White House(メモ)

http://d.hatena.ne.jp/washburn1975/20130525


「日本の各地に「ホワイトハウス」と呼ばれる心霊スポットが存在するのをご存じでしょうか」という。そして、


有名なのは新潟県ですが、ほかにも福井県、千葉県、山形県などにそう呼ばれる建物があります。

場所は違ってもだいたい共通しているのは、白い外観の洋風建築で現在は廃墟になっており、「一家心中もしくは一家殺害のあった家に、殺された女の子の霊が出る」というアウトラインです。心霊ストーリー・都市伝説がだいたい決まった類型に落とし込まれる、その典型として興味深い一例です。

私は全然「ご存じ」ではなかったのだけれど、象徴論的に言えば、先ず重要なのは「白」の意味、また「洋風建築」の意味だろう*1。「白」に関していえば、日本には白亜の殿堂という言い方もある。またここでは詳しく申し上げることはできないけど、洋館というのは探偵小説においてはかなり定番的な殺人のトポスではある。勿論当該の建物の地理的なロケーション、またその建物の住民の社会学的な属性、例えば土地の者だったのか余所者だったのか等々も重要であることはいう迄もないが、誰が、どんな集団(或いはコミュニティ)がその話を伝えているのかということも、それ以上に重要だといえるかも知れない。
さて、「首相公邸」の「幽霊」話;

政府は24日*2、首相公邸に幽霊が出るとのうわさについて「承知していない」とする答弁書閣議決定した。安倍晋三首相が就任以降半年近くを経ても公邸に引っ越さないことを踏まえ、民主党加賀谷健氏が提出した「(幽霊の)うわさは事実か」とした質問主意書に対して答えた。

 旧首相官邸だった公邸は1936年、旧陸軍の青年将校が起こしたクーデター「2・26事件」の舞台となっており、「犠牲者の幽霊が出る」とのうわさ話が以前からある。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130524-00000061-jij-pol

加賀谷健という民主党議員のくだらなさには愛すべきところがある。それに比べて、あっさりと否定してしまう「政府」の態度は好きにはなれない。それはそうと、「「犠牲者の幽霊が出る」とのうわさ話が以前からある」って、誰が「うわさ話」をしてるのよ? 
そりゃあ、「首相公邸」(旧官邸)にだって、「幽霊」くらいいるだろうよ。私の経験によれば、或る特定の場所があって、その場所に或るコミュニティが関わっている場合、必ずといっていい程、「幽霊」話が存在している。大袈裟に言えば、コミュニティの存立条件には「幽霊」の共有ということが含まれるのではないか。 

*1:洋風建築というよりは洋館というべきか。それにしても、きょうび、純和風建築の方がよっぽど珍しいといえる。

*2:2013年5月24日。

Odd Couple?

http://ezsch.ezweb.ne.jp/search/?query=井上陽水幸徳秋水&start-index=16&adpage=2&ct=1301&sr=0000&t=20130602121409&filter=1


井上陽水幸徳秋水」という鍵言葉で検索して、拙blogを探し当てた方がいるらしい。どちらも「水」(スイ)な人ではあるが、この二人にどのような、「と」(and)という接続詞に相応しい共通点や対立点があるのか。かなり難問ではある。

トウモロコシ畑で捕まえて

サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』の主人公を、間違えて「ホールデン・コーンフィールド」と書いてしまった*1。玉蜀黍畑じゃん。ところで、トウモロコシ畑ということで、多くの人が先ず想起するのは、スティーヴン・キングの短篇「トウモロコシ畑の子供たち」なのでは?

サリンジャーを巡っては、岩元厳「作られた身許証明 J・D・サリンジャー」(in 『変容するアメリカンフィクション』南雲堂、1989、pp.47-61, 260-261)というテクストを見つけたが、読む余裕はない。

変容するアメリカン・フィクション―変化を読む

変容するアメリカン・フィクション―変化を読む

ところで、また気散じにブックオフをぶらついて、3冊買った。

泉鏡花『海神別荘 他二篇』岩波文庫、1994

海神別荘・他二篇 (岩波文庫)

海神別荘・他二篇 (岩波文庫)

桐野夏生東京島新潮文庫、2010
東京島 (新潮文庫)

東京島 (新潮文庫)

Richard Sennett『それでも新資本主義についていくか アメリカ型経営と個人の衝突』(斎藤秀正訳)ダイヤモンド社、1999
それでも新資本主義についていくか―アメリカ型経営と個人の衝突

それでも新資本主義についていくか―アメリカ型経営と個人の衝突

「加州牛肉麺」?

