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ウルトラマンエース26話「全滅! ウルトラ5兄弟」 ~一大イベント巨編だが、実は高いドラマ性!(それ故の問題点も!)

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ウルトラマンエース』26話「全滅! ウルトラ5兄弟」 ~一大イベント巨編だが、実は高いドラマ性!(それ故の問題点も!)

(脚本・田口成光 監督・筧正典 特殊技術・川北紘一
ファミリー劇場ウルトラマンA』放映・連動連載!)
(文・久保達也)


 黄昏(たそがれ)る夕陽(ゆうひ)の荒野で、ブロンズ(青銅)像にされてしまったウルトラ5兄弟が立ち尽くすビジュアルが、強烈な印象を世代人や後続世代にも残した一大巨編。


 通常は50メートル前後の身長であるウルトラマンや怪獣をはるかに上回る、身長200メートル(!)もの超巨大な巨体である地獄星人ヒッポリト星人が煙突の立ち並んでいる工業地帯に現れた!


 「風地獄」や「火炎地獄」などの名称の攻撃技で徹底的に破壊を繰り広げて、地球人に対してウルトラマンエースの明け渡しを要求する!


 挿入歌『タックの歌』のインストゥルメンタルをバックに、勇敢に出撃する超獣攻撃隊・TAC(タック)!


 しかし、ヒッポリト星人はすべての攻撃を受け付けない!


 立ち向かったエースは透明の円筒状カプセルに閉じこめれて、噴出された物質を浴びてブロンズ(青銅)像にされてしまう!


 そして、はるか彼方のウルトラの星から急遽、救援に駆けつけたウルトラ4兄弟もまた……



 直立二足歩行型の強豪宇宙人であるヒッポリト星人は、動物の象さんのように突き出た長い鼻(口)が特徴的だ。この鼻から「風地獄」なる猛烈な白い噴煙で周辺を吹き飛ばす!
 頭頂部にも三つ又に分かれた長くて硬い突起が生えているあたりも印象的だ。その先端には正面を向いたビームランプのようなレンズもあり、この三方から同時に黄色い破壊光線も発射する!
 本作『ウルトラマンA(エース)』(72年)に登場する怪獣たちの総合名称である生物兵器「超獣」たちには多い、第1話に登場したミサイル超獣ベロクロンの色合いなどにも通じる、毒々しいサイケデリックでクスんでいる「赤」や「緑」といったカラーリングに、節ばっていたり末広がりだったりするデザインも、いかにも『A』に登場する超獣や宇宙人といった印象だ。


 前話である第25話『ピラミットは超獣の巣だ!』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061021/p1)につついて、公害が大きな社会問題となっていた70年前後の日本を象徴するかのごとく、3日連続の「光化学スモッグ注意報」で交通規制も議題とされているあたりが、良くも悪くも時世の投影でもある。


 『A』のオープニングのメインタイトルの映像バッグにも使用されている、七色の油のような光学合成素材を用いたとおぼしき映像を工業地帯の青空に出現させて、そこにヒッポリト星人が実体化していくような特撮映像も見事だ。



 月刊ホビー誌『フィギュア王』№92(ワールドフォトプレス・05年9月24日発売・ASIN:4846525651)における「総力特集 ウルトラマンマックス」の中で、ヒジカタ隊長役の宍戸開(ししど・かい)が、初代『ウルトラマン』(66年)と『ウルトラセブン』(67年)の人気怪獣を再登場させることを眼目としていた『ウルトラマンマックス』(05年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060311/p1)という作品が議題になっているのに、あろうことか、


「個人的には『A』のヒッポリト星人を復活させてほしいですね」


 などと語っている! 第2期ウルトラシリーズに登場した、往時はたしかに人気怪獣であったハズの怪獣たちは、70年代末期の本邦初のマニア向けムックであり第2期ウルトラシリーズやそこに登場した怪獣や超獣たちを否定的に論述した『ファンタスティックコレクション№10 空想特撮映像のすばらしき世界 ウルトラマンPART2』(朝日ソノラマ・78年12月1日発行。のちに『ファンタスティックコレクションスペシャル 不滅のヒーロー ウルトラマン白書』(82年12月31日発行)に合本)刊行以来、そして特に80年代以降は特撮マニア間ではクソミソにケナされるようになって(汗)、その存在自体が特撮マニア間では否定されてきた。


 しかし、やはり特に特撮マニアの価値観・風潮には毒されていない、非マニアな御仁ならではの率直な感慨であろう。第2期ウルトラシリーズに登場した、当時は大人気怪獣・大人気宇宙人の一体であったハズのヒッポリト星人にこそ復活してほしいと云っているのだ!
 氏は1966年9月4日生まれで(私事で恐縮だが、筆者も同学年だ)、筆者にかぎらず同世代人のご同輩は皆が同様であっただろうが、このウルトラ5兄弟が全滅してしまう『A』第26話をリアルタイムで観た際の記憶やヒッポリト星人の印象が、実に鮮明にいまだに強烈に残っているのである。


