Shaun of the Dead
ロンドン郊外に住むショーンは30歳の家電屋店員。親友である居候のエドとパブで過ごす毎日で、遂に恋人のリズに振られてしまう。落胆してパブで飲んだくれるショーンだったが、一夜明けると世界はゾンビに席巻されていた。愛するリズと母を救うべく、ショーンはクリケットのバット片手に立ち上がる!
A Romantic Comedy. With Zombies.
ジョージ・A・ロメロの名作『ゾンビ』への思いが込められたホラー・コメディ。ゾンビに襲われたらアメリカ人が逃げ込むのはショッピング・センターならば、イギリス人はパブ。アメリカ人が銃で応戦するならば、イギリス人はクリケットのバット。
監督のエドガー・ライトと主演のサイモン・ペッグは、本国で人気を博したテレビ・コメディ・シリーズ『Spaced』のコンビ。この2人が書いた笑いと恐怖が一緒になった脚本も中々しっかりしており、単なるパロディではない作品として楽しめる。愛するものを失う悲痛など、『ゾンビ』のリメイク版『ドーン・オブ・ザ・デッド』より良く出ており、ゆったり歩いて人肉を食らう正統派ゾンビの描写と共に、こちらの方がロメロ版『ゾンビ』の本質を上手く捉えているとも言える。
音楽の使い方も秀逸で、『ゾンビ』からの流用だけではなく、クィーンの楽曲の使い方なども可笑しい。
尚、本作を観て気に入ったというジョージ・A・ロメロは、『ランド・オブ・ザ・デッド』でエドガー・ライトとサイモン・ペッグをカメオ出演させている。役どころは序盤に登場する、鎖でつながれたゾンビ。ポスターにも大写しになっている役でもある。