楊逸*1「カリフォルニアの牛肉麺」『毎日新聞』2013年6月2日


上海に既にけっこうな年月いるけれど、「加州牛肉麺」というのは知らなかった。また上海以外の中国の都市でも「加州牛肉麺」を見た記憶はない。しかし楊逸さんによると、既に1996年には「加州牛肉麺」の店が黒龍江省ハルピンに存在し、彼女が「訪れた中国の都市、大小拘わらず繁華街に行けば、必ずと言っていいほど「加州牛肉麺」の看板が目につく」という。そして、味については、


数年前北京で泊まっていたホテルの横にたまたま「加州牛肉麺」があったので、入ってみた。醤油ベースのスープに、麺が太め、その上に牛肉と青菜を乗せただけで、一見日本の中華レストランでよく出される「牛〓*2麺(牛バラ麺)」のような麺だが、麺のコシも、とろ〜としたスープのうまみも、柔らかくて滑らかな牛肉の味わいもなく、普通すぎるほど個性のない味だった。
アメリカのカリフォルニアではこんな味気のないラーメンが食べられているのか、と思いながら、胡椒をふんだんにふりかけて、それでも半分を残してしまった。(後略)
と書いている。さらに、このエッセイでは、カリフォルニアに「牛肉麺」はなかったという話が続く。
少なくとも上海では、「牛肉麺」は「加州」というよりは台湾に結び付けられているとはいえる*3。というか、四川料理にルーツを持つ台湾料理。抗日戦争で中国の首都が重慶に移り、そこで四川料理を覚えた国民党の兵士が台湾に渡って「牛肉麺」を売り始めた、云々。
勿論四川とも台湾とも関係のない「牛肉麺」もある。俺がよく行くムスリム食堂の「牛肉麺」は美味く、そして安い(1杯8元)。

Untitled

承前*1

東本高志「小野俊一に対する「出廷忌避申立書」は第8回原発民衆法廷(熊本公判)で・・・」http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/4c73f974af77d1ed61f0974ebb3bfae0


原発を問う民衆法廷」での小野俊一証人への忌避申し立ての顛末。拙エントリーへの言及もあり。
ところで、前のエントリーにて、「アミカス・キュリエ」と「証人」とを混同或いは取り違えた書き方をしてしまったことに気づく(汗)。「アミカス・キュリエ」について述べられている部分を引用しておく。当然ながらこちらの方が正しい。


一般的に裁判では不当な証人を証拠採用した裁判官などへの忌避申し立てはありえても証人その人を忌避する制度はありませんが、「民衆法廷は民衆に支えられている裁判だから、民衆の忌避申し立ては真剣に考えなければならない」(「院長の独り言」ブログ)、「民衆法廷では、外部からの声は『外野席の声』ではなく、民衆法廷を支えてくれる人々の多様な意見として重視するので、証拠として採用する」(熊本公判裁判部)という方針によって、証人の「出廷忌避申し立て」は採用されませんでしたが、実際の弁護士で構成される同法廷のアミカスキュリエ(法廷助言者。民衆法廷規定第11条)が小野氏の発言に対して社会的に批判が出ているとして「忌避申し立て」の意見書を証拠申請し、判事団によって証拠採用されました。
同時に代理人団(検事団)も小野氏を証人申請し、この承認申請も証拠採用されました。

(前略)同法廷における小野証人の証言は、代理人の証人尋問の後にアミカスキュリエによる反対尋問が行われ、最後に判事のひとりが補充尋問を行うという尋問の形がとられました。
この小野証人の証言と同証人に対する尋問の様子は上記の「院長の独り言」ブログの動画で確認することができます。ご参照ください。
http://onodekita.sblo.jp/article/68390376.html

牛丼新聞?

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20130601/1370096316


古寺多見氏が2012年に産経新聞が「ゼンショー*1に売り払われそうになったという『週刊ダイヤモンド』の記事*2引用している;


1年ほど前のことだ、フジ・メディア・ホールディングスが、保有するグループ会社の産業経済新聞社の株式売却を、牛丼チェーンのすき家を展開するゼンショーホールディングスに持ちかけた。フジ関係者への取材で明らかになった。結局、ゼンショー側が首を縦に振らなかったため、売却話は立ち消えになったが、実現していれば、民放キー局と全国紙が系列関係にある日本のメディア業界の慣例が壊れる一大事件になっていたかもしれない。1年前の話とはいえ、フジ側にその意志があること自体がニュースといえた。
どういうわけで「ゼンショー」に白羽の矢が立ったのか。これはフジが産経新聞をお荷物というか不良資産と認識しているということですよね。熱湯浴の人たちにとって、(未遂とはいえ)「フジテレビ」のこの行為は「韓流」問題*3以上に深刻なのでは? 逆に考えると、産経新聞が不良資産扱いされているうちは、日本もまだ大丈夫なのだと思う。これが優良資産と見なされるようになったら、そうとうやばいということになる。