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安心づくり・安全探しアプローチ(AAA,スリーエー)公式ブログ

2018-10-12 9月研修のご報告:「多機関協働のスキル」研修

2018年度AAA9月研修を、9月22日、23日の2日間、首都大学東京で実施いたしました。実施内容や参加者のご感想、研修担当者としての振り返り等を、研修講師が手分けをしてご報告していきたいと思います。


今回は、2日目の午前中、副田が講師を行った「多機関協働スキル」と、司会を担当した「トークセッション:やってみたAAAシート活用のケースカンファレンス」について、ご報告させていただきます。


 「多機関協働スキル」は、地域を基盤に働くソーシャルワーカーやケアマネジャーにとって、多様な機関との協働は、今や支援方法における選択肢の一つではなく、デフォルト(標準、初期値)になっています。研修ではこの点を、理由を含めてお話した後、グループごとに、多様な機関との協働で日ごろ感じている課題についてみなさんで話し合っていただきました。また、それらの課題に対して行っている、あるいは行ったらよいと考えている対策についても話し合っていただきました。


 話し合いは、4人でつくるグループのなかで2人ずつペアになり、最初の6分間は片方のペアだけで話し合い、もう片方のペアは黙ってその話を聞く、その後、交代して、聞いていた片方のペアが6分間話し合をし、最初に話していたペアは聞くだけの役に回っていただく、そして、最後は4人全員で話し合うという、リフレクティング・プロセスの方法でやってみました。


 この方法によって、人の話をよく聞くことができ、「そうそう、自分だけでなくて、人もこういうことを感じていたんだ、そうだよなあ」とか「ああそうか、そういうふうに考えればいいんだ」といった自分のなかで、内的対話が起きやすくなります。


 参加者からいただいた感想のなかにも、「振り返りになった」とか「皆同じところに悩んでいるんだなとわかった」、「多様な機関の方の意見を聞くことができて有意義であった」といったものが目立ちました。


 グループの話し合いで出された対応策についても発表してもらい、それらを、かつて私たちがグループインタビュー調査をもとに明らかにした「多機関協働スキル」としての(1)システム構築スキル、(2)システム運営スキル、(3)コミュニケーションスキル、(4)組織内マネジメントスキルに沿って整理していきました。



 対応策はそれぞれたくさん発表されましたが、なかでも、(2)の一部に該当するケースカンファレンスのありようやファシリテーションスキルの重要性を指摘する意見が、これまで私が行った「多機関協働スキル」研修よりは、多かったように思います。

 


 当日午後のケースカンファレンス研修にも参加されるみなさんなので、ケースカンファレンスに関心がおありなのは当然と言えば当然なのかもしれませんが、私としては、「そうか、そうか、みなさんもそう思っていらっしゃるのか。」と内心嬉しかったです。そして、うまく次の話に、つまり、なぜ、安心づくり安全探しアプローチ(AAA)研究会が、AAA式ケースカンファレンス・シートを開発したのか、それはどういった特徴をもつものなのか、などにつなげていくことができました。



 通常、ケースカンファレンスは、事例へのプランづくりや困難解決策を決めるために行うものと捉えられがちですが、それだけでなく、多機関協働やチームアプローチを推進していくためにも積極的に活用されるべきもの、とAAAでは考えています。この点を、わかっていただけている!という感じでした。


 その後、ゲストお二人を迎えての「トークセッション:やってみたAAAシート活用のケースカンファレンス」を行いました。すでに長文になりましたので、初めのお約束と異なりますが、これについては、後日またご報告させていただくことにいたします。ここでは、トークセッション参加者の感想等を少しだけ、ご紹介しておきます。


「強みを先に話すことで辛いカンファレンスにならなかった経験をもっていたが、お二人の実践を聞くことにより、もう一歩理解が深まった。」

「実際に活用されている方のお話を聞いて、自分でも難しくなく利用できるのではと思えた。具体的な使い方も聞けてよかった。」

高齢者だけでなく障害者虐待や、他にも広く応用できると知ることができた。」

「思ったより自由度が高いと思った。」

「初めてやるときとか、慣れてくるまでは不安があったと思うが、それはどうしていたのだろうか」

医療職や地域の民生委員さんなど、問題志向になりがちな方と、どのように進めていくかが、自分にとっては課題となると思う。」



ではまた。(副田) 

2018-09-25 『ひきこもりでいいみたい』

AAAでは、この土日に第9回AAA9月研修を実施いたしました。

ご参加いただきましたみなさま、ありがとうございました。


参加者のみなさまのご感想やご意見、講師の感想やリプライなどは、この後、随時、簡潔にお伝えしていこうと思っています。


ここでは、その研修初日の講師の一人であった芦沢さんが執筆した本の紹介記事をご紹介させていただきます。

下記のDIGITAL朝日新聞の記事です。


https://www.asahi.com/articles/ASL9J3DY7L9JUZOB002.html

ごらんいただければ幸いです。


(副田)

