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いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」別館

2016-06-25

世界を驚かせた「UKショック」

人は、思ってもみなかったことが起こると、とても不安になる。その不安は、瞬く間に世界の市場に波及した。
東京ロンドンニューヨーク、どの株式市場狼狽売りが殺到したようだった。私のささやかな年金資産も、少なからぬ打撃を受けたのだった。


英国EUを離脱する―Brexit―という予想外の決断を、国民投票で選んだ。当初から、現状維持の残留派が優勢と見られていたが、結果は意外なものだった。英国ブックメイカーは、予想にかけては自信が大アリのはずだったが、今度ばかりは大きく外したのだった。


事前のシナリオでは、波乱の様相を見せながらも、スコットランド独立運動の時と同じように、現状維持派が勝利するというものだったろう。少々の混乱の要素さえあれば、それで良かったはずだった。

しかし、G7サミット以降の終盤になって、状況は俄かに曇ってきた。どうも離脱派が勢いを増しているようだ―、そうした危機感が高まっていった。残留支持だった女性下院議員の殺害は、残留派に同情票を集め、また弔い合戦の意味を込めたものだったが、離脱派の勢いを止めるには及ばなかった。


そうして、今回の想定外の結果が生じてしまったものであろう。


イングランド人は、世界を驚かせることにかけては、才能がある。レスター優勝のことではない。


イングランド人は、ずっと以前から、欧州袂を分かつ経験を有していた。ヘンリー8世英国国教会ローマ教皇の下から独立させたのが、その好例だ。イングランド人は、欧州列強国の「官僚主義的で、口うるさく、形式ばった」システムや態度が、昔から気に入らなかったのだ。


当時のイングランドは、スペインフランス干渉に苛立ち、ローマカソリックのしきたりや縛りに辟易していた。
フェリペ2世がメアリ1世と結婚して、「ブラッディメアリー」の名の如くカソリックへの揺り戻しが大きかったこともあり、イングランド人は、かえってローマからの離脱を強く望むこととなった。

勿論当時のスコットランドは、イングランド人の治世下よりも、大陸(フランス)との関係継続を望んだのも、今回と同じなのである。ヘンリー8世が強いインフレ(改鋳=造貨)政策を採用したのも、現代の金融(緩和)環境と似ているのかもしれない。


イングランド人は、大陸を覆っていたローマ教会から分離独立を果たし、英国国教会を成立させた。

今回のEUからの離脱は、そうしたイングランド気質が反映されたかどうかは分からないが、自由を好む気持ちは分からないではない。

今回、失脚することになったキャメロン英首相は、さしずめヘンリー8世時代に大陸やローマ教会との強いパイプ役で権勢をふるったトマス・ウルジーといったところか。


多数の映画が作られてきたが、輝かしき大英帝国の礎を築いたエリザベス1世の時代は、そのすぐ後にやってきたのであり、今年90歳を迎えられたエリザベス2世の現代に今回の離脱劇が起こったというのも、何かの縁なのかもしれない。

2016-06-18

世界の外貨準備高膨張は何故生じたか?

国際収支の基本式が変更になってまだ日が浅いので、旧式の考え方で説明しますが、悪しからず。
お馴染みの式は、次のようになっています。

 経常収支+資本等移転収支−金融収支+誤差脱漏=0

かつては、

 経常収支+資本収支+外貨準備高増減+誤差脱漏=0

でした。


ここからは、例によって例の如くに架空の喩え話で考えてみたいと思います。
さて、全世界に2つの国だけがあるとします。甲国と乙国です。誤差脱漏は考えないものとしましょう。国際収支が次のようになっていたとします。簡単にする為に、貿易と直接投資のみがあるものとしましょう。

【第1期】

甲: 貿易収支100+(乙への直接対外投資−50)=外貨準備高 50(増加)

乙: 貿易収支−100+(乙への直接対内投資50)=外貨準備高 −50(減少)


この状態を10期継続したら、全世界の外貨準備高の残高はどれほどになっているでしょうか?
全世界の連結決算では、単年で見るとゼロにしかならないので、何期経ってもゼロのはずでは。


なので、恐らくはゼロでしょう。甲は残高が増加して500まで残高が増えますが、乙はマイナスが継続するので、−500となりますよね。外貨準備が大きなマイナスとなる場合、それは何を意味するのでしょうか?

甲は、乙に対し「債権500」分を有し、対外債権国となっているということでしょう。一方、乙は甲に対し対外「債務500」を抱える対外債務国となっているということではないでしょうか。
ただ、国際収支統計の性質からすると、合計はゼロになってしまうのではないでしょうか?

貿易収支は、黒字国から相手を見れば赤字国であり、合計はゼロです。経常収支でも同じでしょう。また、対外投資も受け入れ側から見れば対内投資ということで、やはり全世界で見ればゼロにしかなりません。


では、外貨準備高の合計額が全世界の総量で増加してゆく場合には、どういうことなのでしょうか?
誤差脱漏の間違ってた部分が積み上がってしまった?
他には、何があるでしょう?


