2013-05-19
■ コンピュータが仕事を奪う

機械学習が進展して行けば、従来専門家と呼ばれていた人だけが可能だった仕事が機械によってなされるようになる。あるいは十分安いコストでできるようになる。
プロの棋士を破ったコンピュータの例を持ち出すまでもなく、電話交換手、切符の改札、郵便番号の読み取りなどなど、人がやっていたことが機械に置き換わっている。
そのとき、必要になるのは、機械にできない仕事をするということであるが、では機械にとって不得意な仕事というのはなんだろうか。
一つは、クリエイティブな機械には出来ないと考えられている仕事。それを高度化したもの。これはなんとなくわかりやすいし、納得もしやすい。
もう一方は人間なら誰でも簡単にできるのだけど、機械には不得意なもの。それは例えばパターン認識のようなもの。人間ならネコと犬の区別は簡単につく。写真の中に写っている灯台を発見するのは誰でもできる。
そのようなものにタグをつけたりするのは、実は機械はそれほど得意ではない。ネコと犬を機械学習した機械に豚の絵を見せると、それはネコか犬と判定するけど豚とは言えない。当たり前と言えば当たり前なんだけど、人であれば誰でも簡単に豚と判定できる。
このような人には簡単なんだけど機械には難しいという仕事は「大勢の人間を非常に安い賃金で雇って、データのタグ付けをさせる(110ページ)」ということになる。これがアマゾンのメカニカルタルクの仕組みだ。
単純な作業なので誰でも出来る。日本に住んでいる必要もない。地球規模でみれば、結果として最も安い賃金を提供する人たちにその仕事は行く。
記憶力は機械には勝てない。計算力も機械には勝てない。インターネットはわれわれの外脳だ。
機械にできない仕事は二極化する。専門家しかできない仕事と誰にでも出来る仕事。
誰でも出来る仕事の賃金は限りなく安い方に収斂する。機械にも誰にも出来ない仕事を探すことが求められているのだろうか。
(本日の日記には結論もおちもないです。もやもや)
2013-05-18
■ カンファレンスカンファレンスに行って来た

東京界隈で開催されている商売じゃないIT系カンファレンスの主催者や関係者?によるカンファレンスに参加した。
IT系のカンファレンスはそれこそ山のようにあるのだけど、オープンソースの技術系カンファレンスなんかはボランティアによって開催されていたりするのが結構ある。それの主催者とか事務局の人とか参加者とかが集まって、それぞれのノウハウを共有するというような目的で開催されたようだ。http://connpass.com/event/2253/
IT系の勉強会は日々山のように自主的に開催されていて、一体全体どのくらいの数が行われているか見当もつかないけど、数百人規模のカンファレンスも結構な頻度でがしがし元気に開催されている。みんなの大好きなIT勉強会カレンダーを見よ。https://www.google.com/calendar/htmlembed?src=fvijvohm91uifvd9hratehf65k@group.calendar.google.com
今月末にはRubyKaigi 2013が開催されるし、 *1 、ボランティアによる主催ではないがLinuxConなども開催される。 *2
スクリプト系のイベントとしてLLイベント、PHP Conference、YAPC::Asia、PyCon、東京Node学園祭などなどボランティアによって運営されているカンファレンスは少なくない。むしろいっぱいある。
欧米の技術系カンファレンスだとチュートリアルとかトレーニング系のコンテンツなども含めて複数日数、マルチトラックのカンファレンスの参加費は10万円前後になったりするのだが、東京界隈で開催される、上記のようなカンファレンスの参加費はほぼ実費(せいぜい数千円)で極めて廉価になっている。
この低コスト運営は基本的には開催者がボランティアでその仕事に関してはほぼ無給で行っていて、かかった経費に関しても、企業スポンサーなどからの援助でまかなっているからである。
例えばO'reillyが主催するオープンソースのカンファレンスだと、一日パスで$600くらいから$800くらい、5日間のパスだと$1800から$2000を超えたりする(早割があるので購入時期で値段が違う) *3
もちろん規模も違うし、コンテンツも違うので一概に値段だけで比較するのはナンセンスである。
かたやボランティアによる運営、かたやカンファレンスを仕事として仕切る運営。もちろん一長一短があるし単純にどちらが優れているということではない。
RubyKaigiに関して言うと、ボランティアによる運営は運営なんだけど、徐々に欧米型カンファレンスに近づきつつあるような気がする。ただそれでも、参加費が2−3万円というのは欧米型カンファレンスに比べれば圧倒的に安い。
角谷さんによれば、RubyKaigiは人が集まりすぎちゃって、本来来るべき人が来れなくなっちゃったりしたので、(一度仕切り直しをして)、来るべき人だけが来れるようにした、値段を上げて来れないんだったら来なくていいということだ。(わたしの理解では)
わたしはそれはそれで一つの見識だし、その通りだと思う。
ボランティア運営による限界
プロによる仕切りというのは参加者によってはお客さん的に参加できるので楽だ。プログラム委員がコンテンツを決め、それ以外のロジを運営会社へ投げる。カネはかかるがスケールする。問題は参加費用がかかること。
ボランティアによる運営は、コンテンツの作成だけではなく、各種ロジ、会場予約、設定、予算管理、スケジュール管理、講師発表者との連絡、当日の運営、ネットワークの設営、その他なんでもかんでも、ともかく手間暇がかかる。
参加費は安くおさえられる場合がある。
参加者が身内と言うかコミュニティ周りの人がほとんどの場合は、それでもどうにか回る。事務局の驚異的な働きによって見えない部分があったとしても、それを含めてのコミュニティ活動である。
