マンガLOG収蔵庫

時折マンガの話をします。

医療マンガをめぐる状況を調べてみる

ここしばらくの間、原稿紛失問題に関連する記事を中心に書いています。
その流れでいろいろとサイトやブログを読み漁ったりもしていますが、そんな中で 2ch まとめサイトのどこかで少し気になる書き込みが転載されていました。

どのサイトだったかは思い出せないのですが、出版社・編集者側を揶揄する内容の書き込みで、「○○は××のパクリ」といったよくあるタイプのものです。
当然『LOST+BRAIN』や『フェアリーテイル』とかが槍玉に上がる訳ですが、その中に「『最上の命医』は『医龍』を描けと命じられて描いたもの」という趣旨の書き込みがありました。
真偽云々はまぁ 2ch ですから、個人的な印象を反射的に書き込んだものでありましょう。

僕がそれを読んだ際思ったのは、「まぁ確かに設定(主人公が天才医師、医局のしがらみに頓着しない等)は似ていると言えば似ているけど、同じ小学館の雑誌だし・・・(´ω`;) 」というものでした。
で、その時ふと思ったのが、

小学館の雑誌って、医療マンガがやけに多くないか?」
ということです。

とりあえず、思い付く範囲内で挙げてみます。

コンビニで売っている少年誌・青年誌をほぼ網羅していることが判ります。
因みに「ヤングサンデー」は近々休刊になりますが、『Dr. コトー』は人気作品なのでどこか別の雑誌に移行することが予想されます。可能性が最も高いのは医療マンガがない「ビッグコミックオリジナル」です。
他の小学館の雑誌には「IKKI」や「サンデーGX」がありますが、如何にも雰囲気が異なります。

仮に「オリジナル」へ移行した場合、(コンビニで見掛けるような)小学館男性向マンガ誌全てに医療マンガが載ることになります。
これは単なる偶然なのか、それとも出版社・編集部でこの題材を押しているのか、或いは有力株主や上層部の交友関係に医療関係者がいたりするのか判断つきかねるところです。

では小学館以外の出版社で、医療マンガはどのくらいあるのでしょうか?
これも思い付く範囲で挙げてみます。


こんなところでしょうか。
講談社が比較的健闘してはいますが、やはり小学館のラインナップに比べるとちょっと見劣りがします。
『JIN』(これは集英社)は非常に面白いものの、医療というよりは歴史・SF的な面が強いです。
『K2』は、『スーパードクターK』に比べると微妙な印象は拭えません。
『Ns' あおい』はいちおうドラマにもなっていますが、雑誌の中核を担うという感じではないのが正直な感想です。表紙を飾る率は非常に低いと思う訳です。(そういえば『ブラックジャックによろしく』は「モーニング」の看板的な作品でしたが、長期休載したかと思ったら突然「スピリッツ」に移ったという経緯があります。)
『なみだ坂診療所』に至っては、連載8年目にも関わらず単行本が殆ど出ていないという不遇をかこっています。(ノД`)

ゴッドハンド輝』がやたらと優遇されている背景には、案外このあたりに事情があるのかもしれませんね。連載中なのに文庫化される作品って、そうそうありませんよ。
何か出版社としての沽券みたいなものがあるのかもしれません。
まぁこれはあくまで僕の妄想なので、まったく関係ないかもしれませんよ。(´ω`)