貿易や対外投資以外ですと、所得収支部分があるはずですね。
所得収支は、受取利息などの部分です。

となると、全世界の合計額を見た場合、外貨準備高が5兆ドル相当積み上がっている、という場合には、単年の経常収支や対内・対外直接投資部分は常にゼロになってしまうはずなので、フローで溜まることは考えられず、残されるのは所得収支の大幅なマイナスがどこかに積み重なってきてるはず、ということでは?

つまり、外貨準備高が増加した国は、どこかの国から受取利息などでプラスになってきた、ということであり、その増加期間中には、必ず5兆ドル分の支払超過になっていた国が存在しなければ、話が合わないのでは?

それは、誰か?ということなのですよ。
途上国はそんなお金を払えるはずがないでしょう?いくら何十国も束ねてみたって、中国その他に外貨準備高をそこまで増やせる支払能力がある国はないはずです。


要するに、アメリカなんじゃないですか?という話ですね。

1995年の外貨準備高は、日本は1724億ドルでしたが、05年には8231億ドルになりました。中国は、736億ドルから7690億ドルとなったわけです。米国は同期間では微減でした。大きな変化はなきに等しかったわけです。

では、中国以外にも香港台湾韓国ロシアなどが揃って外貨準備を増加させることができた理由とは何でしょうか?


そんなことが可能なのは、米国しかないのではありませんか、ということです。
ユーロ圏では通貨統合に伴って、外貨準備をそれほど必要としなくなった背景がある為か、同時期には1千億ドルくらいは減少していましたが、ここ数年では違った傾向かもしれません。


世界中の全員が、外貨準備高を増加させるということはできません。
借金をする人がゼロの世界では、全員が貯金しても、利息を受け取ることができず、貯金が増えるということはないはずです。なのに、全員の貯金額が自然と増えているとすれば、それはどこかに異常なりインチキがあるのではありませんか、という話なのです。


95年1月時点で、全世界の外貨準備高は1.2兆ドルしかありませんでした。けれど、05年9月には4兆ドルにまで増加したわけです。しかも、2002年までの増加ペースは遅かったのに、2001年の9・11以降だと顕著に増加し、2002年1月からの約2年半で1.85兆ドルも増加しました。

まさしく、アメリカの戦争の時期ということです。イラク戦争は、このような経済上のインチキを覆い隠す為に実行されたに等しいわけです。FRBの徹底した緩和政策期間とも合致しており、日本にとっては悪夢の氷河期だったわけです。


では、その後、外貨準備高はどうなったでしょう?
リーマンショック後でも、膨張を続けたわけです。世界中で。
ならば、代わりに大幅に減った国はあったのでしょうか?
貿易も直接投資も各年毎の全世界連結決算なら、常に一定でゼロにしかなり得ませんからね。


結局は、米国が対外債権を握るべく、投資資金を国内で「貨幣創造」によって生み出し、これを海外市場の株や債券に多額に投資して利益を奪うと共に、経常収支赤字を穴埋めするべく外国からのファイナンスをやってきたわけだ。その債務の積み上がったのが、全世界中の外貨準備高のドル建部分になっている、ということでしょうね。
しかも海外からの借金の利払いをなるべく軽減しようと、低金利調達を心がけており、それが為替レートの支配米国だけに有利な資金調達となっている、ということである。


今世紀に入って以降の、米国の異常な緩和策の連発により、全世界の経済上の歪みが度々顕在化しているものとしか見えない。
それは、必ず「イカサマ」的要素がどこかに存在している、ということだ。


参考:

2013年10月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/0bf8e08970c02a347fdd35eab731f22f

2016-06-14

日銀・金融研所長に白塚重典氏就任記念〜やっぱりアベノミクス批判

たまたま目が留まりましたので。

http://www.asahi.com/business/reuters/CRBKCN0YZ03E.html


どのような方か全く存知あげませんが、ご芳名だけは目にしたことがあり、この度初めて経歴を知りました。

かつて、翁―岩田論争が有名になりましたが、翁氏は金融研所長を務めておられましたよね。その同じポストに就くということで、時が経つのははやいものでした。

ブログを書くまで全く知らなかった世界でしたが、覚えやすい名前だったことと日銀のペーパーではよく見る名前でしたので、全く知らない方であるのに、何故か記憶に残る人物となったわけです。


拙ブログでは、お恥ずかしい限りですけれども、例えば以下のような記事を書いていたりしました。

10年7月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/e59b70c02bba1e12b7f15a0cea4180e1


