わが人生最高の10冊(「週刊現代9/7号」より)

山本直樹(漫画家) 
 オタクの特性をウィントゲンシュタインに学ぶ
山本直樹さんのベスト10冊
1位 『探求(1)』

探究(1) (講談社学術文庫)

探究(1) (講談社学術文庫)

「教える-学ぶ」関係においては教わるほうが優位にあるなど、他者との関係を考察。「人間についてのすべてが書かれている」
既読
2位 『脱走と追跡のサンバ公園で女と貸しボートに乗った「おれ」は尾行者を振り切ろうと妄想世界に侵入する。SFの先端をいく筒井の初期傑作長編。
3位 『唐組 状況劇場全記録』
唐組―写真集karagumi

唐組―写真集karagumi

64〜82年の公演写真集。撮影はほそえ英公ほか。「面白い芝居は写真でも様になる。どの役者のテンションも尋常じゃない」
4位 『みずから我が涙をぬぐいたまう日』
みずから我が涙をぬぐいたまう日 (講談社文芸文庫)

みずから我が涙をぬぐいたまう日 (講談社文芸文庫)

70年の三島由紀夫の割腹事件に衝撃を受け書かれた中編作。「読みづらいが惹きつけられる」
既読
5位 『論理哲学論考
論理哲学論考 (岩波文庫)

論理哲学論考 (岩波文庫)

アフォリズム(警句)の切れ味がいい。親の遺産をすべて放棄する、人生そのものも面白い」
既読
6位 『ポーの一族』(全3巻)
ポーの一族 (1) (小学館文庫)

ポーの一族 (1) (小学館文庫)

少年として生き続けるバンパイアの物語。大学生のとき読み、マンガの可能性に驚かされた」
既読
7位 『パラレル狂室』
パラレル狂室 (奇想天外コミックス)

パラレル狂室 (奇想天外コミックス)

奔放なSFにしてエッチなマンガ短編集「吾妻さんの作品は小学5年生から読んでいました」
8位 『スローターハウス5
スローターハウス5

スローターハウス5

入れ子構造になっていて、悲しいし面白い。ジョージ・ロイ・ヒル監督の映画版もオススメ」
9位 『バナナブレッドのプディング
バナナブレッドのプディング (白泉社文庫)

バナナブレッドのプディング (白泉社文庫)

「少女マンガらしいエンディングにやられました。大島弓子で1冊といえばコレでしょう!」
10位 『東京ミキサー計画』(書影なし)
生真面目に不真面目。60年代の前衛芸術家たちの活動記録。「青春小説の感覚で読める」
最近読んだ1冊:『数論への招待』
数論への招待 (シュプリンガー数学クラブ)

数論への招待 (シュプリンガー数学クラブ)

「3辺の比が3:4:5の三角形の一角は直角、7:5:3だと120度になるという ツカミがいい。数学の考えを説いた本が好きで、本屋に行くと真っ先に科学読み物の棚に向かいます。一読ではわからないから、トイレに置いて何回も読む」