2018-06-05 拘束のペナルティー厳格化(ML記事と同じ)

お読みになった方もいらっしゃると思いますが、「福祉新聞」(6月4日)に、「身体拘束のペナルティー厳格化、指針作成期限迫る」という記事が載っておりました。

2018年4月の介護報酬改定で、身体拘束に関する減算の要件が厳しくなり、減算幅も10%に上がったとのこと。


身体拘束適正化のための指針を作成し、委員会を3ヶ月に1度開き、職員研修を年2回以上行うことに、また、6月までに指針を作成して、委員会を開催し、研修体制を整備しておくことが求められるそうです。

厳格化は、介護事業所の職員による虐待が増加していることが背景の一つにあると、記事は書いています。


身体拘束が虐待であることの認識をもち、3要件を満たしたとしても出来得る限り慎重に行うべきことであるという認識を浸透させるのは望ましいことです。

ですが、虐待防止対策が、こうした管理強化の方向性を強めていくだけならば、かえって不適切介護虐待の温床を作っていくことになるのではないかと危惧します。。。。


AAA研究会の9月研修では、AAAの視点からの施設虐待防止プログラムトークセッション、また、スーパービジョンのプログラムも実施します。

ぜひ、ご参加ください。

詳細は、AAAホームページをごらんください。 http://www.elderabuse-aaa.com

お申込みもこちらからです。

(副田)

2018-05-12

重篤事案の検証

16:39

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、認知症介護研究・研修仙台センターが、『高齢者虐待における重篤事案〜特徴と検証の指針〜』を発表しました。

 その一部をご紹介します。

           

★死亡事例の全体的な傾向

・ H24年度から4年間で調査該当事例92件

・「殺人」が37.4%、「ネグレクトによる致死」が31.9%

・ 加害者は、「息子」45.1%、「夫」23.1%

・「経済的困窮・生活苦あり」33.3%

・ 加害者・被害者との関係性は不明を除くと依存・支配的な関係、葛藤ありケースが73.1%

・ 介護サービス利用、医療機関利用、行政への相談は、「あり」が81.3%

・ 発生要因としては、「加害者の障害・疾病」42.3%、「加害者の介護づかれ・介護ストレス」38.0%、「経済的困窮・生活苦」38.0%


★ 重篤事案(虐待の深刻度が4,5)の全体的な傾向


・ H24年度から4年間で調査該当事例2,634件

・ 「身体的虐待」が69.9%(それ以外:67.5%)、「ネグレクト」が32.4%(それ以外17.1%)

・ 発生要因としては、「加害者の障害・疾病」26.5%、「加害者の介護づかれ・介護ストレス」25.8%、「経済的困窮・生活苦」17.4%


★ 自治体が上げた死亡事件の課題と対策の傾向

・ 事前対応にかんする課題:「関係者・機関との情報共有・連携・認識ギャップ」30.0%、「事前の兆候察知・情報把握」20.0%、「加害者を含む養護者支援・家庭支援(家庭全体としての情報把握を含む))18.9%

・ 事件を受けてとった対応策:「関係機関連携・情報共有の強化」24.4%、「研修会の実施、啓発活動の実施」13.3%

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* 死亡および重篤事例に関しては、事前対応において、「関係機関連携・情報共有の強化」や「加害者を含む養護者支援・家庭支援」が一層重要であるということですね。


* 重篤事例についても、関係機関連携・情報共有のために、「AAA多機関ケースカンファレンス・シート」を活用していただけたらと思います

http://www.elderabuse-aaa.com/contact.html

 当該事例の「安全像」(当該事例にとって安全・安心と言える状態像)を具体的に描き出すときは、同時に「危険像」も描きます。現時点での当該事例の状態は、この二つの状態像のどこら辺りに位置付けられるのか。

カンファレンスの参加者全員で、この作業を行います。

(副田)

9月研修の振り返り(3)セッションB:施設虐待防止(午後)

16:34

午後の担当の私は、施設内虐待予防のための一つの方法として、職員間の関係づくりを促進するためのコミュニケーションスキルを中心に、ワークを含めて実施しました。


昨年に続きご都合のつかなかった土屋先生の代役でしたが、少し慣れてきて、気持ちの上では余裕をもって望めました。ワークに関しても、参加者の皆さんが積極的に参加してくださり、とてもありがたかったです。


ワークでの話を聞いていると、皆さんそれぞれが高い問題意識を持って臨んでいらっしゃることが伝わって来て、私自身もとても刺激を受けました。

北は北海道から、南は佐世保沖縄からの参加者の方、また社会福祉法人に限らず民間の有料老人ホームからの参加者の方もいらっしゃって、それだけ施設内虐待は大きな課題を含んでいることを感じました。


今年の3月に厚労省通知が出され、各自治体虐待防止に向けて研修を開催するように求められていることもあってか、今年は行政の方の参加も見られ、関心の高さを示していました。