 屈指のイベント編ではあるが、実は初代『ウルトラマン』第33話『禁じられた言葉』の悪質宇宙人メフィラス星人がゲスト少年の心を試して地球を侵略しようとした話を、その規模を全人類の心を試すことにまで拡張した、実はアンチテーゼ編としての一面をも持っている。力押しの武力での制圧のみではなく、自主独立の人類の心・精神・魂までをもピッポリト星人はねらってきたのだ! この「物理面」と「精神面」の両者を同時にねらってきた敵宇宙人は、ピッポリト星人が今のところはウルトラシリーズ空前にして絶後ではなかろうか?


 とはいえ、ウルトラ兄弟全員集合の娯楽活劇性よりも、人間ドラマ性やテーマ性の方が重視されてしまっている。それはそれで、イベント編だからこそ逆にそこに期待してチャンネルを合わせている子供たちに、この機会についでに何らかのメッセージを当時のスタッフは伝えたかったのだろう。しかし、それゆえにやや重たくて弾(はじ)けきっていないあたりが、「エンタメ」としてのモノサシで測れば弱点にはなっていることも事実なのだ。たとえば、昭和の『仮面ライダー』シリーズの先輩ライダー客演編における、先輩ライダーや現役ライダーたちが勝って勝って勝ちまくるような爽快感と比較してほしい(汗)。


 ちなみにヒッポリト星人の声は、前作『帰ってきたウルトラマン』(71年)では第1話・第18話『ウルトセブン参上!』・第30話・第31話・第38話『ウルトラマン夕陽(ゆうひ)に死す』などで「帰ってきたウルトラマン」の声も演じていた谷津勲(やつ・いさお)。ただし、多くのマニア諸氏も子供のころから思っていたことだろうが、氏の声はジジくさくて(笑)ミスマッチだと思う。さらに氏は、『帰ってきた』最終第4クール目では敵の星人たちの声まで演じていたりもするのだ(笑)。
 同時期の『仮面ライダー』初作(71年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20140407/p1)でも、第11話『吸血怪人ゲバコンドル』や第38話『稲妻怪人エイキングの世界暗黒作戦』などでゲストのショッカー怪人の声を演じており、それらの声の演技を聞いていても、やはり敵役の方がふさわしいと思える。
 なお、まったくの余談だが、『帰ってきた』放映当時に発売された小学館の学習雑誌に付録で付いたフォノシートのいくつかでは、実に渋くて低いダンディーな声で有名な声優の柴田秀勝が「みなさん、こんにちは。ぼく、ウルトラマンです」などと「帰ってきたウルトラマン」の声を演じていた。こちらも別の意味で問題があったと思う(笑)。



 『A』第26話が放映された夏季クールと秋季クールの区切りである番組改編期の1972年9月29日(金)の翌日土曜日に放映された『仮面ライダー』初作は、第79話『地獄大使!! 恐怖の正体?』というイベント編でありショッカー大幹部の降板劇であった。ショッカー大幹部・地獄大使(じごく・たいし)がついに怪人ガラガランダに変身したものの、激闘の末にライダーに破れ去るのだ!
 ショッカー大首領は新たな組織の登場を宣言!(のちにゲルショッカーと判明) 謎の新怪人ガニコウモルが「ついに我々の出番が来た。仮面ライダー、必ず消す!」と語るなど、新たな展開の含みを持たせて、視聴者の次週への関心を最大限に持続させる工夫が成されていた点は、『A』第26話とも同様であった。


 身長50メートル前後ならぬ、いつもとは異なる身長200メートルもの超巨大サイズの宇宙人を登場させたこともそういったスペシャル感を与えるための趣向だったのだろう。しかし、そこは特撮班の怠慢だったというべきだが、この設定に合わせて、いつもよりも小さいミニチュア家屋や建造物を新造したワケでもなく、通常回のミニチュアが配置されており(汗)、それではせめて、カメラアングルや構図などの工夫で、家屋は小さくヒッポリト星人は大きく見えるようにしてくれればよかったのだが、そうしているつもりなのかもしれないけど、そうは見えないあたりについては残念だ。


 しかし、いつもは小型戦闘機はタックアロー&タックスペースの2機コンビで戦闘することが多いものの、本話の初戦ではタックスペース2機がそれぞれタックスペース1号・タックスペース2号と名付けられた2機コンビで出撃する、いつもと異なる特別感!
 加えて、2号に搭乗していた主人公・北斗星児(ほくと・せいじ)と南夕子(みなみ・ゆうこ)の両隊員がウルトラマンエースに変身しようとするものの、いつもは変身を促(うなが)したり、あるいは変身を許可した意味だと思われる、ウルトラマンエース自身の意志の表現だともいえる、ふたりが右手の中指にハメている変身アイテム・ウルトラリングも初戦では光らないことで変身できない!


