遺伝子検査 MYCODE を受けてみた

遺伝子検査 MYCODE を受けてみた。東京・神奈川在住・在勤の人向けに割引キャンペーンがある。唾液を採取して返送すると、2週間ほどで、その結果が Web サイト上で見られるようになる。かなり詳細で、たとえば以下のようなことがわかる:

体質については、人間ドックの結果とだいたい合っているかな。人間ドックのオプションを選ぶ時の参考にして、検査代を少し節約できるかもしれない。

個々の病気に関する丁寧な解説・予防のためのアドバイス・また論文の根拠がどの程度支持されているか。そういったものを読むことができる。人間ドックの医師が提供してくれる情報量よりも多いかもしれない。人間ドックは現在の状態を示すもの、遺伝子検査は将来の発症リスク、相互に補完するもののように感じている。

遺伝子検査からは、非常に興味深い結果がわかり、健康であり続けるために生活習慣や環境を改善する一助とするものである。しかし難病のリスクや長生きの可能性など、中にはかなりドキドキする項目もあり(これらの項目を見る時にはいったん確認の画面が出る。見たくない人は見る必要はない)、結果を知ってくよくよ悩むタイプの人は、やらない方がいいかもしれない。

また Facebook の知人からのコメントによれば、この種の遺伝子検査自体は医療の範疇にはなく、また米国と違って当局の監督も行き届いていないので、今のところは、「ポジティブな結果に慢心せず、ネガティブな結果に悲観せず」という態度がよいだろうとのこと。まだ発展途上の分野で、技術の進展と規制強化の両方が必要で、それからが本番では?という意見。なるほど。

正直に言うと、興味本位と言うか、純粋に好奇心でやってみた感がある。結果については、参考程度、「血液型話よりは信憑性があるんじゃない?」くらいと受け止めている。特にミトコンドリア DNA の分析により、自分の母方の祖先が、中国の南部で稲作を始めた「稲作の民」で、弥生時代に日本に入ってきたらしいことを確認しただけでも、飲み会での話のタネになる。この中国南部での稲作の時に、突然変異でお酒に弱い人たちが出てきたらしいのだが(篠田謙一『日本人になった祖先たち』)、幸か不幸か、僕はお酒には強く、顔も赤くならないタイプなのであった。

今回、僕がやった MYCODE の体験記には、たとえば「唾液を送るだけの遺伝子検査『MYCODE』をやってみた! 280項目の検査結果がいろいろスゴイ」がある。

日本人になった祖先たち DNAから解明するその多元的構造 (NHKブックス)

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社内起業家育成プログラム「始動 Next Innovator」からの学び:パネルセッション・メモ

日本企業のオープン・イノベーションを支援する試みとして、経済産業省は「シリコンバレーと日本の架け橋プロジェクト」を行っている。その一環で、2015年に実施した社内起業家をシリコンバレーに送り込む育成プログラム「始動:Next Innovator」から得られた学びと課題を議論するパネル討論「イノベーション創出と新規事業人材の育成」を聴講した(2016年2月17日)。以下は、その時のメモである。

1. 導入

2. 自己紹介

  1. 経産省:石井氏
    • 経産省が発起人となり、日産・志賀副会長(産業革新機構CEO)、WiL・伊佐山 CEO、デロイト・トーマツベンチャーサポートと一緒に、シリコンバレーとの架け橋プロジェクトを実施。
    • 下記のようなことを実施している:
      • 人材を選抜・育成する「始動」プロジェクト
      • 機会を提供する MOMENT カンファレンス
      • 企業支援:中堅・中小企業派遣
    • ベンチャー・エコシステム形成のために、など、日本の企業のオープン・イノベーション、大学改革に取り組んでいる。
  2. WiL: 伊佐山氏
    • シリコンバレー在住 15年。
    • WiL のミッション:大企業のオープン・イノベーションを支援、起業家精神を啓蒙して日本をベンチャー大国に、日本とグローバル起業家の架け橋となる。
    • シリコンバレーのベンチャー・エコシステムがそもそも違う。"Software Leading World" というトレンドに日本は取り残された。それを変えるには時間がかかる。スピーディにやるために、シリコンバレーに「出島」を作ろう、そこを実験やパートナリングの場としよう。
    • 450億円資金調達して下記を実施:
      • ベンチャー投資: 360M $: シリコンバレー企業との直接の窓口
      • ビジネスクリエーション:外部から大企業を指導・啓蒙、そのうち企業内に事業創造の文化が育つ。
      • 教育・人材育成
  3. 日産副会長:志賀氏(産業革新機構 CEO)
    • 日本の自動車産業は強い(世界シェア:29%、ドイツ: 16%)。しかしそれは 90% がハードウェアだから。これから車はソフトウェア製品になる。インターネットに常時接続し、自動運転の時代になる。そのとき、日本は自動車産業でも負けてしまう危機感を持っている。
    • 「すり合わせ」による品質維持という現場力が競争力の源泉であることは決して否定しない。しかしここに固執し続けると世界の進化のスピードに遅れをとる。
    • 大企業経営者の強いリーダシップで、新たなイノベーションを起こす必要がある。今回の「始動」プロジェクトは、大企業の中でイノベータが育成できるのか、を検証する試み。