他にもありますが、とりあえず(笑)。
これからも、研究、理論面で、是非とも頑張っていただき、日本経済の立て直しの為に役立てて行って欲しいと切に願っております。


さて、ここから本題に入りたいと思います。


http://www.nikkansports.com/general/news/1661772.html


安倍政権経済政策アベノミクスが始まった2013年から大手企業と中小企業の業績格差が急拡大し、経常利益の合計額の差は15年に19兆円と過去最大になったことが11日、大手シンクタンクの試算で分かった。12年の差は10兆円だったが、大手の利益の増加率は中小を大きく上回っており、15年の差は2倍近くに膨らんだ。売上高合計も大手が12年より増加した一方、中小は減少し、勢いの違いが鮮明だ。

 大規模金融緩和による円安で輸出中心の大手は収益が伸びたが、中小は原材料の輸入コスト増が重荷となった。政権が進めた法人税の実効税率引き下げや投資減税は、黒字で投資余力がある大手への恩恵が大きかった。

 14年の消費税増税も、国内事業が主力の中小はより深刻な打撃を受けた。政権は大手の好調さを中小に波及させるとしているが、現状の大きな業績格差を縮めていくのは容易ではなさそうだ。

 シンクタンクの三菱UFJリサーチ&コンサルティングが、財務省の法人企業統計を基に試算した。大手は資本金10億円以上の約5千社、中小は1000万円以上1億円未満の約100万社が対象。

 15年の経常利益合計は、中小が12年比で30・2%増の20兆7000億円となったが、大手は53・3%増の39兆7000億円と大きく引き離した。双方の利益の差は、12年の10兆円から13年には18兆3000億円に急増。15年は比較可能な1960年以降で最大となった。

 売上高合計も、大手が12年比1・4%増の557兆円だったのに対し、中小は1・3%減の504兆円にとどまった。売上高に対する経常利益の割合は大手が7・1%、中小は4・1%で、その差も過去最大だった。

 今年に入り円高が進み、大手の業績にも陰りが出ている。三菱UFJリサーチの小林真一郎主任研究員は「大手の好調さが波及しないまま、中小の業績が失速する恐れがある」と指摘する。

 地域経済を支える中小の収益が伸び悩めば、賃上げが広がらず地方の景気回復も遅れる恐れがある。参院選では人材確保や生産性向上などで中小を支援する方策も重要な論点になりそうだ。(共同)


=======


日本の経済に関係する方々というのは、本当に物事をよく見てないのか、考えてないのか、何かと後手後手になることが多いようなのです。
そうなるから、気を付けろよ、と警告しておいたのに、どうしてよく考えておかないのでしょうか。病状が悪化してから気付く、というのは、平凡であり、当たり前のこと。そうなる前から、対策をしておくとか、悪化させないような手を打つ、ということが、日本では全くできず、そのような思考も慎重さも欠如しているのは、どうしてなのでしょうか?

専門でやっている方々が大勢いるのに、ワケが分かりません。


13年7月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/0495804169d616e3f98f2a9607a795cb

開始早々から、そんなことは予想できていたじゃないですか。3年前から言っておいたでしょ?


何度も言うけど。再掲も何回もしてるけど。

13年3月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/d5610ce97d98926d193a365c697ad56f

(再掲)


円安になったからといって、電機、自動車、金属・機械などの主力で輸出が伸びていない(むしろ減ってる、笑)ので、円安で輸入コストが大幅増となってしまうことの不利益の方が、今のところは圧倒的に痛いということになるだろう。
EU経済問題とか不調によって、日本からの輸出が減少しているんだ、という見方もあるだろうけれども、それなら円安になっても輸出が増加するということにはならない(=世界需要の減退によって日本製品の売れ行きが左右されるということになり、為替要因はあまり関係ない、という見方となる)。その場合、輸入コストだけが増加するだけなので、日本には打撃となるだけである。
自動車、電機、金属・機械のクリーンナップが円安になったからとて、本当に輸出増加を達成し稼げるようになるのか、というのは若干の疑問がある。需要が消失してしまえば、リーマンショック後のような状態に陥るだけなので、例えば中国経済が大幅減速などという傾向が顕著になれば、やっぱり「円安なのに稼げない」というところに落ち着くだけだろう。せいぜいコスト率の若干の改善に寄与するかもしれないが、大した効果は得られない可能性もある。

すなわち円安を意図的にもたらすことで、わざわざ交易条件悪化に拍車をかけているだけ、ということになる。実際、03年までの貿易収支の姿というのは、輸出量が今ほど多くはなかったにも関わらず、交易条件は現在ほど悪化していなかった。

 (中略)

例えば、輸出企業がデフレ継続を後押しするかのように輸出物価の下落を招き、輸入商社などにおいては原油等の意図的な高い輸入価格としてきた、というようなことである。それら利益は、主にグローバル企業群へともたらされたであろう、ということが推測されるのである。
今後、輸出物価が改善せず交易条件悪化が続く、或いは円の恩恵を受けた企業群が思ったほど稼げず、単に「商品力」で競争に負ける(日本製品への需要がない)といったことならば、円安自体が日本国民への大打撃となる、ということは肝に銘じるべきであろう。
そういう意味においても、アベノミクスは両刃の剣である。