 どころか、北斗と南にとってはナゾの声であり、おそらくエースではなく、サブタイトルでも登場が明かされているウルトラ兄弟の誰か(!)とおぼしきから


「エースになってはいけない。お前たちに勝てる相手ではない」


 という忠告が聞こえてくるあたりは、通常回とはまるでスケールが異なる危機感と同時に、それがまたスペシャル感をも視聴者に喚起してくれてもいるのだ。


 それと同時にヒッポリト星人は、ウルトラマンエースの引き渡しを地球人に要求することを、声高らかに宣言! そして、いかにもソフトビニール人形であるとしか思えないウルトラマンエースの人形を手に取って、その首をもいでみせた!
 ……このシーンに登場するエースの人形は、70年代当時のリアルな造形だとは云いがたいウルトラマンエースの人形そのものにしか見えなくて、そこは幼児はともかく児童であれば、やや現実に引き戻されて幻滅させられてしまう映像表現ではあったかもしれない。


 エースの引き渡しを要求したところで、いったんは撤退するヒッポリト星人。



 しかし、本話ではシビアな人間ドラマも盛り込もうとするためか、その次にはTACの戦闘機でパトロール中であった北斗隊員と南夕子隊員が、山間部で横転して炎上している民間の自動車を発見! 着陸して救出に向かうさまを描いている。


 外に放り出されていた瀕死の男性運転手は、「谷間に超獣が立っていた……」とかろうじて証言。息子・ヒロシへの誕生日プレゼントを手渡してくれと言付(ことづ)かって息絶える。そのプレゼントとはもげた首が近辺に置かれたウルトラマンエースのソフトビニール人形! しかも、超獣がこの人形の首をもいだのだとも云う!
 先に身長200メートルものヒッポリト星人が手にして首をもいだウルトラマンエースの人形状のモノとも、スケールこそ大幅に違えども同じモノに見えるではないか!? といった感慨をねらった脚本だったのかもしれない。しかし、身長200メートルなり50メートルの巨大超獣なり巨大宇宙人と、1~2メートルサイズの人間ですらなく、数十センチサイズのソフトビニール人形ではスケール対比的にもかなりムリがあるので、視聴者側の素朴な直観や連想的にも巨大宇宙人が手にしていた人形状のエースと実際のソフトビニール人形との間には結び付きにくいイメージがあって、乖離が発生してしまっていることもまた事実なのだ。


 だとすれば、ここは男性運転手のセリフだけではなく、たとえば即座に人間サイズにミクロ化してみせた谷間にいたヒッポリト星人が、エースの人形を取り上げて首をもいでみせる回想シーンなりを、冒頭の身長200メートルサイズで出現してエースの人形の首をもいでいたヒッポリト星人のシーンとのオーバーラップなりカットバックの映像を、両者が同一のシーンであったことの説明として、ベタであってもわかりやすく見せるべきだったのかもしれない。
 けれどそうなると、早々にネタバレになってしまって、これに続くTAC基地での身長200メートルものヒッポリト星人についての正体推測談義も、ややシラケてしまったかもしれず、その扱いはやはりムズカしいところかもしれない。


 そして、このあたりから、重苦しい被災者がらみの人間ドラマがはじまる予兆ともなっている。


 この車両に付着していた肉片らしきモノは持ち帰られて、TACの科学分析担当でもある兵器開発研究員・梶によって分析される。超獣の細胞のように思えるが断定はできないと発言する梶の発言がまた、この手の当時の特撮変身ヒーローものとしてはかなり理性的でリアルではある。
 北斗はそれに対して、谷間にいた超獣が首をもいだという運転手の発言から、その超獣とは工業地帯に出現したヒッポリト星人とも同一の存在で、「念力」か「分身術」か「空中投影」であった可能性の推測を開陳してみせる! これもまた合理的な推測でリアルではある。


 しかし、北斗の推測のうち、「念力」と「分身術」については、梶は「非科学的」だと却下する。ウ~ム、それまでのウルトラシリーズにおいても、敵宇宙人たちは「念力」と「分身術」については披露していたハズなので、そこは惜しいし違和感もあるなぁ~。


 ヒッポリト星人との初戦でも、「TACは勝てるのかしら?」と問いかけてくる夕子隊員に対して、「わからん。人間の持てる最高の科学を使って攻撃するんだ。それでダメなときはどんなことをしてもダメさ」などと北斗隊員が発言するあたりは合理的でもあるようで、猪突猛進な北斗にはふさわしくないようなサメた感じでもあり、いかに北斗でもそれくらいの判断は付くだろうというリアルさがあるようでもある――ウラを返せば、イザとなればエースに変身すればイイという安易な気持ちの発露でもある――。ただし、やや腰の据わりの悪いセリフでもあって、そんなセリフをここに配置してしまった是非の判断についてもムズカしい。