一方で、参加者や発表者がITだけとかある業界内だけで閉じていない場合は、それはまた違った様相を持つような気がする。
まったくもって残念なことに、晃太郎はこの企画に関わることで、ここ数日非常に大きなストレスに見舞われました。度重なる運営の不手際と不義理に、怒りのあまりに目がくらむような思いの連続でした。何度も、出演を辞退したい衝動に駆られました。
個別の事例だけであーだこーだ言うのはフェアではないし、実際はどうだったのか、検証のしようがないので、なんとも言えないことは確かなのだけど、それでも、ロジ周りの細かいところでの気配り段取りに関しては餅は餅屋だと思う。
ボアンティアによるイノベーション
一方でニッチなコンテンツに関しては商用イベントの採算ベースのらないので、そのようなものが商用イベントとして開催されることはない。
東京界隈で多数開催されている勉強会とかカンファレンスは世界的にみればブレークしつつあるんだけど、日本で商用イベントになりにくいエッジのものがぽこぽこ出ているような気がする。
かつてはそれがLinux Users Groupだったし、それがRubyKaigiだったりした。
イノベーションの場として、シリコンバレーやサンフランシスコ界隈と違って、スタートアップの密度が東京ではまだまだ濃くないので、尖ったコンテンツに関してはボランティアによるカンファレンスに依存せざるを得ない。
これってよく考えれば、世界中どこを見渡しても、シリコンバレーほど先端技術の集積している場所はないのだから、東京モデルとあえてここで言うけど、ボランティアによるカンファレンスの開催というのは、地球規模で適用可能なモデルのような気がする。
100人を超える参加者を集めてある技術ネタに関してカンファレンスを開催する。キーノートは海外からその道の第一人者を招聘する。運営はボランティアでプロジェクトチームを形成する。このモデルは世界中どこでも適用可能なんじゃないかな。輸出しましょうよ。みなさま。
takahashim
2013/05/18 13:15
ボランティアというかコミュニティによる運営と比べると、プロによる仕切りは金銭的コストもさることながら、臨機応変(≒行き当たりばったり)な企画運営がやりづらそうだなあ、という予感がしています(もっとも莫大なコストをかけて、フルタイムで稼働できるプロを複数人雇えれば超素晴らしい運営ができるんでしょうけど…)。
hyoshiok
2013/05/18 20:55
契約書とか、あるいは発注書とか、ウォーターフォール的なあれやこれやがあるので、アジャイルに臨機応変というのは難しそうですね。(それもカネ次第か)
ayumuaizawa
2013/05/19 01:49
プロによる仕切りでのカンファレンス運営を何度かやってみておもったのは、イベント会社って結構融通が利きますよ。RubyKaigi規模の予算が組めるなら十分臨機応変に運営できるプロに任せられるのではとおもっていたりします。
takahashim
2013/05/19 13:52
おお〜、そのあたりのノウハウは聞いてみたいです!>id:ayumuaizawa
2013-05-12
■ Paul Grahamはわたしのアイドルだ

彼の名前を知ったのは「ハッカーと画家」を読んだからだ。 *1
Viawebというのも知らなかったし、それがYahoo!に約5000万ドルで1998年に売却されたということも知らなかった。もちろん当時、楽天がそれに興味をもっていたということも知らなかった。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%82%A2%E3%83%A0
彼のエッセーはハッカー中心主義に満ちている。それを鋭く言語化している。
Yコンビネーターは彼が設立したスタートアップ向けベンチャーファンドだ。そして近刊を読んだ。
00年代のシリコンバレーに住んでいるわけではないので、そのベンチャーの空気というのはよくわからない。間接的にそれをメディアで知る程度である。
わたしの00年代前半はもちろんミラクルリナックスでOSSをビジネスにすることにエネルギーを費やしていたので Web 2.0 業界の細かい動きは全く追えていない。Yコンビネーターも知らない。
わたしがシリコンバレーにいたころ(90年代後半)は、インターネットバブルで、インターネットにまつわるスタートアップがとんでもない資金を調達していた。
Web 2.0 の時代、その創業資金は格段に安くなっている。ユーザがほしがるアイデアとそれこそ300万円程度の資金とハッカーが、数週間程度で最初のプロトタイプを作って、それを提供する。そして、ユーザーの望むものをすごいスピードで作って行く。
Yコンビネーターが何をやっているか、その実情はほとんど知られていない。シリコンバレーのインナーサークルに入らない限りそれを知ることは困難だ。
毎週火曜日の夕食会に潜り込むことはYCの関係者じゃなければ不可能だ。そこには日本人はおそらくいない。2005年のエピソードを2013年に知ることになる。*2
小額の資金を多くのスタートアップに分散投資するというのはイノベーションだと言っていいと思う。
そのサービスが受けるか受けないかは誰にもわからない。MVP(minimal viable product) を素早く作って、それを計測して、何かを学ぶ (Build/Measure/Learn) というサイクルを毎週繰り返し、毎週毎週10%以上成長する。それが宿命づけられたのがスタートアップである。
そして、それらのスタートアップは、10中8、9は失敗する。しかし失敗することは悪いことでもなんでもなく、そこから何を学ぶかという価値観である。
試してみる。そこから学ぶ。
日本という地域でそれをコピーできないのだろうか。そんなことを考えさせる一冊だ。
イノベーションを起こしたいと強く思って試行錯誤している人には必読だ。お勧めである。
誤植とか
あわせて読みたい。
Founders at Work
