朝日新聞、「反小沢」方針をこっそり転換?
民主党元代表・小沢一郎氏の裁判および関連報道については、日刊ゲンダイの論評が的を射たものだと思います。
日刊ゲンダイ(先月11日)
「もうひとつ、注目されたのが不動産購入に使われた4億円の原資です。小沢氏は『両親からの相続や印税、議員報酬などもろもろの現金』と説明した。小沢氏が検察審査会(検察審)に強制起訴されたのは、『陸山会』の政治資金規正法違反事件(虚偽記載)をめぐる元秘書との『共謀』の有無で、本来は個人資産である4億円の内訳を説明する必要はありません。しかし、検察リークに乗った大新聞テレビが『ゼネコンからの裏献金』と煽りまくったため注目された。小沢氏は『バカげた推論』と一蹴、裏金を完全否定したことで、もう指定弁護士サイドはタマがなくなった。不動産売買の関与の可能性が指摘されていた契約書の署名、押印についても、小沢氏が関与を完全否定したことでジ・エンドです」(司法ジャーナリスト)
http://gendai.net/articles/view/syakai/134569
質問がなくなったせいか、指定弁護士は09年の衆院選で「陸山会」から民主党の候補者に配られた資金の中に旧新生党の政治団体「改革フォーラム21」からの資金が含まれていることを問題視。小沢の関与を問いただしていたが、これも本件とは関係ないことだ。結局、この日も含めて12回に及ぶ公判で明らかになったのは、検察審が小沢を強制起訴する“決め手”になった「捜査報告書」が捏造されていたこと。捜査に加わった元検事の前田恒彦受刑者(44)も「ゼネコン献金は夢物語。検察幹部の妄想」と証言したこと。要するに、この裁判は回を重ねれば重ねるほど、アホらしくなってくるのだ。
元東京地検検事で名城大教授の郷原信郎氏はこう言った。
「被告人質問で小沢氏が何を語ったのかというよりも、作り上げられた事件によって、検察審の強制起訴がなされ、その刑事公判が続いていること自体が異常です」
日刊ゲンダイ(先月12日)
民主党の小沢一郎元代表(69)が土地購入資金の現金4億円の原資について詳細に証言した。「法廷で真実を述べる」という“公約”通り。2日間にわたった自身の被告人質問で、「いつ口座から下ろして」というカネの流れまで、洗いざらい打ち明けた。これ以上どんな説明をすれば、大マスコミは納得するのか。
11日の公判で小沢は、10年1月の特捜部の聴取にあたり、金融機関に資料提供を要請したことを明かした。自分の手元に十分な現金があったという客観証拠を手に入れるためだ。
http://gendai.net/articles/view/syakai/134589
10年以上前の古い記録を全て入手することはできず、最小限確認できたのは2つの銀行の出金記録だった。(1)旧大和銀行衆院支店の本人口座から、89年11月21日に下ろした2億円(2)旧安田信託銀行神田支店の家族名義の口座から、97年12月15日に引き出した3億円と、00年4月4日に引き出した6000万円――計5億6000万円である。
小沢は(1)について、「湯島の旧宅を売って、世田谷に新しい土地を購入した際の残金」、(2)は「心臓病で入院後、万が一のことを考えて預金。その後、金融危機の頃に解約した」と説明した。特捜部も出金記録を把握し、小沢の供述調書にも記録が残っている。4億円を用立てても、釣りがきたほどの現金が小沢の手元にあったことを検察はとっくに知っていたのだ。
日刊ゲンダイ(先月13日)
検察が組織を挙げて調べても、証拠が集まらずに起訴できなかった案件だ。普通だったらワーワーと騒ぐのもバカバカしいが、相手が小沢一郎となれば違う。マスコミは目の色を変えてバッシングし、小沢を薄汚れた犯罪者のように報じている。
http://gendai.net/articles/view/syakai/134608
裁判に臨む小沢は被告人だ。不利になることを言う必要はない。目の前に事実を突き付けられない限り、多くを語らないのは当たり前だ。問われていることが事実と違えば否定する。
ところが、大新聞は「小沢氏 すべて否定」(1月11日付朝日)、「記憶にない繰り返す」(1月12日付毎日)、「秘書に責任 戦術」(1月11日付読売)と叩き続けた。4億円の出どころを相続や印税、議員歳費などが積み重なったものであると説明しても、「全然足りない」と批判する。「4億円は裏金です」とでも言わない限り、許さないという姿勢。彼らにとって小沢は裁かれて当然の罪人なのである。
こうしたスタンスは検察も同じだ。元秘書の石川議員は捜査報告書で、「議員なのにウソを言ってはいけないと言われた。あれが効きました」と、ウソの会話をでっち上げられている。捏造した検事はシレッとして「記憶が混同した」と言い訳していたが、それが検察審査会の強制起訴の根拠となった可能性が高いのだから恐ろしい。
