なる言葉と向き合う時間を「自分との会議時間」と定義し、1週間に数回確保するようにしている。(136ページ)
考えを言葉にする実践的なプロセスが示されている。それを参考に言葉にしてみる練習をすればいい。いうのは簡単だがやるのは難しいけど、その方法が明示的に本書で示されているので、あとは練習のみである。
自分にはその練習が足りていないのだろうなあと感じた。日記を書いて少しは練習をしようと思った。
濫読日記風
- スミスの本棚 新しい自分が見つかる読書、テレビ東京報道局編著、濫読日記風、その42 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 未成年、ドストエフスキー著、工藤精一郎訳、濫読日記風、その41 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
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- 濫読日記風 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
2017-12-20
スミスの本棚 新しい自分が見つかる読書、テレビ東京報道局編著、濫読日記風、その42
スミスの本棚 新しい自分が見つかる読書を読んだ。
テレビ東京ワールドビジネスサテライト(WBS)の人気コーナー「スミスの本棚」を書籍化したもの。池上彰から始まって、著名人が自分の一冊を紹介する。
パラパラめくって、面白そうな本を発見する手引きになる。一人当たり数ページなのであっという間に読める。
いくつか気になった本を列挙しておく。いつか手に取ってみたいと思った。
「もうすぐ絶滅するという紙の書籍について」ウンベルト・エーコ、ジョン=クロード・カリエール著、「短編小説礼賛」阿部昭著、「幸福について 人生論」ショーペンハウアー著、「茶の本」岡倉天心著、「ゴムあたまポンたろう」長新太作、「迷惑な進化」「人はなぜSEXをするのか」シャロン・モアレム著、「幽霊たち」ポール・オースター著、「ルーカス帝国の興亡」ゲリー・ジェンキンズ著
その本を紹介した人の語りが面白いので、読んでみたら自分には響かないということはあるかもしれないけれど、それはそれだ。品切れや絶版になっているものもあるので、それらは図書館で借りたりしたい。
濫読日記風
- 未成年、ドストエフスキー著、工藤精一郎訳、濫読日記風、その41 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 二子玉川本屋事情、濫読日記風、その40 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- コインロッカー・ベイビーズ、村上龍著、濫読日記風、その39 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」、山口周著、濫読日記風、その38 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 正しい本の読み方、橋爪大三郎著、濫読日記風、その37 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 漫画 君たちはどう生きるか、吉野源三郎著、羽賀翔一(イラスト)、 濫読日記風、その36 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
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- やし酒飲み、エイモス・チュツオーラ著、土屋哲訳、濫読日記風、その31 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 定年バカ、勢古浩爾著、濫読日記風、その30 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
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- テスト駆動開発、Kent Beck著、和田卓人訳、濫読日記風、その28 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 教場0、長岡弘樹著、濫読日記風、その27 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 岩波文庫と私、濫読日記風、その26 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 死ぬほど読書、丹羽宇一郎著、読了、濫読日記風、その25 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 読書力、齋藤孝著、濫読日記風、その24 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 世界の美しい図書館、濫読日記風、その23 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- タイムスリップ・コンビナート、笙野頼子著、濫読日記風、その22 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 「エルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告」と「アイヒマン調書――ホロコーストを可能にした男」を読んだ、濫読日記風、その21 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- エリック・ホッファー自伝ー構想された真実、エリック・ホッファー著、読了、濫読日記風、その20 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- カラマーゾフの兄弟を再読した、濫読日記風、その19 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 論理トレーニング101題、野矢茂樹著、読了、濫読日記風、その18 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- ドストエフスキーをいろいろと読んだ、濫読日記風、その17 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 世界近代小説五十選、文学入門、桑原武夫著、(1963年改版)、濫読日記風、その16 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 超ソロ社会、平田オリザさん、文学入門など、読了、濫読日記風、その15 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 伝説の灘校教師が教える一生役立つ学ぶ力、橋本武著、読了、濫読日記風、その14 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 「定年後」と、「一〇〇歳時代の人生マネジメント」、読了、濫読日記風、その13 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 偽装死で別の人生を生きる読了、濫読日記風、その12 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 『学術書を書く』、『できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書)』読了、濫読日記風、その11 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その10 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その9 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その8 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その7 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その6 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その5 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その4 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その3 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風、その2 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 濫読日記風 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
2017-12-19
未成年、ドストエフスキー著、工藤精一郎訳、濫読日記風、その41
未成年 上巻 (新潮文庫 ト 1-20)、未成年 下巻 (新潮文庫 ト 1-21)
を読んだ。
ドストエフスキーの五大長編を全部読んだことになる。ふー。疲れた。
ちなみに、ドストエフスキーの五大長編とは、「罪と罰」、「白痴」、「悪霊」、「未成年」、「カラマーゾフの兄弟」である。
その中で日本では最も知名度が低い。なので、読了した人も少ないような気がする。
Googleで「ドストエフスキー 罪と罰」で検索すると約196千件と出る。同様に白痴は59.8千件、悪霊40.5千件、未成年24.2千件、そしてカラマーゾフの兄弟87.9千件である。堂々の最下位が未成年だ。
富豪の私生児が主人公で、彼の夢は富豪になることだ。俗物的である。ここに遺産争いやら父と子の葛藤などがあれやこれや描かれている。
もう一度読むと全体の構造をしっかりと把握できると思った。ドストエフスキーは二度読みが基本のような気がしてきた。
ドストエフスキーに言及した日記
カラマーゾフの兄弟を再読した、濫読日記風、その19 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
ドストエフスキーをいろいろと読んだ、濫読日記風、その17 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
五大長編へのリンクなどが付いているので参考にしてほしい。
濫読日記風
- 二子玉川本屋事情、濫読日記風、その40 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- コインロッカー・ベイビーズ、村上龍著、濫読日記風、その39 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
