原典のほう


二次創作に対する「一次」の方は「フジリュー封神」
フジリュー封神に対する安能さんの小説が「原作」
安能さんの小説に対する中国古典が「原典」
と、いうわけで。中国古典のほう。


作者の名前は一応「許仲琳」なんだけど、これはほとんど記号としてしか意味を持っていない。いつのどこの誰かは不明。書かれた年代は分かるけれど。つか「許仲琳」ってペンネームだろうと思う。
ただ、「それほど教養は高くない」「でたらめだらけで文章は稚拙だ」と、文学作品の出来としては酷評される。魯迅封神演義をけなしている文章を読んだ事がある(なんだっけな…水滸伝に比べて神怪的すぎるし、三国志演義に比べて勇壮さに欠ける、とかなんとか…)。
封神の価値は民間の宗教文化に多大な影響を与えたところにあるんで、それは仕方ないとして。
だけど、完全に無教養の人間なら、あんなの絶対に書けない。少なくともまず読み書きが出来たわけだし、きちんと史記や正史を読んでいる。主に作品のベースとして使った二つの短編歴史小説があるんだけど(封神もある意味二次創作だ)、その短編を読んで封神演義みたいな長編小説を書いちゃう人が、そんな頭の悪い人のはずがない。まあ、もちろん格調高い小説じゃない事は私も同感なんだけど。


どうして、教養は高くないとかこき下ろされてるかっつーと、文体にものすごい揺れがあるから。それと、知識がなさすぎる、というのかな。時代考証完全無視、というか。
そういうのを封神に求めてはだめだろう。「封神」のもとになった歴史小説にも間違いがあるわけで。そして何より「封神演義」は決して「歴史小説」じゃないのだ。たとえ許仲琳がはじめ歴史小説を書こうと思って書き始めたにしろ、そのうちそんなつもりはなくなっている。


許仲琳の「間違い」として、名前がおかしい、というのがある。たとえば趙公明。普通ならこれは趙という国の明という人の名前だ。崇侯虎も同じ。それと南宮適は「南宮」が名字なのに封神では「南将軍」と呼ばれ、つまり南の単姓だと思われている。それに武成王が紂王の下で働いていたり(だいたい「紂王」だって当時そう呼ばれているわけじゃないし)するわけなんだけど。
それが「間違い」じゃなくて、作者が分かっていてやった「悪戯」だとすると…と思い当たって私は萌えてしまった。え…!? ほくそ笑んでる許仲琳かわいい…!?
少し前に書いた「雲中子」だって、まあ当人が「私は雲中子という者です」とか言ってるので敬称の「子」だとか私の動揺まるで無効化してくれちゃってるんですけどね。孔子が自分で「孔子です」て名乗らないっつの。(孔子さんの名前は丘といいます。姓が孔で名が丘)あ、仙人の「天尊」とかは肩書きにもなるから名乗っても(私は)不自然には感じない。
で、なんか「分かってるんだけど、ま、いっかぁ」みたいなノリで書いていて欲しい(願望)。時代考証とか別にいーよ面倒くさいから、って。元始天尊って本当は偉い人だからこんな言い回ししないんだろうけど、多少砕けたほうが親しめるから、まーいっか、とか。かっちょいい軍師姜子牙だってたまに弱気になって免戦牌掲げて逃げ腰になってもかわいいじゃん、みたいな。辛受なんて言っても分かり難いから紂王でいいよ、って。


フジリュー封神で楊ゼンが元始様を足蹴にしたりする感覚。宝貝がやたらハイテクだったりナタクが反抗期だったり、そんなフジリューに対して「時代考証が」とか突っ込むよりももっと別の楽しみ方があるだろう?っていうのと同じ話。
…なんか、どうしても許仲琳擁護派になってしまう。好きだからなー。腐女子にも負けず劣らずの妄想力を持った人だと思います。しかも独創力ももっているので私からは尊敬の対象ですらあります。
本当はある程度教養のある人が、色々分かっていて馬鹿なふりをして書いた本だと、シチュ萌え…。たぶん自分の知ってる人にバレたくなくてわざとそんな。市井に広まっていって評判になった時も、作者だとバレるのが嫌で「ああ、あれ?面白いよね」とかって知らん顔して実は内心ニヤニヤしてるとか。許仲琳、素性全然分からないから。
文学作品として評価得られなくても良いからとにかく面白い物が書きたい、と思ったのは多分外してないと思うけど。どんな人だったんだろうー。


あ、宗教に関しては私があんまり詳しくないので評価できない。なんかなー、確か本当の仏教では同一の存在の人物をモデルに、封神では二人のキャラを生み出したりしている。道教の神様と仏教の仏様をごっちゃにしていたり。
そして何よりすごいのが、封神以降、封神演義での間違った神様がそのまま民間に根づいてしまっていたりすること。浸透しすぎ(笑)。それってある意味ものすごい「評価」だと思う。


ビバ封神演義

はてな


今日のはてなの「注目キーワード」。
はてなダイアリー全体で頻出キーワードの上位5つが表示されます。
これで最近何が一般に注目されているのか測れますが。


バルス
ラピュタ
ムスカ
天空の城ラピュタ
ジブリ


すげー。不朽の名作だー。
私にとっては封神演義も不朽の名作なんだけど。(なんたって年季が違う)


色物で海、なんて良いですねー。ビーチボールを持っています。
腕を細くしすぎたか。もうちょい逞しくしておこう…。
男の裸は描いてても楽しくありません(何)。道徳くらいならちょっと楽しい。
ていうか男の人の水着で個性を出すのが、私の知識的に限界。え、えぇ…??
『げんし○ん』のメンバで海に行ったシーンと、『よつ○と!』のとーちゃんとジャンボくらいしかサンプルがいません(二次元か!) 裸はともかく水着って。分かんないよ。海は好きだけど海水浴は嫌いだし。
雲中子あたりは薄手のパーカとか羽織ってそうです。泳がないつもり満々。海辺の生き物観察してそう。ヤドカリとか。
呂岳のオプションは浮き輪だったら可愛くて仕方ないです。さすがに片眼鏡は外すのか…?
太乙は小物持たせるならサングラスあたりか…。それともハイテクっぽい水鉄砲か。でも描けないのでアウト。