スタートアップの創業時のエピソードにはドラマがある。Paul Grahamが Viaweb の創業時を語っている。
Yahoo!に起きてしまったこと http://blog.livedoor.jp/lionfan/archives/52682119.html
ハッカー中心主義の企業文化について。『Yahooには最初から「ハイテク企業になろう」という強い意志が欠けていた』この一文を読むだけでも価値がある。Web企業として生き残りための法則がここにある。
Ramen Profitable http://blog.livedoor.jp/lionfan/archives/52682058.html
スタートアップが起業家の生活費を稼ぐ程度に利益(売上)を上げることだ。Web 2.0 の時代になって起業のコストが著しく下がったので、$3000 程度の売上があれば暮らして行ける。
■ 100冊の本。Amazonのリンクをはってみた

shiro
YCのディナー、昔はゆるかったんですけどね。YCの注目度がなまじ上がっちゃって制限しないとオフレコ話をしにくくなった、ということでしょうか。
http://blog.practical-scheme.net/shiro/20060801-visiting-ycombinator
hyoshiok
shiro さん、おおお、Boston時代のYCに行ったことがありますか。それはすごい。YCはベンチャーファンドのあり方を変えちゃった感じがします。
2013-05-06
■IT業界で生きる技術者に勧める100冊みたいなもの

ふと思い立ち、「人月の神話」「理科系の作文技術」とかIT業界で生きる技術者に勧める100冊みたいなのを考えてみた。どんなものがあるのだろうかとtwitterで聞いてみたら、「100人のプロが選んだソフトウェア開発の名著」というのを教えてもらった。というか、わたしも一冊紹介していることをすっかり忘れていた。すいませんすいません。(ぺこり)
そこで、久しぶりに、読み返してみた。というか今までじっくり読んでいなかった。すいませんすいません。そして未読のものに付箋をつけた。付箋だらけになった。
http://www.seshop.com/1satsu/100nin/
それはともかく本の紹介もさることながら、それにまつわるお話が面白い。読んだことがない本の紹介だと、ふーん、そうなのかぁーと思うこともあれば、ぜひ読んでみたいと思うものもあり、自分の趣味と皆様の志向の違いがあって、参考になる。一度読んだことがある本だと、なるほどと思うこともあれば、あー、そーゆー読み方もあるかとか、読んだ内容はすっかり忘れていたりとか、それぞれである。
こーやってみると、未読の本の山なので、自分の範囲はずいぶん狭かったなあと見える化されてしまい、もう少し幅を広げてみたいと思った次第である。別に無理して面白くもないものを読む必要性は全くないのだが、誰かにとってかけがえのないものというのは一体どんなものかという興味本位でもいいのでつまみ食いをしてみたいと思った。
そこで未読のものには、*印をつけて、読むごとにそれを消して行く。別に全部読むつもりは毛頭はないのだけど、少しずつでもかじって行けば自分にあった面白い本にぶつかるかもしれない。
さすがに、全部購入するというのも現実的ではないので、図書館へのリンクを貼っておいて、思いついたら借りに行こうと思う。まああまり食指が動かないというのも正直あるけど、順不同で犬も歩けば棒にあたるみたいな奇跡を信じつつやってみたいと思う。掘り出し物が発見されれば、適宜この日記で紹介するかもしれない。
図書館をもっと活用しよう。
技術系の図書は公立の図書館ではあまり取り揃えられていない。大学によっては(例えば産業技術大学院大学http://aiit.ac.jp/library/index.html)、一般にも開放しているところがあるので、探してみよう。
図書検索サイト、カーリル http://calil.jp/ を上手に利用すると、知の地平線を広げることができる。
未読の山々
下記は、様々な友人から教えてもらったわたしが未読の本のリスト。(こちらは’特に*はつけません)ありがとうございます。
いっぱい読めばいいというわけではないけど…
- Twitter / @meijik
- Twitter / @poorwhite
- Twitter / @volcanon
- Twitter / @ou
- Twitter / @syakumoteba
- Twitter / @Izupyo
- Twitter / @fab181
- Twitter / @ikenyal
- Twitter / @hidesnowman
- Twitter / @yuukyuu
- Twitter / @nakajimaasako
- Twitter / @GenTamura84
- Twitter / @ntakano75
- Twitter / @tech_tec
- Twitter / @nozawa0301
- Twitter / @18_
- Twitter / @idiot729
- Twitter / @kito1214
- Twitteのログ置き場 - 2013年05月08日のツイート
- Twitter / @toru0218
- Twitter / @sato_ryu
2013-05-05
■ ローカルで作ったリポジトリをgithubに初めてpushする方法

例えば以下のようにローカルにgitで管理していて、ふとgithubあたりで公開したくなったとする。はじめからgithubにレポジトリを持っていた場合は、それを $ git clone して、ローカルでごにょごにょして $ git push すればいいのだけど、その順番が逆の場合。
$ git init $ git add . $ git commit -m "initial commit" ...