========


なので、金融政策をいくら頑張ってみても、金融政策は「万能薬ではない」(by日銀理論)ということに尽きるわけですわ。
で、効果のほどはどうだったか、考えてみたことがあります。
日銀が銀行と国債を競合して買う、という点から言えば、効果はその後も発揮されており、遂にはメガバンクが機械的な投資スタイルを回避しようかな(例のMUFGPD返上?噂話)、という所にまで来たわけです。


13年8月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/f6275b926509976c5c424f489d342fb2


ですので、本来なら、政府国会が「次のエンジン点火」を担うべきところ、無能で役に立たなかったということです。
しかも、何故失敗したのか、という反省が皆無なのです。「りふれは」なども同じ。アベノミクス大賛成しか言えない、データも満足に読めない煽動者しかいなかった、ということです。


資本のコストが例外的に低下し、「利潤」ばかりが独占的に奪われてしまった結果、賃金には波及が乏しかった、ということです。それを変えさせることができるのは、「政策」なんですよ。

更に、金融政策効果が出たとしても、これをマスクするような消費税増税ショックがあった為、効果の判定が困難になってしまいました。
かつて、これに似た状態に陥ったのを忘れたのですか?

2000年代前半、ゼロ金利解除の失敗を受けて、量的緩和を30兆円超まで引き上げたわけですが、当時平行で行われた「政策デフレ」(=地方圧迫、診療報酬削減、グローバル化・オープン化進展、大企業優遇政策、非正規雇用拡大、労働市場流動化促進、等々、所謂「構造改革路線」だった)によって、収益源となるであろうエース級が自動車・電機・金属機械、等々にまさしく「選択と集中」によって、中央集権的な企業階層が出来上がってしまったわけだ。

その大きな反動を食らったのが、リーマンショックであり、その後の停滞期だったわけである。
集中させたことが、かえってリスクを高めてしまった、ということだ。昔ほどは稼げないエース級の3本柱となってしまった。


しかし、アベノミクスの恩恵を最大限受けたのが、これら輸出系大企業であったわけで、それを支持したい勢力は例えば、金属労協に集中しているというわけである。何たって、TPPも推進しろ、という政治勢力だからね。自分たちの懐具合だけが大事で、日本は二の次、という発想なのでしょうか。それとも、ほんの一握りの組合幹部の連中が、そうしたグローバリスト達だというだけなのでしょうか?


ま、円安で投資利益が多くなる人と、逆に損が増える人がいるから、意見が対立するのは止むを得ない面があるが、己のみが大事で、他の連中は沈んでもいい、というような発想が蔓延した結果が、今の日本経済なんだということは、自覚した方がよいだろう。


せめて、若者たちに、マイカー持たせて、家族や友達と一緒に出かけたり、楽しい時間を過ごせるように、そういう社会を残してやりたいとは思いませんか?それは、過剰な贅沢なのか?


その為に、するべきこと、これをよくお考え下さい。目先の欲望や小さな利益の為にではありません。
日本国民の為、です。
将来に渡る子々孫々も含めて、です。

2016-06-09

日本国憲法と第9条に関する論点整理〜12

いよいよ本丸の「戦争法」と呼び声の高い、新法を見てみよう。

まず、法律名が長く、法令検索用の略称を知らない(笑)。

国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律

である。
拙ブログとしては、例えば「外国軍隊協力法」(マジメ調)とか「外国軍隊下請法」と呼ぶに相応しいように思える。端的に言えば、軍事会社的な役割を自衛隊がやれ、ということである。以下では便宜的に前者を略称として用いるものとする。


1)『国際平和共同対処事態』とは何か?

本法1条に定義される。

国際社会の平和及び安全を脅かす事態であって、その脅威を除去するために国際社会国際連合憲章の目的に従い共同して対処する活動を行い、かつ、我が国が国際社会の一員としてこれに主体的かつ積極的に寄与する必要があるもの

条件は、

国際平和と安全を脅かす事態
・加盟国が共同対処活動を行う
・日本が参入する必要があるもの

日本語の意味合いがそのまま外国に説明が通用するかどうかが不明なのであるが、過去のPKO法の検討などでは、「参加」と「協力」は憲法解釈上で異なる、といった議論政府答弁)があったやに記憶しており、ここでは言葉の選択が分からないので、とりあえず「参入する」としておく。

政府は具体的な答弁を避けているが、どんな事態かと言えば、平たく言えば、「イスラム国みたいな事態」ということである。


安保理決議2178(2014年9月24日)>http://www.unic.or.jp/files/s_res_2178.pdf

長々書かれているが、国際社会の安全と平和を脅かすこと、国際社会が共同して対処するべきこと、「国連憲章7章に基づいて行動して(P4)」と宣言されていること、等が示されている。
政府が「イスラム国問題は、国際平和共同対処事態です」と宣言してしまえば、条件に照らして「明白に違う」ということは難しい。政府の見解は、一見して違法であることが明白でなければ、そうそう簡単に否定できないらしいので。


2)具体的に何を行うのか?

