カッパのミステリー

 綾辻行人さんのファンサイトなのでしょうか。綾辻行人データベース にこんな書き込みがありました。

▽カッパ商法って、何?(パン屋のないベイカーストリートにて 3/09)2005年8月14日にも出てくるんですよね、角川ブロックバスター戦略は何となく分かるような。この方のブログ記事も関連‥してるのかな、いまいちよく分からないけど。

 この方のブログっていうのが、僕のことなので、そのいまいちよくわからないのが、よくわからないのですが、神吉晴夫のカッパ大将(ニックネームだったのです)について興味をもっているらしいですね。
 それで、僕も気になり検証すると、僕なりの勘違いを発見しました。光文社の創業者であったので、カッパブックスから発売されていたと思っていたのです。華書房ですね、タイトルも『カッパ商法』と思っていたら、『カッパ兵法』でした。
 もう絶版で、手に入らないが、図書館にはあるかもしれない。当時のベストセラーだったのです。
 それでも、神吉晴夫綾辻行人とがどう関係あるのか、ミステリーです。そこで、このエントリーを読んだら、『カッパ商法』なる言葉を発見したわけです。
 ついでにこの人のブログを読んだら狂のつくミステリーマニアで、吉祥寺のミステリー専門店TRICK+TRAPで、臨時書店員をやっていると言う。そもそも、東京創元新社の編集顧問をなさって、こちらのエピソードの経由で、隠居仕事を始めたらしい。
その書店員の日常が綴られているのですが、しかし、何と閉店なのですね。ミステリーにはほど遠くなったので、うかつにも、このあたりの事情を全く存じあげませんでした。

格差社会に関する文献

 雑誌『オルタ 2月号』のBOOK GUIDEで、西澤晃彦氏が『「格差社会論」を突き抜ける』というレビューを書いているのですが、「格差社会論」の変遷史を見通しよくまとめてくれている。
?「勝ち組」「負け組」を巡る道徳論→事実検証へとシフト 
?その成果の一冊として、『「ニート」って言うな!』(光文社新書
※「格差社会論争」の主要な論者は、経済学者であれ社会学者であれ、「個人の『能力』の有無が地位を決定する」というフレームは共有している。しかし、西澤さんは機会不平等が見いだされて批判されてきたが、個人の能力の有無が地位を決定しない現状を、イレギュラーな阻害要因と見なしていいのか、むしろ、それは周縁的なもので、「個人の『能力』の有無が地位を決定しない」ことが、社会のあるいは経済の常態ではないかと言う。「能力」以前の絶対的なメカニズムをこそ把握しなければならない。
その通りだと思う。
?佐藤俊樹『不平等社会日本ーさよなら総中流』(中公新書)、『00年代の格差ゲーム』(中公)において、地位の要因として『能力』を置く従来の階層論の「もっともらしさ」が、「総中流の物語」によって保証されたものでしかなく、それが今、崩れつつあると論述されているとする。そうであるなら、貧困のリアリティが多くの人々に共有され始めたとき、格差社会論を突き抜けた言葉が要請されることになる。そういう時代に生きているんだと西澤さんは書く。
?そのような成果の文献は『貧困と社会的排除』(ミネルヴァ)、『現代日本の「見えない貧困」』(明石書店)、『排除される若者たちーフリーターと不平等の再生産』(解放出版)であるとして、そこに「能力」以前の排除のメカニズムを抉りだすものだと紹介しているのですが、前日のエントリーで僕自身が言及した武田徹さんからの引用『徴』について僕の関心どころは伸びている。「徴」のない、「カテゴリーライズ」されない、「見えない」弱者とも言うべきものに対する排除のメカニズムなのです。
?で言及されている市野川容孝『社会』(岩波)はそのような拡がりをもったものかもしれない。

社会的排除について考えることは、異質とされて排除されたカテゴリーを再び「社会という拡がり」について想像することでもある。社会を、すでにあるものとしてではなく、たえず再構築されるべきものとして見る視点が求められる。(31頁)

「ニート」って言うな! (光文社新書)不平等社会日本―さよなら総中流 (中公新書)貧困と社会的排除―福祉社会を蝕むもの (講座・福祉社会)現代日本の「見えない」貧困 (明石ライブラリー)排除される若者たち―フリーターと不平等の再生産社会 (思考のフロンティア)
 参照:ものすごいコピー:亡霊化 - フリーターが語る渡り奉公人事情補足:亡霊化 - フリーターが語る渡り奉公人事情
自分の軸を定めたい - 風の旅人 編集便り 〜放浪のすすめ〜