ここで、あー、githubにpushしたいなーとふと思う。
おもむろにgithubにsign inしてrepositoryをnewする。仮にユーザ名がuser-nameでリポジトリがrepositoryというのを作ったすると、ローカルからのpushは下記のような感じになる。
$ git remote add origin git@github.com:user-name/repository
これでpushすればいいのだけど、先にローカルのレポジトリができているので、そのままpushしようとすると下記のように言われる。
$ git push origin master Warning: Permanently added the RSA host key for IP address 'xxx.xxx.xxx.xxx' to the list of known hosts. Identity added: /Users/user-name/.ssh/id_rsa (/Users/user-name/.ssh/id_rsa) To git@github.com:user-name/repository ! [rejected] master -> master (non-fast-forward) error: failed to push some refs to 'git@github.com:user-name/repository' To prevent you from losing history, non-fast-forward updates were rejected Merge the remote changes (e.g. 'git pull') before pushing again. See the 'Note about fast-forwards' section of 'git push --help' for details.
fast-forward updateじゃないのでrejectされちゃう。
これは、remoteのレポジトリーをfetchしてmergeしてpushすればよい。
$ git fetch warning: no common commits remote: Counting objects: 3, done. remote: Total 3 (delta 0), reused 0 (delta 0) Unpacking objects: 100% (3/3), done. From github.com:user-name/repository * [new branch] master -> origin/master $ git status # On branch master nothing to commit (working directory clean) $ git merge origin/master Merge made by the 'recursive' strategy. README.md | 4 ++++ 1 files changed, 4 insertions(+), 0 deletions(-) create mode 100644 README.md $ git status # On branch master nothing to commit (working directory clean) $ git push Counting objects: 248, done. Delta compression using up to 4 threads. Compressing objects: 100% (229/229), done. Writing objects: 100% (247/247), 85.98 KiB, done. Total 247 (delta 86), reused 0 (delta 0) To git@github.com:user-name/repository 1211ccd..18f61bd master -> master
というような感じでmergeがpushできた。mergeした時にコンフリクトしたらば、それは手動で解決する。
takkan_m
merge が必要だったのは、リポジトリを作成する際のオプションで README ファイルを作成するオプションがオンになっていたからだと思います。
README や .gitignore を作成するオプションをオフにして作成すれば、git remote add 後、そのまま push できるはずです。
hyoshiok
id:takkan_m さん、コメントありがとうございます。その通りですね。remoteがさらの状態だったらばいけたと思います。
2013-04-21
■ 統計学が最強の学問である

釣りのタイトルにまんまと釣られて読んでしまった。しかもベストセラーだ。内容はまっとうな統計学の入門書である。
これから出てくるであろう、「ビッグデータ」がどーだこーだ、「データサイエンティスト」がどーだこーだという類いの本をひもとく前に基本(?)をおさえておくためには手頃な本になっていると思う。
大学時代、工学部だったので、一応統計学の授業はあったと思う。数式満載の授業だったと思うのだが、あまりに記憶がない遠い昔だ。
t検定とかカイ二乗検定とか、分散分析とか、回帰分析とか習ったような気がする。いや、習った。忘却の彼方にあるそれらの知識を夜空にある星座を見つけるように、この本を読むことによって再発見した。
ミルクティーを作るとき、ミルクに紅茶を入れるのか、紅茶にミルクを入れるのか。まざったものは同じ成分なので、どっちだっていいじゃんという立場なのか、英国の貴婦人のように、いや厳密にその順番はあるという立場なのか、そして正しいミルクティーの入れ方はどっちなのか、それを統計学的に検証するにはどうすればいいのか、というようなことがこの本には記されている。ふむふむ。
統計と言うのは単なる道具である。その道具に対してどのように向き合うのか、それがこの本の主題になっている。
いまここにある様々な現象を理解するために、帰納的にそれを使うのか、それとも、何か仮説やある事実に基づいて演繹的に統計学を使うのか、その立場の違いと言うものがある。
著者は前者は生物統計学者で、後者は計量経済学者の立場であるという。
われわれ素人からみると、その境界線は曖昧であるが、帰納的なアプローチなのか演繹的なアプローチなのか、その違いは哲学である。
統計学の簡単な地図を必要としているわたしのような素人にはお勧めの一冊である。
いやはやビッグデータとかデータサイエンティストとか、そーゆーはやり言葉に飲み込まれないためにも統計学のイロハをちゃんと勉強すべきだねと思った今日この頃である。
2013-04-18
