
ポイント
概要
面積 | 111,370平方キロメートル(日本の約3分の1) |
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人口 | 約347万人(2008年:国勢調査) |
首都 | モンロビア(MONROVIA) |
民族 | ゴラ族、クペレ族、クル族、バサ族等16部族 |
言語 | 英語(公用語)、その他各部族語 |
宗教 | 国民の90%が伝統宗教、その他にキリスト教とイスラム教 |
歴史
- 1821年 アメリカの解放奴隷がリベリアに入植を開始。
- 1847年 リベリア建国。入植者による一党支配が始まる。
- 1980年 軍事クーデタ サミュエル・ドーが大統領に就任(不正選挙の疑い)
- 1989年 リベリア国民愛国戦線(NPFL)による反乱 。
- 政府軍:サミュエル・ドー vs NPFL反乱軍:チャールズ・テーラー(現大統領)
- →ドー軍は住民を虐殺→住民がNPFLを支持→NPFLの勢力拡大
- 1991年 各地で反政府組織が結成され、全土が混乱状態に。
- この時の人口250万、うち200万人が難民化。
- 1996年 停戦合意 死者は10万人以上
- 1997年 大統領選 テーラーが圧勝。
- この後も各地で反政府組織による襲撃が続く。
- 2001年 国連による制裁 隣国シエラレオネの反政府勢力支援で。
- 2003年4月 反政府組織、リベリア民主運動(MODEL)が港湾都市Greenvilleを支配下に置く。
- 反政府組織、リベリア和解民主連合(LURD)が首都に侵攻。
- 市民がスタジアムや学校に逃げ込みホームレス化、大通りには数百の死体が横たわったままに
- 2003年6月17日 政府、MODEL、LURDが停戦合意
- 2003年7月4日 テーラー大統領、平和維持のための多国籍軍派遣を条件に辞任の意向を表明
- http://216.239.53.104/search?q=cache:QoVlUhD7VJoJ:news.fs.biglobe.ne.jp/international/ym20030704id27.html
- 2003年7月6日 ナイジェリアがテーラー大統領の亡命を受け入れ
- http://www.toonippo.co.jp/news_kyo/world/CN2003070701000042.asp
- 2003年7月12日 ブッシュ米大統領がナイジェリアのオバサンジョ大統領と会談
- http://www.toonippo.co.jp/news_kyo/world/CN2003070801000027.asp
- http://www.cnn.co.jp/world/CNN200307100028.html
- 2003年7月19日 テーラー大統領が徹底抗戦を主張・国際平和維持軍が到着するまでは出国しないと言明
- 2003年7月20日 LURDによる首都砲撃激化
- http://www.cnn.co.jp/world/CNN200307210007.html
- 2003年7月21日 20万人が避難しているとされる。首都中心部では政府軍の狙撃手が家屋の屋根で待帰、路上でも兵士の姿が見られるようになり...
- http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/kokusai/20030721/20030721a3040.html
- 2003年7月28日 反政府勢力、第2の都市制圧
- http://www.toonippo.co.jp/news_kyo/world/CN2003072901000051.asp
- http://www.asahi.com/international/update/0729/009.html
- 2003年7月29日 リベリア反政府勢力が一方的に停戦宣言
- http://www.asahi.com/international/update/0730/007.html
- 2003年7月30日 反政府勢力の停戦宣言を政府軍が拒否
- http://www.asahi.com/international/update/0730/013.html
- 2003年8月2日 リベリアのテーラー大統領、11日辞任へ
- http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030803-00000461-reu-int
- http://www.asahi.com/international/update/0803/002.html
- 2003年8月4日 平和維持部隊がリベリア入り、市民は踊りで歓迎
- http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030805-00000600-reu-int
- 2003年8月5日 リベリア大統領、出国に消極姿勢 戦犯法廷が起訴を取り下げなければ出国の意思はない
- http://news.goo.ne.jp/news/reuters/kokusai/20030806/JAPAN-121720.html
- 2003年8月7日 米軍7人の小部隊を派遣、今後20人まで増やす可能性
- http://news.goo.ne.jp/news/reuters/kokusai/20030807/JAPAN-121820.html
- 2003年8月7日 平和維持部隊がモンロビア入り なかには兵士の軍靴を磨く者まで