 しかし、デブの今野隊員が「梶さん、ロケット弾もタックスペースも星人の体を突き抜けてしまったんですよ」とツッコミを入れることで、梶の発言を相対化しているあたりは実によい。それに対して、吉村隊員は「しかし、星人は口から風を吐いた。あれは(空中投影した)影なんかのできることではありませんよ」とさらに相対化してみせるセリフも、輪をかけて合理的でよい。


 それに対して、梶は実はそれらを上回る仮説を提示してみせる! 「我々の分析では、星人の細胞と細胞の隙間がかなり大きく、ちょうど寒天のような状態ではないかと思われるんだ」。一応はSF的で合理的な推論かもしれない。しかし、生物の体を構成する細胞がスカスカである宇宙人という存在は、どうにも軟弱で弱そうな感じもして、あまり良い感じがしない御仁も多いのではなかろうか? これが「細胞と細胞の隙間」ではなく「原子核とその周囲を衛星のように回っている電子との隙間=原子1個の大きさ」などが人為的(じんいてき)な方法で大きくなって、同時にスカスカにもなっている! といった推測であったならば、もっとそれっぽくなったのかもしれない。しかし、幼児や小学生だと、「原子核」や「電子」の概念には馴染みがないあたりはネックになったかもしれないけど(汗)。


 この分析に沿って、梶が「細胞破壊銃」なる兵器がTACにすでに用意されていることを語ることで、梶の有能さをも一応は見せている。しかし、梶の推測には納得していないことを意味させる浮かない顔を北斗にさせることで、このシーンも意図的なものであったとしても「少しは勝てるかも!? 一矢は報いることができるかもしれない!?」といった高揚感には欠けている。
 それもそれで、北斗をイジメ抜いてみせるドラマの手法のひとつとしてはアリなのかもしれないが、結果的には梶の推論が間違いで失敗に終わってしまうのだとしても、作品に「哀」一辺倒だけではなく「喜怒哀楽」のメリハリ・抑揚も付けるのだとすれば、ここは北斗も含めて梶の分析や作戦に対して皆を気持ちよく賛同させて、TACによる合理的でカッコいい攻防劇を見せていくような展開になってもよかったかもしれない!?


 ちなみに、竜隊長には


「TACは確信のないもの――念力・分身術・空中投影といった証拠のない仮説に対する対処作戦――に手出しはできない。まして今のような非常事態にはなおさらのことだ。わかるな?」


と隊員たちに諭(さと)すことで、「細胞破壊銃」での攻略を採択したことにも合理性を持たせている。これもまた劇中内でのリアリティーをせめて少しでも醸(かも)させているセリフだとはいえる。しかし、30数年後の後出しジャンケンだが、ここまでやるのであれば、ヒッポリト星人に致命傷は負わせられなくても、「細胞破壊銃」などで何らかのダメージや傷跡をつけたことが、つづく前後編の後編での勝機にもつながることで、TACにも戦闘面での相応の見せ場や有用性を見せてあげた方がよかったのかもしれない。


 竜隊長はヒッポリト星人との次の戦闘に備えて、英気を養うように隊員たちに休養を命じる。しかし、北斗は食い下がる!


「ボクにもひとこと、云わせてください! もしかしたらひとりの人間が超獣に殺されたのかもしれません! 人間の命はひとつだけだとおっしゃったのは、隊長ではありませんか!?」
「云ってない」
「さっき、ハッキリ聞いたぞ!!(激昂)」


 ……かなり険悪なやりとりである(汗)。ここでの竜隊長のリアクションにも問題があるのだが、「人間の命はひとつだけ」とは、初戦で北斗と南が変身を禁じられても機体ごとヒッポリト星人に激突すればさすがに変身できると推測したのか、突撃はしたものの幻影であるかのように何の手応えもなく通り抜けてしまった無謀な行動に対して、竜隊長が「人間の命はひとつしかないんだぞ!」と叱責した事案に由来している。


竜隊長「わかっている。しかし今はダメだ」
北斗「わかりました。けれど、これだけは許してください。あの被害者の子供さんにこの人形、届けてあげたいんです」


竜隊長「あの運転手さんに、TACはなにもしてやれなかったからな……」


 竜隊長も運転手とその息子に対して申し訳なく思って、気に病んでいたのだろう。この非常時であることを思えば、本部から席を外してしまうことについては少々引っかかるものはあるのだが、同行を申し出た!