■ インターネットが見えている人たちのカンファレンスに参加した。(新経済サミット2013)

Willam Gibsonの有名な言葉にThe future is already here -- it's just not very evenly distributed. (未来はすでにここにある。ただ均等にないだけだ)というのがある。 http://en.wikipedia.org/wiki/William_Gibson
インターネットの世界で世の中を変えた人たちには当たり前に見えている世界があって、それを普通に追求していると結果としてそれが破壊的なイノベーションになって世界を変えてしまったということなのかもしれない。
今回の新経済サミットは、極論すると三木谷さんのインターネットで成功した古くからの知り合いを一同に集めて、インターネットによる新産業を創出というのは、どんなことなのか、そのイメージを固めるというところにあるのではないか。そのために、インターネットで世の中を変えた人を集めてパネルディスカッションをして、いろいろなヒントを得て、政府への提言としてまとめる。
これだけの人が集まって議論するのだから、その空気を吸うだけでもいろいろな気づきがあったし、東京という地域でこの時間を共有できた僥倖には感謝したい。
すでに、ウェブ系のメディアを中心としてどのような議論がなされたかの報道があるので、それは繰り返さない。むしろ自分の感想を忘れないうちに記しておきたい。
Andy Rubin (Android)
Andyのプレゼンは、2004年11月15日にVC(ベンチャーキャピタル)へのプレゼン資料を見せながら始まった。へー、シリコンバレーのスタートアップってこんなスライドを作るんだ、と変な所で感心したのだが、文字は多いし、インパクトはあんまりない、お世辞にもいけている感じのプレゼンではなかった。(まあ、10年近く前の時代背景を考えればそうなんだけど、自分もそのころはエンタープライズLinuxサーバーで、どーにかビジネスを離陸させたいなどともがいていたのでひとごとの感じはしない)
そのビジネスモデルが、デジカメ用OSがどうだこうだという、今だからこそ言えるのだけど、デッドエンドの提案であった。技術は結構いけていて、JavaVMであれやこれやして、デジカメには顔認識技術や位置情報がついていたりする。これがA案。
そして、2005年4月5日のプレゼン。デジカメがデッドエンドなので、携帯電話へ転換したものとなった。これがB案。
さて、ここでのレッスンは何か。AndyはAgility/Robust Technical Architecture/Flexible Business Strategyをあげていた。
一つのことにこだわらないで、行く末に未来がないと感じたら迅速に方向を変化させる。それがAgilityだ。言うのは簡単だけど、行うことが非常に難しい。それができたら苦労しない。それができたのでAndroidは大成功した。
Robust Technical Architecture。デジカメでのアーキテクチャーとスマフォでのアーキテクチャはほとんど変わっていない。技術的に筋のいいものは長く生き残る。Androidのコアはlinuxとjvmだ。それは最初から変化していない。
そして、Flexible Business Strategyだ。Goodleに買収されビジネスモデルを広告モデルにして収益を確保した。そして、スポンサーを得たことで大成功をおさめた。
2005年に想定していた最もよいシェアのグラフを示し、それと2013年でのグラフを見せて、創業者が想像もしていなかったほどの大成功を収めたことを示した。そこには72%のシェアを持つAndoridがあった。
企業は変化しないといけない。人も変化しないといけない。iterateとchange、そのキーワード。繰り返すことによって学び、そして変化をし続ける。それがインターネットでの生き残り成功する原理原則である。そのようなメッセージとして理解した。
Andyのスライドの写真を撮ろうと思ったのだけど電池がなくて撮れなくて残念な感じだった。会社の人から後でもらおうと思う。
Jack Dorsey (twitter/square), Ben Silbermann (Pinterest), Niklas Zennstrom (Skype, kazaar), Andy Rubin (Android), Hiroshi Mikitani (Rakuten) によるパネルディスカッション
それぞれの人のプレゼンがすごすぎた。フリーダムな人たちだから時間も大幅にオーバーして、パネルの時間がなくなるかと思ったら、休憩時間を華麗につぶしてパネルをやった。
破壊的なイノベーションという言葉はそうじて評判が悪くて、人々が求めるものを実直に作って行ったら結果として世の中を変えたという立場からJackやAndyはコメントしていた。
日本にはi-modeという素晴らしいテクノロジーがあって、エコシステムやプラットフォームの重要性を人々はよく理解していた。Androidも日本ではすごい成功しているのも、そのようなバックグラウンドがあったこととは無縁ではない。
日本の人々はよく日本は特殊だというけど、そんなことは全然ない。米国の東海岸はシリコンバレーに比べればとっても保守的だ。
失敗を恐れない。外国から学ぶ。人々を励ます。
未来は既にここにある。ただ均等にないだけだ。
感想。
インターネットビジネスのロックスターがセッションをやるのだから面白くないわけがない、口をあんぐりして聞いているしかない。必死にメモをとっても、その思いの1%も記録できない。そんなセッションであった。
彼らが数年前にみた未来がいまここにある。いま当たり前なっているものを作ったかれらの目にはいま何が映っているのだろうか。
Webでの不完全なまとめ
Twitter, Pinterest, Skype founders advise Japan entrepreneurs
新経済サミット2013:シリコンバレーのエコシステムを日本に作るには何が必要か
http://tech.news.infoseek.co.jp/article/techcrunch_new-econ9dd1ba64deccf7cb0725eff9f216aac2bb2098f0
新経済サミット2013:起業家に告ぐ「失敗を恐れるな、実行せよ」
http://jp.techcrunch.com/2013/04/16/new-economy-summit-2013-1/
新経済サミット2013:シリコンバレーのエコシステムを日本に作るには何が必要か
http://jp.techcrunch.com/2013/04/16/new-economy-summit-2013-2/
LINE、グリー、GMOのトップが激論――日本でイノベーションを起こすには?