3. 「シリコンバレーとの架け橋」プロジェクトをやってみて

  1. 経産省:石井氏
    • 「始動」では、応募のあった数100人の中から 120人を選抜、さらに 20人を選んでシリコンバレーを体験させた。その熱量が継続している。
    • 参加者たちのネットワークができた。
    • 会社に帰り、その企業文化に影響を与えるきざしが出てきている。
  2. 日産:志賀氏(メンターとして)
    • 日産からも「始動」に参加、別人のようになった。物見遊山ではなく、「チャレンジしない大企業の人間は、組織の最下層」とまで言われて、受けた刺激・大企業の中でイノベーションが起こしにくいモヤモヤ感を、自主的に企業内のグループで共有しつつある。
    • シリコンバレーで受けた強烈な刺激 vs. 大企業の組織・日々の仕事 というせめぎあいをどのように乗り越えていくか。
    • 大企業の中でイノベーションを起こすには?たとえトップの支持が得られたとしても既存のミドル・マネジメント層が壁になる。個人の力でそれをどう破るか。暖かく見守りたい。それは会社の寛容性・包容力の問題。
    • 『アライアンス』という本に、個人と企業の新たな関係が書いてある。企業が従業員に「成長の機会」を与えることで、個人のイノベーション力があがり、ひいては組織自体のイノベーション力をあげることにつながる。
  3. WiL: 伊佐山氏(シリコンバレーの世話人として)
    • シリコンバレーで「洗脳の儀式」で強烈な刺激を与えた。大企業の安定志向マインドは最下層とまで言われ、その刺激を帰国しても維持できている。大きく 5つの成果があった。
      1. ネットワーキング
        • 「始動」に応募する人は、企業の中ではうざいくらいの暑苦しい人たち。それなのに意外と内向き。社内を向いて 20年たつと市場価値がなく、自前主義に陥りがち。外向きの人材・ネットワーキングに価値があった。
      2. 20人選抜という競争原理
        • 仲間であると同時にライバル。競争原理を働かせることで、とがった人をさらにとがらせる。
      3. シリコンバレーという「大リーグ」世界を知った
        • 初日にコテンパンにやられた。「今の会社に退職届を出してきたのか?」「退路を断ってコミットしているビジネスなのか?」
        • 自分のビジネスプランがいかにダメかを思い知る。
        • Comfort zone から飛び出さなければならないこと。起業の「大リーグ」とはどういうところかを身をもって知ることができた。
      4. 20人→5人 にさらに絞り、会社に戻ってプロジェクト化した
        • 会社に戻り社長に直談判して、実際にプロジェクトとして実践している。
      5. 残りの 15人もフォローアップ
        • 燃料を注ぎ続ける必要があるし、これもワークしている。