 運転手さん宅の畳の室内には、白黒のシマ模様の鯨幕(くじらまく)まで垂らされた壁を前に、慎ましい祭壇が設置されて故人の遺影までもが設置されているさままで表現している、本編美術班の頑張りがまた、本話とこのシーンに深刻で切実な重苦しさをキチンと与えることに良くも悪くも成功している。


 そこで、ていねいに正座した小学生の息子・ヒロシと、喪服の意味で黒い洋服を着ているのであろう成人前後の姉・純子といった、父親を失ったばかりで傷心はどれだけ大きいことかといったふたりが、お悔やみの言葉を述べに来た竜隊長と北斗に面しているさまがまた、両者ともに実に気マズいであろうし痛々しいのだ。


 そして、キレイに包装紙で包んだ、新品を買い直したのであろうウルトラマンエースの人形を入れた箱を、お父さんに渡してくれと頼まれたからと手渡す。


 しかし、父親をヒッポリト星人に殺されたゲスト少年が、ある意味では逆ギレ・逆恨みだともいえはするけど、しかし心情的には仕方がなかったのだと肯定もできるのだが、


「エースなんて、ボクたちの味方じゃないや! エースは父ちゃんを助けてくれなかったじゃないか!?」


 などと叫んで、エースの人形を床に叩きつけてしまう! 次作『ウルトラマンタロウ』(73年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20071202/p1)最終回でも、やはり父を失ったレギュラー少年・健一において反復されることになるシチュエーションでもある。


「TACなんてダメだよ!! あんなエースを早く星人に渡しちまえばいいんだ。そうすれば、星人は大人しくなるのにぃ」


 彼は弔問(ちょうもん)に来た竜隊長をはじめ、TACやエースのことまで非難してしまうのだ! もちろん、優しくて常識人でもある姉は弟の暴言を制止する!


 このあたり、メインターゲットである小学生たちの方が過剰に抵抗感を抱いて、かえってゲスト少年のことを憎々しげに感じてしまうような描写でもあるだろう。同じような状況に直面した場合、少なくとも自分はこのような逆恨みや失礼な切り返し方はさすがにしない! と思うものだろう。しかし、長じてきて小学生時代も遠くになってくると、我々のようなオタク予備軍であった大人しい子供たちはともかく(爆)、全員とはいわずとも小学生男児の過半は、いかにもこのような逆ギレ的な態度を示してきそうな気もしてくるのだ(笑)。


 しかしだから、この描写は改めてリアルなのだ! なぞと云って、第2期ウルトラや『A』を再評価したいがあまりのヒイキの引き倒しで、本話でのこれらの描写を過度に肯定しようというのではない。そこに優れた人間描写や子供描写がありつつも、やはりメインターゲットの子供たちにエンタメ作品としては重ためにすぎる描写を挿入しすぎたことによって、子供たちを気持ちよくエンタメ世界でのヒロイズムやカタルシスから遠ざけてしまっていた欠点もたしかにあったとは思うのだ。


 しかもダメ押しで、TAC基地へと戻っていく道スジで、TACの車両・タックパンサーのハンドルを握っている北斗の脳裏には、「エースを早く星人に渡しちまえばいいんだ!」というゲスト少年のセリフが反復されてしまうのだ!


北斗(内心の声)「オレたちは今までずっと地球人のために戦ってきた…… それなのに、地球人はエースをもう必要としないのだろうか?」


 TAC基地の作戦室に戻るや、休養を命じられていたハズなのに、健気にも包帯を巻いたままの隊員たちが業務に就(つ)いていた! 


 一見は麗(うるわ)しい光景なのだが、即座に状況は暗転してしまう! 一般市民から、


「エースを星人に渡せ!」


 という苦情の電話がジャンジャンと掛かってきていて、その対応をしていたと云うのだ! 


 地球の守り神であったハズのエースがそのまま地球の脅威にもなってしまう。そして、今まで守ってきた人々から元凶扱いにされてしまうというあまりにもの皮肉!


 これまで再三、地球の危機を救ってくれたエースを、人々が恩知らずにも厄介者扱いにするのだ。そんな人々をエースは守る必要があるのか?