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/event/20130417_596169.html
「失敗なんて恐れるな」 Android OS生みの親やTwitter創業者が日本経済に叱咤
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/event/20130416_596108.html
「新経済サミット2013」―Google上級副社長、Twitter創業者らが登壇
http://ascii.jp/elem/000/000/780/780465/
AndroidやTwitter創設者らが語る!新経済サミット2013開幕
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/138/138816/
「日本からも破壊的イノベーションを」、新経済サミットで伊藤穣一Media Lab所長らが提言
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130416/471302/?top_tl1
新経済サミット開催 AndroidやTwitterなどの生みの親たちが語る「破壊的イノベーション」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130416/471262/
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1304/16/news133.html
Androidの父、Twitter創業者らが語る起業のヒント:新経済サミット2013
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/138/138936/
日本から破壊的なイノベーションをどう起こす--Android開発者やTwitter創業者が語る
http://japan.cnet.com/news/service/35030875/
Moms, Modesty Also Holding Back Japan’s Software Engineers
https://twitter.com/shinkeiren
https://twitter.com/shinkeiren_en
新経済サミット2013
2013-03-30 モチベーション3.0を読んだ

モチベーション3.0(ダニエル・ピンク著、大前研一訳)を読んだ。
ツィッター向けのまとめ。
アメとムチは前世紀の遺物。「モチベーション3.0」によると、二十一世紀の職場では「自律性」「マスタリー」「目的」へのアップグレードが必要。277ページ
カクテルパーティー向きのまとめ
『モチベーションの話となると、科学の知識とビジネスの現場にはギャップがある。ビジネスにおける現在の基本ソフト(OS)は、外部から与えられるアメとムチ式の動機付けを中心に構築されている。これはうまくいかないし、有害な場合も多い。アップグレードが必要なんだ。科学者たちの研究成果がその方法を示している。この新しいアプローチには三つの重要な要素がある。一つは「自立性(オートノミー)」ーー自分の人生を自ら導きたいという欲求のこと。二番目は「マスタリー(熟達)」ーー自分にとっての意味のあることを上達させたいという衝動のこと。三番目は「目的」ーー自分よりも大きいこと、自分の利益を超えたことのために活動したい、という切なる思いのことだ。277ページ』
本を読んで感想を書くことは書評を書くことと似ているけどちょっと違う。書評は、本の紹介とそれに対する評論という機能がある。一方、この日記で本を読んで感想を書くことは、本の紹介とか評論とかがメインではなく(もちろんそれも若干あるけど)、その本から得た気づきなどをまとめておくことで、自分にとっての備忘録の機能や、何か新しい行動の道しるべになることを期待している。
勉強会に行った時の日記のエントリーもそれに似ている。あくまで自分目線の備忘録であり、気づきであり、決意表明だったりする。議事録でもなければ、詳細なレポートでもない。
アメとムチの致命的な7つの欠陥
前世紀の遺物、モチベーション2.0というのはアメとムチで人々を動機付け働かせる方法論だ。アメとムチがたいていうまく行かないことを、様々な事例で説明している。
時はまだ1995年ごろ。二つの百科事典について、どちらが成功するか予測する。一つ目はマイクロソフトが出す百科事典で、プロのライターや編集者に依頼し、多数の項目を有料で執筆してもらうもの。二つ目は企業が発売するものではなく、何十万人もの人が自分の楽しみのために記事を作成したり編集したりする。これに参加するのに特別な資格は必要ないし、金銭的な報酬は一切ない。そして、この百科事典はオンラインで無料公開される。さて、2010年ごろ、どっちの百科事典が成功しているか、予測して欲しい。一方は大きく成功し、一方は提供を中止している。37ページころ
わたしたちは、もちろんその答を知っている。答を知ってはいるが、なぜそうなったかの原因についてはほとんど理解していない。いや、理解しているし、説明も明確にでき、実践しているという人であれば、本書に書いてあることのほとんどは驚くに値しないということかもしれない。
