織り込み都都逸「落ち着き」

「お・ち・つ・き」

面白がって チャンバラごっこ 面憎き奴 切り捨てる  mitu

大きな鷲が 千鳥を襲う つい目を閉じる 気の毒で   mitu


お酒飲んでも ちっとも酔わぬ ついあの事が 気になって   チエコ

お御籤引いた ちょっと気まぐれ ツキも欲しくて 気分でね  チエコ

 
お嬢様よね 小さな身体 慎ましやかで 気が利いて   めぐみ

大喧嘩して 血の雨降った ついに彼女が 切れたのよ  めぐみ

お終いだって 地球の話し 月に移住の 希望あり    めぐみ


幼馴染と 乳繰り合って 罪な事だと 気がついた        季寿

お金たまれば 貯蓄に回し 常に節約 きっちり屋        季寿

親と子供が 力を合わす 強い絆と 協力で           季寿

親の介護に 力も尽きて 辛い日もある 昨日今日        季寿

思い立ったら 猪突猛進 つまらぬ事は 気にするな       季寿

女を口説いて ちゃらちゃらしてる ついムカ着くよ 気障な奴  季寿


お互いに見る 地峡から月 月から地球 綺麗だな          夕陽

覆う噴煙 地上も空も ツァー関連 気がもめる           夕陽

小川に沿うて 千草咲く道 終の棲家へ 帰去来ぞ          夕陽

女の子たち 千代紙折るの 鶴や奴や 綺麗です           夕陽

男の子たち チャンバラごっこ 使う刀は 木切れです        夕陽

面白くって チンドンやさんに ついて行ったが 帰路迷い      夕陽

お前と一緒に 地の果てまでも ついて行くよと 起請文       夕陽

お前と永久にと 誓ったけrど 月日が経てば 気も変わる      夕陽

オーマイゴッド ちょっとの油断で 積んでたデータ 消えちゃった  夕陽

大宮人は 千代をば賀して 月見の宴に 興じおり          夕陽

大臣の決定 朝令暮改 つぎはぎ内閣 機能せず           夕陽

大寒小寒む チラチラ雪が 津軽に冬が 来たそうな        夕陽

桜花爛漫 千鳥ケ渕の 堤に立ちて 君想う             夕陽

お暗い山道 眺望開け 妻籠に夏雲 木曽路行く           夕陽


落着きなされ 小さな事じゃ つまらぬ心配 杞憂じゃよ   山人

お勝手に行き チビチビ酒を つまみもなしに 気兼ねなく  山人

お前どうして ちっとも来ない 次の機会に 来てくれよ   山人

俺にあんまり 近寄るでない 辛い行く手に 気が重い    山人

おやまあこんなに 散らかしちゃって 机の上は 綺麗にね  山人

怒りなさんな 小さな事で 疲れてるのか 今日は君     山人

俺の幸せ 千切れて飛んだ 束の間の夢 消えちゃった    山人

お酒足りない ちょっと追加だ ツマミの量も 気になるな  山人

おいでおいでと 地中で声が 塚の辺りだ 気のせいか    山人
    
沖縄発って 千島へ向かう 次々帰る 北の鳥        山人

大売出しの チラシを見ては 次々買って 金欠だ      山人

檻を破って チータが逃げた 次々噛み付き 恐慌に     山人

乙女心が チクチク痛む 突き放したる 君なれど      山人

面影今も チラつく人よ 次の世待てず 君を恋う      山人

お月様から 地球を見れば 津波は漣 木々はコケ      山人

美味しいワイン チーズも旨い 蔦の絡んだ 喫茶店     山人

遅い夕食 茶漬けで済ます 妻は寝ていて 気がつかず    山人

織り込み都都逸 「オフ会」

「お・ふ・か・い」

思いつめたか 二人は駆け落ち 肩を寄せ合い 行っちゃった  公子


乙な川柳 風格あるよ 噛みしめ読むと いい味だ  mitu


お前と言う奴 不埒な奴だ 勝手気儘に 居候  Pan


大海原から 富士山見えた 海路は楽し いいものね  チエコ

温泉来たの 二人で来たの 身体癒して いい保養  チエコ


おとうは今でも 不安な日々だ 必ず帰れ 家のため  めぐみ

女だてらに 褌ひとつ 可愛い姿 いい娘だね  めぐみ


男前だね 二重まぶたで 顔は小さく 色白で  季寿

お芋ふかして 二人で食べた かなり美味いが 胃にもたれ  季寿

俺とお前は 夫婦仲良く 可愛い子供も 居る家庭  季寿

乙な味だね フグの刺身は 海鮮料理で 一番だ  季寿


女同士が 二言目には 彼の愚痴など 色々と  圭太

思い出すのは 古びた校舎 彼と通った 田舎道  圭太

お膳囲んで 故郷の味 母さん元気で いつまでも  圭太

遅い夕食 二人で食べて 彼に渡した 胃腸薬  圭太

夫送って 双子の面倒 肩の重荷も 生き甲斐に  圭太

鬼の姑 不憫なことに 可愛い孫にも 嫌がられ  圭太

同じ境遇 不幸な育ち 過去を互いに 労わりつ  圭太