 次々作『ウルトラマンレオ』(74年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090405/p1)最終第4クールの円盤生物編や、リアルロボットアニメの第1号『機動戦士ガンダム』(79年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19990801/p1)を手掛けた富野由悠季(とみの・よしゆき)監督による、真の意味でのリアルロボットアニメの第1号だったともいえる合体ロボットアニメ『無敵超人ザンボット3(スリー)』(77年)に至ると、ほぼ全話を通じて見られる描写にもなっていて、同作のメインテーマともなっていた「ヒーローがいるからこそ、敵が襲ってくる」というシビアなシチュエーションでもある――かといって、ヒーローがいなければいないで、敵は真の目的である地球征服を安々と達成できてしまえることにはなるのだが(汗)――。


 リアル・ハード路線を志向するマニア諸氏が好むような「恩知らずで身勝手な人類に対する批判」テーマ、「人類自体を相対化する」テーマが、実はむしろ彼らが否定してきた『ウルトラマンA』や第2期ウルトラシリーズでこそ、痛烈に描かれていたことも事実だったのだ――子供向けのエンタメ活劇、特に先輩ヒーロー客演編においてこそ、そのテーマを導入してみせたことについては、全面肯定ができかねることも事実なのだけど――。


 あの剛腕の山中隊員までもが


「いっそのこと、エースを星人に渡してしまった方がいいのではないでしょうか?」


 などと弱気な提案してしまう。これに対して、竜隊長は例によって、


「バカモン!!」


 と怒鳴って、


「我々は戦う! 断固として戦うんだ!!」


 と力強く主張するのだ。


 この熱い展開はたしかにカッコいい。しかし、今だと「テロには屈しない」を主張する某国大統領や我が国の首相の姿がカブって見えてしまう。


 かつて、1977年の日本では左翼過激派・日本赤軍による外国の旅客機のハイジャックで、日本の刑務所に収監されていた左翼過激派を、時の政府・自民党の首相が「人の命は地球よりも重い」などと称して、超法規的処置として釈放してハイジャックの人質と国外で交換したことがあった。


 一見、美談で人道的であったように見えるかもしれないが、これには世界各国から「知恵のない行為」で、本作『A』放映当時の1972年に発生したイスラエル国のテルアビブ空港での同国への抗議としての日本赤軍による無差別乱射事件も含めて、「日本は(自動車や家電製品のみならず)テロリズムまで輸出するのか!?」と皮肉られて、猛烈な批判を浴びることになってしまったのだった(汗)。
 この成功を学習して、世界中の左翼過激派が次々と身代金や仲間の釈放を求めてハイジャック事件を起こして、今後は今までの事件の人数よりも多くの人々を犠牲にしてしまう可能性が大きくなるという理由からだ。
 これに懲りたのだろう。これ以降の日本政府は先進各国の処置を世界標準だとして見習って、表向きはテロリストとは交渉しないと明言しつつも、見えないウラ側というのか、ミエミエの「公然の秘密」という形容矛盾な二枚舌の態度でテロリストと秘密裏に交渉することになっていく…… 良くも悪くも物事にはオモテとウラがあって、外交や交渉とはテーブルの上で握手しつつも、テーブルの下ではお互いに蹴飛ばし合っているといったものでもあるのだ(汗)。
 そして、現実世界での物事には折衷・妥協が必要な場合もある。正論が通らない場合には、あくまでも例外・緊急避難的な処置ではあるのだけど、暫定的にオモテとウラを同時に並行して進めていくような、後ろ暗い所業が必要なこともあるのだろう。


 目の前の人間を救うことが人道に適うのか? たとえ目の前の人間は救えなくても、将来におけるもっと大勢の人々の命を救うことの方が人道には適うのか? スパッと割り切れるものではないものの、「政治」とは「99匹の子羊」を救うものであり、「文学」や「宗教」は「1匹の子羊」を救うものでもあるのだから、「現実政治」としては「1匹」の子羊を見捨てて「99匹」の子羊を救うことも仕方がないことなのかもしれない。


 しかし、この手の子供向けヒーロー番組でそのような身も蓋もないことを露骨に描いてしまうことははばかられるし、避けるべきでもあるかもしれない(汗)。やはり、そのような機微は幼児や児童には教えずに、思春期の年齢になったあたりのもう少し高年齢層向けの作品で描くべきことではあるだろう。
 あまりに幼い子供に、時には大の虫を生かすために小の虫を殺す、あるいは弱者を見捨てても構わないし仕方がないこともある、などということは教えない方がよい。やはり、弱者を守ったり救ったりすべきだということをまずはキレイごとでも教えるべきなのだ。現実世界の汚さや割り切れない交渉事、時に大の虫を生かすためには小の虫を殺さざるを得ないといった行為は、その後に知ればよいことなのだから(笑)。



 ちなみに、ゲスト少年の父親が息子への誕生祝いとして購入したウルトラマンエースの人形は、背面全体におよぶパーツやスピーカー状の2列の小さな穴やヒモから判断して当時、マスダヤから発売されていた「トーキング人形」かと思われる。他にも、『超人バロム・1(ワン)』(72年)や『人造人間キカイダー』(72年)、『スペクトルマン』(71年)のスペクトルマンに怪獣ゴキノザウルスなどの各種が発売されていたが、バロムワンの声はテレビと同じ村越伊知郎キカイダー人形は主人公青年・ジロー役の伴大介の声でしゃべる仕様であった。
 果たしてエース人形は北斗星児役の高峰圭二の声でしゃべったのか? まさか南夕子役の星光子の声と交互にしゃべったとか? それともエースの声を演じた納谷悟朗だったとか? 後学のためにも劇中でひとことだけしゃべらせてほしかった(笑)。