自立性とは何か。好きなことを好きな方法でやるということがなぜ生産性が高いのか。
Googleの20パーセントルールの話や、あるいはアトラシアンというソフトウェア会社が行っている木曜日の午後二時から開始するフェデックスデーの話が紹介されている。フェデックスというのは宅急便みたいなもので、次の日までに配達を保証している。フェデックスデーと言うのはそれにちなんで、次の日までに、ちょっとしたプログラミングをしてなんでもいいので作るという社内の行事である。それによってアトラシアンでは様々な製品のネタとなるようなものを造り出した。シリコンバレーのベンチャーでは、社内でハッカソンと呼ばれるイベントで同様なことをしている。
外発的動機(タイプX)と内発的動機(タイプI)による行動。
モチベーション2.0の時代はこのタイプXの行動を前提に発展してきた。すなわち報酬(アメ)とムチである。それに対しモチベーション3.0は内発的動機を重視する。つまり外部からの欲求ではなく内部からの欲求をエネルギー源とする。116ページ
マスタリー(熟達)というのは、もっとその技術に対して学びたいという内発的な動機のことだ。優れた運動選手も、音楽家も、芸術家も飽くなき探究心をもってマスター(達人)になろうとする。そのようなことである。
TOEICで800点をとるというのは達成目標。英語を話せるようになるというのは学習目標。
英語を話せるようになると英語を話す異性の友達が出来て仲良くなれるかもしれないというのが妄想できるのが学習目標。妄想にはリミットがないので、こちらをすすんで行くと達人への道がひらける。一方で達成目標は達成しちゃうとそれで終わるので広がりがない。
マスタリーは苦痛でもある。
「かつては天賦の才だと思われていた多くの資質が、実は、少なくとも一〇年間の激しい訓練の結果であると判明した179ページ」
目的。人生の目的は金を儲けることか。
「卒業二十五周年の同窓会で、わたしたちのクラスがどんなに金儲けをしたかとか、学校にどれほど多額の寄付を納めたかではなく、わたしたちのリーダーシップが世界にどう貢献したかという点で知られるようになる。それが、わたしの願いです198ページ」
2013-03-23 パクればいいんだよパクれば

イノベーションが新しい産業を興し雇用を生み社会を豊かにする。多分それは間違いないだろう。
本書は、イノベーターではなく模倣者(イミテーター)に焦点をあてている。企業が生き残って行くためには、模倣(イミテーション)はイノベーションと同じくらい重要な意味を持っている。にも関わらず、それの重要性については十分に議論されていない。暗黙のうちに、イノベーションは善であり、イミテーションは悪であるという呪縛にかられている。
オープンイノベーションは、自組織が生み出せなかったものを外部とのコラボレーションとによって行う。その対極にあるのが、自社の技術に拘って、ビジネス的にも技術的にも劣ったものを投入して自滅して行くというNIH症候群である。
オープンソースはいいものをコピーすることによって発展している。それはアルゴリズムであったり、ベストプラクティスとして知られる、いい開発の習慣であったり、ワークフローだったり。
模倣は悪いことではない。この価値観が新鮮に感じられるほど、われわれはオリジナルでないといけないという視点に毒されている。新規性がどうだとか、オリジナリティーがどうだとか。
「模倣者は自己満足にも陥りにくい。イノベーターやパイオニアは成功体験に縛られて、背後に迫り来る脅威を軽く見るようになってしまいがちだ。模倣者は先発者を追い越した自らの経験から、あとから追ってくる者たちを過剰なまで警戒し、防御をしっかり固める(12ページ)」
「イノベーションは熱狂を呼び起こすが、模倣は淡々と行われる(39ページ)」
合わせて読みたい:
2013-03-16 我が青春の東急東横線渋谷駅改札。

若い人には想像もつかないことだとは思う。おじさんの昔話だ。興味のない人はこんなどーでもいい話なんで飛ばしちゃってほしい。
30年前(1983年ごろ)、わたしは大学院の学生だった。その年の春に東京ディズニーランドがオープンした。
当時は携帯もなかった。携帯がないころの待ち合わせと言うのをあなたは想像できるだろうか。そんなころの話だ。
飲み会を企画したとする。お店のあたりをつけ、参加者を確認し、予約をする。午後七時に店を予約したとする。現地集合でもいいのだけど、多くの場合は、最寄りの駅で集合していそいそとみんなでお店に行くというのがよくあるパターンであった。
例えば7時開始だとすると、6時45分くらいに駅で集合して、お店に行く。携帯を持っていないので、当日遅刻すると大変なことになる。時間厳守である。
7時頃渋谷に集合で店は予約していないんだけど、流れで店決めますなどいうのは原理的に不可能である。携帯がないから。
それでも遅刻する奴はいて、6時50分くらいに、しょうがないから店に行こうということになるのだけど、携帯がないので、お気楽に情報共有することができない。
携帯はなかったということは先ほど言った。どうやって待ち合わせたか。
