にゃんこ先生の学習帳

2010-02-07

[]天皇制批判の常識

    

天皇制批判の常識 (新書y)

天皇制批判の常識 (新書y)

   

漏れは皇室支持者だが小谷野さんの批判は(ところどころおかしいが)大いに参考になると思っている。

つうか、漏れの天皇観を大きく修正した新田均さんの『「現人神」「国家神道」という幻想』を高く評価しているのが嬉しい。

そうなんだよねえ、「天皇制批判」するならせめてアノ本は読んで欲しいよ。

サヨクの批判って低レベルすぎてうんざりだもんなあ。

もっとも小谷野さんは「明治以前の庶民は天皇なんて知らなかった」をまた繰り返しているけど、漏れはこれは小谷野さんの負けだと思うよ。

だいたい話の流れで三権の長の名前が言えないとか言い出すのは墓穴じゃないか?

首相の名前を言えないアホな日本人でも首相という存在は知っているだろう?

今上の名前をしらないと天皇の存在を知らないことにはならないだろうに。

そもそも江戸時代以前の人間は日本の都を知っていたかという設問にしてみればいい。

どんな僻地のお百姓さんだって京の都なる存在はしっていたろうし、なぜ京が都なのかといえば、「主権者」がいるからだと観念しただろう。

その呼び名は別にしてだよ。そしてそれが天皇認識なんじゃないの?

いや、首都は江戸で将軍がトップだと思っていた、というかもしれないけど、それは「京のミヤコ」というものを知らなかったことを意味しない。

あと公平を期すなら、中世の庶民はローマ法王の存在をしっていたか?とかシナの庶民が皇帝の存在を知っていたか?というのと比較してみればいいと思う。

 

ちょっと話がずれるけど、漏れは、

僧侶神官医者学者公家武士階級で人口10%300万人。

豪農豪商≒10%≒300万人。

知識階級はあわせて20%程度とみている。

さらに本当に政治的に動けるのは5%。これはどの国でもいっしょだと思っている。

中国の読書人階級もそれくらいだったというし、中共の党員数も同じくらい(^_^)

そして同じくらい精神病者もいると想定している。

(漏れは5%の法則と勝手に呼んでる)

小谷野さんは知識階級=天皇を知っている人数としているみたいだけど、それなら漏れのイメージとだいたい合う。

でもさ、江戸時代の都市人口は江戸・大阪・京都でざっくり200万人。

そのうち都市に住む上記知識層の重複を避けても130万人くらいは天皇を知る都市庶民だろう。

それだけでもざっくり最低25%以上の認知率だろう。

あとは中下層農民の認知率をどうみるかだけど、伊勢講とかの普及を見ると意外と高いと思うんだよねえ。

そりゃ現役の天皇の名前を知っているとかじゃなくても、伊勢神宮の神様の子孫が京にお住まいだ、程度の認識を指標とするなら

日本には首相なる存在がいるんだという認識と同程度で、90%程度はしっていたんじゃないか?

だから天皇の伝統は新しいんだというのを強調しすぎるのもミスリードだと思うし、そもそも身分論による批判なんだから本論には関係ないよね。

 

第一章 「戦争責任論」という陥穽

第二章 近代「天皇制」以前に「天皇制」はない

第三章 天皇制は差別の根源か

第四章 光明皇后の易姓革命

第五章 世界の君主制

第六章 「平等」とは何か?

終章  「右翼」も「左翼」も、正々堂々と

 

追記)

おお、コメントがついている!

プロフィールにも書いたとおり、こんなブログだれも読んでいないと思って、書きかけ、修正、メモと、人様に読んで貰う体裁を整える前に走り書きだけしているエントリーが多いのだが、この本もあとでもっと詳しく書くつもりで、読み終わった5分後に感想を書いてそのまま温泉旅行(^_^)に出発。帰宅したらもうコメがついていてびっくり&感謝です。

あとで付け足すつもりだけど、この本の最大の意義は皇室制度とナショナリズムを分離したことだと思う。

最近「保守」の論客では池田信夫さんをはじめ非天皇の右派が多い。

これは伝統的な保守には不愉快かもしれないが、そもそもSCAPによって改造された奇形ニッポンを正常化するという動機は近代国家主義に基礎をもつものなのだから、敢えて天皇を持ち出す必要はないのだ。戦前ならツァーリズムの翻訳としての天皇制批判がニッポン批判になり得た部分もあったろうが、いまや制度上例えるのは無理筋だ。ましてソ連の実態が判明した56年よりこっちは、いまさら間違ってましたと言えない素直じゃないサヨク君のマスターベーションの道具になってしまったため、アクチュアリティが著しく低下した。(最近では「天皇制批判」に熱心なのは韓国系に近いキリスト教関係者という、オマエモナー的お笑い状況となっていてなにがなんだか・・・)

要するに日本の国家的犯罪なるものを叩くのにムリに天皇を混ぜようとすると論理破綻して、単なる趣味の世界になってしまう。

だから「天皇無きナショナリズム」というのは福田和也やアルル君が言うまでもなく、昭和天皇崩御後のデフォなんである。

いつまでも天皇陛下に甘えてるんじゃないよ、サヨくんというわけ。

 

で、コメントの方々に回答したい気もするのだが、明日会社なんでもう寝なきゃ、すいません(^^ゞ

 

追記)

でも、ひとこと。

小谷野説の欠陥は「天皇を知っている」とはどういう状態を言うのかを定義していないことなのだ、

文中小谷野さんの定義は揺れ動いているようにみえる。

それを踏まえた上で、漏れは、

Q1:あなたは日本に首相がいることを知っていますか?

Q2:あなたは首相の名前を言えますか?

というアンケートを施した場合のQ1の応えと同じくらいの認知率が江戸時代に既にあったと考えているのだ。。。

   

jun-jun1965jun-jun1965 2010/02/08 00:54 25%から90%へは飛躍しすぎ。それと三権の長については、それらが存在することすら知らないのが大多数。百万部の本は1%しか読んでいないということを考えるべきだし、まあ小林よしのりは現に沈黙したんだから、きちんと名前のある人が反論すればよろしい。

mailinglistmailinglist 2010/02/08 00:59 清和源氏とか桓武平氏とかは「おれたちは帝の子孫だぜ」と主張しているわけでしょう。地方の農民たちも知らなかったはずはないと思うんですよね。源氏か平氏かで日本はいっぺん割れたわけだし。その土地土地の豪族は都からの下級官吏(天皇のエージェントですな)を婿にとっていたりもした。とはいえ私は天皇制には反対だけれど、天皇の地位が廃されたからって日本が良くなるとかは別におもっていない。急ぐ必要も感じていない。ただnyankosenseeさんにうかがいたいのは現代日本人が皇室を支持するとはどういうことなのかということです(「皇室支持者」とお書きになってる)。憲法に書かれているわけだからなにも支持してますという必要はないんじゃないでしょうか。改憲の危機に瀕していたら「いざ鎌倉」という気にもなられるでしょうが。

mailinglistmailinglist 2010/02/08 01:00 >それと三権の長については、それらが存在することすら知らないのが大多数
そんなことないでしょう。義務教育で教えているはずです。

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