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- 教場0、長岡弘樹著、濫読日記風、その27 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 岩波文庫と私、濫読日記風、その26 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 死ぬほど読書、丹羽宇一郎著、読了、濫読日記風、その25 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 読書力、齋藤孝著、濫読日記風、その24 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 世界の美しい図書館、濫読日記風、その23 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- タイムスリップ・コンビナート、笙野頼子著、濫読日記風、その22 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
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- 偽装死で別の人生を生きる読了、濫読日記風、その12 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
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- 濫読日記風 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
2017-12-18
人生100年時代の働き方についてエフスタ!!TOKYOというところでお話をした #efsta56
福島という地元で働くか、東京で働くか、ざっくり言ってそんなようなお題の元、議論するというのが今回の趣旨と理解した。そこになぜか呼ばれてお話をすることになった。
それはともかく、自分は東京出身なので、地元で働くというのは東京で働くことになる。地元ではない場所という意味でいうと、30代の頃シリコンバレーに行って働いていたので、その時の経験をもとに地元とどこかという軸でお話をすることにした。
福島のITコミュニティ「エフスタ!!」は ITっておもしれえんだよ!と感じてもらい、ITで地方を面白くするミッションを目的とする市民活動(コミュニティ)です。
その前振りとしてLIFE SHIFT(ライフ・シフト)をネタに人生100年時代の働き方についてあれやこれや考えることにした。
タイトルを「人生100年時代のエンジニアの生き方」という実に主語がでかいものにしたのだが、結局のところ、自分の生きてきたことをちまちまと話すということになる。
郡山からエフスタのスタッフの大久保さんが引率して専門学校の学生さんを十人以上連れてきていたので、彼らをターゲットにしてお話をした。
1997年〜98年頃に生まれた彼らはどんな人生を送るのだろうか?それを想像してみた。彼らの半分程度は100歳以上生きると言われている。ということは、20世紀に生まれて21世紀に生きて、22世紀に死ぬ。つまり人類において未踏の3世紀にわたって生きる初めての世代になるのだ。今まで歴史上、そのような世代はいないわけだから、先例もないし、有効なロールモデルもない。
ITの歴史を俯瞰してみるとせいぜい産業として数十年である。その数十年の中でも何度かパラダイムシフトが起こった。ハードウェアの世代で言えば、メインフレームからミニコンピュータ、ワークステーション、PC、さらにはインターネットにスマホ。ソフトウェア開発のパラダイムで言えば、ウォーターフォールからXPなどなど。
パラダイムが変遷していくたびに主要なプレイヤーが変わっていった。IBMに始まり、DECやSun、MSやIntel、そしてApple/Google/Facebook/Amazonなどなど。
そのような文脈でエンジニアとして生き残っていくには変化に適応するしかなくて、その変化に適応するには、学び方を学んでいくというのが重要になる。
生き残るための武器として見えない資産を貯めていく。ライフシフトで書かれていることだ。
若い人がいっぱいいたので、「理科系の作文技術 (中公新書 (624))」をお勧めした。本を読むこと文章を書くこと。いわゆる国語力が非常に重要になる。大人があまりその重要性を説かないのでおせっかいながら若い人に伝えておいた。さらにいうだけではなかなか実行しないと思ったので、質疑応答の時、質問してくれた若者に前日本屋で購入した「理科系の作文技術」をプレゼントして、強制的に読んでもらうことにした。(暑苦しくおせっかいをする)
講演で使ったスライドも添付するので参考にしてほしい。
おまけ。前回のエフスタ2014
実は、3年前エフスタ2014にも呼ばれて、そこでお話をした。
エフスタ!!TOKYO Lifehack - Tips for Life! (#efsta29) に行って来た。 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
その時は、ライフネット生命創業者の出口治明さんの講演、その後に出口さん、元Googleの及川さん、私で鼎談をした。