 そのエース人形を投げつけてエースとTACを非難するゲスト少年を演じた西脇政敏は、次作『ウルトラマンタロウ』第33話『ウルトラの国大爆発5秒前!』~第34話『ウルトラ6兄弟最後の日!』でこれまたウルトラ兄弟勢揃いの前後編にゲスト出演していた。このときも極悪宇宙人テンペラー星人といっしょになって「タロウ、出てこ〜いっ!」とやっぱりタロウを非難していた(笑)。この前後編の脚本は佐々木守であったが。


 ゲスト少年の姉を演じたのは小早川純。彼女もなかなか可愛い女優さんだ。近年でもあまたの作品で女優として活躍されている朝比奈順子の旧芸名だったそうだ!(後日編註:2021年にご逝去されました)



 ヒッポリト星人が再出現! TACも再出撃する!


 「細胞破壊銃」ならぬ「細胞破壊ミサイル」――実際は戦闘機から投下する爆弾――も実戦投入されたが、当然のことながら幻影にすぎないヒッポリト星人には効かない!


 北斗と夕子は、


「エースが最後まで地球の守り神であることを見せてやるんだ!」


 という気概を示す。事ここに至っては、エースのお許しも出たのか、好意的に解釈すればウルトラ4兄弟もすでに地球に向かっていたのか、今度はウルトラリングが光った!


 ウルトラタッチでウルトラマンエースへと変身! 自身を批判してきた人々を守るためにも戦うのだ!


 200メートルのヒッポリト星人よりも小さい身長40メートルのエースは、ミニチュアの飛び人形でその身長対比が表現されているが、先にも述べたとおりで建物のミニチュアはいつもと同じ大きさなので、その対比表現は必ずしも成功はしていない(笑)。北斗と南ことエースはヒッポリト星人が幻影だと見切っていたので、地面にも降り立たずにヒッポリト星人をカスめて遠方へと向かった!


 果たして、山間部で円筒型の透明ドームの中に納まって、七色の波状の光波を発しているヒッポリト星人を発見! この七色の光波を発しているヒッポリト星人の特撮映像も実にすばらしい。


 エースは両手を前方に突き出して、青白い矢尻状の光の矢・アロー光線で円筒カプセルを破壊するや、都心部に出現していた超巨大ヒッポリト星人の幻影も消失した!


 エースはしばらく善戦してアロー光線も再び披露するが、ヒッポリト星人は忽然と消滅!


 気を取られてしまったエースは、左右から迫ってきた、真っ二つに分割されていた円筒状の透明カプセルの中に閉じ込められてしまう!


 そして、透明カプセルの内壁をナゾの液体が垂れてくる! 


 エースはトサカ部分の丸い穴であるエネルギーホールから、二股に分かれた青白い細い光線をカプセル外へと放った!


 それはウルトラ文字を宇宙空間に投影するウルトラサインだ!


 第5話『大蟻超獣対ウルトラ兄弟』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060604/p1)でも、「SOS」を意味するウルトラサインが宇宙空間に投影されるかたちで登場したが、ここではそのバンクフィルムを流用することでキチンと統一性も持たせている!


 ウルトラ4兄弟が救援に駆けつけてきた!


 しかし、時すでに遅し! 透明カプセルの内部は緑色の煙が充満して、しばらくしてカプセルが外れるや、ウルトラマンエースはブロンズ像と化していたのだった!


 地球に到着して、変わり果てたエースの姿と再会したウルトラ4兄弟は落胆を隠さない……


 しかし、それも束の間、油断していたのか、ウルトラ兄弟の長男・ゾフィーと次男・初代ウルトラマンは、上方から降下してきた透明な円筒状のヒッポリトカプセルにあっけなく閉じ込められてしまった!


 三男・ウルトラセブンはついに姿を現したヒッポリト星人に対して果敢に立ち向かう! そして、けっこう善戦もしてくれるのだ!


 これは当時の子供たちの間でセブンの人気が最も高かったことを反映しての処置だった可能性もあるだろう。


 四男・帰ってきたウルトラマンは、必死でゾフィーと初代マンをカプセルから助け出そうとしているあたりも、どことなく優しげで上品な帰ってきたウルトラマンのキャラが反映されていてよい(笑)。


 しかし、ゾフィーと初代マンを収納したカプセルを破壊しようとして、左手首にハメている必殺技・ウルトラブレスレットを放とうと両腕を構えた瞬間をねらって、帰ってきたウルトラマンにもカプセルが迫ってきて閉じこめられてしまった!