駅の改札に、黒板があって、その黒板に伝言を書いたのである。6時50分。よしおか君へ、先に行く。店はXXX。というようなことを書いた。リアル伝言板である。黒板にはチョークがおいてあって、そこに書くのである。
待ち合わせは駅の改札。遅れたら駅の伝言板。それが情報共有の全てだった。
意味が分からない。仮に、あなたが、タイムマシンに乗って、その時代に戻ったとしても、なんでそんなので情報伝達が出来たか、多分理解できないとおもう。
駅の改札に黒板があるというのも意味が分からないし、不特定多数の人が見る黒板に、よしおか君、XXXに行っていますと書くというのも、プライバシーとかどうなのよと思ったりして、理解不能である。
XXXに行っているというんだったら全然知らない人がそこに行っちゃったりしないのかとか考えれば考えるほど意味がわからない。
当時私は日吉にある大学に通っていた。付属の高校の出身だったので、東横線は高校生のことからの通学の電車であった。五反田に住んでいたので、最短経路は目黒に出て目蒲線、田園調布乗り換え東横線、日吉というのが高校時代の通学経路だった。大学生になって、飲み会だなんだで渋谷を使うことが多くなったので、自然と通学経路は渋谷経由になっていった。
大学は工学部でクラスには女子がいなかったので、クラスメートと合コンでもするかという話になると、そーゆー場合は渋谷あたりで飲み会をすることが多かった。
その当時から飲み会は三度の飯より好きだったので、飲み会とかには動物的な勘で参加していた。
なんだかよくわからないのだけど、クラスの飲み会は、日吉とか自由が丘とか学校のそばが多かったのだが、合コンになると相手もあることなので、もうちょっと都心に近いところで、渋谷とか六本木とか、新宿とか池袋になったりした。
その中でもやっぱり自分たちのアクセスがよいところということで渋谷が多かったような気がする。
話が長いね。
クラスには女子がいなかったということは先ほど記した。男子校みたいなものである。クラスの飲み会は日吉あたりの安い居酒屋で行うのだが、合コンとなると、他大学(女子大)の皆様の利便性も考え、山手線沿線にどうしてもなる。それが渋谷だ。
7時前。駅の改札で、初対面の大学生、男女が、ぎこちなく、あのーー、誰々さんですか、などと探りをいれる。うひょーーーー。
話が長いね。
そーゆープロトコルが実にどきどきする。
83年3月。大学院の一年生で、人生で一番勉強をしたのではないかと言うくらい、勉強をしていた。山のように論文を読んでいたし、研究室の同期の中では間違いなく一番図書館で論文をあさっていた。読んで理解しているかどうかは別としても、コピーした論文の量は誰よりも多かったと思う。いや、まじで、多分、人の10倍以上はコピーしていた。
大学院の一年生のころつき合っていた女子に、よくわからないのだけど、あっさり振られて失意のどん底にいたのが、ちょうど30年前のいまのごろである。
振られたのだけど、仲のいい友達ポジションはキープしつつ開業したばかりのディズニーランドに一緒に行ったりして、いまから思うと痛々しい。
東横線の話だ。
多摩川を超えるところから富士山が見える。冬の空気がはっきりしているころには富士山がよく見えて、それをみると、一日なにか縁起がいいような気がした。
田園調布、多摩川園、そして多摩川。富士山を眺めるのが好きだった。
朝、渋谷から東横線にのる。始発。その中で、なんだかよくわからないのだけど、つきあっていた子の友達によくあった。よしおかさん、振られちゃったってよ、みたいな話はなぜか共有されている。
そーゆーことはどうでもいいのであるが、日吉までの30分ほど、どーでもいい与太話に興じる。
彼女に振られたんだけど、東横線でその彼女の友達と与太話をするのがとても楽しかったことを覚えている。
よしおかさん振られちゃったよ。
いまから思うと本当にどーでもいいことに悩んでいて、タイムマシンがあるなら、こまけーことはいいんだよ、とか言ってあげたい。(言わないけれど)
そんなこんなの思い出がいっぱいつまった東急東横線渋谷駅改札が無くなると言うので昨日会社の帰りによってみた。凄い人出でみんなスマフォで写真をとっていたりする。改札脇の伝言板なんかはとっくの昔になくなっていた。
にばりき
渋谷駅の伝言板。懐かしいですね。まったく同世代の者ですが、東横線渋谷駅の変更に同じようなことを感じていた方がいたことが嬉しいです。用が済んだのに消していかない人が結構いて、書く隙間がいつもなかったですね。そういえば、以前は改札の両側に緑の公衆電話がずらりと並んでいたのに、それも過去の話。携帯電話やパソコンが無い時代のことって、若い人にはいくら説明しても実感としてわからないでしょう。でもそれが当たり前だったので不便でもなんでもなかったですよね。「東京ラブストーリー」で、渋谷東急文化会館の前でリカがカンチを3時間待った挙句に諦めて変えるシーン。そんな経験は自分もいくらでもあったけど、携帯が当たり前の若者にはないんだろうなあ。ついでに言えば、私は3年からは三田だったので、日吉での落し物を拾いに行くのに電車をいくつも乗り換えたけど、今は三田から日吉まで電車が一本で繋がっているのも驚きです。
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