大まかに言うと(3条1項2号及び3号)、

・協力支援活動(物品、役務の提供)
・捜索救助活動(戦闘参加者の捜索、救助)
・船舶検査活動


である。

船舶検査は、以前に他の法律により実施が可能になった部分があった。今回は、本法により更に拡張したのが、上の2つということになる。


3)誰に協力するのか?

『諸外国の軍隊等』(3条1項1号)=「外国の軍隊その他これに類する組織」である

その他類する組織、というのがクセもので、例えば米軍が雇った民間軍事会社の兵隊とか、何処かの国が雇った傭兵部隊や外人部隊とか、CIAの現地活動部隊とか、そういうのも全部含まれるだろう、と思われる。
除外規定にあるのは、PKOの地域にいる国連軍日米安保条約の発動に関連して活動する米軍、であろう(まだ条文で確認してないが)。


外国軍隊協力法に基づく行動が許される条件というのは、1)に掲げた他に、国連総会安保理の権威付けが必要となっている。その条件が2つある。

・イの 活動の「決定」「要請」「勧告」「認める」決議の存在
・ロの 平和への脅威か破壊の認識を示す+取組を求める決議の存在


特に問題なのは、ロの条件であり、安保理で不一致を見ることがあるけれども、具体的な軍事行動の中身を決定することをせずに、例えば「シリアでの民間人攻撃は平和への脅威であり、破壊だ、故に、人々の命を守り、国際平和維持の為にも何か手を打とう!」といったような取組を求める決議というのは、割と出やすいのである(過去にも類似の決議はいくつも出された)。
従って、当該国の活動について国連のauthorizeが欠けていてもよい(国際法に基づく正当性が確保されていなくてもよい)、ということになっているわけである。


4)行動の実施手続きはどうなっているか?

ヾ靄楫弉茲閣議決定
国会報告・承認(各議院7日以内)
8饗2年間は国会承認を必要としない(変更の場合のみ)
2年超の場合には再度国会承認必要
ナ腸饕罎肋そ幻30日以内に延長の承認を得


原則的は、大体14日以内に実施が決定される、ということになる。
問題は、開始後2年間は実施を止める有効な手段がない、ということである。もし内閣が自ら基本計画の変更をしない場合には、国会が打てる手というのが内閣不信任しかない、ということである。衆院解散などがあると、更に停止期日は遅れることとなる。
まさに、「走り出したら止められない」ということである。


5)他の問題点は何か?

悪用可能なのは、次の条文である。

○第十三条 防衛大臣は、前章の規定による措置のみによっては対応措置を十分に実施することができないと認めるときは、関係行政機関の長の協力を得て、物品の譲渡若しくは貸付け又は役務の提供について国以外の者に協力を依頼することができる。

2 政府は、前項の規定により協力を依頼された国以外の者に対し適正な対価を支払うとともに、その者が当該協力により損失を受けた場合には、その損失に関し、必要な財政上の措置を講ずるものとする。



「国以外の者」というのが曖昧で、早い話が、戦争屋、軍事屋さん、ということが十分にある。
現地での物品(武器弾薬、その他物資)調達は、日本での流通系というのと同じというわけにはいかない。運搬手段もそうだし、ヘリの部品だの戦車の車軸だのエンジンパーツだの、どこから調達するか、というのを、そう簡単には防衛省が管理できないだろう。誰がどうやって運ぶのか?
そういう問題も含めて、調達計画は「戦争のプロ」という方々を雇って(まさしく戦争コンサルだな)、実施するという目論見があるだろう、ということ。物品の提供って、外国軍が装備する兵器が日本国内と同条件であるはずもなく、当然軍需会社(製造だけでなく流通販売の仲介業者)に話をつけなければならないだろう。

燃料、食糧調達にしたって、簡単にはいかない。それらの雑務を自衛隊がやれ、ということできる法律なのだ、ということ。そして、その際には、兵器ブローカーらの、戦争屋たちに手数料を払うという、システムに加担することになるのだよ。


6)大義名分と現実は全く違う

協力支援活動は、「武力の行使」でいう武力攻撃以外の部分と共通である。交戦紛争当事)国と同等の立場になることを意味する。
また、捜索救助活動とは聞こえがいいが、実質的には哨戒、偵察、索敵行為、というのと同じである。
「今、何をしているのですか?」
「はい、戦闘で負傷した将兵を探し出して、救助する予定です」
と答えようとも、現実に行う行為は索敵に他ならないわけである。救助する兵士を探している途上で、偶然敵の部隊を発見し通報しました、って形式的には言うかもしれないが、事実上の戦争行為なのだ。

