ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

ルーツと帰属の関係?

早くも11月。ここ数日、日本の現状と今後を本を集中して読みながら考えると同時に(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131025)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131027)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131029)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131030)、父方母方の祖父母も皆日本人であり、国内外で日本国籍であることの有利さなどについて、思いを巡らせていました。第二次世界大戦以外、基本的に日本は恵まれた幸運な国だった上、独自の文化を築き上げ、それほど誤った進路を辿らなかったように思います。今こそ、過去にしっかりと学び、広く国際情勢を理解し、現状をきちんと把握し、今後に備えていきたいと気持ちを固めています。
庄司紗矢香さん(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131007)の最近の英語インタビューを見ていたところ、世界中を演奏旅行して回る暮らしの中で、さまざまな文化に触れつつも、日本人であることをラッキーだと感じるとおっしゃっていました(http://pub.ne.jp/itunalily/?search=20519&mode_find=word&keyword=sayaka+shoji)。確かに、彼女の音楽才能の個性以外に、経済的にもイタリアで幼少時に暮らせた豊かな世代に相当し、思い切って海外に出ても日本人として愛され、受け入れられる時期と合致する国力にも支えられていたと思います。

是非ともここで日本の国力を名実ともに挽回せねばならないと願うと同時に、国も個人としても、アイデンティティが一貫して安定していることの強みも思います。

(http://nna.jp/free_eu/news/20131021eur004A.html)
EU 2013年10月21日(月)

欧州で反ユダヤ主義が台頭=多くが脅威を実感[社会]


欧州で反ユダヤ主義の風潮が高まっている。欧州基本権機関(FRA)の調査結果として、ブダペスト・ビジネス・ジャーナルが17日伝えた。
FRAはハンガリー、ベルギー、英国、フランス、ドイツ、イタリア、ラトビアルーマニアスウェーデンの9カ国で合わせて5,000人のユダヤ人を対象にオンラインアンケートを実施。それによると、ハンガリーでは500人余りの回答者のうち9割以上が「反ユダヤ主義の高まりを感じる」と答えた。過去1年間に人種差別的な行為を直接経験した人は3割に上り、9カ国で最も多い。
またスウェーデンでは人前でユダヤ人と分かる衣服を身に着けるのが「怖い」もしくは「着ることを避ける」との回答が半分に上ったほか、フランスでも4割に達している。
9カ国全体では、回答者の4分の3以上が嫌がらせを受けても通報しないとしており、暴力行為の被害を受けても3分の2は泣き寝入りしているのが実情だ。大半は警察に訴えても無駄だと考えているという。

上記のニュースを目にする度に、プラス・マイナスの諸観点からいろいろと思うことがあります。それほど単純な問題ではありません。なぜなのか、という原因が明確なようで曖昧であるからです(http://d.hatena.ne.jp/itunalily2/20131101)。
私の目に映るユダヤ系は、概して充分に現状を承知し、周囲や世界情勢に敏感で、大抵の場合、普段は競争や議論で軋轢があったとしても、いざとなれば共同体が一致して上手に立ち回るか、あるいは個人として非常に有能で逞しくしたたかに生き延びているように見えるのですが、もちろん、その内実については、私のような日本育ちの者には窺い知ることのできないものです。また、覗き見することではないと思います。
ユダヤ人と一言で言っても多様性が相当あり、ユダヤ人の定義そのものも議論が多く、難しいところです。反ユダヤ主義が欧州で高まっているからこそ、ディアスポラユダヤ系には「イスラエルに帰還するように」「イスラエル国家の存続を願うように」などと呼びかけ、何とかアラブ人口に対抗できるだけのユダヤ人口増加を確保するためにも、世界の批判をものともせず大胆かつ精力的に入植地を拡大しているのかと思っていたのですが、どうやら全く別の考え方もあるようで、ここしばらく個人的に唐突に知らされて、びっくり仰天しました。
おじいさんの代ではユダヤ人迫害を逃れるために去ったはずの東欧で、先祖の家系を手繰り寄せて確かに存在したことの証明をし、再び新たに国籍を取得する例が、イスラエル国籍であれアメリカ国籍であれ、孫の世代(二十代以降)にあるそうなのです(http://tanakanews.com/d1119israel.htm)。一見ルーツに忠実なように見える反面、何とも落ち着かない人生のようにも見えますが、帰属を求めるというよりは、個人の能力を生かして働く場として、二重国籍を取得しておくようなのです。労働ビザ許可申請の面倒な手続きを逃れたいということでもあるのかもしれません。
確かに、パレスチナ問題にせよ、アラブ・イスラエル紛争にせよ、どう見ても中東情勢が落ち着かず、イスラエルの安全性や国家存続としての先行きの保証が保たれないならば、先手を打って考える方が賢明なのかもしれませんが、私にはちょっとショックでもあり、いささか当惑しました。どうもご本人の意識としては、今のところ便宜上のこととして考えたまでのようで、それが自分にとって何を意味するかはわからない、とおっしゃっています。プライバシーを暴くつもりは毛頭ないものの、こちらとしては、従来からの活発な言論内容や戦略路線との間でどう折り合いをつけるつもりなのか、最終的に忠誠を誓うアイデンティティは一体どこにあるのか、不思議で仕方がありません。
特に湾岸戦争以降、あんなに一生懸命、痛烈に政策批判しつつもイスラエルを擁護し賛美してきたのだから、当然のことながら、最終目的地はイスラエルにあり、だからこそ自分の代でできる限りの手を打ちたい、打っておこうと考えての活動だろうと理解していたのが(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120507)、実はそんな機会はほとんどなく、イスラエルに住まなければならないとなったら不愉快だろう、との由。
ショックの第二理由は、このことにより、過去に寄せられた社会的地位の高い教授や識者からの無責任な個人批判が、やはり全く根拠なきものであったことが証明されたからです。イスラエル代理人ではないか、資金をイスラエルから得ているのではないか、という類のものです。9.11直後には、メディア出演でもそのような問いかけが視聴者からされていました。大学講演では、「イスラエルのために死ね」などというプラカードも掲げられていました(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120313))(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120803)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120807)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120917)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130121)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130920)。識者達の個人批判は日本語にも訳されていて、相当程度に広まっているのではないかと思われます。要するに、自分の仕事として夢中になって人の何倍も励んでいたことが、怪しげな陰謀(それこそ陰謀)をかけられて悪意的に扱われていたのだと、これで判明したのです。
一方で、多宗教多民族社会の混沌としたマレーシアで若い頃、相当鍛えられた私でさえびっくりしているのだから、別の意味で(やっぱり信用ならない)(当てにならない)と即断して悪く言う人もまた出てくるのではないかと、人ごとながら心配もしています。
PS:ルーツのテーマについては、過去のブログでも触れています(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20091217)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120408)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120827)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130310)。