- http://news.goo.ne.jp/news/reuters/kokusai/20030808/JAPAN-121957.html
- 2003年8月7日 テーラー大統領の退陣とブラー副大統領への権限移譲に関する動議を圧倒的多数
- http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030808-00002027-mai-int
- http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030808-00000843-jij-int
- 2003年8月8日 暫定政権めぐる主導権争い激化 LURD幹部はテーラー大統領が政権をブラー副大統領に引き継ぐ意向を示したことについて「受け入れられない」
- http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030809-00003022-mai-int
- 2003年8月9日 競技場に避難民5万人、草葉で飢えしのぐ
- http://www.asahi.com/international/update/0809/005.html
- 2005年10月11日 第1回大統領選挙。11月23日の決選投票で元国連開発企画局アフリカ局長のエレン・ジョンソン・サーリーフが元サッカーのスター選手ジョージ・ウェアを下し、アフリカ初の選挙によって選ばれた女性大統領となる。
- 2006年3月29日 テーラー元大統領、シエラレオネ内戦扇動の容疑(後述)でナイジェリアで身柄拘束。リベリア経由でシエラレオネに移送される。オランダのハーグにある国際刑事裁判所で審理。
- 2012年4月26日 テーラー元大統領に有罪判決が言い渡される。
- http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE83Q00R20120427
記事
隣国シエラレオネに旧宗主国のイギリス、コートジボワールにはフランスが軍隊を派兵し、いずれもテーラー大統領の息のかかった反政府勢力が暗躍するなかで、解放奴隷が建国したリベリアはアメリカとの因縁が深く、ブッシュ大統領として無視できない事情がある。しかも、テーラー大統領は国際テロ組織アルカイダへの支援疑惑も浮上している。
停戦合意が崩壊したのは、「お尋ね者」のテーラー大統領の処遇問題がある。テーラー大統領はシエラレオネの内戦で、市民の手足を切り落とす残虐行為で知られる反政府勢力「革命統一戦線」に、ダイヤと引き換えに武器を送るなどの支援を続け、特別法廷から起訴されているが、停戦合意の中に、テーラー大統領が加わらない暫定政府の樹立が盛り込まれていた。
隣国のリベリア政府はシエラレオネのRUF支配地からダイアモンドを輸出させ、RUFに軍事設備を売ることによって、国連制裁を破っていると非難されている。リベリア自身、国北部において市民は、政府勢力と反政府武装勢力による人権侵害に苦しんでいる。リベリアから輸出されるダイアモンドはほとんどないが、リベリア政府はそのRUFとのダイアモンド貿易の利益を人権侵害に寄与する武器や軍事設備を調達するために使用していると非難されている。
シエラレオネでは、内戦が10年以上続き、これにより5万人が命を落とし、1万人が手や足を切断され、100万人の人々がホームレスとなっているといわれている。
難民女性への虐待やレイプは日常的。選挙の投票を阻止するため、RUFは「みせしめ」として手足を切断したりする。
国際人権保護団体アムネスティのサリル・トリパシ氏は、「富裕国の若い女性が買った指輪のせいで、シエラレオネでは女性1人の手足が切り落とされているかもしれない」と話す。
ロンドンの環境・人権保護団体「グローバル・ウィットネス」のアレックス・ヤースリー氏は、「手足を切断された市民たちは、米の収穫作業ができなくなり、食糧をRUFに頼るようになる。シエラレオネ国軍も食糧の道を絶たれ、国全体が飢餓のために不安定化する。RUFはそれを狙っているのです」と説明する。
リベリアの問題は何なのか。
問題は非常に複雑だ。チャールズ・テーラー大統領はかなり残虐なやり方で権力を掌握しただけでなく、隣国シエラ・レオネの内戦を扇動した。彼は他の隣国にも介入しており、テーラー大統領がこれ以上困難を醸成するのを隣国が嫌ったこともリベリアにおける現在の暴動の原因の一つだ。彼はまた、シエラ・レオネのダイヤモンドの密貿易の中継点としてリベリアが利用されるのを認めたことでも非難されている。彼はマサチューセッツ州の脱獄囚で、大統領にふさわしい人物だとはとても言えない。彼は確かに国民によって大統領に選出されたが、それは当時人々が、もし彼が大統領に選ばれなかったら、(彼が内戦を煽ることで)内戦がさらに悪化すると考えたからだ。だからブッシュ大統領が彼に退陣を要求したのはいい判断だと思う。
内戦のいきさつは、西アフリカ諸国経済機構(ECOWAS)が1990年当時C・テーラーの軍事力による政権乗っ取りを許さず、平和維持軍を派遣してリベリア和平を実現したとき、シエラレオネがその出撃に基地を提供したことにありました。テーラーはこれを根に持ち、シエラレオネに反乱軍を育成援助して隣国に復讐し、同時にダイアモンドの富も入手できる一石二鳥の行動を開始したのでした。1991年です。反乱軍の首領サンコーは当時テーラーの別荘に住み、そこからシエラレオネに侵入しました。内戦の始まりでした。