明るい部屋:映画についての覚書 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter



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今年から神戸映画資料館で、「20世紀傑作映画 再(発)見」と題した連続講座を行うことになりました。
4月8日予定の第1回目では、オーソン・ウェルズの『市民ケーン』について話します。もちろん映画も上映します。
まだ少し先の話ですが、よろしくお願いします。詳細はこちらで。
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評価の目安: ★(興味深い); ★★(見たほうがいい); ★★★(とにかく必見); ★★★★(大傑作、あるいは古典)

2017-03-26

[]『市民ケーン』劇場その2――漫画「ピーナッツ」と『市民ケーン』その2




4月8日
神戸映画資料館 連続講座「20世紀傑作映画 再(発)見」第1回、「『市民ケーン』とは何だったのか」



1972年10月29日

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73年12月9日のエピソード同様に、このエピソードでも、70年代はじめには『市民ケーン』は普通にテレビで見られるようになっていたことが伺える。

前回書いたように、『市民ケーン』は50年代以降はアメリカの映画館ではほとんど上映されなくなっていたと言われる。アメリカの大手スタジオが映画をテレビで放映し始めるのは、50年代の中頃のことだった。『市民ケーン』の批評的地位が復権していくのには、このテレビ放送の開始が少なからぬ役割を果たしていると思われる(ちなみに、メジャー映画会社のなかで最初にテレビでの放送を始めたのは『市民ケーン』を製作した RKO だった)。

1984年4月28日

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スヌーピーの兄であるビーグル犬スパイクがハリウッドに行き、『市民ケーン』をアニメにする企画を売り込むが、すげなく断られる。

84年はクライテリオンから『市民ケーン』の最初のレザー・ディスク版が発売される年である。85年には、RKO Home Video から VHS と Beta のビデオが発売されている。映画の見方が変わりつつあった時代である。

ちなみに、80年代末に『市民ケーン』の権利を買い取ったメディア王テッド・ターナーは『市民ケーン』をカラー化しようと目論んだが、RKO との契約には白黒でなければならないという条項があったために断念したという。おかげで、我々はカラー版『市民ケーン』などという醜い代物を見なくてすんだ。

2017-03-24

[]『市民ケーン』劇場その1――漫画「ピーナッツ」と『市民ケーン』その1




神戸映画資料館でやることになっている連続講座「20世紀傑作映画 再(発)見」第1回、「『市民ケーン』とは何だったのか」の期日が迫ってきたので、正直、ブログを更新している余裕が全然なくなってきた。というわけで、宣伝も兼ねて、当日に話す内容とはあんまり関係ないネタを、「『市民ケーン』劇場」と題して発表していくことにした。


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市民ケーン』劇場 その1

漫画「ピーナッツ」と『市民ケーン』その1

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1973年12月9日の「ロサンゼルス・タイムズ」に掲載された、スヌーピーで有名なチャールズ・M・シュルツの連載漫画「ピーナッツ」エピソード。ネタバレをギャグにした漫画なので、『市民ケーン』をまだ見ていない人は読まないほうがいい。

1978年にアメリカで出版されたアンドレ・バザンの『オーソン・ウェルズ』(いわゆる72年版『オーソン・ウェルズ』の英訳)にトリュフォーが序文として書いた文章「バザンとウェルズ」にも引用されている漫画なので知っている人も多いだろう。

トリュフォーの文章では、「1973年のクリスマスにハリウッドの人たちに最も人気のあったプレゼントの一つは、漫画を小さな額に入れたものであった。その漫画はロサンゼルス・タイムズに掲載されたシュルツの「ピーナッツ」で、内容は次の通り……」という風に紹介されている(もっとも、トリュフォーは、この漫画に登場するライナス・ヴァン・ペルトをなぜかチャーリ・ブランと勘違いしているのだが、ひょっとすると、わたしの手元にある日本語訳が間違っているのかもしれない)。

トリュフォーのおかげというわけではないだろうが、このエピソードは『市民ケーン』ファンの間ではかなり有名である。しかし、実は、「ピーナツ」で『市民ケーン』がネタにされるエピソードはこれだけではない。全部で20近いエピソードウェルズのこの作品は取り上げられているのである。その中から特に興味深いものをこれから数回に分けて順次紹介していく。

漫画のなかでの映画の扱い方は様々だが、「ローズバット」と橇をギャグにしたものがほとんどであると言っていい(だから、ある意味、ほとんどどれもネタバレである)。

1968年12月18日「ロサンゼルス・タイムズ

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「ピーナッツ」に初めて登場する『市民ケーン』ネタ。

「ピーナッツ」が「ロサンゼルス・タイムズ」に掲載され始めるのは、1950年であることを考えると、『市民ケーン』を扱ったエピソードが68年になって初めて登場するというのは興味深い。『市民ケーン』は50年代以降、アメリカ国内の劇場ではほとんど上映されなくなっていたという。それが徐々に批評的な評価を再び高めてゆき、不動の地位を確立するにいたるのがこの時期だった(その辺の事情については、神戸資料館の講座でふれることになると思う)。

52年に「サイト・アンド・サウンド」誌が初めて行ったオール・タイム・ベスト映画を選ぶアンケートで、『市民ケーン』は12位だった(ちなみに、この時のベストワンは『自転車泥棒』)。このアンケートは10年毎に行われ、1962年の第2回めのアンケートで、『市民ケーン』は初めて1位に選ばれる。1972年と1982年の投票でも『市民ケーン』は1位だった。

60年代末には『市民ケーン』はその批評的地位を確立していたと言っていいだろう。しかし、この「ピーナッツ」エピソードを見ると、この時期には、この映画は、批評家だけでなく、一般の観客からも支持されるようになっていたことが推察される。

(つづく)

2017-03-16

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