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新幹線大爆破

映画

新幹線大爆破

しんかんせんだいばくは

1975年東映より公開されたパニック系アクションムービー。

それまで仁侠映画を数多く手がけてきた東映がその路線とイメージからの脱却を図るべく、当時の洋画におけるトレンドであったパニック系アクションの制作に乗り出したその第一作目。

新幹線が時速80キロを下回ると爆発するという状況下の中で繰り広げられる、犯人と国家との攻防劇。

同時期に公開された「タワーリング・インフェルノ」のヒットもあり、任侠路線が色濃く残る東映のイメージもあいまって興行的には失敗であった。

しかし1980年代以降、同作品のビデオレンタルやテレビ放映がされるにつれ徐々に高い評価を得るようになり、2005年現在に至ってもなお多くのファンを魅了している。

2001年、東映50周年記念を機に同社がDVD化希望の映画タイトルを投票により募集したところ、3位にランキングされ翌年DVDが発売される。

DVD化により公開当時の直接世代とは言えない10代後半〜30代前半にも一気に認知度が高まり、「太陽を盗んだ男」と並んでカルトとも呼べる熱烈なファン層も存在している。

物語は新幹線に爆弾を仕掛けた犯人、危機の回避に全力を尽くす国鉄、犯人逮捕に躍起になる警察、パニックを起こす乗客の姿で主に構成されている。

パニックムービーの典型的な構図ではあるが、国鉄の一切の協力が得られない中で隠し撮り映像や模型での代替といった苦肉の策がとられており、「撮影技術の進化した現代の観点」からの当時のスタッフへの賞賛のところが大きい。

反面、現代ゆえに当時の特撮がチープに見えることや、おそらくは現代では受け入れられないであろうご都合主義的な展開が滑稽に感じることもあり、当時の監督の意図とは違った視点からこの映画を捉え、皮肉を込めて「名作」(=迷作)と評する層も少なくない。

犯人側の人生背景にも大きくスポットが当てられており、町の零細工場の経営に失敗した男(高倉健)がどういった経緯で犯行に至ったのかが、日本の高度経済成長時代への批判を暗示しつつ明らかにされていく。

こうした悪役(=犯人側)にもドラマを与え感情移入を狙った複雑な描写は邦画ならではのところがあり、単なるパニックムービーとして括れないことが高評価に繋がっている。

(事実「SuperExpress109」(フランス語吹き替え版)では犯人側の犯行動機やそれまでの人生背景を推察できるシーンが大きくカットされている)。


リスト::日本の映画::題名::さ行

新幹線大爆破 [DVD]

  • 制作国 日本
  • 制作年 1975
  • 配給  東映

制作

監督 ................  佐藤純弥

助監督 ..............  岡本明久

脚本 ................  小野竜之助 佐藤純弥

原案 ................  加藤阿礼

撮影 ................  飯村雅彦

音楽 ................  青山八郎

美術 ................  中村修一郎


主な配役

高倉健   (犯人グループ頭目・沖田哲男)

宇津井健  (国鉄運転司令長・倉持)

矢野宣   (四菱物産社員・南)

山本圭   (犯人グループ・古賀勝)

織田あきら (犯人グループ・大城浩)

千葉真一  (ひかり109号運転士・青木) 

全キャスト一覧はこちら


<参考・関連サイト>

新幹線大爆破 研究室入口

「はしれ超特急」(南の放歌)

監督談話(2002年)