4. 課題

  1. 経産省:石井氏
    • 「始動」は中堅向けだが、「イノベーション100委員会」にて、経営トップに企業内イノベーションについてインタビューした。、そこで下記のような課題が挙がっている。これは 2016/2/26 の日本ベンチャー大賞のカンファレンスで発表する。
      1. 今までの成功モデルから脱却できるか
      2. 既存事業の短期成果に固執していないか
      3. 本質的な(表層ではない)顧客ニーズがつかまえられているか
      4. 現場とトップがつながっているか
      5. 内部リソースに固執、自前主義に陥っていないか
    • これらの課題解決に向けて、下記を提唱:
      • 2階建て経営(効率と創造:1F は今、2F は夢)
      • 顧客の半歩先
      • 現場で実験
      • オープンイノベーション
  2. 日産:志賀氏
    • 日本企業は ROE も低いが、従業員・役員報酬も低い。一つの産業が「過当競争」になり、働いた成果のリターンが小さくなっている。
    • ノンコアをカーブアウトする、ベンチャーを買収するなど、ダイナミックに事業ポートフォリオを組み替えなければならない(創業事業にこだわっている場合ではない)。
    • ベンチャーを、日本の大企業は買収しない。コーポレート VC もうまくいかない。新規事業も「やっています」というポーズで、本気で取り組んでいない。この悪循環を延々と繰り返している。
    • Japan Corporation の短期業績・四半期決算にこだわるのも課題。
    • 経営者の「心の岩盤」をどう崩すか。大企業の経営者の理解を高めるには?
      • マインドセットを崩すだけでは難しいのでガバナンスの力を借りる、
      • 不採算事業を囲い込まないために、ガバナンスを持ち込むことも必要。
      • 会社のルールとしてポートフォリオ組替えを常に行う。
      • 社外取締役が不採算事業・将来のコア事業について意見する。
      • 四半期決算よりも中長期戦略を議論する。
  3. WiL:伊佐山氏 大きく 3つの課題がある:
    1. 経営者の心の岩盤を崩す
      • 形だけの新規事業ではなく、自前主義に陥らず
      • シリコンバレー・オフィスを社長が必ず訪問するというコミット
      • 大企業の内部だけではやりにくいことには、外部の力を借りる
    2. 社内環境の整備・イノベーション文化の醸成
      • すぐにやれる環境、(失敗しても)やり直せる環境
      • 社内に「出島」はあるのか
      • 組織内に失敗を許容する寛容さはあるか
    3. 外とのコネクション
      • 日経新聞が国内情報に偏っているように、日本人は外を知らなさ過ぎる。
      • 外の組織をうまく活用すべき

5. 大企業のイノベーションについてメッセージ

  1. 経産省:石井氏
    • 挑戦することを、経営陣が評価・発信する仕組み、若手を伸ばして欲しい。
  2. 日産:志賀氏
    • 企業風土・カルチャーを変える。多様性を重んじる、異なる考え方や意見を受け入れる、とがった人が働けるカルチャーが必要。
  3. WiL:伊佐山氏
    • 若い人のアイディアに、すぐダメ出ししないで、いいところを褒めるべし。欠点を探すのはノーリスクで簡単。
    • トライして失敗することを奨励。成功者は必ず失敗している。失敗するから成功の率を高められる。一歩下がって二歩進む。

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社内起業家育成プログラム「始動 Next Innovator」からの学び

日本企業のオープン・イノベーションを支援する試みとして、経済産業省は「シリコンバレーと日本の架け橋プロジェクト」を行っている。その一環で、2015年に実施した社内起業家をシリコンバレーに送り込む育成プログラム「始動:Next Innovator」から得られた学びと課題を議論するパネル討論を聴講した(2016年2月17日)。この試み自体も興味深いが、企業内イノベーションについて、日産自動車・志賀副会長(産業革新機構 CEO)の話が聴けたので紹介する。

パネラーは経産省・石井氏、メンター役となった日産自動車副会長・志賀氏、このプロジェクトの仕掛け人である WiL・伊佐山 CEO(2001年からシリコンバレーに在住)。 シリコンバレーを真似するのではなく、シリコンバレーに「出島」を作り、そこで新たな実験の場やオープンイノベーション機会を作り、事業を創り、Next Innovator としての人材を育成していくのがコンセプトである。

Wil 伊佐山 CEO、日産・志賀副会長によれば、イノベータ人材育成という点で、下記のような変化・成果があったという:

日産・志賀副会長は、自社ビジネスの危機感をもって、イノベーション経営に対する考えを述べたが、経営者の「心の岩盤」という話は傾聴に値する:

一時の経営危機から V 字回復し、新たな事業に挑戦する日産自動車の志賀副会長が、短期業績と中期戦略のバランス、新事業へのトップの強いコミットメント、異なる意見を受け入れるカルチャーという話をしていたのは、参考になった。

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muranaga
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