同じく、船舶検査活動という名の、臨検である。
海上を警戒しておりました、不審な船舶が通過しないか見ていただけです、という大義名分で、現実には紛争当事国(者)の関与する船舶を発見し、物流を止めろということですので。
発表自体は、「凶悪なテロリストが船で化学兵器核兵器を運んでいた、とんでもない!」って言うけど、そんなことは米軍なら毎日やってることである。けど、米軍側にいる人間は正義、米軍対立する側にいる人間は「テロリスト」と称して、「敵の兵器は没収する」のだよ。何故なら、軍需産業界のブローカー達への挑戦だからだ。
麻薬抗争と全く同じ。
販路を侵すギャングは、もっと大きなボスが率いるマフィアに潰される、みたいなものだ。縄張りを荒らすような、麻薬売買は許されないのさ。大ボスの許しを得てから密売しろ、と。


7)憲法上、どうなるのか?


3条(第2項及び3項)の行為が具体的にどういうものか、別表の中身を以下に示す。


協力支援活動(別表1)

補給:給水、給油、食事の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供

・輸送:人員及び物品の輸送、輸送用資材の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供

・修理及び整備:修理及び整備、修理及び整備用機器並びに部品及び構成品の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供

医療:傷病者に対する医療、衛生機具の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供

通信通信設備の利用、通信機器の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供

・空港及び港湾業務:航空機離発着及び船舶の出入港に対する支援、積卸作業並びにこれらに類する物品及び役務の提供

・基地業務:廃棄物の収集及び処理、給電並びにこれらに類する物品及び役務の提供

宿泊宿泊設備の利用、寝具の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供

・保管:倉庫における一時保管、保管容器の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供

・施設の利用:土地又は建物の一時的な利用並びにこれらに類する物品及び役務の提供

・訓練業務:訓練に必要な指導員の派遣、訓練用器材の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供

・建設:建築物の建設、建設機械及び建設資材の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供

 備考 物品の提供には、武器の提供を含まないものとする。



前の記事の例で説明しよう。
(再掲)

例えば、イラク領内に「イスラム軍事攻撃団」がいるとしよう。
これが我が国の存立危機事態であると宣言する。湾岸地域が危なくなれば、それで我が国が倒れてしまう、と。よって、米軍、豪州軍、韓国軍日本軍自衛隊などと呼ばず軍でいい。それが安倍自民の悲願なのだから)が有志連合となり、イラクを救いに行くぞ、となる。イラクは救援を頼み、同意した、と(さしずめ米国桃太郎、日本はキジで、残りが豪韓が犬猿となろうか)。

そこで、米国を中心とする有志連合軍は、安保理に「イラク領内の平和を守り、各国が行動をすることを求める決議」案を提出、これは可決される。具体的にどのような行動を実施するかは、これから決めればよいだけなので、とりあえず「行動しよう」と宣言する為の形づくりの決議さえあればよいからだ。

で、決議があるから、米軍イラクへ攻め込む。
日本軍は、地域制限がないのでイラクでもOK、安全と平和に資する活動だからOK、という解釈で押し通すわけだ。これはあくまで「我が国の安全と平和の確保の活動」なのであり、有志連合軍に協力するべきだ、と。
イラク領内での戦闘には直接参加しないが、基地や米軍の配備している兵器を守備する為、基地を襲撃しに来る悪の組織たる「イスラム軍事攻撃団」を排除するべく、日本軍が戦う、というストーリーになっているわけだ。そして、基地運営経費や補給物資関係は、日本軍が「自ら負担します」ということが合法的に認められているので、戦費も出すということになるわけである。航空機の整備も勿論全部日本軍がやることになっているのである(国際法上でいう、中立国を超えるもので、戦争への加担と見做されるのと同等である。広く言えば、交戦権で規律される範囲の諸権利が含まれる)。



外国軍隊協力法によれば、イラクの同意があるので、イラクのある領域に、普天間基地みたいなのを、現地に作るということだ。

・即席の空軍基地を建設
・付随する軍事基地を建設
・付随するレーダー基地+通信設備設置
・兵舎建設、管理
・民生部分も担当
・武器、弾薬、燃料調達
航空機整備全部(機材、部品等)
イラク人の警備兵を雇用し武器装備一式支給、訓練+賃金支払
イラク政府に土地の賃借料支払

これらを全部、日本の金を巻き上げて(税金で)やる、自衛隊を使って実現させる、ということに他ならない。
日本が国際社会に協力すべき、という見せかけに基づき、実質は、戦争ビジネスに加担するということだ。通信設備は日本企業のものでもよい、レーダーもいいよ、だけどイラク兵に配給する武器装備一式は米軍方式にしろよ(=米軍需産業への上納金と同じ)、ということだ。

まさに、戦争を長期間遂行しやすいように、ベースを作っているということである。ベースは基礎という面と、基地という面の両方と言えよう。


日本と自衛隊は、戦争ビジネスの歯車にガッチリ組み込まれ、下働き専門要員として差し出すことを実現したのが、この法律である。


従って、

・協力支援活動は、紛争当事者の一方にのみ特別の利益供与にあたる
・「武力の行使」に該当する行為(基地業務、兵站一般、整備業務等)
・基地や保管する外国軍隊の武器防護は、交戦者への敵対行為