俺も男だ 振られたからにゃ 彼女忘れる いさぎよく  圭太


温泉賜う 芙蓉のかんばせ 華清池寵愛 一身に  夕陽

オジさんたちよ フェミニストたれ 会社に於いても 家にても  夕陽

オバさんたちよ 不在の夫が 家庭の平和と 言うなかれ  夕陽

おお怖わ高所 震えがやまぬ かずら橋揺れ 祖谷の渓  夕陽

大海原に 船出して行く 咸臨丸は 命がけ  夕陽

おおつごもりに 降る雪見ながら 過去今未来を いとおしむ  夕陽

夫の言葉が 風呂めし寝るでは 家族の絆 絲切れる  夕陽

おいらは兎 麓で寝てたら 亀が追い抜き 行っちゃった  夕陽

生いし朝顔 不憫に思うた 加賀の千代女の 井戸の故事  夕陽

奥の細道 深川を発ち 各地廻りて 行きし旅  夕陽

お灸をすえた 不届き政権 代わった党も 今ひとつ  夕陽

おいそれと行かぬ 普天間問題 閣僚たちも 言い放題  夕陽


沖の暗いに 舟影ひとつ 海路蜜柑を 命がけ  山人

男出番だ 褌一つ 身体を張って 生きるのさ  山人

お帰りなさい 風呂がすんだら 燗酒でしょう いつものね  山人

お前が逝って 不自由だけど 家庭料理も 板につき  山人

大きな湯呑に 縁まで注いで かけつけ三杯 いい気分  山人

お許しなされ 不幸な息子 かねて墓参に 行きもせず  山人

お前どうした ふた月三月 風の便りも いつか消え  山人

表に出れば 不況の風よ 金が無いので 家に居る  山人

大きな輪切り 風呂吹き大根 辛子をつけて いい味だ  山人

老いと言うのか 老けたと言うか 身体が聞かぬ 言うことを  山人

大きな目標 二つも立てて 掛け持ちしてたら 息切れた  山人

奥や奥やと ふた声呼べば カアちゃん奥から いそいそと  山人

おじさんこれは 古いもんだね 買いたいけれど いくらだね  山人

「入学」拾遺

憎い貴方が 浮気をしても 我慢我慢で 暮らしてた  圭太
憎らしいほど 上手い絵ばかり 画廊埋めた 苦新作  圭太
人気タレント 売れっ子だけど 楽屋でネタに 苦労する  圭太
人気歌手より 歌えば上手い 学芸会や クラス会  圭太
二浪したあと 受かったけれど 学費稼ぎに 苦労する  圭太

織り込み都都逸「入学」

「に・う・が・く」

ニッコリ笑って 後ろ手組んで 学生たちに 訓示する   PAN
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匂って来ます 卯の花垣に 学生通り 薫風が       公子
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二度の試験も 受からず落ちた 頑張ったのに 悔しいね  季寿
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偽物臭いよ 売れない筈だ 額縁だって くだらない   さんらく亭

新妻もらって 嬉しい余り 頑張りすぎて 草臥れた   さんらく亭

においが変だよ 裏の方から ガスが漏れてる 臭い筈  さんらく亭
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日本の国技 海越えて来る 外人力士に 苦戦する    夕陽
日没過ぎたら 浮世は楽し ガード下にて くだを巻く  夕陽
匂宮から 宇治の姫君 雅趣薫り来る 公家文化     夕陽
日常主婦は 噂話しで ガス抜きをして 暮らすのよ   夕陽
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憎いお方と 恨んで泣いて 我慢出来ない 苦しくて   山人
二人三脚 浮世の習い 我慢しあって 暮らしてる    山人
逃げちゃいけない 窺えチャンス ガッツで遮二無二 食いついて  山人
睨み利かせる うちの親父は 頑固一徹 苦労人     山人
鈍いと言うか ウスノロなのか 我慢強くて 糞真面目  山人
似顔絵描けば 上手いのだけど 画家ではとても 食えないよ  山人
逃げた女房 恨むじゃないが ガキの面倒 苦労する   山人
二年がかりで 家を建てたよ ガッチリ組み立て 釘はなし  山人

織り込み都都逸傑作選(慶州)

「け・い・し・う」

検査結果に 異状がなくて 主人手を取り 嬉し泣き   圭太

喧嘩相手に いつものように 知らぬ顔して 嘘をつく  圭太

消しゴムないか 嫌なこととか 失敗消せる ウルトラ版  夕陽

景観史跡 いついつまでも しっかり守って 受け継いで  夕陽

煙たいヤツが 行っちまったぜ しめしめ油 売る時間    山人

毛穴の汚れ 一掃しよう シャボンでしっかり 浮き出させ  山人

見当違いを 一所懸命 調べていたよ 迂闊だね       山人

牽制球を 一塁に投げ しっかりアウト 打ち取った     山人

織り込み都都逸傑作選0325

慶州(け・い・し・う)