トラバに応えて助走

 eireneさんのトラバに応答して、以下のようなコメントを書いたのですが、

 どうも、あの時代はフーテンであれ、風来坊であれ、プータローでもいい、ビンボーであるけれど、豊かな心を持っているんではないかって言う神話(まあ、僕はそんな大げさな哲学を持っていたわけではないが、今で言うホームレス、乞食を見たとき、樽の哲人ディオゲネスではないかと、思い過ごし?をするような傾向が時代にあったですよね。奥田瑛二の物語もそのような安藤さんの暖かい眼差しに引っかかったわけでしょう。そこまで、極端でなくとも似たような物語がありました)、都市伝説のようなものかもしれないが、(去年、話題になった映画『ヨコハマメリー』のメリーさんに対する地域の眼差しも時代によって変化したのが読みとれますね)
 そのこととは別に僕が強調したかったのは、多様性が要請される時代の進展によって、確かに様々な弱者が法律的に手当され保護されていったが、武田徹さんがオンライン日記『人間の条件』(1月2日)で書いていたように「徴」が明確な弱者が運動の積み重ねで、権益を獲得したわけですよ。でも、赤木さんのようなフリーターは明確な「徴」がない。社会的に顕在化しないわけです。見えないのです。
 その見えなさを赤木さんは、いわゆる左翼の人たちが見えるようにして異議の申し立てをするのかと、期待していたが、いつまで経っても自分たちの既得権を死守することで、手一杯なのか、すぐに自分たちの既得権を脅かさない「反戦・平和」しか語ろうとしない運動になってしまった、そのことに対する違和を赤木さんは表明したんだと思う。まあ、これは僕の赤木解釈で、赤木さん本人は違うよと言うかもしれないが、僕はそんな風に思っています。
 ここまで、書いて、長くなりそうなので、続きというか、まとめというか、僕のブログにエントリーして書きますよ。僕自身書いたテクストを整理して参照としてアップもします。
 キーワードは?「ネタとして消費されたビンボーがマジなものとして押し寄せ始めた時代」(南北問題の国内化)、?「見える弱者/見えない弱者」(徴の問題)でしょう。

 というような約束をして、念のため赤木さんに関する僕の過去データを時系列で読んでみようと思ったら、去年の夏から半年に渡ってアップされていたのですね、
 あまりに多いので、短時間で読み返すことが出来ません。取りあえず、データだけ参照としてアップします。
 最初は「バックラシュ!」から始まったのです。 

 34歩の助走をつけて、
1歩男性問題のバックラッシュ?? - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
2歩男でも女でもまず「依存しない思考」を構築する/社員募集 - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
3歩蒸し暑すぎます。せめて湿度を下げて!「バックラッシュ」 - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
4歩多分、若いツバメは弱者男性ではないんだろうなぁ…、 - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
5歩婆(爺)クラッシュ!? - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
6歩婆(爺)クラッシュ!? - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
7歩婆(爺)クラッシュ!? - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
8歩僕は自堕落な猫になりたかった - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
9歩講演ブログレポをトラバしてくれないかな… - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
10歩自己表出はソウロウ文?他者を歓待(表現)? - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
11歩好きなことを語って欲しいのです。 - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
12歩「街的」本屋さん - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
13歩感情の政治学のメモ? - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
14歩感情の政治学メモ? - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
15歩叫び→普遍 - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
16歩ささやかな夢は妄想か - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
17歩生きさせろ! - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
18歩即身成物 - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
19歩現代の貧困 - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
20歩アイホー!ワーキングプア - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
21歩僕の仕事は家事労働 - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
22歩地方議会議員はボランティアで、 - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
23歩豊かさと「生き辛さ」 - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
24歩家畜人元年にならないために - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
25歩ひきこもり/親の家出 - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
26歩ネットラジオで♪ふらふらフラフープ♪ - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
27歩サイナラ! - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
28歩赤木さんのコメントに対する返信 - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
29歩緊急告知!ネットラジオ♪が始まった - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
30歩再チャレンジ支援プラン? - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
31歩村・街つくり、子育て支援 - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
32歩今晩はお仕事?アクセスが一部、聴けます♪ - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
33歩「論座」が面白くなってきましたね、 - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
34歩「不安社会ニッポン」をどう生きるか - 葉っぱのBlog「終わりある日常」

 五里霧中で書いていますね、でも段々とカタチを成し始めているのは見て取れる。最新はこのデータというわけか。
 ★トラバに応えて、♪ビンボー - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
 ◆内田樹さんの分析はこちらです。「意地悪化する社会──神戸女学院大教授・内田 樹(1月10日)」いじめ問題と繋がっている。