 今年は、新たにテーマトークとして「ワールドカフェ方式」を取り入れて、施設と行政の方がグループに入り混じって、共に虐待予防に向けていろいろなアイディアを出し合い、情報交換ができたことが大きな収穫だったかな、と思います。以前、行政に所属し虐待通報に対して施設への立入調査を行う立場にいて、お互いへの理解の薄さが誤解や先入観を生み出し、場合によっては一種の「敵対関係」とまではいかなくても、相互不信や一生懸命やっている施設の職員の気持ちを充分理解できずにどうしても介護保険の実地指導のイメージを両者が持ってしまう「弊害」を感じていたので、今回の試みは、相手の立場になって考えてみる機会にもなったかな、と参加者の感想からも感じました。

ワールドカフェ方式は、参加したことはあるものの、ファシリテーションは初めてだったので、松本先生のお力を借りながら実施したため、不十分な進行があったと思いますが、参加者の方々は本当に熱心に取り組んでいただきました。ありがとうございました。

 また、今回は、パワーポイントの映像だけでしたが、行政が施設に立入調査に入る際の聴き取り用紙について、コンプリメントの視点を取り入れたものを紹介しましたが、後から何人かの行政の方から具体的な質問を受け、今後機会を見て、AAA研究会のHPにアップ出来るよう吟味していきたいと思いました。

 以下に感想のいくつかを紹介しましょう。

人間関係コミュニケーション職場環境にいかに大切であり、利用者様に与える影響が大きいか改めて感じる事が出来ました。施設で取り組もうとしている事が間違っておらず、率先して協力してゆかなければと思います。

〇何においてもコミュニケーションが大事だなと改めて考えました。

虐待とは何か、虐待についての知識は大切だが、本日のように虐待をおこさせない風土作りが大切なのだと改めて感じました。

行政に求められていること、もっと相談しやすい行政作りを目指していこうと思います。

虐待防止について自施設のみで考え対応していくのではなく、行政や、地域、他施設と協力し合い取り組んでいく事なのだと思いました。

〇施設、行政、管理職、現場のスタッフと様々な方が参加していたので、それぞれ持っている課題、取り組みについて意見交換が出来、大変、勉強になりました。

行政との関りを深めること。

〇まずは行政と施設の思いが乖離していることを、同じスタッフへ伝えていければと思います。

〇施設、行政、管理職、現場のスタッフと様々な方が参加していたので、それぞれ持っている課題、取り組みについて意見交換が出来、大変、勉強になりました。

ワールドカフェは、グループワークを行うにあたって、とても有用だと思いました。

〇多くの方の意見を伺うことで、自分自身の視野の狭さを感じました。その点、ワールドカフェは短時間で、多くの方の意見を聞けるので魅力的でした。

ワールドカフェ方式を用いて介護保険課、高齢者相談係と協働企画し虐待においての連携を考えてみたい。

ワールドカフェ方式はぜひやってみたいです。(ユニット会議や職員会議でもできたら・・・)

〇研修内容を持ち帰り、職場全体で理解を深めていきたいと思います。

 全部は紹介しきれませんが、多くの方々の感想から感じられる熱意に、とても励まされました。特に最後に載せた感想からは、伝達研修として職場で実施していただければ、私どもAAA研究会が目指しているものを、各施設で、各地域で広めていただけるのではないか、と心強く思いました。

                           松尾 隆義

                               

2017-12-03 9月研修に参加して

研修参加者の方からいただいたメールを、ご本人に了解の上、ブログで紹介させていただきます。


私は7年前からAAA研修に参加させていただいていますが、研修に参加し始めたころは、研修で「うんうん、なるほど」と思っても、いざ現場に戻ると、上手くいかなかったことも多かったような気がします。


それでも、研修と実践を繰り返すことで、「あれ、なんか本人が心を開いてくれている」「他の機関といい関係ができている」などと感じられることが、年を重ねるごとに増えていった気がします。毎年レベルアップしていく研修を楽しみに参加させていただいています。


さて、話は変わりますが、以前、高齢者虐待の疑いがある施設に市職員として関わったときのことです。市職員が施設へ行く旨の話はしてあったものの、それでも職員の方々は大変不安そうな表情をしていました。

利用者の、安心して暮らす権利を守ることは第一ですが、そこで働く職員の方々、そのご家族のことを思うと、施設内虐待に関わる側も、より適切な対応が求められることを痛感させらたことがあります。


そのようなこともあり、施設内虐待予防についても、興味を持ちながら参加させていただきました。

講師の松尾さんの説明にあった、「あなたが、ここの施設長だとしたら、ここをどんな風にして行きたいと思いますか?」との質問。

未来を描き共有する。それが共感できる未来だとしたら、働く仲間をも守ることにつながる。仲間を守ることで、利用者のケアの質も守れる。悪循環から好循環への転換。

質問や対話が、施設を変えていくきかっけになるのだと感じました。