日刊ゲンダイ(18日)
往生際が悪いのは検察だけじゃない。大新聞やテレビも同じだ。よほど小沢を有罪にしたいらしい。唯一最大の証拠が裁判所に断罪され却下されたのに、「といって、これで小沢元代表が無罪になると決まったものではない」と、必ずニュースの最後で付け加えていた。
http://gendai.net/articles/view/syakai/135215
笑っちゃうのが、朝日新聞だ。小沢裁判の初公判の直前、昨年10月5日の紙面で、「共謀認定 調書の採用がカギ」と報じていた。それはそれで朝日風の理屈が通っていたが、その調書が採用されないことが決まった17日の夕刊でどう報じるのかと見ていたら、「調書以外の証拠 カギに」とやっていた。口をアングリだ。
自分たちで「調書採用がカギ」と主張してきたのだから、少しはまともな新聞なら、「もう、こんな裁判続ける意味ナシ」と公訴棄却を語る見識があってもいいのに、めめしい。
検察調書の全面却下で「無罪」が確実となった小沢裁判。審議を重ねるごとに検察の違法デタラメ捜査が、これでもかと噴出しているが、こうなると、いよいよ不可解なのが水谷建設からの「裏金1億円」疑惑だ。
検察は「小沢サイドがゼネコン業界に“天の声”を発し、水谷建設から計1億円の裏金をもらった」「このカネが土地購入資金4億円の原資になった」と勝手にストーリーを描き、大マスコミはその筋書きに乗っかって「小沢=悪」のバッシング報道を繰り返した。
http://gendai.net/articles/view/syakai/135228
ところが、その後の小沢裁判でハッキリしたのは、小沢サイドに“裏金”はビタ一文渡っていなかったということだ。
「小沢裁判に証人として出廷した前田恒彦・元検事は、『ゼネコン献金は検察の夢物語、妄想』と断言し、検察がゼネコン関係者を取り調べた捜査メモが検察審査会に渡されていない事実を暴露した。そこで、小沢弁護団が検察官役の指定弁護士に捜査メモを開示請求したが、指定弁護士側はこれを拒否。裁判所も東京地検に照会したが、こちらも拒否している。検察は何が何でも、ゼネコン捜査メモをヒタ隠しにしたいようです」(司法ジャーナリスト)
「パワーアップ」と紙面改革を謳う朝日新聞。まず「天声人語」の筆者の一人を変えた方がいい。二人で持ち回りだが、どうにもその一人の筆致がひどい。たとえばー「ボスの無罪が見えてきたせいか、党内野党の小沢グループは反増税で攻勢に出る構え」。増税推進と「小沢有罪」を求める朝日らしさの無惨。
https://twitter.com/#!/psw_yokohama/status/171557945555943424
「疑わしきは罰せよ」と言わんばかりで、手段を選ばず小沢氏を攻撃してきたマスメディア。特に朝日新聞は、小沢氏への憎悪をむき出しにする印象でした。
ところが、今日、その朝日の態度が一転します。
朝日新聞が1面で小沢一郎インタビューを写真入りで掲載(詳報は明日)。「増税解散なら政界再編」「9月までには総選挙に」と見出し。無罪可能性が限りなく高まった4月末の判決を見越しての日和見紙面。事実上の社論変更だ。
https://twitter.com/#!/aritayoshifu/status/172472861452271617
元外務省官僚・天木直人氏のブログ(今日)
私がここで注目したことは、小沢一郎を徹底的に排斥してきた朝日の豹変であり、そのあまりの厚顔ぶりである。
とうとう検察審査会の強制起訴議決が、偽検察供述調書に誤誘導された疑いが出てきたとメディアで公然と語られるようになった。
しかもそれが検察の組織的作為だという疑義が持たれ始めた。
この検察組織の作為については、これから決定的証拠が出てくるとの驚くべき情報にも私は接している。
それが事実だとしたらこの国の検察組織は前代未聞の犯罪を組織ぐるみで犯したことになる。
戦後の政治史に残る一大国策犯罪が国民の目の前に露呈される。
そのドサクサにまぎれて、朝日は何の釈明も弁解もなく、小沢一郎とのインタビュー記事をさらりと掲載して、これまでの反小沢一郎ぶりを水に流そうとしているのではないか。
そしてそれは取りも直さずこの国の大手メディアの姿を先取りしたものだ。
朝日は小沢一郎に白旗をあげたのだ。
http://blogos.com/article/32509/?axis=b:52
自分たちの報道の誤りを認めず、これまでの「小沢叩き」を全てなかったことにしたいのでしょう。
「やや日刊カルト新聞」主筆・藤倉善郎と同様、醜い態度です。
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/20120212/p1
「浅卑新聞社」と社名変更すべきでしょう。