これらは、日本が紛争当事国となり、軍事紛争への介入である。しかも、日本への直接の武力攻撃が発生していないにも関わらず実施される行為であることから、一般にいう個別的自衛権行使ではない。


憲法交戦権を有しない日本が、軍事紛争に際して、自衛(力)の範囲を超えて「武力の行使」を実行することは、憲法9条に違反する。

唯一例外的に認められていると解されるのが、急迫不正の侵害に対する自衛としての「武力の行使」であって、日本が侵害を受けていないのにこれを行うことは許されない。
また、緊急に防衛する必要があって自衛力を行使するのであって、他国領域(周辺地域の限定も何ら存在せず)において、行為の期間が2年にも及ぶ長期となるのは、やむを得ない状況であるとか他の取り得る手段がないということは、殆ど想定できない。


日本が憲法上で例外的に許容される「武力の行使」はあくまで臨時の措置であって、国連が正式な対処や必要な措置を取るまでの間、暫間的に自衛権行使に至るものである。
年単位以上の長期、ましてや2年以上の更なる延長期間に渡る行為は、例えば正当防衛緊急避難において想定されているものとは考えられず、軍事紛争に自ら進んで介入するのと同じで、違法な「武力の行使」である。


いくら大事な友人であるとして、友人宅の庭先に2年とかテントを張って泊り込み、毎日警護してました、襲撃している悪者に猟銃を撃って撃退していました、という行為を、本当に正当防衛とか緊急避難を言えるのか、というようなことである。



捜索救助活動(別表2)は長くなったので、省略。協力支援活動と大差ない。論点もほぼ同じですので。


時間があまりなかったので、とりあえず。

2016-06-08

日本国憲法と第9条に関する論点整理〜11

少し間が空きましたが、再開したいと思います。
これからは、昨年の法改正が一体全体どういうものであったのか、という点について、見ることにします。


まず、基本的な部分で分かり易い、自衛隊法改正から見ることにする。


自衛隊法は、自衛隊の性格を規定する根拠法であり、戦力に該当するかどうかの判断基準の一部をなしているものである。
昨年改正点について、重要部分を旧法と新法の対比で示す。



【旧法】

第三条  自衛隊は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当たるものとする。

2  自衛隊は、前項に規定するもののほか、同項の主たる任務の遂行に支障を生じない限度において、かつ、武力による威嚇又は武力の行使に当たらない範囲において、次に掲げる活動であつて、別に法律で定めるところにより自衛隊が実施することとされるものを行うことを任務とする。
一  我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態に対応して行う我が国の平和及び安全の確保に資する活動
二  国際連合を中心とした国際平和のための取組への寄与その他の国際協力の推進を通じて我が国を含む国際社会の平和及び安全の維持に資する活動

3  陸上自衛隊は主として陸において、海上自衛隊は主として海において、航空自衛隊は主として空においてそれぞれ行動することを任務とする。



【新法】

第三条  自衛隊は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当たるものとする。

2  自衛隊は、前項に規定するもののほか、同項の主たる任務の遂行に支障を生じない限度において、かつ、武力による威嚇又は武力の行使に当たらない範囲において、次に掲げる活動であつて、別に法律で定めるところにより自衛隊が実施することとされるものを行うことを任務とする。
一  我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態に対応して行う我が国の平和及び安全の確保に資する活動
二  国際連合を中心とした国際平和のための取組への寄与その他の国際協力の推進を通じて我が国を含む国際社会の平和及び安全の維持に資する活動

3  陸上自衛隊は主として陸において、海上自衛隊は主として海において、航空自衛隊は主として空においてそれぞれ行動することを任務とする。



分かり難いかもしれませんが、赤字部分が削除されたものである。
変更点はどのような目的によるものか?
簡単に言えば、制限を解除しているものである。その制限とは何か?次の2点である。


 a)侵略に対する防衛力という限定
 
 b)我が国周辺という地域の限定


第一項の変更は、自衛隊が「武力の行使」に該当する行為(例えば武力攻撃)を許される唯一の事態が「侵略」=相手からの攻撃だったものを、侵略がないにも関わらず武力攻撃を可能とする性格の組織へと変えたものだ。
第二項第1号の変更は、活動する地域の制限を除去したものである。


このような制限の解除を必要とする明確な理由について、内閣は何ら具体的説明をすることもなく、それがあることによる弊害なり現実の不都合があるという立論すらないままであった。
この変更は憲法上、問題を生じないのか?
従来からの法解釈論では、到底許されないというのが、法学者や元内閣法制局官僚裁判官らの批判だった。