 セブンはヒッポリト星人に善戦していたものの、ヒッポリト星人は両手を黄色く発光させて反撃を開始し、両眼から放った黄色い光線でついにセブンを地に屈せしめた! そこをすかざず襲ってくる透明カプセル!



 幼少時からとても印象深い戦いではあった。しかし、脚本ではなく特撮の撮影現場での「殺陣(たて)」=「アクション演出」の問題になるのかもしれないが、たとえ最後にはウルトラ5兄弟がブロンズ像になってしまうことが、この前後編の前編での規定路線なのだったとしても、やはりウルトラ兄弟が善戦していないので、あまりに弱く見えてしまうのが残念なところだ。


 たとえば、途中まではヒッポリト星人をも圧倒しかねない勢いで、ウルトラ4兄弟も善戦して必殺技も見せまくる!


 初代ウルトラマンスペシウム光線! 八つ裂き光輪!
 ウルトラセブンアイスラッガー! エメリウム光線! ワイドショット!
 帰ってきたウルトラマンスペシウム光線! ウルトラブレスレット!


 ヒッポリト星人を倒すことはできなくても、カスり傷程度は負わせることができた! といった演出で、視聴者の子供たちにも一度は爽快感を与えてくれれば、もう少しだけ気持ちがよくなれたことであろう。そして、それであっても最後にはヒッポリト星人が勝ってしまう! となれば、ヒッポリト星人の強さも描けたことで一石二鳥の演出にもなりえたハズではあったのだ。よって、そういった欠点があったことも指摘はしておきたいのだ。



 かくて、黄昏の夕陽の荒野でウルトラ兄弟は皆、ヒッポリト星人によってヒッポリトカプセルに閉じこめられてブロンズ像にされてしまった! その危機を救う者は誰なのか!?


 次回予告のサブタイトル『奇跡! ウルトラの父』からも、それが「ウルトラの父」なる名前の存在であることは自明なのだが、その予告編映像では実は「ウルトラの父」のビジュアルはまったく明らかにはされていなかった! 当時はそんな処置が取られていたのであったのだ……



<こだわりコーナー>


*個人的には、2005年現在放映中の『ウルトラマンマックス』(05年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060503/p1)にヒッポリト星人といった大物宇宙人を登場させるのだとすれば、その第3クール目を『仮面ライダーストロンガー』(75年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20201231/p1)終盤の幹部級の怪人ばかりが複数同時に共演していた「デルザー軍団編」のような連続ストーリーにして、ヒッポリト星人を宇宙忍者バルタン星人・分身宇宙人ガッツ星人・暗殺宇宙人ナックル星人・極悪宇宙人テンペラー星人・サーベル暴君マグマ星人らと「地球侵略連合」を組ませて、当初は優勢に立つも仲間割れやらテンペラー星人のヘマ(笑)で壊滅してしまう! などといったストーリーをぜひ観てみたいなぁ。
 あと、異次元宇宙人イカルス星人が大怪獣軍団を操って、竜巻怪獣シーゴラスを東京湾に、殺し屋超獣バラバを新宿副都心に、宇宙大怪獣ベムスター四日市コンビナートに、どくろ怪獣レッドキングを大阪に、液汁超獣ハンザギランを北海道に、大蟹(おおがに)超獣キングクラブを瀬戸内海に出現させて暴れさせ、ウルトラマンマックスが登場するやすべての怪獣と合体して、『ウルトラマンタロウ』第40話『ウルトラ兄弟を超えてゆけ!』に登場した暴君怪獣タイラントが登場! ……などという、子供のころから、あるいは長じてからでも特撮マニア間でもひんぱんに聞くような合体怪獣タイラントの登場ネタだけど、改めて『劇場版』などでの実現をしてほしい!


*本作の33年後(本稿執筆2005年時点)の夏と秋の番組改変期(05年9月24日)に放映された『ウルトラマンマックス』の第13話『ゼットンの娘』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060315/p1)はねぇ……
 やっぱり、初代ウルトラマンをその最終回で倒した最強の怪獣である宇宙恐竜ゼットンに苦戦するマックスの場面で終わらせることで次回へのヒキとして、新キャラクター・ウルトラマンゼノンは後編である第14話『恋するキングジョー』(なんというサブタイトル・汗)の方に助っ人(すけっと)参戦で登場させた方がよほど盛り上がっただろうに。一応は前後編なのだからさぁ。ゼットンも出番が少なすぎ! もったいないぞ。結局、ゼットンよりもベテラン脚本家・上原正三先生は「娘」の方を描きたかったのだろうねぇ……


*視聴率22.8%


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2007年号』(06年12月30日発行)『ウルトラマンA』再評価・全話評大特集より抜粋)


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