私は、出口さんのファンなので、出口さんの著書を事前に読んでエフスタでの講演を楽しみに参加したのを覚えている。
今回の講演にあたって、前回の自分の日記を読み返して驚いた。出口さんが幾つかお勧めの本を紹介している。その時は感激して、元気に読む、読んでみますとか調子のいいことを言って日記にも書いていたのだが、読んだ記憶がない。いい加減なものである。
やばい。
ということで、急遽、会社の隣の蔦屋家電で「社会心理学講義:〈閉ざされた社会〉と〈開かれた社会〉 (筑摩選書)」をゲットして読んだ。エフスタのイベント日までに読了できればよかったのだが、半分くらいしか読めなかった。(意外と二子玉川の蔦屋家電の本の品揃えがいい。特に人文系がいい)
3年前の自分よ、もう少しちゃんと本を読めー(とほほ)
2017-12-17
二子玉川本屋事情、濫読日記風、その40
二子玉川の本屋について記す。
そこそこの品揃えのある二子玉川界隈の書店で私のよく行くところでは、紀伊国屋書店、文教堂、蔦屋家電あたりになる。駅ナカにはBook 1stもあるが、昼休みにぶらぶらするというのには使えないので、自分としてはあまり馴染みがない。その三書店の特徴などを独断と偏見でまとめてみる。
三書店とも大手チェーン店で、ウェブで在庫確認や店内在庫の検索機を備えているので、ピンポイントに探したい本がある場合は、あらかじめ在庫をチェックして書店に行くことができる。
サイトのご利用案内 - 店舗の在庫を調べるには | 本の「今」がわかる 紀伊國屋書店
ジュンク堂書店 公式サイト| 書籍・雑誌、文具・雑貨等の販売
蔦屋はレンタルDVDなどの検索と同じインターフェースなので書籍の検索の場合は一手間かかる。検索結果をクリックして店舗を検索し在庫を見るというステップが煩雑だ。
文教堂は、書籍検索を行って、当該商品をクリックするだけで在庫を確認できる。My店舗を登録しておくと在庫の有無が当該商品をクリックした時点でわかって便利だ。
紀伊国屋書店の在庫検索の手間は蔦屋よりは若干少ない。書籍を検索したのち、日本地図から店舗がある都道府県をクリックして、当該店の在庫を確認するボタンをクリックする。
在庫確認の手間は、文教堂、紀伊国屋書店、蔦屋家電の順で面倒になるが、許容範囲である。
会社から近い順に、蔦屋家電、文教堂、紀伊国屋書店となるので、昼休みに立ち寄るのはどうしても蔦屋になりがちだ。その順番で紹介する。
蔦屋家電
店舗の広さは家電売り場、スターバックスなどがあって一番広い。ソファーが至る所にあるので、コーヒーを飲みながら立ち読み(?)ができる。本を買わなくてもソファで雑談もできる。お洒落なお店と書店が一緒になっている。2階分あって、店内にエスカレータがある。若いママがベビーカーで子供を連れてきている。
コンピュータ関連書籍の品揃えが充実している感じがなかったので、当初はちょっと苦手だった。デザインとか建築方面の品揃えは良さそうだが、そっち方面は詳しくないので正直よくわからない。
本棚は背が高く、通路沿いに本棚がある配置になっている。通路が湾曲しているので、ぶらぶら歩いているといつの間にかに元の位置に戻っていることがある。
本の配置はジャンルごとになっていて、人文系が強い印象がある。文庫本も出版社ごとではなくて、ジャンルによって固まっておいてある。文学ならば国別にロシア文学、ドイツ文学、イギリス文学などのような並べ方だし、日本の作家の場合は作家順だ。宗教とか哲学とか塊で集めている。
文教堂(丸善・ジュンク堂系列)
オーソドックスな中堅書店だ。ディスプレイに強い主張はさほど感じられない。文庫や新書は出版社ごとに並べられている。売り場の広さは、紀伊国屋書店よりちょっと小さいくらいの印象である。
紀伊国屋書店
駅の向こう側の玉川高島屋の中にあるので会社から一番遠い。コンピュータ関連書籍の品揃えは一番あるような印象だ。新刊書の品揃えもいい感じがする。(あくまでも印象なのでそこは悪しからず)
蔦屋になかったものでも在庫があったりするので、昼休みにちょっとした本を購入するときの最後の砦のような立ち位置である。
会社の帰りに寄るのであれば渋谷だとジュンク堂、新宿だと紀伊国屋、東京界隈なら丸善という流れになる。
世田谷図書館の二子玉川サービスコーナーが会社のすぐそばにあるので、図書館で予約した本をピックアップしつつ、本屋でブラブラするというのが私の典型的な昼休みになっている。
本屋との相性と愛称
紀伊国屋は品揃えが満遍なく、強い主張は感じられないところをあえて狙っている感じがする。誰からも好かれるクラス委員長だ。(愛称。きのちゃん)
文教堂は文庫本や新書などを手堅くまとめている、図書委員タイプだ。(愛称。ふみちゃん)
蔦屋は最初はとっつきにくかった、コンピュータ関連書籍の品揃えなんかは絶望的で、お近づきになれないと思っていた。言って見ればクールな美人タイプで声をかけるのも憚られるようなイメージを醸し出している。自分の興味の範囲が、コンピュータ一辺倒から文学や人文系にシフトするにつれ、その品揃えと書棚の構成に一目を置くようになってきた。本棚を作る書店員の意図というようなものをおぼろげながら読み解けるようになると、その構成がだんだん心地よくなってきた。話してみると意外と気さくでいい娘ではないか。誤解していてごめんなさい、という感じである。(愛称。ニコちゃん)
濫読日記風
- コインロッカー・ベイビーズ、村上龍著、濫読日記風、その39 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