・計算通り いかなくなって 失敗ばかり 運悪し     mitu
経験ないが 一度チャレンジ しっかり見よう 宇宙旅  mitu
研修終えた 医師の卵に 心配だけど 受けて見る    mitu
ーーーーーー
・健康診断 胃カメラ呑んで しんどい後には 旨い酒   さんらく亭
景気戻れば 一杯喰うぞ 霜降りステーキ ウエルダン  さんらく亭
ーーーーーー
・化粧上手で 衣装も綺麗 白い素肌が 美しい    季寿
今朝は早起き いつもと違う 就職決まり 上の空  季寿
喧嘩に負けて 苛立つ心 しけた顔して 鬱になり  季寿
・県立高に 行くのが望み 心配したが 受かったよ  季寿
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警報受け止め 戒む飽食 資源は有限 海の幸       夕陽
・軽重あっても いずれも役者 主役の人も 馬足も     夕陽
・今朝吾子嫁ぐ 幾千代かけて 幸せなれかし 憂き世にも  夕陽
化粧をしても 色黒垂るみ シミシワ隠せぬ 憂き加齢   夕陽
健忘症だわ 今聞いたこと しまった物も 失せちゃうの  夕陽
・傾城なまめく 一力あたり 四條祇園の 裏路地に     夕陽
・健気な純愛 伊豆の踊り子 下田街道 海を見て      夕陽
ーーーーーー
煙棚引く 田舎の朝は 霜が田圃に うっすらと     山人
けじめをつけて 引退しろよ しめしがつかぬ 上下に  山人
計画出産 一姫二太郎 失敗したよ 産み過ぎた     山人
剣術修行 居合いの稽古 師範目指して 腕磨く     山人
健康そのもの 胃腸も丈夫 四季に味わう 美味いもの  山人
怪我をせぬよう いつでも注意 自然の遊び 海山で   山人
県庁所在地 一番人気 食は餃子の 宇都宮       山人
県都名物 粋なカクテル 知る人ぞ知る 宇都宮     山人
研修旅行に 行った思い出 四国南岸 海を見て     山人
景色抜群 五浦の海岸 潮の流れが 美しい       山人
剣が峰だよ 一番高い 四方見渡す 雲の上       山人

織り込み都都逸傑作選

<お花見>{お・は・な・み}

オンザロックか ハイボールでも 何はともあれ 水割りを  さんらく亭

俺おれ詐欺の 犯行見破る 浪速のオバチャン 見事です  夕陽

大阪おなごは 働き者で 情けがあって 魅力的  さんらく亭

思い出話に 花が咲いたよ 懐かしいねと みな笑顔  季寿

大きく綺麗な 白鳥になる 泣かずに耐えた 醜い子  夕陽

お伽噺は ハッピーエンド 懐かしいなあ みんな好き  さんらく亭

お祓い受けに 姑と一緒に 泣く子あやして 宮参り  季寿

拝んで見ても 祓い受けても 何故か願いが 稔らない  mitu

お手玉おはじき 羽根つき鞠つき 縄跳び綾取り 見なくなり  夕陽

お待たせしたねと 春の到来 名残の雪に 見送られ  夕陽

オーソレミオなど 鼻歌まじり ナポリを発って ミラノ行き  さんらく亭

思うようには 捗らなくて 何も売れずに 店仕舞い  季寿

大阪名所 八百八橋 なんぼあるのか 見てみたい  さんらく亭

大阪春場所 白鵬ひとり 並み居る力士 情けない  さんらく亭

お天気も良く 春は盛りだ 菜の花絨毯 見事なり  mitu

おんぶに抱っこ 這い這いしたよ 涙流して みな拍手  mitu

大関旨いし 白鶴も良い 灘の酒なら 皆よろし  さんらく亭

女年ごろ 逸る心を 何とかしたい 三十路過ぎ  季寿

お客も多く 繁昌してた 納得出来ぬ 店仕舞い  季寿

落ちぶれ果てて 橋下住まい 名前を隠し 身をひそめ  山人

おらが見染めた 花嫁御寮 中味で勝負 見映えより  山人

美味しい寿司だ ハマチにマグロ 並んでいたの みな食べた  山人

尾瀬の原にも 春が来ました 並んで咲いた ミズバショウ  山人

お国訛りで 話が弾む 懐かしんでる みなの顔  山人

お手手つないで ハイキングだよ 名札を胸に みんなつけ  山人

お使い行って 走ってこけた なんと卵が みな割れた  山人

お別れですと 花束捧げ 涙ながらに 見送った  山人

踊って歌って はしゃいで騒ぎ 仲間の宴会 水入らず  山人