歴史教科書がおかしい

まったくむちゃくちゃな歴史教科書。


 平成24年度に使用する教科書見本を展示しているというのをネット情報で入手し、7月3日に行ってまいりました。時間が2時間しかとれなかったので、購入して帰るつもりでしたが、24年度版はまだ販売していないということでした。ですので、比較ポイントを自分なりに絞ってメモってきました。いづれ販売されれば購入してきちんとした比較をして再評価したいと思います。現時点ではメモ+記憶であることをご了承ください。

 教科書は「育鵬社」「帝国書院」「教育出版」を見ました。「東京書籍」はちょっとだけ。ざっと独自の採点するとこんな感じです。

比較ポイント
教育出版
満州事変××
支那事変×
通州事件×××
南京事件××
日米開戦××
大東亜会議・大東亜共栄圏××
日韓合邦××
江戸時代の身分制度××
江戸時代の農民からの徴税×


 満州事変までの流れは各社とも書いていましたが、育鵬社は国内世論が支持したこと、満州国が発展したことを書いています。帝国書院は満鉄と「並行線」を作ったことを書いていますが、これが「条約違反」(※1)であることを書いていません。しかもこれを支那の「主権回復の動き」などと書いています。いかにも支那満州の権益を主張するのは当然のように印象付けています。はあ?ロシアが満州を侵略したとき支那は何をした?日露戦争で日本人が血を流して清国に返してあげたのですよ。それに満州支那のものではありません。満州支那とは古来より別の国で万里の長城で区切られている通りです。支那人満州人も当時そういう認識です。これはラストエンペラー溥儀の家庭教師をしていたジョンストン博士の著紫禁城の黄昏」を読めばわかります。満州問題を語るならこの本を読まなければ語れません。岩波書店のものは改竄されているので祥伝社黄金文庫のものが良いでしょう。

 支那事変については育鵬社は日本の当初の不拡大方針をきちんと書いていますが、第二次上海事変については戦闘が広がったとしか書いていません。これでは不十分です。第二次上海事変はこの後の支那事変の始まりであり、日本軍の戦傷者31,866名と最大の損害でした。発端は支那軍3万が日本海軍陸戦隊4千あまりと日本人居留民を包囲し、攻撃を加えたことです。(※2) この事実を出してしまうと日本の侵略が成立しないことがわかります。帝国書院はスルーし「日本は中国南部からも侵攻し、上海、南京を占領した」と書いています。これは杭州湾上陸作戦のことを言っているのだと思いますが、作戦の一部です。この書き方では日本が侵略目的で軍を送り込んだような印象を受けます。事変が硬直しているので収束させるために第十軍を送ったのです。東京書籍に至っては「日本の中国侵略」と題までつけて支那事変を書いています。これはひどい

 南京事件については育鵬社「軍民の死傷者については様々な見解がある」と書いており、これは比較的素直な記述です。あんな大嘘を、と不満は残りますが、国際プロパガンダ戦で負けているから仕方がないところがあります。帝国書院はひどい。「女性や子供を含む大くの中国人を殺害。諸外国から『日本の蛮行』と非難されました」そして「南京虐殺」とはっきり書いています。さらに「このことは戦争が終わるまで日本国民には知らされませんでした」となっています。
 諸外国から非難されたとはどこの政府が公式に非難したのでしょう。聞いたことがありません。国際連盟支那が「日本軍が2万殺害した」と言ったのを無視しました。(※3) NYタイムズのダーディン記者、シカゴ・デイリー・ニュースのスティール記者が「大規模な虐殺と蛮行」と報じていますが、同じく南京にいたロイターは報じていません。パラマウントのメンケン・カメラマンが軍隊にいた「中国人男子はすべて集められて処刑された」と書いていますが、支那軍捕虜は大勢いたのは明らかで誤報です。実は南京大学のベイツ教授、裏の顔は国民党政府顧問がレポートを書いてアメリカ人記者に渡したことが明らかになっています。つまりダーディン記者、スティール記者はそれをプロパガンダと知ってか知らずか、採用したわけで、自分で見たものではありません。アメリカが南京占領の半月後ぐらいに調査のため南京を訪れていますが、殺人や虐殺の報告はありません。(※4)
 「このことは戦争が終わるまで日本国民には知らされませんでした」・・・当時南京には朝日も東京日日(毎日)も自由に取材しています。世田谷区ほどの広さの南京城朝日80名、東京日日70名も投入しているのですから、精度の高い取材ができているはずです。(※5) でも南京虐殺など見ていないし、聞いたこともないのですから、報道しようがありません。戦後、「南京虐殺」の話が出てきて一番驚いたのはこの記者たちと南京戦に参加した兵士達です。




※1 満州善後条約 日露戦争後、ポーツマス条約に基づいてロシア権益が日本に移譲された。このとき清国の承諾が必要となっており、「満州善後条約」が結ばれた。条約には満鉄と並行する幹線や満鉄の利益を害する支線を建設しないことを定めている。(展転社大東亜戦争への道」中村粲(著)より)
※2 小学館日中戦争はドイツが仕組んだ」阿羅健一(著)より
※3 日新報道「南京の実相」に国際連盟の議事録が収録されている。
※4 各国の報道については草思社南京事件 国民党極秘文書から読み解く」東中野修道(著)に詳しい。
※5 朝日は「南京虐殺」の「犠牲者数は特定しておりません」と公式見解を出しごまかしている。「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」は自社で報道した当時の記事と他社が報道した記事の真偽を再検証して真相を明らかにして欲しい、と呼びかけている。(日新報道「南京の実相」より)しかし、私は朝日、毎日が行動に出たという話を聞いたことがない。

添付画像
 展示会で並べられていた教科書(JJ太郎撮影 PD)

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