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- 濫読日記風 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
2017-12-16
コインロッカー・ベイビーズ、村上龍著、濫読日記風、その39
新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)を読んだ。
村上龍は芥川賞を受賞したデビュー作の限りなく透明に近いブルーからリアルタイムで読んでいるのだけど、その時は正直ピンとこなかった。二作目の海の向こうで戦争が始まる
は、あってもなくてもいいような作品だと思った。
そして、1980年にコインロッカー・ベイビーズを読んだ。
コインロッカーの暑さと息苦しさに抗して爆発的に泣き出した赤ん坊の自分。(中略)どんな声に支えられて蘇生したのか、思い出した。殺せ、破壊せよ、その声はそう言っていた(125ページ)
陸上の選手のキク。ミリオンセラーシンガーになるハシ。鰐を飼うアネモネ。この三者が小笠原の深海に眠るダチュラの力で街を破壊しようと試みる。
圧倒的なスピード感で一気に読ませる。
この作品の後に、愛と幻想のファシズム、希望の国のエクソダス、半島を出よなどの近未来小説の系統が続く。
最近はTVでコメンテータとして村上龍をみることが多いが、彼は作家なのである。この作品があったおかげで、村上春樹と村上龍の今があると言って過言ではない。同時代に生きる、二人の村上の方向性を決めた作品だ。
自分は村上龍のいい読者ではない。未読の作品も多い。だけどコインロッカー・ベイビーズは自分にとってのかけがえのない一冊だ。久しぶりに読んでみて、詳細は忘れていたが、躍動感はそこに確実にあった。
未読ならば是非お勧めしたい。
濫読日記風
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2017-12-15
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」、山口周著、濫読日記風、その38
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 (光文社新書)を読んだ。
なぜ、世界のエリートは「美意識」を鍛えるのか?という問いはなかなか刺激的だ。
そもそも「エリート」という言葉に過剰反応する自分がいる。それはともかくとして、なぜ、世界のエリートは「美意識」を鍛えるのか?
それは『これまでのような「分析」「論理」「理性」に軸足を置いた経営、いわば「サイエンス重視の意思決定」では、今日のように複雑で不安定な世界においてビジネスの舵取りをすることはできない』(14ページ)からだという。
方法論として分析的・論理的な情報処理スキルの限界がある。もちろんそのようなスキルは非常に重要だがアートとサイエンスのバランスが重要になってくる。
人の承認欲求や自己実現欲求を刺激するような感性や美意識が重要になる。
変化の早い世界においては、ルールの整備は後追いになるので、クオリティの高い意思決定には「美意識」が重要になる。
第5章で「受験エリートと美意識」を議論している。偏差値が高いエリート(受験エリート)がなぜオウム真理教的なもの好むのか。そこには美意識の欠如があるという。
ある組織に共有されているルールや規範が論理的に間違っている場合どうなるか。企業の不祥事はそのような文脈で語られる。ナチスドイツのアドルフ・アイヒマンの例を出して議論している。
「エルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告」と「アイヒマン調書――ホロコーストを可能にした男」を読んだ、濫読日記風、その21 - 未来のいつか/hyoshiokの日記 でも読んだが、システムを無批判に受け入れることの問題点をハンナ・アーレントは指摘している。
美意識を持たないことの問題点を数々指摘しているわけだが、では、どのようにして美意識を鍛えるのか?それが第7章だ。
システムを無批判に受け入れることが悪ならば、結局のところその時代において支配的だった考え方について疑いを持つこと、批判的に考えることが重要になる。知的反逆を試みる。それは哲学を学ぶことに他ならない。それは「無批判にシステムを受け入れる」という「悪」に、人生を絡めたられることを防げるということだ(237ページ)
さて、「真・善・美」を考えるにあたって、最も有効なエクササイズになるのが「文学を読む」ことだ(239ページ)
『「偏差値は高いけど美意識は低い」という人に共通しているのが、「文学を読んでいない」という点であることは見過ごしてはいけない何かを示唆している』(240ページ)
文学を読んだり、詩に親しんだり、音楽を聴いたり、絵画を鑑賞したり、「真・善・美」を鍛えるエクササイズが必要だと思った。
自分はエリートだとは思わないけど、この歳になって圧倒的にそのようなリテラシーが欠如しているし、それに自覚的になって、もう少し文学などを読んでみたいと思っている今日この頃だ。
文学を読むのところで「罪と罰」の話が出てきて、あ、それ、最近読んだ(笑)と思った。それがちょっと嬉しかった。
濫読日記風
- 正しい本の読み方、橋爪大三郎著、濫読日記風、その37 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
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