本シリーズ10までの整理としては、9条解釈論において、自衛隊が例外的に「武力の行使」が可能なのは、あくまで侵害から自己(自国)を防衛する為ということであった。3条1項はそれを実行可能にする法令である。
これを、直接・間接侵略の限定条件を除外するということは、侵略がないにも関わらず「我が国の防衛」を発動してもよい、ということを意味する。「我が国の防衛」とは、これまで述べてきた通り、自衛力self-defense forceを行使する(=実質的に武力の行使)、ということに他ならないのである。


自衛隊法ではできなかったことを今後やろうとするからこそ、法改正を実施したわけである。それは、前述した制限の範囲を超えた部分にあることは明らかである。制限を除外せずとも可能であったなら、そもそも法改正の必要性が生じない。

よって、本質部分はa)とb)にあるのであり、
・「侵略」がないにも関わらず「わが国の防衛」を可能にすること
・「我が国周辺の地域」ではないにも関わらず、活動できるようにすること
である。

しかも、PKO活動では周辺ではない地域にまで派遣されており、その活動ではまだ足りず、もっと別な活動内容を実行したいと考えているようである。


具体例で示そう。
例えば、イラク領内に「イスラム軍事攻撃団」がいるとしよう。
これが我が国の存立危機事態であると宣言する。湾岸地域が危なくなれば、それで我が国が倒れてしまう、と。よって、米軍、豪州軍、韓国軍日本軍自衛隊などと呼ばず軍でいい。それが安倍自民の悲願なのだから)が有志連合となり、イラクを救いに行くぞ、となる。イラクは救援を頼み、同意した、と(さしずめ米国桃太郎、日本はキジで、残りが豪韓が犬猿となろうか)。

そこで、米国を中心とする有志連合軍は、安保理に「イラク領内の平和を守り、各国が行動をすることを求める決議」案を提出、これは可決される。具体的にどのような行動を実施するかは、これから決めればよいだけなので、とりあえず「行動しよう」と宣言する為の形づくりの決議さえあればよいからだ。


で、決議があるから、米軍イラクへ攻め込む。
日本軍は、地域制限がないのでイラクでもOK、安全と平和に資する活動だからOK、という解釈で押し通すわけだ。これはあくまで「我が国の安全と平和の確保の活動」なのであり、有志連合軍に協力するべきだ、と。
イラク領内での戦闘には直接参加しないが、基地や米軍の配備している兵器を守備する為、基地を襲撃しに来る悪の組織たる「イスラム軍事攻撃団」を排除するべく、日本軍が戦う、というストーリーになっているわけだ。そして、基地運営経費や補給物資関係は、日本軍が「自ら負担します」ということが合法的に認められているので、戦費も出すということになるわけである。航空機の整備も勿論全部日本軍がやることになっているのである(国際法上でいう、中立国を超えるもので、戦争への加担と見做されるのと同等である。広く言えば、交戦権で規律される範囲の諸権利が含まれる)。


これらを可能にする法律群が戦争関連法だったのであり、自衛隊法改正はその一部を担っているものである。これら想定は、全て憲法違反と考えられる行為である。

(※国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律  法律第七十七号(平二七・九・三〇)に関する議論は次回に述べる。この具体例は、その際にも用いる為のものである)




戦力の定義を再掲しよう。
次の,鯔たし、同時に△泙燭廊も満たすもの、ということだった。

’弾テロ防止条約4条にいう『Military forces of a State』に該当するもの
軍事的紛争解決乃至介入手段として意図した、或いはそれらを目的とした組織
自衛力self-defense force(s)の限度を超越するもの



軍事的紛争のウ)(破壊活動を伴う敵対状態)に該当するものが上記例であり、この「介入手段として意図した組織」は戦力と見做さざるを得ず、すなわち憲法9条違反(戦力の不保持違反)となる。自衛隊法改正は、「介入を合法化する為のもの」を目的としているのであるから、違法であると考える。侵略がないのに、「我が国の防衛」=武力の行使(基地業務、整備、補給業務等を当然含む)を可能とすることも同じく、自衛権発動要件(ウェブスター米国務長官の3条件)を満たさず、国連憲章にも反する。


また、「自衛力の限度」であるが、これは害敵手段の効果以外に、地理的範囲は条件として考慮の対象となってきたものであるから、果たして「自衛力」というのが「我が国周辺の地域」を大きく離れて作用するのが当然と言えるのかどうか、という問題が生じる。1万km離れた地点から攻撃してくる敵に対して自衛隊を活動させるのか、或いは周辺地域乃至極東地域ではない遠くの場所で生じた軍事的紛争に対し、日本の自衛力行使が正当と言えるのかどうか、というような問題である。


自衛隊法3条の改正は、

自衛隊を「戦力」にしてしまう(戦力の定義△膨饋─
・「侵略」の制限除去は、自衛力行使の要件を満たさない
・地域制限の除去は、自衛力の制限を超える可能性大(=戦力)

となり、憲法9条に違反し、違憲立法であると考える。